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No.27393の一覧
[0] 悪魔との契約(なのはオリ主) 【チラ裏から】[悪役](2011/10/23 23:19)
[3] 第一話[悪役](2011/12/16 00:27)
[4] 第二話[悪役](2011/10/23 23:20)
[5] 第三話[悪役](2011/10/23 23:20)
[6] 第四話[悪役](2011/10/23 23:20)
[7] 第五話[悪役](2011/10/23 23:21)
[8] 第六話[悪役](2011/10/23 23:21)
[9] 第七話[悪役](2011/10/23 23:21)
[10] 第八話[悪役](2011/10/23 23:21)
[11] 第九話[悪役](2011/10/23 23:22)
[12] 第十話[悪役](2011/10/23 23:22)
[13] 第十一話[悪役](2011/10/23 23:22)
[14] 第十二話 <修正>[悪役](2011/10/23 23:22)
[15] 第十三話[悪役](2011/10/23 23:23)
[16] 第十四話  <無印編スタート>[悪役](2011/10/23 23:23)
[17] 第十五話[悪役](2012/01/05 16:09)
[18] 第十六話    <微グロ注意>[悪役](2011/10/23 23:24)
[19] 第十七話[悪役](2011/10/23 23:24)
[20] 第十八話[悪役](2012/01/09 23:30)
[21] 第十九話[悪役](2011/10/23 23:24)
[22] 第二十話[悪役](2011/10/23 23:25)
[23] 第二十一話[悪役](2011/10/23 23:25)
[24] 第二十二話[悪役](2011/10/23 23:25)
[25] 第二十三話[悪役](2011/10/23 23:25)
[26] 第二十四話[悪役](2011/10/23 23:26)
[27] 第二十五話  <無印完結>[悪役](2011/10/23 23:26)
[28] 第二十六話  【A’S開始】[悪役](2011/10/23 23:26)
[29] 第二十七話[悪役](2011/10/23 23:27)
[30] 第二十八話[悪役](2011/10/23 23:27)
[31] 第二十九話[悪役](2011/10/23 23:27)
[32] 第三十話[悪役](2011/10/23 23:27)
[33] 第三十一話[悪役](2011/10/23 23:28)
[34] 第三十二話[悪役](2011/10/23 23:28)
[35] 第三十三話[悪役](2011/10/23 23:28)
[36] 第三十四話[悪役](2011/10/23 23:28)
[37] 第三十五話[悪役](2011/10/23 23:29)
[38] 第三十六話  【修正】[悪役](2011/11/06 22:45)
[39] 第三十七話[悪役](2011/11/23 21:35)
[40] 第三十八話[悪役](2011/12/01 19:54)
[41] 第三十九話[悪役](2011/12/17 12:06)
[42] 第四十話[悪役](2012/01/09 12:20)
[43] 第四十一話[悪役](2012/02/05 11:56)
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[27393] 第三十一話
Name: 悪役◆8e496d6a ID:d44a4ec3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/10/23 23:28

こうして俺は暴論をあらん限り使いまくり、管理局の馬鹿共を相手に論破?しまくり、そうして何と守護騎士メンバーの罪を出来る限り軽くしていくという痛快な展開

「を望んでいる人がいるかもしれないけど、そうはいかんざき」

「慧君、何を独り言を呟いているんだ」

「いや、観客に対しての宣言というか、抑止力というか……」

「君は何を言っているんだ」

失礼。

冷静になろう

「ま、とりあえずこれからの説明だな」

「ああ、頼む」

「さっきは決め台詞やら何やら意気込んだセリフを言ったが実は別にそれほど暴論を遣わなくてもいいんだよなぁ」

「何故だ?自分で言うのも何だがこっちは重犯罪者。それをおこがましくも何とかしてくれと言うのだぞ。多少は交渉を強気で言わなくてはい

けないはずだ」

八神は子供ゆえかかなり甘く見ていたようだが、実際はかなり酷い罪を背負っているヴォルケンリッター。どれだけの罪悪を起こしたのかは既にヴォルケンリッターですら、全てを把握していないらしい。昔の主の命令と言えば虫が良すぎるから、やはり罪はお互い様だろう。

