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No.27393の一覧
[0] 悪魔との契約(なのはオリ主) 【チラ裏から】[悪役](2011/10/23 23:19)
[3] 第一話[悪役](2011/12/16 00:27)
[4] 第二話[悪役](2011/10/23 23:20)
[5] 第三話[悪役](2011/10/23 23:20)
[6] 第四話[悪役](2011/10/23 23:20)
[7] 第五話[悪役](2011/10/23 23:21)
[8] 第六話[悪役](2011/10/23 23:21)
[9] 第七話[悪役](2011/10/23 23:21)
[10] 第八話[悪役](2011/10/23 23:21)
[11] 第九話[悪役](2011/10/23 23:22)
[12] 第十話[悪役](2011/10/23 23:22)
[13] 第十一話[悪役](2011/10/23 23:22)
[14] 第十二話 <修正>[悪役](2011/10/23 23:22)
[15] 第十三話[悪役](2011/10/23 23:23)
[16] 第十四話  <無印編スタート>[悪役](2011/10/23 23:23)
[17] 第十五話[悪役](2012/01/05 16:09)
[18] 第十六話    <微グロ注意>[悪役](2011/10/23 23:24)
[19] 第十七話[悪役](2011/10/23 23:24)
[20] 第十八話[悪役](2012/01/09 23:30)
[21] 第十九話[悪役](2011/10/23 23:24)
[22] 第二十話[悪役](2011/10/23 23:25)
[23] 第二十一話[悪役](2011/10/23 23:25)
[24] 第二十二話[悪役](2011/10/23 23:25)
[25] 第二十三話[悪役](2011/10/23 23:25)
[26] 第二十四話[悪役](2011/10/23 23:26)
[27] 第二十五話  <無印完結>[悪役](2011/10/23 23:26)
[28] 第二十六話  【A’S開始】[悪役](2011/10/23 23:26)
[29] 第二十七話[悪役](2011/10/23 23:27)
[30] 第二十八話[悪役](2011/10/23 23:27)
[31] 第二十九話[悪役](2011/10/23 23:27)
[32] 第三十話[悪役](2011/10/23 23:27)
[33] 第三十一話[悪役](2011/10/23 23:28)
[34] 第三十二話[悪役](2011/10/23 23:28)
[35] 第三十三話[悪役](2011/10/23 23:28)
[36] 第三十四話[悪役](2011/10/23 23:28)
[37] 第三十五話[悪役](2011/10/23 23:29)
[38] 第三十六話  【修正】[悪役](2011/11/06 22:45)
[39] 第三十七話[悪役](2011/11/23 21:35)
[40] 第三十八話[悪役](2011/12/01 19:54)
[41] 第三十九話[悪役](2011/12/17 12:06)
[42] 第四十話[悪役](2012/01/09 12:20)
[43] 第四十一話[悪役](2012/02/05 11:56)
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[27393] 第十七話
Name: 悪役◆8e496d6a ID:2d3d82d8 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/10/23 23:24

高町の様子がおかしい
それは高町家や俺達を含む全員の見解であった
誰でもわかる
まず目に見えて元気がなくなった
例えば

『バニングスよ。実は俺ーーーーカボチャの事が好きだったんだ!』

『いきなり、野菜への告白を聞かされて私はどうすればいいの!?』

『そ、そんな!!?慧君は…………………カボチャの事が好きだったの…………………?』

『すずかちゃん!?それは冗談に付き合ってるだけやな!?』

『……………………………………………………』

『『『『………………………………………………………………………………』』』』

このように俺達への漫才に付き合わなくなったり

『…………………………なのは、お父さんと一緒に出掛けようではないか!!どこがいい?遊園地か?水族館か?それとも動物園か?もしくはロマンチックにプラネタリウムなんてどうだ?』

『……………………………………………………やだ。今、お父さんと出かける気分じゃないの』

『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!なのはに振られたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

などど中々辛辣なコメントを言ったり(よくやった。高町)
いつもとは違うのは丸解りだ
ちなみに高町父はその後、高町母にスィートルームに連れてかれてた
ドチャという音が暫く響いていたらしい
更に恐ろしい事に高町家の家の構造上、そんな部屋があるはずがないし、見たこともないらしい

………………………………………………………………………………考えるのはよそう

とりあえず由々しき事態と思われたみんなは集まり(俺は無理矢理、高町姉によって連れてかれた。理不尽だ)、高町を元気づける作戦を考えた
考えた結果
バニングスのお茶会をしましょうに決まった
それが一番まともな意見だったからだ
他にはこんなものがあった

