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No.27393の一覧
[0] 悪魔との契約(なのはオリ主) 【チラ裏から】[悪役](2011/10/23 23:19)
[3] 第一話[悪役](2011/12/16 00:27)
[4] 第二話[悪役](2011/10/23 23:20)
[5] 第三話[悪役](2011/10/23 23:20)
[6] 第四話[悪役](2011/10/23 23:20)
[7] 第五話[悪役](2011/10/23 23:21)
[8] 第六話[悪役](2011/10/23 23:21)
[9] 第七話[悪役](2011/10/23 23:21)
[10] 第八話[悪役](2011/10/23 23:21)
[11] 第九話[悪役](2011/10/23 23:22)
[12] 第十話[悪役](2011/10/23 23:22)
[13] 第十一話[悪役](2011/10/23 23:22)
[14] 第十二話 <修正>[悪役](2011/10/23 23:22)
[15] 第十三話[悪役](2011/10/23 23:23)
[16] 第十四話  <無印編スタート>[悪役](2011/10/23 23:23)
[17] 第十五話[悪役](2012/01/05 16:09)
[18] 第十六話    <微グロ注意>[悪役](2011/10/23 23:24)
[19] 第十七話[悪役](2011/10/23 23:24)
[20] 第十八話[悪役](2012/01/09 23:30)
[21] 第十九話[悪役](2011/10/23 23:24)
[22] 第二十話[悪役](2011/10/23 23:25)
[23] 第二十一話[悪役](2011/10/23 23:25)
[24] 第二十二話[悪役](2011/10/23 23:25)
[25] 第二十三話[悪役](2011/10/23 23:25)
[26] 第二十四話[悪役](2011/10/23 23:26)
[27] 第二十五話  <無印完結>[悪役](2011/10/23 23:26)
[28] 第二十六話  【A’S開始】[悪役](2011/10/23 23:26)
[29] 第二十七話[悪役](2011/10/23 23:27)
[30] 第二十八話[悪役](2011/10/23 23:27)
[31] 第二十九話[悪役](2011/10/23 23:27)
[32] 第三十話[悪役](2011/10/23 23:27)
[33] 第三十一話[悪役](2011/10/23 23:28)
[34] 第三十二話[悪役](2011/10/23 23:28)
[35] 第三十三話[悪役](2011/10/23 23:28)
[36] 第三十四話[悪役](2011/10/23 23:28)
[37] 第三十五話[悪役](2011/10/23 23:29)
[38] 第三十六話  【修正】[悪役](2011/11/06 22:45)
[39] 第三十七話[悪役](2011/11/23 21:35)
[40] 第三十八話[悪役](2011/12/01 19:54)
[41] 第三十九話[悪役](2011/12/17 12:06)
[42] 第四十話[悪役](2012/01/09 12:20)
[43] 第四十一話[悪役](2012/02/05 11:56)
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[27393] 第六話
Name: 悪役◆8e496d6a ID:2d3d82d8 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/10/23 23:21
ようやく高町家の呪縛から逃れることが出来て幸せをこの上なく満喫することが出きる平日
ああ、俺はいつもこんなに幸せだったのかと適当に感想を抱く
学校があれほど恋しいと思ったことはなかったなぁ
どうやら俺は地獄とはかなり縁があるらしい
皮肉………………というわけではないか
まぁ、別にどうでもいいけど
そういうわけで今回は何とびっくり!

あの高町達から逃げることが出来たのだ!