ま、そこらへんは上手くやるけど

とりあえず、質問に答えてやろう

「ああ。それは簡単だ。今から喋る奴は……ええと、まぁ、いいや。女狐艦長と頑固一徹な黒いのなんだが」

「……慧君は人の名前を認めた奴ぐらいしか言わないだけで、名前自体は覚えているものだと思っていたんだが……」

「ああ。まさか、呼ぶ気がない奴の名前は覚えてすらいなかったか━━━最低の権化だな」

失礼な

俺は単純に興味がない物はとことん覚える気がないだけで、それのお蔭で脳の容量を効果的に使えているんだよ

「話がこの二人のせいで逸れたな。まぁ、そいつらはもう正義正義の連中でお前らみたいなのでもちゃんと扱うだろうよ。まぁ、女狐艦長の方はどうかと思うから釘は刺しておくけど。ああ、もう。何で俺がまたあんな奴らと話さなきゃいけないかなーー。面倒臭いなぁ。後で八神の胸でも揉みまくってやる。」

「主の胸を揉むのは遠慮してもらおうか」

「冗談だ。あんな発育もしていない胸なんか揉んだところで何の足しにもならない。続けるぞ。というわけで、多分、俺が頼まなくても勝手に人助けをしてしまいそうな奴らなわけなんだ。だからお前らの贖罪活動の方は俺が何かしなくても何とかなるだろう」

「……では、何故主の願いを?」

「簡単だ━━━そろそろ五月蠅い蠅を叩き潰してやろうと思ってな」

「は?」

どうやら気づいてないらしい

これだから魔法万歳王国出身の人間は困る。もう少し近代的なモノではなくて、原始的なモノも重要視するべきだと思う。とは言っても近代人として科学に頼っている俺が言うのも何だけど

「……というか、その年でそこまで読み取れる君が少しおかしいのだがな……」

「あんたらの襲撃を受けていたら勝手に覚えるわ。それに別に少し格闘技を習えば出来る人は出来るらしいですよ」

「……俺の記憶が正しければ君は最初らへんから読み取れていた気がするんだが……」

「それは高町父の記憶違いですね━━━老化か」

「なに。例え老化しても俺と桃子の愛は決して老けない……!」

「そこは衰えるだろう、父よ。というか出来れば衰えてほしい」

「毎回、甘い空間を出しやがって。本当なら血祭りどころか骨祭りだ」

「意味が解らん。そして言おう━━━それは負け犬の遠吠えだと」

「話が逸れてますよ」

おっと、この俺以外のメンバーは話を逸らそうとするから困る。もう少し真面目に生きるという事が出来ないのかと出会ってからずっと思ってしまうよ。まったく傑作だ

「……」

「おっと、恭也さん。ツッコミに刀は駄目だぜ。下手したら切れちゃうじゃないか」

「そこで大怪我するとは言わないのは大物なのか、馬鹿なのか……」

「……また話が飛んでいるのですが」

「おっと、失礼。とは言っても簡単な話なのだがね━━━つまり単純にい八神を見張っている奴らがいるという事だけだ」

「……なに!」

シグナムが焦った声を出す。まぁ、あれだけ忠義者の姿を見せられたからなぁ。むしろ、こういう反応をしてくれないと俺が動く理由が消えてしまう。

説明しようかと思ったけど、そこはヴォルケンリッターの将で歴戦の戦士。経験と直感でちゃんと解ってくれたようだ

「狙いは……闇の書か」

「だろうね。実際、お前らが現れてか更に頻繁に出てくるらしいぜ」

「……まさか、お前はその為に主の願いを一時的に断ったのか……?」

「それは買い被━━━」

「そうだ、シグナム。慧君はその為に俺達にも少し周りを確かめといたほうがいいと警告してくれたんだ」

「……恭也さん。無駄な事は言わなくてもいいです。まるでそれでは俺が八神の心配をしている人間みたいな評価を受けてしまいます。つまり、誤解を受けてしまいます」

「誤解ではないだろう?」

「俺は単に時々、外でじーーーーっと監視してくるのがかなりうざいから言ってだけです。八神の事なんかまったく興味がないです。お分かりですか?」

「ふっ、ではそういうことにしておこう」

むかつく。後で月村姉にあることないことを言っといてやろう。それで煩脳死しろ。はっはぁ、ざまあみやがれ

「では、お前は今回の会談ではそちらを重要視するという事か……?」

「そゆこと。話が早くて助かる。これで他のメンバーならば面倒臭い説明をしなくてはいけなくなる。持つべきものは事情を察してくれる人達ですね。どちらかと言うと俺は一人になりたいのだが」

