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No.28082の一覧
[0] 【チラ裏から】 魔法少女だらけの聖杯戦争[浅田湊](2012/04/06 10:16)
[1] 聖杯戦争開始前日[浅田湊](2011/09/17 01:57)
[2] 平穏なる買い物[浅田湊](2011/09/17 01:59)
[3] 高町 なのは登場[浅田湊](2011/09/17 02:00)
[4] 始まった戦争[浅田湊](2011/09/17 02:02)
[5] キャスター[浅田湊](2011/09/17 02:03)
[6] ライダーVSキャスター[浅田湊](2011/09/17 02:06)
[7] アサシンの強襲[浅田湊](2011/09/17 02:07)
[8] 誓いと協力と[浅田湊](2011/09/17 02:10)
[9] 番外編 没話 セイバーVSバーサーカー[浅田湊](2011/09/17 02:15)
[10] 二日目~三日目予告と全話編集のお知らせ[浅田湊](2011/09/11 15:01)
[11] 静か過ぎる始まる[浅田湊](2011/09/17 02:12)
[12] 策謀[浅田湊](2011/09/17 02:14)
[13] 立ちはだかるもの[浅田湊](2011/09/19 15:52)
[14] 虐殺と増援[浅田湊](2011/09/24 04:10)
[15] 動き始める事態[浅田湊](2011/10/21 01:48)
[16] 宝具破壊、そして……[浅田湊](2011/10/30 00:06)
[17] 連合と襲撃[浅田湊](2011/11/11 00:17)
[18] 災いと策謀[浅田湊](2011/12/20 01:21)
[19] 侵入[浅田湊](2012/01/01 15:52)
[20] ほむらの決断(そして、オマケ)[浅田湊](2012/01/17 01:15)
[21] ライダー覚醒[浅田湊](2012/04/06 03:03)
[22] 反抗[浅田湊](2012/04/08 14:37)
[23] 火力不足[浅田湊](2012/05/27 01:33)
[24] 人形師の敗北[浅田湊](2012/07/15 19:24)
[25] 希望[浅田湊](2012/09/11 00:42)
[26] サーヴァントステータス表 更新しました[浅田湊](2012/07/15 19:22)
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[28082] 災いと策謀
Name: 浅田湊◆03c015ee ID:711eb89e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/12/20 01:21
「マスター、提案があるのだけどいい?」

 アインツベルンの森、深い霧の中の城の一室でバーサーカーがイリヤにそう告げる。
 その手には一本の剣を持っており、それをイリアへと手渡すと真剣な顔付きでそれをイリアの手の中へと預けた。

「バーサーカー?この剣は何かしら?」

 身長の半分程もある剣を渡された所でバーサーカーの様に振り回すことは出来ない。
 戦略的に考えてもマスターである自身の動きを阻害しかねない逸品にイリアはバーサーカーの考えを疑ってしまう。
 そんなマスターに対してバーサーカーは七枚のカードの内、一枚を除くすべてのカードをイリアに預けるのだった。

「ちょっと、!バーサーカー!あなた、どういうつもり?これは貴方の宝具でしょ!なのに、なんで私に……」
「多分、私がライダーと戦っている間、マスターが無防備になる。特に私がこのカードを最大限で使うとなると、マスターからの魔力供給も必要になるからマスター自体の魔力量もどうなるか分からない。それに、そのカードは私が持っているよりもマスターが持っている方が安全だから」
「安全って!ちゃんと説明しなさいよ!バーサーカー!」

 すると、少し悩んだがバーサーカーは剣を指差してこう告げた。

「アスカロン――投影だからランクは落ちていても大抵の害悪や悪意かマスターを守ってくれる筈よ。そこでなら、私の宝具も安全……それに、もしも私が倒されても遠坂邸からアレを持ち出せる事が出来ればマスターにもまだ勝機はある」

 つまり、それは敗北する可能性も考えてのバーサーカーなりの答えだった。
 その答えに対して、イリアはそれを許さないと言いかけるがあのライダーは他のサーヴァントとは明らかに何かが違う。
 英霊では無く悪霊……それも、強力な悪霊を従える事が出来るレベルの化物なのだ。
 この聖杯戦争を成立させるにはライダーを倒さねばならない状況であるだけに勝たねばならない。
 聖杯を勝ち取る為には自身が倒れた先すらも何かしら策を練っておかなければならない……そんな不穏な気配がこの聖杯戦争内を支配していた。
 そんな中で、バーサーカーが考え出したのがイリヤへの宝具の譲渡である。
 だが、今はこの策がどのような方向へと聖杯戦争の流れを導くかはバーサーカー本人すらも気が付いていなかった。

