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No.28096の一覧
[0] 【ネタ・十二国記・完結】仁?何それ美味しいの? 【その他板に移動】[GAP](2011/06/10 09:32)
[1] 仁?何それ美味しいの? 第二話[GAP](2011/06/04 11:13)
[2] 仁?何それ美味しいの? 第三話[GAP](2011/06/03 09:55)
[3] 仁?何それ美味しいの? 第四話[GAP](2011/06/06 14:42)
[4] 仁?何それ美味しいの? 第五話[GAP](2011/06/06 14:42)
[5] 仁?何それ美味しいの? 第六話 エンディング×3[GAP](2011/06/07 23:11)
[6] 仁?何それ美味しいの? IFルート1 ちょっと修正[GAP](2011/06/08 22:04)
[7] 仁?何それ美味しいの? IFルート2[GAP](2011/06/09 11:14)
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[28096] 仁?何それ美味しいの? IFルート2
Name: GAP◆773ede7b ID:b5aa4df9 前を表示する
Date: 2011/06/09 11:14
 仁?何それ美味しいの? IFルート2




 現在、功主従は



 「ふはははははははっ!!他愛ないなぁ!」
 『■■■■――!』

 「ぶぎゃぁ!?」
 「ひげぇあ!?」

 
 
 柳国内にて賊を討伐中です。






 始まりは即位直後、拳王が天綱の存在を知った時だった。

 『他国へ侵攻すれば王は失道する。』

 遵帝の故事からも解る通り、天綱は油断がならないのだ。

 『では、あくまでその国の者に兵を貸し与える形にすれば良い。』

 憤懣やる方ないといった拳王に、赤麒はそう進言した。
 幸いにも近年、延王が慶王にその兵を貸して偽王を討伐した事はよく知られている。
 蓬山との綿密な協議は必要だが、一先ず方針は決定した。
 
 雲海から蓬山に生き、協議と騒乱と破壊を積み重ねて一カ月。
 蓬山と黄海に壊滅的な被害を出しつつも(二人と一頭のガチバトルと狩猟による)、幾つかの規約を設けて例外措置が決まった。
「失道した王には兵を貸さない」、「虐殺や略奪目的で兵は貸さない」、「必ず雇用期間を限定する」などの項目が設置された。
 で、朝が機能している国で妖魔や賊の討伐に困っている国にへ、即座に営業が開始した。
 そして、第一回が王様が政治へと関心を無くして不安定になっている柳国となった。
 
 しかし、そうそう早く傭兵向けに訓練した部隊を送り出す事はできない。
 そのため、最初は護衛などの任務ではなく妖魔や賊の拠点への襲撃となった。
 妖魔に関しては妖魔専門の部隊が国内で引っ張りダコなので無理。対賊にしても迅速に動ける部隊はいなかった。
 そこで
 
 「ならば我直々に賊共を討ってくれよう…赤麒!」
 『御前に。』

 で、周囲の静止も豪快に無視し、功主従は柳国目指して空を駆けていった。




 で、冒頭に戻る。

 「ひぎゃぅ!」
 「ぷげらァァッ!?」
 「ふはははははははははははははははッ!!」
 『■■■■――ッ!!』

 200を優に超える賊がひしめき合う廃棄された古い砦。
 そこでは一頭と一人によるワンサイドゲームが繰り広げられていた。

 槍が矛が斧が剣が弩が盾が鞭が360度から放たれ続ける中、拳王は人の海の中を行く。
嘗て黒王号の背に跨った時と同じく、赤麒の背の上で攻撃のみに専念する。
拳王の攻めは全て拳により繰り出される。肉は弾け、骨は粉砕、鎧は吹っ飛ぶ。
 おおよそ妖魔や一部の半獣くらいしか出せない様な威力の打撃を平然と行使する。
 しかもその拳は単純な力ではなく、幾星霜と積み重なった業によるものなのだ。
 賊は物量に任せて攻め立てるが、その攻撃は届かない当たらない。
 その全てを赤麒は見きり、回避し、時にはその巨大な足で踏み潰して前進する。
 かつて世紀末世界に存在した拳王の戦いがそこにあった。

 「こっちは大勢いるんだぞ!なんで当たらないんだ!?」

賊達は視界に入った瞬間、情報が届いた瞬間、逃げれば良かったのだ。
 何もかにもを捨て置いて、ただがむしゃらに逃げれば良かったのだ。
 そうすれば、1%にも満たない確立ではあるが、もしかしたら逃げ切れたのかもしれなかった。

 『■■■■――!!』

 逃走用の騎獣は赤麒の嘶きに怯えて竦み上がる。
 徒歩で逃げようとも正面の入口は一頭と一人のお陰で出る事は敵わない。
 だからこそ、賊の頭領は密かに脱出を開始した。

 (あんな化け物相手にできるか!逃げ切って新しい商売をした方が得だぜ。)

 人身売買や強盗殺人、略奪と一通りの悪事を全てこなしてきたこの男が今まで生き残ってこれたのは、一重にこうした危険に対する感覚だ。
頭領はあの主従を一目見て、どう足掻いてもこちらの戦力では敵わないと悟ったのだ。

 (幸い隠れ家には商売の元手にできるだけの額がある!足を洗って他国で商売すればあの連中も追ってこれない筈…!)

 今後の段取りを考えながら、暗い通路を走り続ける。
 その頭には今死地にいる元部下達の事など欠片も無い。あるのは畜生にも劣る欲しかない。
 だが、この男が好き勝手できるのも今日までだった。
 突然、男の正面に黒い影が立ち上がり、男を殴った。
 
 「ぶぐぇぇ!」

 不様な悲鳴を上げて壁に叩きつけられる男。
 しかし叩きつけられながらも、同時に懐の短剣を投擲していた辺り、意外にも侮れない。
 短剣で怯んだ隙に逃げるか殺すか。勿論、金銭でどうにかできる可能性もある。
 だが、自分を吹き飛ばしたモノの姿を見て、その考えは露と消えた。

 猿。全身を黒い毛並みに包んだ、筋骨隆々の猿。

 妖魔。その単語が頭に浮かんだ瞬間、男の意識は闇へと消えた。



 この砦が陥落するまで、一時間もかからなかった。






 
 拳王と赤麒。
 
 この主従の存在は後に「他に並ぶ者の無い境地にいる」、「十二国無双」という拳王の故事として長く語られ続ける事となる。







 
 うーん、世紀末



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