「無理だな」

「恭也さん。いい加減空気を読んでください。だから月村姉に面白くないって言われるんですよ」

「言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「さて、話を続けよう。いい加減うざくなってきた」

「……い、いいのか?」

「構わんよ。という事でお前らの贖罪内容はそいつらに任せることになるがまぁ、それと同時にお前らの防備を用意してもらわないとな。四六時中神経を張りつめるのは流石に面倒だろう」

「だが、証拠はあるのか。気配だけでは弱いと思うのだが……」

「なぁに、心配するな。そこらへんは解決している」

「??ある、のか?」

「YES.大変だったぜ。ばれない様に事を進めるのは。感謝はお前らの所のシャマルにするんだな」

「……何時の間に?」

「さぁて?」

何時でしょうね?別にどうでも良い事だけど

「ま、こんなものは誰でも見つけることが出来る証拠さ。違和感を失くそうとしたら逆に違和感が出来るという事を黒幕さんは理解していなかったのか。それともただの馬鹿か。ま、どっちでも良い事だな」

「……そっちについては私は問題漢なので任せるしかないだが、本当に我らの罪状については大丈夫なのか。主の手前ではああ言ったが、普通に考えれば極刑は当たり前なのだと思うのだが……」

「あーー。まぁ、初対面の相手を信じろと言われたらそれは誰でも疑うよな。じゃあ、簡単だ。テストをすればいい」

「テスト?」

「そ、テスト。なぁに、要はお前らが信頼できるか、出来ないかを測ればいいだけさ」

「……話の途中で失礼するが慧君よ。話す内容はちゃんと纏まっているのか。正直、俺はボディガードをするだけが能であって政治的な事は苦手なんだが、それでもこういうのは少しでも頭で纏めるものではないのだろうか。それとも君のお家芸の暴論で行くのか?」

「んん?今回は暴論は遣わないです。高町父」

「なん……だと……?」

「おいおい。まるでこのガキ、暴論以外の事を知っていたのか、こんちくしょうが。知っているのならば出会った時から使えやこんちくしょうがみたいな顔をしないでください。」

大体、暴論以外を知っていなかったら暴論は遣えないでしょうが。暴論の反対を知り、理解してこその暴論なんだから。そうじゃない暴論じゃあ、威力が格段と落ちてしまう

というわけで、今回は誠に申し訳ないのだが、皆さんから名づけられた暴論遣いの名を返上して何と正論で叩こうと思うのさ。ちゃんちゃんとね。



















「やぁ、頑固一徹の黒いのと女狐艦長。壮健そうで何よりだ」

『………君と話さなければ多分もっと壮健だっただろうな』

『駄目よクロノ。思ってもそう言っては』

出合い頭に痛烈な一言。一体俺が何をしたというのだろうか?過去の自分を思い描いてみよう

……よし、意外とどころかちゃんと普通しているではないか。という事はこの態度はあちらが悪いという事だ。何ともまぁ酷い人間だ。長生きとかすると性格がひねくれるね?

『言っとくが、僕が知っている人間では君が一番ひねくれていると思うぞ。そして君と僕はそこまで歳は離れていない』

「心を読むな」

最近の人間は人間を止めているから困る。もう少し人間らしくなってくれないと世界から弾き出されるぞ

ま、それはさておき

「とりあえず、今日は高町からの質問があったから、こういう通信をしたんだが」

『なのはが?じゃあ、本人が来ればいいんじゃないか?』

「最もな意見だがな。実はあいつは国語の成績は良くない。それを嫌らしくも自分でも理解しているようでな。それでアイツは親や自分の友人を使って俺を脅迫してきたのだ。解ったか?」

『……ご愁傷様とだけ言わせてもらうよ』

はっはっは。高町が凄い悪役になってしまったね?まぁ、悪魔みたいな人種だからいいか。何せ友達になりたいとかいう相手に何と全力砲撃をぶちかましたのだからね。アイツは友達になるには暴力を使わなくてはなれないのか?絶対にアイツとは友達にならないと固く誓おう。そして名前も呼ばないと

『でだ。その質問とは何だ?手短に頼む。フェイトの裁判の事でまだまだやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ』

「そういえば二人は?」

『訓練室で訓練しているわ。二人とも暇さえあればそうしている事が多いわ。ふふふ、二人とも貴方みたいに冷静に戦えるようにとか考えて戦えるようにとか言っているわ。好かれているわね』

