かくして三か月が経過した
え?手抜きだって?そんなの全部言っていたら面倒臭いじゃないか?人の事情というのを理解するのも人間として必要なものだぞ、ワトソン君
でもまぁ、部分的になら教えよう。とは言ってもそこまで語るような出来事は別に時になかった。単純に今までの日常にヴォルケンリッターの四人が混じったくらいだ。だから別に変な事は起きていない。例えで言うと
「ちくわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
と吠えたくらいだ
何?もっと状況説明?後はこんなものだぞ
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「ザフィーーーーーーラぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「貴方を信じていたのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
何とも面白くない叫び声だと思うだろう。もう少しギャグの心と言うのを理解しないとな。後まだまだ心を冷たくするのにも慣れてないのが珠に傷。精進が足りない
とりあえずだが状況は少しずつだが進行している。それは八神にとっていは良い事だろうけど俺にとっては別段良い事でも悪い事でもないのだ。今更だが。俺も何故こんなことを手伝っているのかと時々自問自答するが今更後の祭り
何とかして黒いのはこっちに来れる算段をつけて今日来るらしい。自分で言っておいて何だがよくもまぁ、来れたものだ。他のメンバーにはそれは伝えてある。ただ内容は防護の為とか情報公開の為とかではなくヴォルケンリッターの罪の清算の具体的な方法を説明するとか自分たちへの信用を少しでも増やす為とかだが
詭弁って素晴らしいよね。人を暴論遣いとかいうからこういう仕打ちをされるのは解っていた事だよね?人を勝手に信頼するからこういうしっぺ返しを受けるのだよ。悪い子のみんなは真似しろよ
別にどうでも良い事だけど
ま、あの黒いのが意外と応用力があるのが幸いだったな
少し前の会話を思い出す
「頼んだ俺が言うのも何だが本当に来れるのか。幾ら事件があった場所とはいえいきなりその管理外世界に指定されている地球なんて来たら絶対に怪しまれるぞ。しかも裁判中に」
『普通ならそうだが素晴らしい偶然のお蔭で何とかなったよ』
「素晴らしい偶然?」
『なのはだよ。なのはのお蔭さ』
「なに?政治力とかでいうならゼロどころかマイナスの域に達している高町が何故?」
『酷い台詞だな。君はいずれ知り合いに刺されると予言しとこう。まぁ、この前の事件。こっちではP・T事件と呼んでいるんだが』
「周りの人間には注意しとくよ。P・T?ああ、プレシア・テスタロッサの略か。捻りがない事で。それで?」
『あの事件で君は要望通りにいなかったことにされているがなのはは別だ。正式に協力を申し込んだのだからね』
「その前に高町を誘導しようとしていたがね」
『その件については何度も悪かったと言っているだろう。まぁ、確かに簡単に許されることではないが。話を戻すぞ。それでだ。彼女はこっちではかなりの有名人となっている』
「中々面白い冗句だね。高町が馬鹿な意味ではなくちゃんとした意味で有名人になるなんて世界が七回ぐらいひっくり返らないといけないな。それで?何でだ」
『簡単な話だ。彼女がやったことはかなり凄い事だ。しかもただでさえそのこの事件が物語的だ。さしずめなのはは主人公と言ったところか。ある日唐突に魔法に目覚めそれも奇跡的な魔力を持ち、しかもそれを扱う才能もぴか一。更には完璧な善意で人を助けようとする心。英雄と言っても差し支えはないよ』
「英雄ねぇ。英雄なんて大量虐殺者の代名詞なだけなんだと思うがね。ふぅん、しかも完璧な善意ねぇ……」
『何か変か?』
「んや、別に。好きに解釈しとけば」
