放置自転車を借りていき(借りる時には失礼!と言っておいたぞ)束殿から言われた場所につく、そこは海辺の倉庫のような場所であった。
「ここから見つからずには無理か」
見張りが何人もいる。複雑に入り組み、遮蔽物も多いが、流石に全く見つからないというのは無理だ。
「ならば、突破するしかあるまい」
こちらはナイフ一本。相手は銃も持っているしナイフももちろんあるだろう。だが、どうした。
「今の私は、阿修羅すら凌駕する存在だ!」
そう呟きながら、飛び出す。近くに一人でいる敵。
「なっ!」
それが彼の人生最後のセリフであった。一発でのど元を切り裂いた。
「今の私は手加減などせんぞ…」
そう言う彼からは、確かに阿修羅ですら凌駕する闘気が撒かれていた。
今、殺した奴から銃を奪い取る。陸兵よりは弱くはなるが、私も一応昔にいざという時のための訓練は受けている。
「これですべてか」
8発の弾倉が入った拳銃とアサルトライフルが一丁、その弾層が合わせて3つ。
「行くぞ」
今度見つけたのは二人組。まだ気付かれていないのは幸いだが、いつ見つかるかはわからん。
私は隠れていた影から飛び出し、先制にアサルトライフルで撃つ。不意打ちだったため二人とも倒すことに成功した。だが、銃の発砲音が敵に聞こえただろう。すぐに来るはずだ。
それからの私はワンマンアーミーながらかなりの活躍であった。低い身長と鍛えた体、そして第六感を生かして何人もの敵を撃ち殺した。ついさっきアサルトライフルの弾がすべて切れ、拳銃で一人撃ち殺した。
そして、束殿に言われた倉庫に着く。鎖が巻いてあったが、銃で撃ち飛ばした。
開くと中には箒が手足を縛られ、口に布を噛まされて放りだされていた。
「何とか無事であったか」
そう声をかけながら拘束を解く。すると彼女は、
「い、一夏~」
泣きだしてしまった。無理もない。こんな幼い少女がいきなり誘拐されたのだ。今までよく泣いていなかったと感心している。
「すまない。箒。ここは危険だ。すぐに逃げ出さなければならない。着いてきてくれるか」
すると箒は涙をぬぐって、しっかりとうなずいた。
倉庫を出て、逃げだそうとする。もう、銃の弾も少ないがあと少しだ。なんとかして見せよう。
最短ルートで逃げだそうとしていた私達の前に一人、敵が現れたがなんとか一発で射殺。
「こっちだ」
そう言ってさらに逃走を開始した私達の前に絶望が訪れる。
「おいおい、まさか子供一人にやられて誘拐した少女も取り戻されたのかい」
空から悪意のこもった声がかけられる。私達が上を向くと、そこには、
ミサイルを切りおとせるもの、戦闘機も無力化できるほどの余裕があるもの、絶対防御を持ち、陸の戦車などの攻撃すら防ぐもの
ISがいた。
「くっ」
意識してない中で声が漏れる。あまりにも絶望的だ。ISにはISでしか勝てない。そう言われている兵器に抗わなくてはならないのにこっちはなんだ?拳銃があと数発とあとナイフだけが武器で、さらに民間人まで護衛しなくてはならない。だが、
「それがどうした」
「ああん」
「それがどうしたと言っている」
「何言ってるんだい。ヒーロー気取りの織斑一夏君」
「そんな道理、私の無理でこじ開ける!」
「箒、私が奴に突っ込んだら逃げ出せ。これは命令だ」
「い、一夏…?」
「行け!」
それと同時に私はISへと向かう。
戦って勝てるとは思えない。だが、時間なら稼げる。
「はっ!ガキ一人でどうするつもりだ」
相手が量子変換されている剣を抜く。振り下ろされた剣をかわして、
ダーン!
拳銃で一撃撃つ、と同時に距離を取る。
「そんなもの、効かないんだよ」
生身の部分を撃っても絶対防御すら働かない。ほんの少しシールドエネルギーが削られただけだろう。
剣を相手に何とかかわし、隙を見て撃つ。そんな戦いが10分ほど続いた。
「チィ!ちょこまかとうぜぇ!」
またかわす。ISが人間を使っているかぎり、人間の関節を越えた動きはできない。その動きは速いが、中の人間がなっていなければ大した強さとはならない。
だが、こちらの体力は削られていく。ただでさえ自転車でここまできて、銃撃戦をしてきたのだ。いくら私でも体力の限界は近い。
だが、負けられはせん。ここで負ければ箒という人質のかわりに私という人質ができるだけだ。
体力の限界を気力でカバーし続けて何分が経っただろうか。私はもう限界を越えているがISはほとんど無傷だ。
「よく、ここまで持ってるじゃないか。さすがはブリュヒンデの弟と言うべきか」
私は返事をする体力すら残っていない。息はとても荒いし、全身から汗が噴き出てる。いつ崩れ落ちてもおかしくない状態だ。
「あと何分持つかな」
そう言って剣を振りかぶってくる。なんとかよけようとするが、足が動かない。
「くっ」
ここまでか。
そう思った私の前に何かが入りこんできた。
「よくがんばったじゃないか一夏」
間に合ってくれたか。そう思いながら、私の意識は落ちていった。
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なんという一夏無双。強すぎる?そんな道理私の無理で(ry)
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