今回は悪魔が余りにも俺を哀れに思ったのかバニングスと月村は早めに帰っていたのだ
そうなると敵は高町ただ一人
逃げるのはたやすい
ようやく日頃の行いが報われた感じがした
今は今日の食材を買った帰りなのである
しかもタイムセールス
タイムセールスになる度に思う
あのおばちゃんどもは人間の皮を被った鬼神なのではないかと思う
さっきまでの攻防を少し思い出す

「やいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!そこんガキぃ!!その卵寄越せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「アヘッド、アヘッド!!獲物(食材)を刈り尽くせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「ガンボー!!ガンボー!!ガンボー!!」

「家計の遣り繰りしてる小学生舐めんやないでーーーーーーーーー!!!!」

「邪魔するものはまとめて蹴散らしてやらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「負けてらんないのよーーーーーーーーーーー!!あんた達にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

「待ってろよーーーーーーーーーー!!俺のカワイ子ちゃん(お肉)!!!たっぷり愛し合おうぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「OKフ○ッキンシープ(文字道り羊の肉)。たっぷり憐れんでやるからよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

んんん?何か変なものが記憶に混じっているなぁ
ちゃんと消去しとかなくてわな

とまぁ、こんな感じの地獄絵図
あれ?
俺の行く先々が全部地獄に見えるのは被害妄想だろうか?

……………………………………………………

思考を一時停止した
こういう時は無心でいるべきだと経験で覚えた
覚えたくもなかったが
いらない経験ばかり覚えていくのは何でだろう?
………………止めよう
これじゃあ無限ループだ
こんなことは気にせず家に帰って飯を作ろう
そう思っていると気が楽になってきた
思い立ったが吉日
少々危険だが裏道を通って帰ろう
そう思い所謂、路地裏というところを歩き回り帰宅を急ぐ
ほんの数分歩く
そしてようやく路地裏の出口が見えてきた
気分のせいか、心なし出口の外は明るく感じる
ここから後3~4分歩けば自宅だ
今日は奮発してキムチ鍋だ
さぁー、とっとと帰るぞーと意気込んで出口から一歩出る
すると次の光景は

幼女誘拐であった
しかも見覚えのある金髪つり目と清楚そうなお嬢様風黒髪ロングヘアーの
俺の人生はいつもこんなんだ




いきなりのことだった
唐突の事だった
前触れとかはなかった
別に今日は何の変哲もない一日だった
普通に朝起きて
普通に朝食を食べて
普通に学校に行き
普通に授業を受け
普通に友達と喋り
普通に稽古を受けに行った
どこにも特別なことはなかった
なのに今起こっていることは特別というより異常な出来事
私とすずかを誘拐しようとしているということ
稽古を終えて私たちは迎えを待っている時だった
いきなり目の前に車が止まり、スーツ姿の人二人がが出てきて私達を捕まえたのだ
余りの出来事に一瞬心臓が止まったかもしれない
しかしそこは素晴らしき神秘な人間の構造
状況を完璧に理解…………………は出来なかったが自分がすることは直ぐに理解した

この人達から逃げないとーーーー不味いということを

「いや……………離しなさいよ!!」

「は、離して!!」

私とすずかは逃げ出そうともがいた
当然だ
このままいけば何があるか
想像出来ないことがここまで恐ろしいとは知らなかった
ただ私達は我武者羅に暴れた
しかし現実は非常だ
如何せん
女の子、しかも子供の私達が成人男性の筋力に勝てるはずがなかった

「おとなしくしろ!このガキ共が……………!」

「きゃっ!」

「すずか!!」

私達が暴れたからか
さっきまでよりも酷い扱いをしてくる
すずかのあの綺麗な黒髪が引っ張られる
それで私の沸点は臨界点を軽く突破した

「ちょっとあんた達!私の友達に何すんのよ!許さないわよ!」

第三者から見たら何を言っているんだろうと言われる発言だろう
何せ私達はこんな風に逆らえないのに許さないなど言っているのだ
しかし私は至って真面目だ
私は髪を見ての通り日本人とアメリカ人のハーフだ
この髪のせいでとは言いたくはないがそれで長い間友達が出来ず、ひねていた
すずかとの出会いもかなり最悪だっただろう
私はすずかにいきなりいたずらをしようとしていたのだ
そこになのはが入り色々あって今では親友といってもいいぐらいの仲になった
二人には言ってないが私は本当に二人には感謝している
今まで友達が出来ず一人で寂しかった
それを二人が救ってくれた
大袈裟ではない
何よりも大切で何よりも誇らしい友達だ
その大切な友達がこんな酷い目にあっているのだ
例え場違いだろうと何だろうと私は吠える