『一々含みがある言い方をするな君は。確かに君は交渉とかには向いているな━━━人を苛立たせる天才だ』
「お褒めの言葉どうもありがとう。返礼として女狐艦長にお前が砂糖茶を飲みたいと言っていたと言ってやる」
『……まったく。君は本当に最低だ。続けるぞ。そういうわけで彼女は有名人だ。そして実は意外と君との交渉の事も伝わっているんだ。勿論、君じゃなく彼女とユーノがやったという事になっているが。ユーノが嫌がっていたぞ。僕は彼みたいに凄くないって』
「まぁ、高町だけにしとくよりは説得力はあるがな。ユーノには俺みたいな交渉術を覚えるなよと言っといてくれ。」
『伝えとこう。僕も君みたいな人間がもう一人できたら困る。その交渉の内容を一部とはいえ伝わってくれたのが幸いだ。まぁ、その分僕たちに対しての悪評が増えてしまったが。プラマイゼロだな。』
「━━━ははーん。お前もなかなか腹黒いじゃないか。成程。その交渉内容を利用しようってか」
『相変わらず憎々しいぐらいに頭の回転が速いな。その通りだ。まだ君達にそういえば報奨金を上げてなかったと思い出してな。約束事を放り出したら法の番人の名が落ちてしまうだろ?』
「くくっ、確かに」
というわけだった
アイツもなかなか暴論遣いの名を得るに相応しい奴だ。何時か将来。結構嫌われる奴になるだろうな。間違いない。何せ俺が言うのだから
というか俺はこんな恥ずかしい二つ名なんかいらない。誰か持って行ってくれ
そんなこんなで俺がもうやることなどないだろう。俺はあくまでも交渉しか出来ない役立たず。否、交渉と言っても筋が通っていない暴論で相手が苛立っている間に無理矢理締結させるだけ。相手が大物とかならばこんなものは全く通じないだろう。中途半端過ぎる特技だ
とりあえずここから先の領域は高町や黒いの達。後はヴォルケンリッターと八神の問題だろう。そこから先は知ったことではない。どっちにしろ何かがあったとしても、もう俺にできる事などないだろう
というわけで寝ますか。授業中だけど
「おい、風雷!!貴様!私の授業でまた寝るつもりか!!」
「あばよ~とっつぁん~。スピー」
「この○び太君レベルの睡眠スピードが!!」
ではでは
悪夢の世界に行こうかな
ふと
地獄夢を見た
しかしそれは現実のものではない。それは間違いない。何故なら一度たりとも自分はあの光景を忘れたことがないからだ
否、忘れようにも忘れられなかった。意思に関係なく忘却するかと思ったら悪夢として再び思い出される。故にこの光景がかつて経験した風景ではないことは確かである
つまり、今回は自分の記憶と意思で作られた正しくただの悪夢である
しかしこれはある意味本当の事であろう。何せこれはつまり自分が想っていることを悪夢の形で作られたという事なのだから
━━━タスケテ━━━
幼子の声と思われる声が響く
━━━ドウシテコンナメニ━━━
成人女性らしき声が響く
━━━シニタクナイ━━━
子供らしき声が聞こえる
━━━ワシガナニヲシタトイウノジャ━━━
老人の声らしき声が聞こえる
ありとあらゆる怨嗟や悲しみが聞こえる
これらは作り物
だって現実では声を聴くなどできなかった。だってあそこではもう死者しかいなかった。そういう意味では何もかもが平等であった。あそこでは才能とか地位とか性格とか性別とか年齢とか障害とかそういうのは全て平らにされた
違うとすれば死に方だけ。天井から落ちてきた瓦礫によって潰されたりとか、地獄の業火を連想させる炎で骨ごと焼かれたりとか、それぐらいだ。
どちらが楽な死に方だっただろうか?考えても仕方がない事だった
そんな中、異物は俺だけだった。死者が並ぶ中一人歩くだけの亡者。死ぬべき場所で愚かにも生きてしまった愚者。地獄の責め苦を受けて壊れて動き回るだけのグール
それは過去でも悪夢でも同じであった
だから死者の声を聞くことが出来るのも答えることが出来るのも俺だけだった。
これは呪いなのか。それともただ一つだけの救いなのか。それとも両方か
