感想でも書きましたが、勇者カタストロフが古すぎて書店に無い(><)
ダイ・バザール以外に誰が商人になると言うの……。
それでも、期待して下さっている人がいるようなので見切り発車します。
説明会に出かける前に、ステータスを確認する。
うん、私、頑張った! 転職は出来ないけど、色々呪文を覚えられたのが嬉しい。
【ルイ レベル17】
力 41(+22)
素早さ 54
守備 43(+23)
賢さ 51
かっこよさ 20(+27)
HP 122
MP 88
職業 ダーマ神官 しんかん
装備 E てつのつえ
装備 E 皮のドレス
装備 E 皮の帽子
装備 E 皮の盾
冒険者モード オン
呪文 ホイミ ベホイミ キアリー バギ ニフラム マホトーン ザオラル バギマ キアリク スカラ ルカニ マヌーサ リレミト ヒャド ラリホー イオ メラ
特技 ルビスの祝福 戦士への転職の儀式 武道家への転職の儀式 僧侶への転職の儀式 ルイーダへの転職の儀式 銀行への転職の儀式 宿屋への転職の儀式★3 武器屋への転職の儀式★3 防具屋への転職の儀式★3 道具屋への転職の儀式★3 結界師への転職の儀式★3 復活アイテムの作成 解呪の儀式
技術 結界術 魔力弾
色々確認して、キタキタ親父さんの説明会に行く。
なんだか人がたくさん来ていて、凄く驚いた。
広場に作られた舞台裏で、着替える。
「似合う……かな?」
ステータスがかっこよさ70になったから、ちょっと自信はあるけどね。
何度も着るうちにしっくりくるようになって、防御力も加算されたし。
……キタキタ親父さんとこの装備品、めちゃくちゃいい物なんだよね。
「大丈夫、似合いますぞ!」
「へへー。今の私、かっこよさ70なんだよ!」
そしてキタキタ親父さんと舞台へと出る。
他のとこの教祖様も結構来てるなー。知らない人もいる。
笛の音に会わせて、私は踊る。ヤジが凄い、ヤジが。でも、皆結構楽しんでくれているようだ。
「皆、キタキタ踊りをよろしくお願いしまーす!」
私は笑顔で手を振る。
その後も、パプワさんやインディさんの説明会で踊ったり、スモラバさんとこで説明会の助手をしたり、あちこちの説明会を手伝った。
私自身も説明会をした。
商人さんに手伝ってもらって、頑張ってプレゼンテーションをする。
そこへ、なにか、偉そうな子供が取り巻きを引き連れてやってきた。
「そなたがルイか。色々聞きたいのだが」
「あ、はい。貴方は……」
「知らんのか。まあ、俺は妾腹の出だしな。リルバという」
「はい、リルバ様。聞きたい事とは?」
「支払いを魔晶石……Gと言ったか。それではなくDで行いたい。可能か?」
「ごめんなさい。むしろ必要なのはGだけなんです。ルビス様に捧げる分なので、それはどうにもできません」
「量も減らせないのか?」
「余り安くすると、他の宗派が……」
「それは今は考えなくてもいい。減らせないのか?」
「決められた一定数より減らす事は出来ません。教会と宿屋の料金のレベル表がありますが、ご覧になりますか?」
私が渡すと、リルバさんは目を見開いた。
「ふうん。レベルが低いうちの安さが凄まじいな。だが、兵士は迷宮に潜るわけではないからな。やはりGを手に入れるのは困難だ。一度足りなくなると負のスパイラルに陥るか。冒険者モードをオフにしてしまえば、普通の人間と変わらなくなってしまうしな。所で、復活させられた時に料金を払えなくばどうなる?」
「時間を掛けても、払って頂きます。ですが、復活のお代は、基本的に前払いして頂いているんです。支払いが間に合わないと、次の復活が出来ないという事になりますね」
「ああ、復活料金は復活時点のレベルではなく、復活の儀式時点でのものなのだな?」
「そういう事になります」
「復活の代金なしなら、ルビス様の契約はタダか」
「それは認められません! 復活の代金を支払わないなんて……」
「人はいずれ死ぬものだ。復活できる方が異常なのだ。個人で復活の契約を結ぶ分には構わんがな。……国教を、目指しているのではなかったのか」
ハッと私は顔を上げる。
「ルイーダの酒場も、遠くの者と会話が出来ると考えれば、好都合だ。まあ、斥候には復活の呪文とやらをかけてやるさ」
「……戦争が……?」
心細く、消え入るような声で言うと、リルバ様は笑った。
「戦争は戦争でも、10年後に備えての物だ。……魔王は、俺が討つ」
その瞬間、私の頭の中に嵐のように映像が閃く。
嵐。黒雲。雷鳴。
魔物の大群。それに立ち向かうリルバ様。
『ルイ……私の子を頼んだぞ』
『はっ』
言われずとも、わかっている。この日の為に、全てを準備して来た。
私は双子を……選ばれし勇者の子とその妹君を抱いて、誰の手も届かぬ場所へ……。
いずれ、この子の元に8つの星が集まるだろう。
私はふっと我に帰り、慌てて跪いた。
「ならば、私はそのお手伝いを致しましょう」
この方の妻を探さねばならない。勇者の母を。
「ほう……? お前、俺に魔王が討てると思うのか」
私は、口を噤んだ。少し迷った末に、これだけ言った。
「ダーマ神殿は、リルバ様をサポート致します」
「ならば、兵士達の祝福をしろ。安心しろ、Dは払ってやる」
「御意にございます」
どれだけ犠牲を出しても、この人に取り入る。そして、絶対の信頼を得るのだ。
私は、目の前の運命の大きさに、目眩がしそうだった。