「……俺よりもそこの黒いのを真似た方が良いと言っといてください。ついでに俺は悪い見本だと」

『何だ。自覚しているのか?』

「そうでなければ今頃この場に立っていないさ」

自分でも解っているからこその行動。どうやらシグナム達もそう言っていたらしいが、全くもってその通り。俺は自覚して動いている。故に醜悪だ。シグナム達が言っていることは何もかもが正しい

別にどうでも良い事だけど

「ま、本題に入ろうか」

『そうだな。このままでは罵り合いだけで終わってしまう。いい加減仕事に戻りたいところだ』

「このワーカーホリックめ。とは言っても簡単な質問だ。デバイスの事らしい」

『ふむ?どうしたんだ。なのははレイジングハートを壊したりしたのか?それとも整備をしたいとかか?なら、フェレットもどきの方が適任なんだと思うのだが』

「ああ。そういう方面ではない。言っただろう。高町は国語が苦手だと」

『???』

「ユーノから聞いているのかもしれないが、高町のデバイスは意思を持っているのだろう?」

『ああ、そうだな。インテリジェントデバイス。その通りなんだがそれがどうしたっていうんだ』

「フェイトの事件で思った事なのかは知らないが、それで考えたことがあるらしい。つまりだ。デバイスと言うのは主のいう事を絶対かは知らないが、大抵は聞くんだろう?」

『その通りだな。主の命を危うくするとかそういうのではない限り大抵は聞くだろうな。それで?』

「知っての通り。高町は超馬鹿が付くくらいのお人好しだ」

『ふむ』

「というわけで機械も人間みたいな扱いをしているわけだな」

『……良いとは言わないが別に悪い事でもないだろう?』

「それで思ったらしいんだ。例えば犯罪者のいう事を聞くデバイスらしきもの。そういったものには罪に問われるのかと」

『……』

「ただの戯言だろうな。だが先ほども言ったように気になったらしい。それはそうだろうな━━━この話はどこぞの金髪少女の話と部分的に一致するところがあるものな」

『……何が言いたいんだ?』

「別に。ただ何となくそんな事があったなぁって」

そう

これは意外と似ているようで似ていない符号。この場合デバイスはただ主の命令を聞くだけと言う意思はあっても感情がないのであって、一方どこぞの金髪少女の事件は感情で縋りつき、意思が追いついていなかった

「で、聞きたいんだが━━━お前らはそういうことがあったら有無を言わさずに極刑なのか?それとも考える余地を与えるのか?」

試すような物言いだろう。現に試しているわけなのだが。

さぁてこれにどう答え━━━

『簡単だ。僕はその時はただ自分が納得するように動くだけだ』

『同感ね』

結構即答だった

へぇ

「試しに聞くがその納得いくように動くというのは具体的にはどうするんだ?」

『場合と相手によるがな。そういう時は僕は出来るだけ加害者であり被害者である人間を擁護しながら、それでいて罪を償わせると思う。今みたいに』

『……』

女狐艦長は黙っている。ここは黒いのに任せたという事か

「……甘いなぁ」

『甘いだろうな。だが━━━自分で納得できないのならば正しくてもそれをするのは僕は出来ない。ただそれだけだ。ふん、確かに甘いだろうな。しかし、この事だけならば君もそうだろう』

「俺は甘さじゃなくてただの我儘さ」

『どうだか。話はそれだけか?』

「ん?ああ━━━テストはここまでさ」

『『は??』』

驚いた顔をするお二人さん。そりゃそうだ。とは言ってもそれを面白がるのが俺の性分。勿論、顔には出さないのが俺の本分。流石は俺。いい仕事する(笑)

まぁ、どーーんと驚いてもらおう。今までは隠れてもらっていた三人に出てきてもらう

「紹介しよう━━━闇の書の守護騎士の将。シグナムとおまけ二名だ」

「「誰がおまけだ」」

「よろしく頼む」

『『はぁ、これはどうも丁寧に……ってどういう事だーーーーーーーーーーー!!!』』

五月蠅い奴らだ





















『……まったく。どうしたらそういう状況になれるのか』

『同感ね……貴方の周りがおかしいのか。それとも貴方がいるからこそおかしくなるのか。あるいは両方かしらね』

二人は今の現状を俺が丁寧に説明してやったら、嘆息して俺に苦言を言ってきやがった。冗談じゃない。魔法とやらは俺だってそこまで関わりたくなかったわ。

「というわけだ。こいつらは自首を願っている。まさかさっきのようなセリフを吐いたのに前言撤回をするとか言わないよな?」

『……成程。言質を取ったというわけか。相変わらず嫌らしい……。また一つ君を理解したよ。君は暴論なんか遣わなくても厄介な存在だと、それにしても━━━皮肉な巡り合わせだ』

