<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.27393の一覧
[0] 悪魔との契約(なのはオリ主) 【チラ裏から】[悪役](2011/10/23 23:19)
[3] 第一話[悪役](2011/12/16 00:27)
[4] 第二話[悪役](2011/10/23 23:20)
[5] 第三話[悪役](2011/10/23 23:20)
[6] 第四話[悪役](2011/10/23 23:20)
[7] 第五話[悪役](2011/10/23 23:21)
[8] 第六話[悪役](2011/10/23 23:21)
[9] 第七話[悪役](2011/10/23 23:21)
[10] 第八話[悪役](2011/10/23 23:21)
[11] 第九話[悪役](2011/10/23 23:22)
[12] 第十話[悪役](2011/10/23 23:22)
[13] 第十一話[悪役](2011/10/23 23:22)
[14] 第十二話 <修正>[悪役](2011/10/23 23:22)
[15] 第十三話[悪役](2011/10/23 23:23)
[16] 第十四話  <無印編スタート>[悪役](2011/10/23 23:23)
[17] 第十五話[悪役](2012/01/05 16:09)
[18] 第十六話    <微グロ注意>[悪役](2011/10/23 23:24)
[19] 第十七話[悪役](2011/10/23 23:24)
[20] 第十八話[悪役](2012/01/09 23:30)
[21] 第十九話[悪役](2011/10/23 23:24)
[22] 第二十話[悪役](2011/10/23 23:25)
[23] 第二十一話[悪役](2011/10/23 23:25)
[24] 第二十二話[悪役](2011/10/23 23:25)
[25] 第二十三話[悪役](2011/10/23 23:25)
[26] 第二十四話[悪役](2011/10/23 23:26)
[27] 第二十五話  <無印完結>[悪役](2011/10/23 23:26)
[28] 第二十六話  【A’S開始】[悪役](2011/10/23 23:26)
[29] 第二十七話[悪役](2011/10/23 23:27)
[30] 第二十八話[悪役](2011/10/23 23:27)
[31] 第二十九話[悪役](2011/10/23 23:27)
[32] 第三十話[悪役](2011/10/23 23:27)
[33] 第三十一話[悪役](2011/10/23 23:28)
[34] 第三十二話[悪役](2011/10/23 23:28)
[35] 第三十三話[悪役](2011/10/23 23:28)
[36] 第三十四話[悪役](2011/10/23 23:28)
[37] 第三十五話[悪役](2011/10/23 23:29)
[38] 第三十六話  【修正】[悪役](2011/11/06 22:45)
[39] 第三十七話[悪役](2011/11/23 21:35)
[40] 第三十八話[悪役](2011/12/01 19:54)
[41] 第三十九話[悪役](2011/12/17 12:06)
[42] 第四十話[悪役](2012/01/09 12:20)
[43] 第四十一話[悪役](2012/02/05 11:56)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[27393] 第三十六話  【修正】
Name: 悪役◆8e496d6a ID:d44a4ec3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/11/06 22:45
「失礼をした」

いきなりの事で面を喰らった。それは恭也さんも同じだったようで少し疑問を抱いている様子であった。別に何も相手はへんな事をしていない。普通に俺達の命を刈ろうとしただけだ。

「いや、それは充分に普通じゃないわ……」

世迷い事は無視した。

「別にいきなり謝られるような事はされてはいないと思うがね?」

一応話に乗っといた。相手の罠の可能性は十分にあるが、今のところその様子はない。勿論、油断など全然できはしないが。それに正直、最初からかなり派手に飛ばし過ぎだ。

気づかせないようにしているが、結構息が上がっている。逆に息が上がっていない恭也さんが羨ましい。どんだけ修業したらそんなチート能力を得られるんだか。ちょっとレシピを教えてほしい。

「……そういう失礼ではない。君達の力を誤っていた。そういう失礼だ」

「そんなに褒められても出るのは高町の財布だけだぜ」

「アレ!?何の脈絡もなく私の財布を売られた!!?というか何でなの!!」

「黙れ、良く考えたら俺がこんなおかしな魔法騒ぎに巻き込まれた諸悪の根源。お前さえいなければ今頃せめてもう少し有意義な休日を過ごしてたわ」

「慧君の有意義な休日というのも気になるところがありますが、とりあえず言いたいことがあるの。魔法関連で最初に合ったのは確かフェイトちゃんだったね!?」

「馬鹿だなぁ、高町。お前とフェイトが一緒の扱いを受けられると思っていたのか?」

「うわぁーん!!薄々理解していけど真正面から言われたら痛いなの!!」」

今、有意義な時間を過ごしたようで過ごせなかった気分がした。全部高町が悪いという事にしておこう。何せ高町のせいで雰囲気が変な方向に行ってしまったのだから。

「さて。それで?俺達を無駄に褒めてどうするんですか?何かくれるというならば貰いますよ。それが俺達の将来に貢献してくれるようなものであれば」

「……簡単だ。君達には僭越ながら私の本気を受け取ってもらおう」

嫌な予感が俺と恭也さん。二人に走る。まぁ、大体そんな予感はしていた。幾ら恭也さんが人間として常軌を逸する身体能力を持っているとはいえ、少し簡単に戦闘が進んでいると思った。