どちらにしろ俺はこの声に答える事しか出来ることがない。余りの悔しさに、余りの無能さに怒りが込み上げてきた。そんな事情は知らずに声は語りかけてきた。
━━━タスケテ━━━
ごめんなさい、無理です。俺にはどうすることも出来ません
━━━ドウシテコンナコトニ━━━
ごめんなさい、解りません。俺もどうしてこんなことになったのか知りたいです
━━━シニタクナイ━━━
ごめんなさい、不可能です。死んだものを生き返らせることは神様でも無理です。だからこんな無能なゴミ以下の俺にはそんな事できません
━━━ワシガナニヲシタトイウノジャ━━━
ごめんなさい、多分何もしていないのかもしれません。何かしたのかも知りません。でもそんなことは地獄にはどうでも良いみたいだったようです。何もかもが平等にされ、何もかもが不平等にされ、何もかもが死体にされた。その結果だけを要求されただけなのかもしれません
そして答え終わったと思ったら今度は周りにいる気配全員からの質問が来た
今度は間違いなく俺当てへの質問であった
━━━ジャアドウシテアナタハイキテイルノ━━━
それは致命的であり当然な質問
それに対しての質問も微妙にぼかした答えしか返すことが出来ない
ごめんなさい、違います。生きているわけではありません。ただ死んでいないだけです。ただ墓石の下から出てきただけの存在と一緒です。ただ間違っただけです。ただ壊れただけです。ただ奪われただけです。貴方達と同じでただ死に方が他の人と毛色が違っただけですでも、貴方達よりも幸福と思わなければいけないのでしょう
だって、貴方達は生きたがっていたでしょう。死にたいと思っていなかったでしょう。全員が全員そう思っていたとは言いませんが少なくともこんな悲劇に遭いたいと思ってはいなかったでしょう
でも、ごめんなさい
無理なんです
不可能なんです
叶えられないんです
貴方達を生き返らすことは出来ないんです。貴方達を治すことは出来ないんです。貴方達を取り戻すことは出来ないんです。奇蹟なんて起きないんです。奇跡なんて起こせなんです
だから俺にできることは貴方達の存在を記憶し、記録することだけなんです
貴方達には何の慰めにもならないでしょう。でも、それしか貴方達にすることが俺にはないのです。無能の俺にはそんなことしか出来ないんです。貴方達を想って生きる振りしか出来ないんです。貴方達を想って戦うことしか出来ないんです。貴方達を想って卑劣で卑怯なことしか出来ないんです
だから
だから━━━
そしたら
答えが返ってきた
■■■■■━━━
祝福の言葉が
ガタン!と椅子を転がせろ音を響かせて勢いよく立つ
「こらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!風雷!また貴様━━━」
先生の怒鳴り声も途中で止まった
その理由は容易に想像がつく。きっと今の俺の顔色は凄い色になっているだろう。表情は━━━無表情であると信じたい。いや、そうでなくてはならない。
だが今はそんな事はどうでもいい。周りの視線が嫌でも俺の方に集まるがそんな事を気にしていられない
速くこの体の中で渦巻くナニカを捨てたい
「━━━先生」
「……あ、ああ。何だ?」
自分の声さえ何だかおかしく聞こえる
やばい。これは平時と違って全く自分の体をコントロールできてない
速くコントロールを取り戻さないと。だから速く体の中のを吐き出さないと
「すいません。トイレに行っていいですか?」
「い、いいぞ。速くするが━━━」
許可を受けたところからはもう話を聞いていなかった。俺は直ぐにその場を離れた。離れる時に何時ものメンバーが心配そうな顔でこちらを見ていた。つまり、あいつらに心配されるような顔色をしていたという事か。全くもって情けない
ああ、でも今はそんな事はどうでもいい
ハヤクハキダサナキャ━━━
アア、デモアイツラガオッテクルカモシレナイ
ジャア、ワカリヅライトコロニイコウ
デモソレマデタエラレルカ━━━?