私の友達にその汚らわしい手で触るなと

しかし返ってきた反応は予想とは違った
てっきり怒ってくるかと思った
しかし返ってきたのは

嘲笑だった

こんな状況なのに困惑してしまう
何だろうか、友情を笑われたのかと頭が勝手に思考する
答えがわからないまま彼らが勝手に喋りだした

「はっ、素晴らしい友情ですね。こういう時は私達はその友情に涙するべきなのかな?」

ふざけた言い方だった
敬語を使っているが敬意はまったく込められていない
ただの見下しだ

「うっさいわね!!私達を離しなさい!ただじゃおかないわよ!!」

これは嘘ではない
何せすずかの姉の恋人恭也さんがいるのだから
正式名称は知らないけど確か御神流というのを修めている人だ
少しなのはやすずかと一緒に試しに訓練を見てみたけど凄すぎて何をやってるのかさっぱりわからなかった
そして忍さんがすずかや私の危機に気づいたら当然恭也さんに繋がる
そうなったらこんな奴らはちょちょいのちょいだろう

「アリサちゃん…………その言葉は多分だけど死語じゃない?」

「こんな時に何ツッコんでんのよ!!」

ええい、このシリアスシーンに!
一体誰の影響……………考えるまでもないので考えなかった
というか考えたくなかった

「ということで私達を離しといたほうが賢明よ!!」

「くくく、そうですか。そいつは大変ですね」

どうやらこいつらにはただの冗談を言っていると思われたようだ
嘲笑は耳にこびり付いてうっとおしい

「ははは、それにしてもマンガみたいな友情ですねぇ」

「何ですって!!」

「いえいえ、褒めているのですよ。-----これで彼女が人間だったら素晴らしいのですけどねぇ」

「------は?」

何を言っているのかさっぱりだった
彼女が人間だったら?
すずかのこと?
何を言っているんだろう
何処から見てもすずかは人間ではないか
もしかして二次元と現実を区別できていない可哀想なイタイ大人だろうか

「残念ながら可哀想なでもイタイ大人でもないのですよ」

私が言うよりも早く返事が返ってきた
どうやらこういう反応を予測していたらしい
もう一人の男も車の中に入りながら嗤っているのがわかる

「やはり喋っておりませんでしたか。まぁ、それは当然ですよね。話したら化け物扱いですものね」

「はぁ!?何言ってんのよ!すずかはどう見ても人間じゃない!すずか、言ってやりなさい!この現実と妄想を区別できない馬鹿達に私はあんた達と違って立派な人間だって!!」

そうすずかに一喝した
しかし答えは返ってこなかった
沈黙だった
顔を俯けて表情が読み取れなかった
まるでそう

真実であることを悟られないように

「嘘……でしょう、すずか?」

すずかが人ではない?
そんなはずがない
だってこんなにも私達と一緒なのに
思考が纏まらない
纏めようとするけど空回ってばっかり
いつもの私とは明らか違う
私はこんなにも頭が悪かったかと思ってしまう

「さて、お友達の相互理解も終わったところなので、そろそろ連れて行くとするか」

はっと再び現実を認識する
そういえば誘拐されそうになっていたのであった
再び暴れるがびくともしない
そんなことをしていると車の後部座席のドアが開けられる
本能的に理解した
このままあのドアの中に入って行ったら最悪なことが起こるかもしれないと
すずかもそれを理解したのかさっきよりも暴れる
しかし無駄だった