「何か秘策はあるんでしょうね?あのライダーを倒せるだけの秘策が?」
「当然じゃない。私はマスターのサ―ヴァンとなんだから!」

 そう笑顔で答えると、バーサーカーはマスターであるイリアと共に城を出発し、ライダーの向かうであろう霊格の高い土地……柳洞寺を目指すのだった。









「やはり、ライダーが動いたか……僕としてはそっちは他のマスタに任せるのもアリだと思ってるんですけどね」

 藤乃の報告を聞くと、アサシンのマスターは急ごしらえで作製した人形の出来を確認しながらアサシンの方へと目を向ける。
 既に、マスターとしての権限は浅上藤乃に譲渡しており、今のアサシンとの関係は魔力ラインの繋がりしかない。
 だが、それで問題はなかった。
 いや、むしろソレの方が好都合とも言える。
 第四次の衛宮切継がとったように、マスターの誤認を起こす事が出来れば、取れる選択肢も増えるからだ。
 それに加えて、マスターでないのであれば、他の事に時間を割く事が出来る。
 あのランサーのマスター……恐らくこの戦いで何らかのアクションを取る筈のあの不可解なチームに対して何らかの牽制を行う必要もあるだけにそれは非常に重要でもあった。
 他にも、このライダーとの戦いでは宝具の開帳をする連中も現れると予想されるだけにこの局面での選択が今後の状況を左右するのは誰の目から見ても明らかだ。

「でも、私なんかがマスターなんて勤まるのでしょうか?」

 魔眼殺しの眼鏡をかけた藤乃は一画だけ欠けた右手の令呪に少し不安な表情を浮かべる。
 それに対してアサシンのマスターは確認し終えたある人形の入った鞄を排水溝の近くへと運ぶとそれをひっくり返しながら振り向かずに藤乃の問いに対してこう答えた。

「それは君しだいだと思うけど? それに、その魔眼殺しだって仮初でしかないんだ。君の魔眼は強力で魔眼殺しがいつまでもつか判らないからね……君自身が自分と見つめ合って自分なりの方法を探し出すというのが物事を解決する一番の近道という事さ」

「でも……それと、私がこの戦争に参加する理由に何の関係が……?」

「ないよ」

 アサシンのマスターは藤乃の問いにそう断言する
 そして、藤乃が何か言うよりも早くこう続けた

「確かに君が参加する理由はない。でも、君が自分の力と向き合うキッカケにはなると思うよ? 似たモノが集まるこの戦いを経験すれば、色々な出会いと別れがあるだろうし、君の力が誰かを救う事もあるだろう」

「私の力が誰かの為になる……?」

「まぁ、全ては君次第だよ。僕が君に何を言った所で君が答えを見つけない事には意味がない。僕が君に出来るのは君が答えを見つけられるように少しばかりの後押しする事だけだからね。まぁ、燈子さんの手前、君を殺させるようなマネはしないさ……あの人は怖いから」

 そう告げると近くに山積みにされていたブラウン管のスイッチが突然、オンになり、白黒の砂嵐が現れる。
 その映像は徐々に鮮明になり、気が付くと何かしらの映像に切り替わっていた。
 藤乃はそのブラウン管が映し出しているのは白黒の世界ではあるがパイプの中らしい事に気が付いた。
 パイプの中を高速で移動し、何かを探索している様子のソレ……
 それこそが、人形師の用意した手札の一枚だった。

「感度は良好……まぁ、色彩が欲しい所だけどこれだけの数を創るとなると妥協は必要かな? 燈子さんなら完璧な仕事をするんだろうけど、僕程度ではこの辺りが関の山だからね」

「あの、これって排水溝ですよね? 何の視野なんですか?」

 藤乃がアサシンのマスターに問いかけるとアサシンのマスターは頬を吊り上げながらこう答えた

「鼠の視界だよ。今は何の意味もないかもしれないが後々に意味が出て来る。僕らがしているのは戦争だから常に敵の先の先を読まなければならないからね……僕は一眠りする事にするよ……何か動きが在ったら起こしてくれないか?」

 それだけ、藤乃に告げるとアサシンのマスターはソファーに寝転がり、すぐに死んだように眠りについてしまう。
 残された藤乃はまだ完全に聖杯戦争というモノを理解していないだけに何をどうしていいのか分からず、呆然と立ち尽くしてしまうのだった。