何処をどう走ったのか覚えていない。気づいたらそこはトイレで洗面所の前みたいだ。自分の息遣いから察するに遠い所のトイレまで走ってきたようだ。よくもまぁ、もったものだ。初めて自分を褒めたくなったがそんな暇はない
もう限界だ。洗面器に縋るようにしてそして
「うっ、げぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇぇ、げぼっ!!」
胃の中全部を吐き出した
胃の中が舌を通るときにモノスゴイ味を感じさせ、更に吐き気を込み上げさせまた吐く。それを何度も繰り返す。余りの気持ち悪さにマゾにでも目覚めてしまいそうだ。
よくマンガで痛みは生きている実感だとかいう台詞があるがそんなものはまやかしだ。こんなもので生の実感なんて得れるはずがない。ただの苦痛だ。得れるというならばそいつはただの悟りを開いた人間だろう
何度吐いたのかもわからない。気が付いたら壁にもたれかかって座っていた
本当に━━━情けない
これが俺の姿
みっともなく、不様で汚く卑怯で情けない姿
これが俺の本性
隠していたわけではない。ただ他の人間が勘違いしただけ。皆、勘違いしている。人をまるで無敵超人のスーパーマンみたいに思っている。完璧な誤解だ。俺はそんなに強くないし、凄くもないし、素晴らしくもない
まぁ、自意識過剰なのかもしれないが他のメンバー特に恭也さんやユーノ、フェイト、そして一番はすずかだ。このメンバーは勘違いし過ぎだ。特に後ろ二名。俺に好意を持つなんて勘違いでしかない。どいつもこいつも節穴揃いか
「━━━はっ。まったく反吐が出る」
口だけはいつもの調子は戻せたか。いつも通りの悪態が出てきてくれた。言葉通りだ。毎度毎度俺に期待ばっかりしやがって。こっちはお前らみたいな大層な人間ではないのだ。良く考えればわかる事だ。卑怯な事を使ってでしか生きられない自分と違って俺の周りは正々堂々と戦って生きれるのだ。互いの実力差は明白だ
あんな事を言っているが俺ではもう舌戦だけでしか高町に勝てないだろう。それも時間の問題だ。大人になれば俺の暴論なんて簡単に返せる。
所詮は付け焼刃だ。その付け焼刃も出来ることは時間稼ぎか相手の気を逸らすだけ
そこまで考えて思わず嘆息する。今更の事だ。自分に力がないのは承知の上だ。そもそも自分で『誓った』ではないか。力があるから戦うのではなく、自分で決めたから戦うと
とっとと自己嫌悪なんて止めよう。今日は黒いのとかが来る日っていうのに。速く体調を少しでも治そう。そして何時も通りに傲岸不遜で欠点などない様に振る舞わないと
さてと一声かけて立ち上がろうとすると
ドアが開く音がした
別に変な事ではない。ここはトイレなのだから誰かが来るのは当たり前の事だろう。授業中だがそれで尿意やらが止まるというわけではない。さてどうしようかな?このまま授業に戻るか、いっそこれにこじつてけて早退とかするかとか考えていたら
入ってきたのは女の先生だった
んん?
「……あれ?風雷……君?」
「やぁ、先生。先生もトイレですか?でもここは生徒用のトイレではありませんでしたっけ?」
「……ここ。職員用━━━」
「ありゃりゃ。それは失礼。悪い事はしました。でも、今回だけはわざとではないんです。」
「の女子トイレ」
「……」
ううむ……我ながら典型的なボケを。まさか自分がそこまで餓えていたとは思いたくない。というか嫌だ。
さて、この場をどう潜り抜けるか……
しかし侮るなかれ。俺はこれでも様々な修羅場を潜り抜けた人間だ。身体能力こそ御神の剣士やヴォルケンリッターには負けるが経験や咄嗟の行動ならば勝つとは言わないが負けるとも言えない。
それに今は身体能力ではなく言葉が使える時だ。
今こそ見よ。この暴論遣いと言われている実力を━━━!