そう言って黒いのと女狐艦長はシグナムの方に視線を向けた

思わず目を細めてしまう。その瞳には隠しているようだが何やら変な感情が込められているのが解る。

憎悪、悲観、不安、怒り。そういったものではなく、そういったものをごちゃごちゃに混ぜたような何だかわからない感情が込められていた。

追及するべきか、迷うがそれらは次に見えた時は消えていた。次に見た時は相変わらずな頑固そうな視線だった

『それで僕たちに彼女たちの弁護を頼むというわけか』

「そういうこと」

追及すべきか悩むがここは追及しない方が吉なのだろう。


皮肉な巡り合わせか……。そういえば━━━この二人は仲良し親子のようだが不思議と父親の事を聞かなかったな


それに気づいて思わず溜息をつく。謝ることはしない。ここで謝ったらそれこそ無礼というものだ。人を止め、畜生の道に堕ちた身だが最少最低限守らなければいけないものは守らなければならな。それが生物としての基本にして最重要なルールだろう

だから俺は追及しなかった。勝手に話を進めさせてもらった

『━━━わかった。管理局員としてそれに応える。他の守護騎士にもそう言っておいてくれ』

『そうね。出来るだけ早くに対処させてもらうわ。』

「頼む……といいたいところだか他にも頼む内容がある」

『何だ?言っとくが無罪放免とかそういうものは無理━━━」

「まずは質問だ。例えばの話。魔法とかの監視を民間人にした場合、お前たちの法ではどういう罪になる」

『??いきなりだな。とりあえずは大体は君の方と同じだろうな。ただし、それが管理局外世界の場合は重罪で大体二十年くらいの刑と罰金になるだろうな。それがどうした?』

「もう一つ━━━そっちには認識阻害の結界があるらしいが」

『回りくどい。何が言いたい』

「それで民間人の子供の認識を阻害した場合どうなる?」

『……おい。それはどういう事だ』

「言葉通りだ。どうやら闇の書に深い恨みでも持っているへのへのもへじさんがそういった結界を張っていたらしい。内容は中にあるものの事に関して違和感やらそういうものを失くす結界だとか。便利だな、魔法」

皮肉たっぷりに言う。別にこいつらの責任ではないが。

おかしいとは思っていたのだ。何故八神が一人暮らししていても何も問題扱いされないのか。普通ならそういった施設に運び込まれるか、親戚の家に預けられるかのどちらかだろう。例え意思とかがあったとしても所詮、子供だ。そんなものが普通許されるはずがない。なのに八神は誰にもそう言った事を言われたことがないらしい

違和感を消し過ぎた故に発生した違和感。そう思い魔法使いに調べてもらったら案の定痕跡あり。魔法が聞いて呆れる。こんなものはただの道具だ。

「つまり、闇の書は狙われているというわけだ。まぁ、やってきたことを考えれば当たり前の話なのだが、無関係の人間も巻き込むとは。節操がないね。」

『……事態は深刻のようね。誰だか心当たりはある?』

「ある」

それに驚いた顔を返す女狐艦長。当てにはしていなかった質問なのだろう。まぁ、それは当然だけど

しかし、相手はどうやら最後の最後でではなく、最初の最初でポカをした。

復讐をしようと決意したのはいいが━━━良心を捨てきれなかったようだ。故に証拠を残してしまった

そいつは八神の後見人で援助を申し出たらしく、八神の親の仕事仲間とかそういう存在らしく、一度も出会ったことがない人間らしい。何とも胡散臭いプロフィールだ。八神みたいなお人好しには効果が良かったが