まぁ、簡単に言えば上手く行き過ぎ。人生楽に行けるものじゃないという事だね。理解していたこととはいえせめてもう少し難易度を下げてもらいたいものだ。俺はLUNATICなんて出来るレベルじゃないんだ。

「おやおや。残念ながら有り難く返却をしたいと思うが、どうかね?なに。遠慮なく返却をさせてくれたまえ。俺は寛容だから許してやろうではないか?」

「……返品不用だ。受け取れ」

寒気が一瞬で背中を走り抜けた。

それに合わせて無機質な声が辺りに響き渡る。そして同時に目の前の男に魔方陣が展開される。音は名前を表し、そしてさっきまでと一緒でシンプルな名前だった。

『SPEED UP』

起こった出来事はまさしく高速の一言だった。

シンプルな言葉の通りにシンプルな結果を出そうとしている。最初に現れた変化は風だった。さっきまではそこまで吹いていなかった風がまるで車か何かがそばを通ったような風向きになって俺達を叩いた。

次に見えたのは砂だった。ここは高町家の庭。当然、足場はコンクリートじゃなくて砂だ。故にさっきの例えの続きで行くと車みたいなものがここを通ると砂埃が立つだろう。

そして最後に音。それも何故かという思考が追いつかないけどそれは俺の背後から聞こえた。そう。がちゃという金属音が。

「……!」

理解をする暇なんてなかった。ただ直感が告げていた。避けなければ死ぬという余りにも簡単な直感。だけど絶望的な直感。最悪な未来予想図が頭の中で出来上がってしまう。

その未来予想図を現実にしようという意思のもとで金属的なナニカが俺の首に振われた。

風邪を感じてみるとそれは左の方から来ていた。それを信じて体が勝手に反応を起こす。首を右に逸らしながら、下に勢いよく落とすという回避方法。少しでも左からの物を避けるために。

しかし、それは少し遅かった。


斬っ!という音と共に首が斬れ、血が迸っていた。


「……っ!」

そこを驚異の速さで追いついた恭也さんが後ろにいる老兵と言ってもいい人間を刀で吹っ飛ばした。勿論、相手は防御をして無傷だが。その間に俺の襟首を掴んで距離を離した。

そして距離が開いた所で

「慧君!無事か!?」

「命の危険の大安売りですよ。何なら恭也さんにも売ってあげましょうか?ちなみに頸動脈まで残り数センチってとこでしたかね。さっきの攻撃は。」

「冷静に頭をいかれさせている場合か!!」

失礼なと思いながら自分の足で立ち上がる。そこで少し立ち眩みをして転びかけたがそこは何とか姿勢制御。転びかけたところで周りが少し小さい悲鳴を上げかけたが今は無視。正直構ってられない。

「ほう?今のに対応したか……中々反応が早い……」

「生憎と体は恭也さんや貴方ほどではないけど鍛えていてね。そうでもしなきゃ、バニングスやすずかの攻撃に耐えることが出来ないのだよ。とても最悪な事に」

「アリサちゃん!!今はシリアスだから反応しないでね!!」

「なのは。今ので貴方が私をどう思っているのか解ったわ。というかなのはの方がシリアスなんだから考えなさい!!」

どちらにしてもシリアスを妨害していることは確かなので無視しといた。首筋に手を当ててみる。そこからにちゃりとした粘着的な赤い液体が手に付くのがわかる。あの地獄で見慣れたものだ。

「成程。貴方が近接系に特化しているんならばちゃんと候補に入れておくんだったな。てっきり身体能力を上げる魔法が得意のだと思っていたんだが、それは半分正解で半分外れか」

「……いい読みをしている。だが、確かに不正解だ」

「━━━フェイトと同類か。近接加速魔導師・・・・・・・。それがお前の能力か」

基本が最強という言葉を忠実に再現した能力。この老兵にはふさわしい能力と言えば能力だろう。全てにおいて最強とは言えないが近接において最強と呼ばれるのに必要な力の一つだ。

「……少し違うな。私はそこの少女と違って魔法の才能はそこまでない。総量もなければ他の能力の才能もない。飛ぶことすら出来ない出来損ないの魔法使いだ。これだけ経験と訓練を積んでも動きだけで言えばそこの青年みたいなことも出来ない。所詮は非才の身だ」