『第六次みんなのトラウマいじくり大会を』

『却下よ。あれで、何人かが致命傷を負ったじゃない。というかあんたもやられてたでしょうが』

『こうなったら、第十五次人生王様ゲームを提案するわ』

『却下だよ!お姉ちゃん!大体、あれで自分の愛用していたスパナを恭也さんに斬られて、あわや別れるかというところまで逝きかけたじゃない!!』

『一緒に盆栽をーーーー』

『駄目だよ、恭ちゃん…………………………恭ちゃんの趣味は少なくとも子供には受けないよ。それならお料理教室をーーーー』

『■■■■■■ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』

『結局、慧君のトラウマがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

『では、第五十三次!!なのはの可愛らしい所、愛らしい所を褒める会を!!』

『それ、やる度にいつも士郎さんは桃子さんにスィートルームに連れられてるやんか!!』

『こうなったら私の意見だけね。私は第二十七次拳で熱く語り合おう回を提案するわ』

『あれって、この前は何故か最終的に慧君とすずかちゃんの一騎打ちになって最後には彼が貞操の危機を感じて敵前逃亡をしてしまい、すずかちゃんが優勝しただったよなーーーー確かなのはは最初に脱落していたと俺は記憶していたが』

『すずか。貴方の意見は?』

『わ、私はーーーー第三十一次慧君強奪戦をーーーー』

『それ。得するのあんただけじゃないーーーーー待ちなさい風雷。喰われるとか呟きながら逃げるんじゃないわ。敵前逃亡は士道不覚悟よ』

『ふふふ。争奪じゃなくて強奪なところがポイントなんだよ』

『こうなったら私だけやなぁ。私は初の試み、ボケとツッコミの熱き友情、二時間ドラマを提案するで!!』

『残念ながら俺達は一人一人が極端なボケとツッコミをするからテレビを見ている皆さんには受け入れられないと思うぞ』

などど話し合っていた
俺達は一体何をしていたのだとコメントしたくなるだろうけど、みんな結構真面目だ
というわけど、高町を連れて月村家でお茶会になった
ちなみに俺はそんなものには行くつもりはなかったのだが、お茶会前日に高町父によって奇襲をかけられ、目が覚めたら何故か月村邸ですずかの膝の上だった
思わず、ポケットに入れてあったナイフで自殺を試みようとしたが、みんなに取り押さえられて失敗した
その後は皆から危険と思われたのか、恭也さんに鋼糸で縛られてしまった
それをチャンスと思ったすずかはまたもや膝枕をしようとする
転がって逃げ続けていたが、流石は夜の一族
身体能力は高いので、逃げきれなかった
終いには

「う、腕枕にしてみる?」

などと聞いてくる始末
勘弁してください
二年前からすずかの頭のねじがやばいくらい抜けている
他のメンバーはそこから助けずにニヤニヤするだけ
おのれ、こうなった原因は全て高町にある!
今度は教卓の下に封印してやる
そう、密かに復讐を誓っていると(ただの八つ当たり)、高町と恭也さんが来たのか。車の音がした
これでも耳はいい方なのだ
これだけ広大な家でも結構聞ける

助かった…………………

ねじがやばいくらい抜けているすずかでも、流石にこんなに恥ずかしい恰好を友達に見せるのは恥ずかしいだろう
そう思っていたが
何故だか知らないが彼女は俺を膝枕したまま動かない
おやおや

「すずかよ。何故動かないのかな」

「?何で動く必要があるの?」

「なるほど。では、ちゃんと説明してやろう。このような痴態をお前の友人に見せるのは少々恥ずかしいだろう?だからーーーー」

「慧君。今更何を言っているの?もう既にそんな段階は終わっていると思うよ」

「………………………………………………………………………………」

そんなわけあるかとツッコもうとしたが、過去を振り返ってみると
何故だか
その声は出なかった

ああ
随分と俺も汚れたものだ
昔の純粋だった自分が懐かしい…………………

「…………………ん~。確かにこういう部分だけは今でも純粋だよね~」

「すずかは随分と慣れてしまって…………………俺は悲しいよ?」

「それは褒め言葉だねーーーーん?それとも…………………次の段階に行って欲しいというおねだりかな?」

「メイデー!メイデー!!助けて誰か!!すずかが妖艶な眼差しと表情で俺を見てくるーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

危険だ!
最悪なぐらい危険だ!
貞操の危険がする!
お願いします!誰でもいいから助けて下さい!
ああ!