別にその存在は良い。胡散臭いのも我慢は出来るかもしれない


普通なら

あの認識阻害の結界の対象の八神を相手にそんな事が出来るわけがない


出来るとしたら高町みたいに偶然魔法の才能を持っている人間か

術者だ

「そいつの名前はギル・グレアムとかいう人間らしい」

『『……!!何だと!(何ですって)!!!』』

「あん?何でお前らが驚くんだよ」

『そんな……いや、待てよ……グレアム提督は……確か……!』

「おい。そっちで自己完結をするな。一応偽名という可能性もあるんだぞ」

何やら知り合いみたいな雰囲気

どうやらこの話はただでは終わらないようだ





















「成程ねぇ。それは確かに皮肉な巡り合わせだな」

『まったくだ。自分でも運がいい方とは思ってはいなかったがここまでとは思っていなかったよ』

結局はこいつら家族とそのグレアム提督とかいう話を聞かされた。せっかく俺が珍しく気を使ったのにその気遣いがパーだ、ある意味これはこれで皮肉だ

「……すまない!ハラオウン執務官!ハラオウン提督!貴女方の父親を……!謝ってどうにかなるとは思えないが……それでもすまない!!」

『……顔を上げてください、シグナムさん。典型的な言葉ですけど、憎んではいないとは言いませんけど恨んではいませんって言えたらかっこいいんでしょうけど、それでも貴方達に復讐をしようとは思ってはいません。』

『そうです。僕たちは管理局員です。それを誇りとして生きてきました。恨みや憎しみはあれどそれで誤ったことをする気はない。頼みは聞き届けよう。そして━━━君達の警護もした方が良いな』

「……かたじけない」

どうやら円満に解決したようだ。これならば俺はいらなかったのではないだろうか?というか別に何もしてないわけだし。暴論はおろかそこまで正論も使ったといえば使ったが大層なものではない。単に相手の心情を知ったり、グレアムとかいう奴の犯罪を明らかにしただけなのだから

まぁ、後は……

「ああ、そうだ。もう一つだ」

『……まだあるのか』

「なぁに。今度は簡単な事だというか関連付けられることだ。闇の書を調べる事だ」

『確かに必要な事だが……改めて頼むのはどうしてだ?』

「勘なんだがな。どうにも闇の書っていうのは何か余りにも凶悪すぎる。今回は例外なのか知らないけど主にも被害を合わせているぞ」

『……詳しく教えろ』

「悪いが無理だな。秘密ですってな」

『……』

おや?何だか目が据わっていますよ?

『……艦長。こいつと一対一で話をしていいですか?』

「はい?」

いきなり何を言うんでしょうか?

そう思っている間に皆が退出してしまっていた。裏切ったなあいつら。後でにんにくを大量に食わせて月村家に嫌わせるように仕向けよう

そうして俺と黒いので一対一になってしまった

『さて。これで話しやすくなったのだが』

「これなのか?」

『違うわ!!』

冗談なのに

『はぁ。君と喋っていると何時もこうだ』

「じゃあ止めようではないか、速攻で」

『そうもいかないんだ━━━ここで言っておく。今、ここにいるのはクロノ・ハラオウン執務官ではなく、ただの一個人としてのクロノ・ハラオウンだ』

「ふぅん?それで?だからどうしたというんだ」

『話せないのか?詳しい事を』

「話す義理も義務もないと思うけど。逆にあれだけの事をそっちの艦長にされて信頼しろと言うのか?それはまた厚顔な事だ」

『……確かに。それについては弁解はない。だが言い訳を言わせてもらうとあれから母さんは結構落ち込んだんだ。無意識的にもただの一般人を使いまわそうとすらだなんてってね。許してくれとは言えないが解ってはくれないか?』

「俺に言ってどうするんだ?俺は今も前もあくまで部外者だ。当事者はお前らや高町やフェイト。そして闇の書達だ。おまけで高町家+αかな。俺は完璧に場外の人間だよ」

『ならば何故主の存在を隠す』

「……」

『解っているだろう?今も隠ぺいには気を配っているとはいえ人の口には戸を立てられない。下手をしたらさっきまでの会話は筒抜けかもしれない。……敵がいるならば尚更だ。この場合主と思われてしまうのは君だぞ』