「ああもう、とっとと縛って向こうに連れて行くぞ」

苛立った口調で車からロープを出してくる
怯えで何も言えない
さっきまでの威勢はどこに消えたのだろう
それを相手もわかったのか
気持ち悪い笑顔を浮かべ

「残念だったな。恨むならそこのお嬢さんをうらみゃ!!!」

キーーーンという音がしたような気がした
いきなり変な風に声を出したと思ったらさっきまであんなに私達を離さなかった手が簡単に離された
いきなりのことなので着地することが出来ずに尻餅をついてしまった

「「きゃっ!!」」

本当に何が起こったのだろうか
お尻の痛みを気にしつつさっきまで私を捕まえていた男の方にすずかと同じタイミングで振り返った
そこにはさっきまでのスーツ姿の男が立っていた
たださっきまでと違うのは顔が痛みに引き攣っているのと

え~と、股間の間に足が
簡単に言うとえ~と男の急所を思い切り蹴っている足が

暫く男は硬直していた
というか硬直するしか出来なかったのだろう
すると後ろから男の急所を蹴っていた足が下された
と思いきや
再び思い切り蹴った

「たびゃん!!」

憐れな叫びが再び響く
しかし蹴っている奴は容赦なかった
それから何回も蹴った
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス
その度に気持ち悪い悲鳴を男はあげていた
20回、いや25回ぐらい蹴られたらようやく倒れた
そしてようやく男の急所を連続で蹴っていたのかが誰だかわかった

「慧君!!?」

「風雷(外道)!!?」

「待てや、バニングス」

ちっ、かっこの中まで読むなんて……………じゃなくて!
こんなところでボケている暇なんてなかった
私の馬鹿!
そうしていると車の中にいたもう一人の男がドアを開けた
それと同時に風雷は何かを投げた
私はこう見えても運動神経は良い方なので何が投げられたかを確認することが出来た
見えたものは赤いもの
ああ、確かあれは食べると辛い味がする不思議な食べ物
その名も

キムチ!!

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!目が目がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「二度ネタよ!!」

「アリサちゃん!落ち着いて!言ってもあの人には通じない!!」

わかってるわよ!
でも言わなければ伝わらないじゃない!

「落ち着けバニングス。とりあえず逃げるぞ」

そう言ってこいつかこんな時でも無表情だった
しかもこいつキムチで目が潰れている奴にも急所蹴りをやっていた
小声で「再起不能決定だな」とか呟やいていた
手加減を知らない男
風雷慧
恐ろしい奴………………
そして私達の手を引いて路地裏に駆け込んだ

「て、ちょ、ちょっと!一人で走れるわよ!」

「そ、そうだよ!」

そうお互い抗議していると風雷は振り返らずに返事してきた

「その震えた足でか?」

「な、何言ってんのよ!べ、別に震えてなんか………………」

震えていた
隠しようがないくらい震えていた
全然気づかなかった
自覚した今でも全然感じれない
それでもしっかり震えていた
その震えの名を私は知っている

恐れだ

仕方がないと事情を知っている人間はみんなそう言うだろう
まだ小学校一年生になったばかりの子供なのだ
精神年齢は他の子供達よりも遥かに高いとはいってもだ
むしろあれだけの啖呵を言ったのだ
褒められはすれ責められはしない
誰も彼女の事を臆病とは言わないだろう
むしろ勇敢と称えるだろう
しかしそんな言葉は今の私には通じないだろう
見ればすずかもそうだった

ああ、私達はこんなにも怖い目にあったんだと自覚した

そう思っているといきなり風雷が止まった
いきなりだったので風雷の背中に当たった

「な、何よ!いきなり…………」

「そ、そうだよ………………」

怒鳴る私達の声に力が籠っていないことがわかる
すると風雷が振り返った

「「???」」

私達はいきなりだがはてな顔になっていただろう
何故かというと珍しくこの無表情男が表情は変えなくても困惑しているというか言うべきかどうか迷っている雰囲気が伝わってきたのだから
それもはっきりと