ちっと思わず舌打ちをする。何が非才の身だ。その非才をここまで来させたのはお前の意思だろうに。才能なき身を上り詰めるための意思を人は何というだろうか。

答えは簡単━━━努力だ。

つまり、この老兵は最近、流行の努力家の人間だという事だ。ん?いや、最近はむしろ怠惰型の主人公の方が人気だったんだっけ。最近の流行は難しいものだ。

「だが━━━そんな私でも一つだけ取り柄があってね。私の加速魔法は移動に限らず、他の魔法にも付与することが出来る。例えば━━━さっきの射撃魔法に加速魔法を付与させたりな」

最後の一言に俺と恭也さんの息が一時的に停止する。

さっきの射撃魔法。確か名前はガトリングソードという捻りも何もない射撃魔法。そのスピードは銃弾以下で避けれない事もないが、それでも中々早いというものであった。

冗談じゃない。さっきは囮になるためにスピードをちょっと落としていたが、それでも十分に速いと言ってもいいぐらいのスピードだった。それにさっきの加速魔法を使われるという事になれば洒落にもならない。

その俺達の思考を知ってか。無情にもさっきの魔方陣が展開される。

「おい、慧君。何か奇策はないのか?」

「少しは自分で考えましょうよ、恭也さん。俺よりは大人でしょうが」

「残念ながら俺は自分の限界というのを知っている。頭の面で言うならば俺は美由希よりも低い」

「堂々という所ではないでしょうが。それに日常の頭と戦闘の頭は違いますよ」

「では、言い直そう。戦闘の頭で言うならば俺は君よりも低い。君みたいに初見の相手と息を合わせるなんてことは俺にはまだ少し無理だ」

「残念。俺は恭也さんと息を合わせた覚えなんてないですよ。偶然偶然。よし、いい作戦が浮かんだぞ。片方が片方の盾になるという奴だ」

「却下だ。俺が君の盾というならばともかくな」

「……冗句だからマジ返ししないで下さい」

そんなことをするわけないじゃないですか。俺は他人なんかどうでもいい主義の最低最悪。否、最悪にして災厄でしたっけ?別にどっちでもいいけど。

お互いとりとめない冗談を言い合ってまだお互いが冷静であることを確認し合った。とりあえず自分たちの心がまだ折れていないだけでもマシな状況だろう。そうでなければ一瞬でゲームオーバーだ。

そして勿論だがリセットボタンなんてないし、コンティニューすることも出来ない。ああ、何て素晴らしい現実。生きていた本当に愉快な事ばっかりだよ~。(棒読み)

「で、結局、結論はどうなんだ?」

「ええ。簡単ですよ。」

おふざけをしている間に相手の魔方陣はもう輝きだしていた。背景の人達が何か避けろとか逃げてとか叫んでいるのが聞こえたがそんなの聞いている余裕なんて全くこれっぽちもない。

そして俺は一層輝きだした魔方陣を見て叫んだ。

「とりあえず、逃げ続ける事です!」

輝きが発せられた。そう思った時は既に恭也さんによって再び襟首を捕まえられて、運ばれていた。そのお蔭で目の前の猛威が派手に見える。確かにガトリングガンの名前に相応しいものだった。弾の剣は既に視認できるスピードではなくなっていたし、効果音もおかしい。

音がガガガガガガガガガガガガガガガガ!!と連続で鳴り響いている。正直俺はあんなものを避けるのは不可能だ。恭也さんの人間離れした運動能力があるからこそ今は避けられているのだ。

俺では二秒ぐらいは生きることが出来るだろうけど、その後はもう無理だ。その後はズタボロになったゴミ雑巾のようになってその辺を転がっているだろう。つまりは死。

「恭也さん!今こそ隠された力を発揮して敵を倒すシーンですよ!!遠慮なく主人公パワーで敵を圧倒してください!!」

「君こそ!こうやって力がないような子が意外と力を隠しているって言うのが今時の感じじゃないのか!」

「二人とも!こんな状況で何でボケられんの!!?」

勿論、余裕なんて皆無だ。俺がこうして軽口をたたいているのは恭也さんに少しでも冷静になってもらおうという試みだ。決して恭也さんで遊んでいるわけではない。そう、決して恭也さんで遊んでいるわけではないのだよ!!