「すずか!顔が近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い近い!!!」

「うん。だってーーーー近づけてるんだもの」

体にある全ての力を使って、その場を転がって離脱しようとする
しかし、それはすずかの手によって阻まれた
ああ、俺は何でついナイフで自殺などしようと思ったのだろうか?
高町にも言ったのに
現実は常に三歩ぐらい最悪だと

「はーーーーーーい。もうすぐなのはちゃん達が来ますーーー」

シーーーーーーーンと動きと時が止まった
状況を説明しよう
今のは急に扉を開けた月村ドジッ子メイド
そして俺達の今の状態は
俺は鋼糸で縛られている状態で
そんな俺を膝枕して、しかも押さえつけていて、しかも顔を俺の顔に迫らせようとしている

Q、この状況を第三者が見たらどう思うでしょう?

A,とても気不味い状況だと思います

「…………………………ファリン?」

「ひぃっ!!わ、わわわわわわわわーーーー忘れ物しちゃいますた☆」

ドジッ子メイドぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
それは諸刃の剣だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

「ふふふ。じゃあ、一緒に探したあげるね?」

「!!!!」

だから言ったのに

「じゃあ、慧君。続きはまた今度で」

「俺は二度とこんなことをするつもりは御座いません」

違うぞ
俺はすずかのプレッシャーに負けたわけではないぞ
ただ、俺は場の空気を読んだだけなのだ
断じて負けたわけではないぞ!













ようやく高町も集まって、お茶会の始まり
ちなみに俺はその間に逃亡を五回ぐらい試したが、見事失敗した
くそぅ
最初の四回はともかく
五回目はダンボールを使って逃げたのに…………………………
まさか、あんなところに赤外線センサーがあるとは
一番いい線だった
今度はドラム缶辺りで攻めてみようと思う
まぁ、それはともかくとして
今回のメイン
高町だが
まだ少しどんよりとしているが、少しは元気を出したようだ(ちっ!)
現に

「あ…………………このジュース、美味しい…………………」

「あ、それ?確かーーーー風雷?あんたが持ってきた奴よね?」

「ああ、そうだーーーー厳密には勝手に士郎さんが俺の荷物から出したものだが」

「へぇ、後半は無視するけど。これ、何ていうジュースなん?」

「それ自体は普通のリンゴジュースだぞ」

「え?でも、これ…………………」

「ああ、だからーーーー少し隠し味をしたんだ」

「……………………………………………………物凄い不安が」

「まさかなぁーーーー適当に入れたら媚○になるとは………………………新しい化学反応だね」

「「「「ぶうぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅうぅ!!!」」」」

「何だ四人とも。口に飲んだものを吐くとは。行儀が悪い」

「げほっ!ごぼっ!な、何てものを作っているのよ!!というかどうやったら、そんな化学反応が出るのよ!」

「ゴキーーーーいや、何でもない」

「お願い!すずかちゃん!洗面所貸してなの!少し汚いけど、頑張って胃の中を洗浄するなの!!」

「どうしたんだ、高町?何か劇薬でも飲んだのかい?そいつは大変だな」

「だ・れ・の・せ・い・か・な!?」

「高町父。だって、俺はこれを捨てる途中で奇襲されたのだから」

「お父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

「まぁ、○薬なのは嘘だけど。奇襲されたのは本当だが」

「ふぅん。そうなんだ~。どっちにしろ後で桃子さんに報告やねぇーーーーーすずかちゃん。何でそんな真っ赤な顔で、しかも、妖しい目つきで慧君を見ているんや?」

「ふぇ?…………………………だって…………………熱い…………………………」

風雷慧は逃げ出した

月村忍は指を鳴らした

風雷慧が踏んだ床が沈み、体の半分が埋まった

「月村姉!!何の真似だ!今、俺は忙しい!要件は手早く頼む!」

「じゃあ、簡単に言うわねーーーーすずかをよろしく」

「聞いてもそれを実行するとは言ってないぞ!というか何故興奮している!?」

「ほら、病は気からって言うじゃない?」

「それは妄想のレベルを超えていますぞ!!とりあえず、こう言わせてもらおう!だが、断る!」

「じゃあ、こう言おうかしらーーーーすずかによろしくされて」

「何て恐ろしい事を言うんだ月村姉!やられている立場の視点だとかなりぶるわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!な状態なんですぞ、貴様!」

「はぁ、はぁ」

「す、すずか!危ない息遣いで迫ってくるな!」

「さぁ、なのはちゃん、はやてちゃん、アリサちゃん。私達は出ましょうーーーーここから先は二人の時間だから」

「そこぉ!!神妙な顔で他の奴らを連れ出すな!----いざという時の盾がなくなるではないか!」

「慧君ーーーーそんな本音を聞いてこの場に留まろうとする人がいると思っているのかしら?」

「高町!お前が欲しがっていたあの無駄に高機能なマウス!」

「うん!わかったよ!」

「懐柔されるのが早い!欲望に忠実過ぎだよ!」

「それが俺達さ!」

「最低なグループだね!」

「ちょっと待ってください!確かに風雷となのはとすずかはかなり最低ですけど、私は普通です!」

「そうやで!私達は普通やで!」

「あ…………………………?」

「ちょ!今の反応はなんや!アリサちゃん!!」

「え?……………………………………………………ああ、はやて。何かしら?」

「まさかと思うけどーーーー私の存在を忘れていた、とか言わへんやろな?」

「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………まさか!私が大親友の事を忘れるわけないでしょ!!」

「じゃあ、その間は何なんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ようやく俺達らしい会話になった
将来にまったく役に立たない会話だが
ん?
何だその生き物は?