「大丈夫です━━━俺、おばさんには興味がないんで!」
「第一種風林火山。風の陣!!」
その一言で周りが騒がしくなった。
興味がないと安心させようとしたのに何故こんな目に合うのだろうと窓から逃げながらそう思った
そうして私達は私の家に帰りクロノ君が来るのを待っていた
「うわぁー。何か緊張すんな~」
「大丈夫よはやて。あの風雷が保証するとか言ったのよ。なら大丈夫でしょ」
「アリサちゃんも何だかんだ言って慧君の事を信頼しているよね」
「ふふふ、そうだね」
「誰があんなの信頼するか!」
アリサちゃんも素直じゃないなの
それにしても
「慧君、遅いなの」
「メールで送れるとか言っていたけど……そういえばアイツが私達にメールを送ったの初めてじゃない?」
「二年間付き合っていてようやくの初メール……私的世界遺産決定……!」
「すずかちゃんがまた壊れたな~。それにしても大丈夫かいな。教室では滅茶苦茶顔色悪かったけど……」
そうなのです
あの無表情人間世界ランキング一位と言っても過言ではないあの慧君が顔色を悪くしたのです。居眠りする前は何時も通りだったんですけど。というと問題があったのは眠った後。つまり夢の中で問題があったという事なのです
どんな悪夢を見たのかというのは想像するのは難しくありません
「はぁ。あんなのを見た後じゃあ確かに湿っぽくなるわね」
「あの後追いかけたけど何処にもいなかったし」
「私らがどうするかもお見通しやったという事やな」
「喜ぶべきか、悲しむべきか微妙なところだよね」
本当に微妙なところだ。それを良い事に使われているのならばともかくこうやって逃げることに使われていたら台無しなの
「本当━━━難しいね。救いたいと思えば逃げて、助けたいと思ったら助けられる。一緒にいようと思えば避けられる。笑いたいと思ったら無視される。することすることが全て否定される。ある意味慧君は破壊の権化だね」
すずかちゃんが静かに語った。すずかちゃんがそんな事を想っているのは確かに驚きだったけど一番驚きなのは最後の一言だった
破壊の権化
それは余りにも慧君に似合い過ぎではないだろうか
人の期待を破壊し、人の思惑を破壊し、人の願いを破壊する
達の悪い事にそれを自分が願った時だけ。つまり気紛れ。
そこまで考えて苦笑する
何を馬鹿げたことを考えているのだろう。慧君がそんな大した存在に見えるはずがない。大体それならば私達の事も破壊しているだろうに。少し疲れているのかもしれない。
とはいえ今はクロノ君達を待つだけ━━━
「あ……来たよ」
くんと何だか解らない感覚で魔力を捕える
それと同時に魔方陣が目の前に現れる
他の人は私やヴォルケンリッターの人達以外の魔法を見て驚いたり、緊張したりする
「……あれ?」
しかし、私はそうではなく緊張感のない声を上げてしまった。目の前にある魔方陣。それはいい。何らかの魔法を使う時魔方陣が自然と浮かび上がるのが魔法だ。だからそれには問題はない。問題があるのは色の方だ
今回来るのはクロノ君だと聞いている。つまりだ。それならば魔方陣の色は青色でなければいけないはずだ。記憶がおかしいのか。そんなことはない。忘れるほどの時間も経っていないし、時の庭園の時にこの頭に刻み込んだはずだ
なのに目の前の魔方陣の色は━━━金色だ
見覚えがないわけではない
有りまくりなのだ
その色を覚えている
その色は前の事件。私が魔法とかかわる事件で巡り合った少女で、何度も衝突して、何度も助けあって、そして最後に名前を呼び合う友達となった少女
その名を思い浮かべた瞬間、陣から人が現れた
現れた人間は三人
一人は勝気なお姉さんタイプで正体は金髪の魔法少女の使い魔
一人は理知的な顔をした少年で女の子も顔負けな女顔をしている
そして最後の一人は金髪を二つに束ねていて、羨ましいと思えるくらい可愛らしい顔と特徴的な赤い瞳をした少女
「フェイトちゃん!?」
「久しぶり、なのは」
そして再開は果たされた
あとがき
少し主人公の回想シーンで長くなりましたね
次くらいシリアスで行きたいですね
遅れてしまいましたがヘタレイヴンさん
応援ありがとうございます
こんな作品を応援していただいてありがとうございます
出来る限り改善はしていると思ますが、至らぬ点は無限ぐらいありそうなのでまた何か変なところがあれば馬鹿な作者にもわかるような指摘をお願いします