「慧君!後ですずかちゃんと二人きりにしてやる!!」

「この悪魔めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇ!!!」

「バッチ来ーーい!!」

「ええと、ケイも恭也さんも実は余裕があるんじゃないかな……」

フェイトよ。そこは突っ込んではいけないところだよ?流すところなんだ。そしてすずか。断固として断る。そんなことをするぐらいならばこのガトリングガンに真っ向から突っ込んだ方がまだマシだ。

とは言っても困ったもんだ。この状況では風雷慧は役立たずの一言だ。囮になろうにも囮に徹しようとする前に死んでしまう。サポートすらできない足手纏い。これじゃあ一般人と何も変わらない。

それは余りにも最悪なので

「恭也さん。素敵な作戦が浮か━━━」

「君を見捨てろとかいうのならば却下だぞ」

「……少しは合理的になりましょうよ」

「何が合理的だ。友を見捨てて生き残るくらいならばそれこそ死んだ方がマシというものだ」

「それはとても恰好が良くて良いですけど、その考えは早死にの思考ですよ」

「忠告は有り難くいただけが悪いが性分だ。それよりもだ。君みたいに生き汚い人間がそんなんで諦めるとは覚えないのだがな。」

「……んー」

「あるんだな?」

いや、あるにはあるんだけどね。っとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉ!!!今、俺の靴の底にかすりましたよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!忘れがちだけど今も撃たれ続けています。

「いやー、あるにはありますよ~」

「じゃあ、早くしろ」

「それがとてつもなく卑怯というか何というか……」

「君らしくない。君ならば卑怯でも何でもして生き残ろうとするだろうに。」

「……本当にいいですか?」

「今回だけな」

「……怒りませんか」

「くどい」

「じゃあ、遠慮なく」

恭也さんの赦しを貰えたので俺は本当に遠慮なくその策を取り出した。いつも通り袖から隠していたモノを取り出す。そこにはあら不思議。黒光りするものがあるじゃないですか?

「っ!」

向こうのお爺さんはこっちが高速魔法の説明を聞いた時と同じようなリアクションを取る。俺はそれに満足しながら同じく呆然としている周りや恭也さんを無視して、そのまま発砲用意。

あちらさんはあちらさんで発砲をするのを諦めて明らかな回避行動を取ろうとしている。

俺はそれを観察しながら

「BANG」

連続で発砲した。重い音と物凄い反動に体が振動したがそこは何とかした。物理的に。そして撃たれた老兵はというとあの加速魔法で銃弾全部を全て簡単に躱していた。

まぁ、予想していたとはいえ一発くらい当たった方が可愛げがあると思う。爺に可愛げとかあったらそれはそれで嫌だと思い、自分の考えを消去した。とりあえず当初の目的は達成した。

それを報告しようと恭也さんの方向に顔を向けると何やら言葉にし難い表情をした恭也さんがいた。はて?一体何が合ったのやら?こんな戦闘中に意外と冷静なと思いながらも恭也さんに向けて台詞を放つ。

「ふむ。恭也さん。見事に相手の動きを止めたぞ。称賛してくれてもいいぞ?世界レベルで」

「戯言は無視するが、とりあえず聞こう━━━何だその拳銃は!?」

「何だと言われてもただの拳銃だが……ああ、拳銃の種類とかを聞いているんですか?それならば俺は知らないから説明できませんよ。そんなに知りたいんならば学校に一人はいるはずの拳銃もしくは軍オタの人に聞いたら多分わかると思いますよ。質問は以上ですか?」

「解った。ちゃんと要点をまとめて聞こう。まず、それはどこで手に入れた?」

「ふっ。詳しくは第九話と第十話を。そのどさくさに紛れてちょいと拝借させて貰っただけですよ」

「とりあえずメタな発言はするなと言わせて貰おう。そしてもう一つ……手癖が悪すぎるぞ!」

「それは俺の罪ではない。そう、この手がいけない!勝手に動いてしまうこの手が!だから勝手に動いてしまった俺は許してくれますよね?」

「少し正常になってくれ。そしてまだ聞きたいことがある。銃刀法違反という言葉を知っているか?」

「鏡を見てその言葉を言ってください。」

「くっ!……とりあえず後でそれは没収とそして君の袖の中身を後で調べさせてもらおうか」

「残念ながらこれで弾切れですよ?」

言葉通りに弾切れとなった拳銃をそこらへんに捨てる。撃つことも出来なくなった拳銃なんてただの重りにしかならない。つまりただの邪魔。

弾を補給出来たらよかったのだが、生憎、そんなツテはないのだ。

友達は少ないというのはこう言う時に辛いものだと思う。そう思いながら敵対している老兵を見てみる。そこにはさっきからこっちを射殺すように見ている敵がいた。

「……外すと解っていたようだが、それでも何の遠慮もなく拳銃を撃つとはな……」

「ん?ああ。そっか、あんたは俺の信条を知りませんでしたっけ?では、特別に教えてあげましょう。俺の信条は手加減なく、遠慮なく、容赦なく、無慈悲に、無意味に残酷なぐらいに残虐になんですよ。だから、別にアンタに拳銃を向ける事には何の躊躇いもないし、罪悪感もない。やることをやったって言う感じだね。大体、まさか自分は殺しに来ているのに自分は殺されないとか思っているんじゃないでしょうね?だとしたら物凄くおめでたい頭だ」