「俺は一度も自分が主でないとは言ってない」

『主であるとも言ってないな━━━もしも相手が強行に出たら狙われるのは君だぞ?』

「なに?心配でもしているのか?」

『ああ、その通りだ』

少しびっくり。まさかこの頑固一徹がそんな事を俺相手に行ってくるとは。これが高町やフェイトならば話は違うだろうけど。何か悪い物でも食ったのではないのだろうか

『勘違いするな。さっきも言ったように僕はそういうのは私情だけで判断しない。例え君が気に喰わなくても心配はする』

「それは大きなお世話な事で」

『……正直に言おう。君は確かに気に入らない。だが、それと同時に尊敬している部分もあるんだ』

「それはお前の見込み違いだな」

『あのプレシア・テスタロッサに口論で彼女をある意味圧倒したとき、僕は不覚にも君に負けたと思ってしまった』

「どっちにも勝った覚えはない。アレはあの魔女が焦ったいただけだ。俺の暴論なんて冷静になれば誰にだって論破できる。何せ暴論だからな。筋がまったく通っていない」

『しかし、冷静になる時間も与えず、君は暴論を叩きつけることが出来た。それに君は彼女にまったく怯まなかった』

「偶々だ。怯まなかったのは単に心が状況に追いついていなかったんだろ」

『僕はあの時プレシアに呑まれていた。あの雰囲気に。あの狂気に━━━あの娘を想う気持ちに。問題は大量にあったが彼女の感情は決して間違いであるとは言えなかった。だから僕はプレシアに呑まれていた。でも、君はそんな中もいつも通りだった。正直嫉妬したよ。自分もこれでも幾つかの修羅場を超えてきたと思っていたのに君はそんな僕でも呑まれていた狂気をものともしなかった』

「……」

それは違う。呑まれなかったのではない。ただ感じなかっただけだ。あの程度の狂気で呑まれるような性格をしていたならば俺はこの場に立っていないだろうし、こんな風に動いてもいなかっただろう

何て勘違い

俺は狂気に勝ったのではなく

狂気に染まっていただけの話

別にどうでも良い事だけど

『君は最低かもしれないが見習うべき点がある事は認めている。だから自殺みたいな蛮行を許すことは出来ない。死ぬとしてもせめて僕にその見習うべき点を全て盗られてたからにしてくれ』

「……はっ。お生憎様。お前に盗らせる気もないし、あるとも思わない。ま、そこまで言うなら俺の賭けに付き合わないか?」

『賭け?』

「そうだ。現状そのギル・グレアムというのが一番怪しいのは確かだが、完全な証拠であるとも言えない」

『……そうだな。それこそ本当に慈善事業という事も有り得ると言ったら有り得るし、何より同姓同名という事も有り得る』

「その通りだ。だからこその隠蔽だ。それで相手を誘き寄せる━━━完全な隠蔽の確信はないと言っていたな。じゃあ、話は一端ここまでだ。次に会う時を楽しみにしてみないか?」

『……どうやらかなりの悪巧みみたいだな。良いだろう、解った。無策と言うわけでもないのならば信頼は難しくても信用はしよう。ただし足を引っ張るなよ』

「誰がだ。で、何時になる?そっちの裁判や闇の書の情報収集。そしてここに来る日数。早くて何か月だ」

『そうだな……四、いや、三か月待ってくれ。それまでに何とかしよう。特に情報収集に関しては任せてくれ。』

「了解した。こっちは引き続き警戒をしとこう。しかしだ。それが最低と言うのは解っているが、悠長には出来ないぞ」

『解っているが、下手には動けないんだ。ただでさえ不穏な動きを取るんだ。あからさま過ぎたらそれこそ勘繰られる』

「せめてそっちの人員を秘密裏に割けれたらなぁ。しかし、フェイトと赤犬は裁判中。ユーノは発言。お前たちはそういう事。動ける人間はいないか……最低こっちの戦力は五人か。魔法戦じゃなかったらまだいけるんだがな」

『お互い無い物ねだりはいい加減止めておこう。話が終わらない。何を考えているかは知らないが、しくじるなよ』

「まぁな。とりあえずこの話は高町とかにはするなよ。そっちで会話するときも気をつけとけ」

『ああ━━━死ぬなよ』

そう言ってアイツは通信を切った

何ともまぁ無茶な言葉を残して切ったものだ。俺なんかを心配するとは。まったく、俺の周りにはこういう馬鹿しかいないのだろうか。もう少し人を疑ったり、嫌ったりするべきだと思う

だがまぁ、作戦はこれで始まった


出来ればこの会談が誰かに伝わっている事を切に願おう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

三か月後を待つしかない

さて、大体の事を隠しながら他のメンバーに報告するかね

そう思って立ち上がり、部屋から出て行く























あとがき

ちょっと遅くなりました。今回はそこまで主人公は舌戦をしませんでした
まさかの期待裏切り
期待していた人は申し訳ない
次は一気に三か月飛ぶ予定です


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