「おい、ここで何するつもりなんだよ!」

 慎二が苛立ち交じりにライダーに大声でそう叫んだ。
 だが、ライダーは何一つ答える事はせず、どこからかあらわれた間桐臓顕に対して愉しげに笑いかけた。

「これで全て揃ったわ。状況も、材料も……それで、マスター?そっちも準備は完了しているのかしら?」

「この程度造作もないわ。まさか、こんな出来損ないにもそんなたいそうな役回りが出来るとわな……」

 臓顕とライダーのやり取りに状況が理解出来ない慎二はその場から逃げ出そうとする。
 だが、その時突然、胸に激痛が走った。
 心臓を抉られるような痛みは心臓に直接響いており、すぐにそれがあの石によるものだと気が付く。
 何かしらのオーラを発しながら、自身を侵食していくソレに慎二は泣きならライダーに縋り付いた。

「な、なんだよこれ! 聞いてないぞ、ライダー! どういうことだ! 説明しろ!」

 泣き叫んで助けを願う慎二を鼻で一蹴すると寺の敷地内に描かれた魔方陣へと慎二を引き摺りながら進んでいく。
 そして、その中心近くに慎二を投げ捨てるとソレを見下しながら最後の総仕上げに絶望に染め上げるために慎二に残酷な真実を突きつけた。

「簡単な話じゃない……貴方はこれから私が使う宝具を召喚する上での贄よ?貴方のお蔭でこの土地に多くの穢れを集める事が出来たの……だから、道具の最期の役回りを果たして貰おうと思って……アンタみたいなゴミのようなマスターでも少しは役に立ってくれた事だけは礼を言わせて貰おうかしら?」

「おい、何言ってるんだよ……ライダー!!」

「聞こえなかった? アンタみたいなゴミクズ以下の雑魚に私がペコペコ従うと思っていたのかしら? そうだとするなら本当に哀れね」

 慎二はライダーの言葉に何も言い返す事が出来なかった。
 そのかわりに、心臓の脈動と石の放つ黒い脈動がシンクロし、ゆっくりと慎二の中で蠢き始める。
 その様子に全ての準備が整った事を感じ取ったライダーは臓顕が用意した陣の中心に七支刀を突き刺した。


 すると、魔方陣を中心に辺りに黒い渦が巻き始め、慎二とライダーを包み込むかのようにゆっくりと繭のような形を取り始める。

「ほぉ、これは随分と禍々しい気を集めたもんじゃ……私の蟲達がしきりに蠢いておるわ……」

 その気配から宝具がどういったモノであるのかを直感で理解した臓顕はそれが生まれる時が来るのを楽しみにするように笑みを浮かべる。
 そして、その禍々しい気配に導かれて現れた魑魅魍魎達が山を下って行く姿を眺めながらふと、背後にある違和感を覚えて振り返った。

「おや、気のせいかな?この方角だと大聖杯の安置してある地下大空洞の辺りだと思うのじゃが……」

 強烈な印象を間桐臓顕に与えた何かはまるで存在しないかのように気配を消しており、それ以上はおかしな気配を感じる事は無かった。

「やはり、聖杯戦争というシステムそのものが第三次のアインツベルンのルール違反で既に崩壊していたという考えには間違えはなさそうじゃな……でなければ、桜もこのような悪霊をライダーとして招きよせる筈もなかったかのう」

 全てが自分の計画通りに進んでいる事を間桐臓顕は疑っていなかった。
 しかし、それこそが間桐臓顕の大きな見逃しであり、今後の聖杯戦争に大きな影響をもたらす事になるとはこの時、だれも予想していない……







地下大空洞

 大聖杯の中で蠢いていた微かな残滓が急速に形を創り始めていた。
 地脈の穢れを吸い寄せて、力を増して行くと同時に聖杯の中にある情報からもっとも強いであろう姿に変貌しようとしているのだ。
 すでに、この聖杯戦争の中で意思も無く彷徨い続けていたソレは確実に成長し、意思を持つ。

 曰く、世界を数日で滅ぼす事の出来る魔女

 曰く、災害ともいえる魔女の宴

 曰く、世界の悪意を集め浄化するガイアの意思

 いまだに形は定まらない中で、つい先日からその姿はゆっくりと少女の姿へと変異を始めている。


 ソレはどこかで見た事があるような少女……


 しかし、ソレはいまだに目覚める事は無い。


 今はまだ、深い眠りの中で目覚めの時を待っているのだった。
 しかし、その事には誰も気が付かない……
 いや、気が付いた人間はいる。
 だが、一人はそれの崩壊を見届ける事なくこの世を去っており、もはや誰にもコレを止める事は出来ない。


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