「……確かに、その通りだ。自分だけ殺されないと思うのは確かに都合が良すぎるな。しかし、私が言っているのは君がもしかしたら私の命を奪うかもしれない選択を簡単に選んだという事だ」

「また定番の質問を……。別に人を殺したいなんて言う願望はないですよ。単純にまだ死ねないからだから自分の命の代わりに貴方の命を消費する。そんなの当然でしょうが」

「……死にたくないからではなく死ねないからか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

微妙に痛いところを突かれたがとりあえず無視した。傲岸不遜な態度を取っているが今の状況はさっきとそんなに変わらない。相手はまだそんなに体力を消費しているようには見えないし、魔力の方は俺達には解らない、

自分たちが有利かどうかがわからないというのは精神的に不味いものがある。本当に相手を追い詰めているのか?実はまだまだ余力があるのではないかという疑心暗鬼に囚われて余分に体力を消費してしまう。

加えて俺は足手纏い。恭也さんだけならば実力の面で言うならば食らいつけると思うのだが……違う所で微妙だ。

どうしようかと悩んでいたら恭也さんが俺の前に立った。

「慧君。君はここで傍観しておけ後は俺がやる。」

「……状況を理解しているんですか?別にこっちが有利に立っているというわけではないんですよ?」

「だが、君はあの老人の動きについていくことは出来まい?」

「……」

事実であるので俺は無言を選んだ。ガトリングソードの方がどうしても脅威度が高く見えるが、あの老兵の一番の得意手は近接戦闘だ。自分を卑下するような言葉ばっかりを言っているが、あの恭也さんの攻撃を受けてもまだ倒れていないという時点でかなりの腕前というのは誰でも解る。

老いはしても枯れはしていない。それが老兵という者の在り方だろう。敵に回したらこれほど厄介な存在は中々いないかもしれない。それは俺や恭也さんも同じ条件か。いや、俺の場合は味方にも何の遠慮なく迷惑をかけるから俺は更に傍迷惑な存在かな。別にそうであってもどうでも良い事だけど。

そんな事を言っている場合ではなかった子を思い出す。

「だが、恭也さんとあれとじゃあ経験の差が開き過ぎている。なら、さっきまでと一緒で━━━」

「生憎だがな━━━俺は馬鹿でな。経験の差如きで止まるような賢い思考をしていないのだ!」

「……!この馬鹿……!」

説得しようと思った瞬間。恭也さんは老兵に向かって突っ込んだ。思わず追おうとするが体の反応が遅い。理由は単純に俺の運動神経が恭也さんほどではない事と。体力を思った以上に消費していたことが原因だ。

「っ。こなくそ……!」

自分の才能の無さに思わず舌打ちをしてしまう。むしろ、その年齢でよく頑張ったと言われるような働きをしているのかもしれないが、そんなのは風雷慧にとっては何の賛辞にもなりはしない。

否。元々賛辞などいらない。今、重要なのは恭也さんが一人特攻をしたことと。自分の嫌な予感が当たりそうなことだ。嫌な予感は嫌な現実を引き寄せるという。そして残念な事にそう言ったのは中々外れないのが世界という者だ。良い予感は大抵外れるというのに。





















無表情の少年を置いて老人に特攻を仕掛けようとしながら置いていった少年の事を考える。

そして内心苦笑する。あんな合理的とか何とか言っていたが何てことない。彼は多分だが俺の事を心配してくれたに違いない。本人に聞いたら絶対違うというだろうけど。何だかんだ言いながら彼は甘さを捨てきれていない。

それこそ甘さを捨てていたならば俺に盾となって死ねとか言うだろうに。さっきの銃だって。あの場面じゃなくさっきの自分の袖に仕込んだナイフの代わりに拳銃を使っていたならばこの戦いも相手の死という結果で終わっていたはずだ。

彼は大嘘吐きだと改めて心の中で思う。彼は他人を信じないという。ならば、その分俺は彼を信じたいと思う。例え彼自身がいかに醜悪で、最低で、最悪でも。それでも━━━彼は救われると思いたい。

それなのにだ。彼は何時でも責め立てられる立場であった。生き方が醜悪。卑怯。汚い。生きているべきではない。気味が悪い。気持ち悪い。人でなし。化け物。怪物。ありとあらゆる罵倒を彼は何時も聞いていた。

それに関しては少年は無視していたが、俺は無視できなかった。それに関してはある種の理不尽を感じていた。他人事だろうと少年は言うだろうけど俺の性格はそういうのを許せるような大人ではないのだ。だから思った。



どうして必死に生きようとする少年がここまで言われなければいけないのだと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