「あー、バニングスと月村」

風雷は振り返らずに喋りかけてきた
何だか歯切れが悪い
一体何を言うつもりなのだろうか

「いいか。ここには今誰もいないし、誰も見ていない。あいつらも多分撒いた」

「「うん」」

というかいつの間にかそこまで走っていたのか
そういえば結構疲れている
でも本当に何が言いたいのだろうか
遠回り過ぎる

「え~と、だからな」

「あーーー!もうじれったい!何が言いたいのよ!!」

「まぁ、つまりな」

ようやく本題のようだ
こいつのことだ。どうせ下らないことだろうと思った
しかし今日は予想外の事ばかり起きる日のようだ
まさかこいつが

「例えば二人の女の子が泣いたとしても誰も見ないのではないかなー」

こんな人を気遣うようなセリフを言うなんて

「「……………………あ………」」

不意打ちだった
下らないことを言うと思っていたから
こいつが他人を気にするとは思っていなかったから
だから私とすずかは簡単に涙を流した
しかし目の前の背中に見られるのが恥ずかしかったから私達は咄嗟に彼の背中にしがみついた
身長は私達とそこまで変わらないのに何故だか知らないが大きく感じる
そんな背中だった
彼はそのままの状態でいて私達がしがみついても気にしなかった
私は久々にわんわん泣いた
すずかもわんわん泣いた
彼は黙ったままでいてくれた
それが嬉しくて更に泣いた
久しぶりの大泣きだった
結局泣き止むのに15分ぐらいかかってしまった
風雷はそのままずっと黙って背中を貸してくれた

「じゃあ、警察に行った方がいいか」

「そうね。その方がいいわね」

風雷は号泣したことについてはまるで無かったかのようにしてくれる
それが有り難かった
はぁ、パパとママにも電話しなきゃ
そう計画していたら

「待って!!」

すずかが今まで見たことがないくらいの真面目な顔と真面目な口調で叫んだ
思わず風雷と同時に振り向く

「お願い……………このまま私の家に来てくれない?…………」

すずかは何かを決意したような顔で私達を見ていた
私達から目を逸らさずじっと

「理由は?と聞くのは無粋なんだろうな」

風雷はもう悟りきったような顔(とは言っても無表情だが。こいつの隠している表情を見て私がそう判断しているのだ)ですずかを見ている
相も変わらず無表情で

「うん……………話すよ………全部
何でこんな目にあったのかも
私が何を隠しているかも………………全部話すよ」

私達は黙って頷くしかなかった
風雷は知らないけど、私はすずかの覚悟に圧倒されたからだと思う
さっきあの男達が言っていたすずかの秘密の一端
それを知られるのをすずかはかなり嫌がっていた
それを自ら話すと言うのだ
さっきあの男はそれを知ったら普通に暮らせないみたいな言い方を言っていた
つまりだ
すずかはそうなっても構わないと決意したのだ
例え嫌われても、軽蔑されても、拒絶されても
話すと決意してくれたのだ
その覚悟を決めたすずかは心なしかいつもよりも綺麗に見えた
静かで、ひっそりしているがしかし明確に光っている
そう
まるで月のように
何だか悔しいけど負けた気がした
人間としても
女としても
でも、とても清々しい
何でかなんて決まってる
私達に秘密を話してもいいと決意してくれた
つまりそれだけ私達を信頼してくれたという事なのだ
余りの嬉しさにまた泣くかと思った
でも今度は意地でも泣かない
それはそうだ
だってすずかがこんなにも良い少女になったのだ
ならば私も張り合わなきゃ駄目でしょう
それでこそ

友達というものなんだから

今日という日は特別な一日になるようだ
そう私は予感ではなく
完璧に確信した



あとがき
まだ読みにくいということですが今度はどこらへんを改行するべきなんでしょうか
あんまり開けてたら文面が汚くならないでしょうか
あ、あと、まったくルビとかフォトがわかりません
見てもさっぱりです
これが作者の限界か……………
言っていて泣けてきました


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