彼は悪人と謳っているが実は悪人と言われるような事をやったことは一度もないのだ。勿論、彼は自分の心情通りに遠慮とかはしない。だから、騙すことも卑怯な事も罵る事もしている。だから、完璧な善人というわけではない。

しかしだ。彼はその卑怯な手段は多くの場合、自衛か身の回りを守る事にしか使っていない。自分から誰かに敵意を向けるようなことは一度もしていないのだ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。つまり、彼がやっている事は自分とは手段が違うが、目的は一緒なのだ。

それなのにこの扱い。これではあんまりではないか。だから思ったのだ。


せめて自分だけでも彼の事を守れるような人間にならなければいけない。


勿論、彼だけではない。家族は勿論のこと。アリサちゃんや月村家。そして忍。今日、新しくなのは達の友達となったフェイトちゃんやユーノ君、アルフさん。それらも守護の対象だ。

そこに下もなければ上もない。その中に慧君を入れているだけだ。だけど、それが重要なのだと思う。きっと誰も彼にそんな事をしようと思った人間はいないのだろう。だからこそ、自分がならなければ。

御神の剣士として。高町士郎の息子として。一人の男として。一人の人間として。一人の大人として。一人の戦友として。彼の友の一人として。そして高町恭也として。

その為にも。

目の前の障害を切り払う……!


「っあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

修業中にも滅多に出さない大声を出して気合を入れながら目の前の老人に斬りかかる。手加減などまさしく無表情の少年と同じで全くしてない。そもそもだ。手加減をしている余裕なんてないし、しない。それは侮辱になるからだ。

「ふん……!」

老人も同じ考えのようで彼は真っ向から俺の攻撃を受け止めた。『徹』を使おうかと思ったがとてもじゃないが精神的に余裕がない。ここまで老いても、衰えた様子がない。プレッシャーだけならばまるで巨木を相手に剣を振っているような気分だ。それも何百、何千年も生きた歴史を刻むような巨木相手に。

「……っ、パワーも良し、剣の立て方も良し、スピードも良し、そして意気込みも良し。若く、そして何よりもその瞳に籠っている意志が強い……!惜しい。本当に惜しい!君が敵ではなかったのならば私はこの手で未来を担う若者の命を奪わなくて済むのにな……!」

「ならば、退いてはくれませんか!俺とて背を向ける相手の背中を斬る趣味はない!今ならまだ━━━」

「もう遅い……!我らはもはや引けぬところまで来たのだ!此処まで来たならば最早退却という選択肢などない、あるのはただ復讐を果たせと言う怨念のみ!」

「しかし、それでは堂々巡りだ!復讐はまた新たな復讐しか生まない。貴方人ほどの武人がそれを知らないはずがない!」

「青いな!そんな理屈などで止められるのならばそもそも復讐という言葉は生まれてはいない!!」

金属音が連続的に鳴り響く。鉄と光が交差し合う。もう既に何回剣を振ったか。数える事など億劫だし、何よりもそんな余計な事を考えていたらこちらの首が飛んでしまう。

「━━━」

息を呑む声が多数聴こえる。それも当然。家族では自分の実力を知っているのは父さんと美由希だけだ。他には月村家の皆と慧君ぐらいだ。他の子供やヴォルケンリッターは知らない。

そんな驚愕を伴うような技術を以てしてもいまだ目の前の老兵を打ち倒すことが出来ていない。

こちらの攻撃を避けきれないときは高速魔法を使って避け、防ぐときは盾みたいな防御魔法を使って受け、攻撃してくるときは手に持っている灰色の光の剣を使って攻撃をしてくる。

その動作に迷いはない。一つ間違ったら命を落とすという戦いにおいてこの動き。こちらにはそちらでいう非殺傷設定というものが使えないというのにも関わらずだ。

その顔に浮かぶのは確信だ。様々な戦場を駆けて、そして生き残った経験という勘だ。こちらの武器が魔法とは違うとはいえ、ヴォルケンリッターのような例があるのだろう。接近戦でこういう風に戦うのが初めてという動きではない。

「疾っ……!」

相手の剣をまるで掴み取るかのように剣を回し、受け止める相手の剣を逸らして、そのまま突きを放つ。

相手はそれに怖気ず、逆に前に出てきた。そして前に出した左足の膝を曲げて体を下げることによって突きを簡単に避けてくる。そしてそのまま逸らされた左に逸らされた剣をそのまま引き戻し、そして薙いでくる。そう、両足を。

「……!」

呼気一つで薙いでくる。俺も最低限な動きで後ろに……不可。そしたらそのままあの加速魔法を使用して来るだろう。そうなったら避けることは叶わない。飛ぶことなど以ての外。忘れるな。相手の片手が空いていることを。あれでは何時でもこっちを拳で攻撃できるのだ。

幾ら剣よりもダメージが少ないとはいえ、有利ではない今の状況では些細なダメージが勝敗を決める。ならばこの攻撃を躱したうえで次の攻撃にも対処できるようにしなければいけない。

一瞬の思考すらも勿体ないと思い、体が動いた。

方法は簡単だ。相手の足元を狙ってくる攻撃を足で踏むという。所謂、武器破壊という業だ。本来ならば刀を折れてもいいかもしれないが、相手の刀は魔法というものだ。折れるかどうかはわからない。

しかし、相手の剣の動きは止まるだろう。そして成功すれば次の攻撃にも対処ができる。果たして、結界は成功だった。

流れるようにまるで足を踏んだ場所に丁度来たみたいな結果で相手の剣を踏み、そして止める。半ば予想したとおりに剣は折れなかったが、それは逆効果だっただろう。相手にとっては。何せ手で持っているものを踏みつけられているという事は自分の行動も封じられたというのと同義なのだから。

そして俺の使っている剣術は小太刀二刀御神不破流。小太刀二刀。つまり、左手にはもう一つ剣があるという事だ。その剣で遠慮なく袈裟斬りを放った。右肩から左脇腹を斬る剣閃だ。

相手の判断は一瞬だった。灰色に光っている光の剣をパージしたのだ。そんな機能があるという事は知らなかったので、少し驚いたが左手の勢いは止まらない。このまま行けば結局は袈裟斬りを━━━

『SPEED UP』

ならなかった。

一瞬で自信を加速して後ろに後退したからだ。慧君の思った通りにかなり厄介な能力だ。攻防一体。シンプル故に最強。御神流故に動きは見えているのだが、一瞬の加速ならば御神流よりも早いかもしれない。慧君からしたら俺も似たようなものだというだろうが。

「……ふぅ。全く……最近の若者は末恐ろしい……」

「……貴方に言われたくないな」

「なに。こっちはそっちの少年に言わせれば道具を使ってインチキをしているだけだ。実際にはそんな動きは出せない。手品を使っているようなものだ。それも二流の手品だよ……」

老兵は自嘲して自分の技術について語った。つまり、自分の力はまやかしで作られた虚構であると。自分の力ではなく、ただ相手を騙しているだけだと。

「……そこまで卑下しなくてもいいでしょう。ここまで俺の剣を躱せれたのは貴方の今まで培って出来た力です━━━出来ればこの能力をもっと有意義なものに使って欲しかったのだが。」

「……そうだろうな。」

「何故ですか。貴方達が大切なものを失くした。その気持ちは━━━」

「解ると、そういうつもりかい?」

空気が変わった。この会話は戦闘中のちょっとした息抜きと捉えていた。それが今、重要な空気を変えた気がした。特別な何かをしていないのに何かが変わった気がした。

「貴方の気持ちがわかる。そういった善意溢れる言葉━━━それがどれだけ苛立たしいか。貴様には、貴様には解るまい……!」

「……それは」

「何故ならば━━━君には守れる存在がいるではないか!!」

「━━━!」

激昂した一言と共に老兵が突っ込んできた。さっきまでの考えての行動ではない。明らかに感情に従っただけの暴走だ。策もなければ罠もない。人としての感情をぶつけるという単純な行動であった。なのに反応が出来なかった。

何とか両方の刀を十字にして相手の剣を受け止める。今までよりも更に重い剣だった。そして剣の向こうには修羅すらも逃げてしまいそうな憤怒に染まった顔であった。

高町恭也はそれを見て純粋にただ想った。

何と━━━怖いと。

「君には守れる家族が、友人が、彼女がいる!!それなのに言うに事欠いて私達の気持ちがわかるだと……!どの口がそれを言うか!!その言葉を言うならば最低限自分の大切なものを失くしてから言え!!」

そしてその後は仕切り直しをして何回も剣を叩きつけられる。その度に震える体。果たして震えているのはそれだけのせいだろうか?違う。解るのだ。剣士として。剣から相手の激情が流れ込んでくるのが。

皮肉にも。高町恭也が超一流の剣士であったからこそ読み取れてしまった感情。

すなわち、後悔と。

「何度も夢に見た!守れなかった人たちを!死んでいった人達を!助けたかったという無念と助けてほしかったという想いを!ただ苦しいとただ生きたいと思った家族や友人、恋人を見た!もう一度会いたいと涙を流しながら散っていく人を見た!!それを何度助けたいと、守りたいと、そう思ったか……!しかし、夢とは残酷なものだ!出来ないと頭でわかっている事は絶対に叶えてくれない……!」

連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打連打。

何回撃たれたかどうかももう覚えていない。平常時のコンディションではない事なんてとうの昔に気づいている。命を奪い合う戦場だからか?

否。命を奪い合うと言うだけならば既に月村家で一度体験している。しかし、その時でさえこんなことにはならなかった。そう━━━あの時はただ仕事で戦いに来た人間と魂がこもっているとは言い難い人形と戦っただけなのだ。

憎しみ、もしくはそれ以外の感情を持って戦うという戦いは今のところ一度として戦った事がないのだ。それ故に圧倒される。余りにも情けなくて、虚しくて、悲しい強さを持って攻撃されたことが一度もない青年はそれに耐えるという術を知らなかった。

「そして現実は更に非情だ!目の前で守ろうとして出来ずに死んだのならば、それこそ自身の力量不足という事でヴォルケンリッターんの代わりに自分も恨んで少しは彼女達を赦せたかもしれない!しかしだ!実際は私達の目の前で死なず、何時の間にか死んでいたといことだ!何なのだそれは!!では、今までの生涯は何だというのだ!?ちっぽけな力だ!!こんな仕事に就いても守れたと言える人間は少数しかいなかっただろう!だけど、そんなちっぽけでも━━━せめて自分が心の底から守りたいと思えるものを守らせてくれてもいいだろう!?それなのに!それなのに!守るどころか死ぬところさえ見せてくれなかったのだ!!」

痛い、苦しい、辛い。そんな思考だけが心に流れる。鬼神の如き表情と剣で俺を追い詰めてくる老兵。そう、追い詰められているのだ。精神的にも、肉体的にも。

「いっそ死のうかと思った!狂えたら楽だと思った!!世界なんて何度滅びればいいかと思った!自分は何と惨めなのだと思った!何故、家族、友人、恋人が死ななければいけないのだと何度も思った何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故!!!何度そう自問したか!!そして行き着いた先がここだ!!君に、君如きが我らの気持ちなど……解るはずがない……!」

最後は強烈な上段からの大切断を受け止めたせいで体が後ろの吹っ飛んだ。とてもじゃないが体が反応しない。良く見れば剣を握っている手が痺れで震えまくっている。

痺れた思考で何かしないとと思ったら目の前に灰色の光が現れた。前を見たらそこには魔方陣。確かガトリングソードとかいうのを発射するための魔方陣だったはずだ。それが展開されている。

動きゃなきゃと思う。動いて守らなければという想いもある。だけど、体は動こうとはしなかった。体力がなくなったわけではない。重傷を負ったわけでもない。ただ動こうという気力が削られたのだ。

理由は解ってしまった。この人達を止めることが出来るほどの理由が自分には存在しないのだ。こっちはただ誰かを我武者羅に守りたいという至極単純な理由だ。

しかしだ。それは今、敵対している人達が昔持っていた願いでもあったのだ。その人達は守りたい人を守れずにその悔しさとを殺意にしてこちらにぶつけてきた。それはつまりだ。


この人達は自分が誰かを守れなかった時の高町恭也のIFではないのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


考えてみろ。もしも自分が彼らみたいに大切な誰かを守れなかった場合。彼らみたいに怒り狂わないなんて言えるか?━━━言えるはずがない。そんなものを否定できるほど自分は強くない。

それなのに。そんな自分が彼らを否定してもいいのか?いや、そもそも否定できる立場なのか。そういった疑問が体を重くしてしまい、普通ならば避けれたはずの攻撃が目の前で動く。

「認めろなんて言わない……!ただ、我らの暴走に巻き込まれ死んでくれ……!」

そして灰色の光が発射した。

周りの人たちが声を上げる。それすらも今の自分は得てもいいものなのかと思う。どっちにしろもう駄目だ。反応するにはもう遅い。ここはもう潔く消えるしか術がない。

ならばせめて目を閉じて━━━


「恭也ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


大切な声が聞こえた。

そしてドバっと肉に何かが刺さる音がした。

刺さったと思った。しかし、妙だと思った。自分には全く痛みを感じていなかったからだ。それとも即死してしまったのだろうか。せめて、その事実を確認しようと思い、目を開くと。そこには。

何時もの無表情で

俺をかばって左腕に剣を生やした慧君がいた。























あとがき
更新が遅くなって申し訳ありません。
とりあえず、今回は戦闘ばっかです。
戦闘中でも冗談を言っているのは自分たちが冷静であるという相互の確認みたいなものです。作者にとって。
戦闘が上手くかけれていればいいと心底願います。

追記
ほんの少しだけ修正しました。
とは言っても全然変わっていませんが。
次は主人公がメインで戦うようにしたいと思います。
魔法使い組の出番は何時になるやら……。
そして僭越ながら聞きたいのですが、今回のバトルはどうだったでしょうか?
少しでも戦いの雰囲気が出ていたのならばいいのですが……。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.043126106262207