「ん?そういえば慧君には紹介してなかったよね。じゃあ、紹介するよ。この子はユーノ君ていうの。フェレットなの」

「きゅー」

「へぇ、フェレットかぁ~。まったく知らんな」

「そうよねぇ~。私もそんなの詳しく知らないわ」

「というか日本にそんなにいるのかな?」

「あんまり聞かんなぁ~」

「にゃ、にゃはは。そういうところは置いとこうよ~」

「きゅ、きゅ~」

「それにしてもーーーー高町の癖にネーミングセンスが悪くないとは…………………お前、本物か?」

「…………………………ツッコんじゃダメ、私。ツッコんだらそこから悲劇に繋がるなの…………………………!」

「進歩している…………………!あのなのはが進歩している…………………!」

「流石なのはちゃんーーーーみんなからやられて慣れているだけがあるね…………………」

「…………………そういえば、前から聞きたかったんだけどーーーーみんなは何でなのはを虐めるのかな?」

「「「「……………………………………………………」」」」

「…………………プリーズ、アンサー」

「…………………体が勝手に(←性格がひねくれているから。負の方向に)」

「…………………右に同じ(犬の本能。いや、本性?)」

「…………………左に同じ(上の分を猫に変えただけ)」

「…………………真ん中に同じ(単純に面白がっている)」

「………………………………………………………………………………ぐれるぞ、この野郎共!!」

「「「「!!!た、高町が(な、なのは、なのはちゃん)、遂に史上初のキャラ崩壊を…………………………!これが人が一度は通る反抗期ってやつか(反抗期ね、反抗期なんか)!!!」」」」

「きゅ~!!」

何だかフェレット野郎は猫に追い掛け回されていた
はっはっは、もてていて羨ましいよ
ん?
何だかこちらに助けを求めるような目つきをしているね?
中々感情表現豊かなフェレットだ
もしかしたら、実は人間だとか
あっはっはっはっはっは
最近は色んなものに出会っているから、簡単に否定できんな(吸血鬼や魔法少女など)
そうやって久しぶりにこのメンバーで和んでいた(俺はまったく和めなかったが。主に貞操的な意味で。最近のすずかには恐怖を感じてしまう)
このまま、お茶会は続くと思ったら


不意に
高町の顔が少し強張った


幸か不幸か
他のメンバーは気づいていない
無理もない
強張っているとはいえほんの些細な変化だ
俺みたいに無駄なくらい注意深くなくては気づかない変化だ
その無駄な注意深さで俺はもう一つ気づいた
あのフェレットの雰囲気も若干変わっている
そっちに関しては自信がないが
そう思っていたら

「あ。ゆ、ユーノ君?」

フェレットが逃げ出した
勿論、猫に追われていたから逃げ出した
そう解釈する方が正しいだろう
しかし

「あ、危ないから、私が探してくるね?」

その下手糞な演技を見て、おかしいと思わない人間がいないだろうか

「そう?私達も手伝おうか?」

「う、ううん。大丈夫だよ。なのは一人で大丈夫」

「それならええんやけど…………………」

「うん。じゃあ、行くね」

高町はフェレットを追いかけて走る
それを俺は


止めなかった



止める理由がなかった















そして
結果はご覧の通りだった
時間が経っても帰ってこない高町を段々と心配し、少しみんなで探そうと決断を仕掛けたところで

あのフェレットが『一匹』だけで帰ってきた

その後
フェレットの誘導に従い、走って行った先には
高町が倒れていた
とりあえず背負ってこの家まで連れてきて、ベッドで寝かせた
いやはや
それにしても、バニングスと八神の狼狽えっぶりは凄かったね
すずかは冷静そうだったが
まぁ、別にどうでもいいけど
どっちかというと
俺が問題にすべきことは

「何で俺が看病役なのだ…………………」

そうなのだ
何故、俺がこんなことをしなければいけないのだ
普通、こういうのはバニングスか恭也さんの役回りだろうに(ちなみにそれらのメンバーは今。この状況を起こす諸悪の原因となったと思われるフェレットを断罪している最中だ。きっと、今頃、素敵なフェレット悲鳴が響き渡っていることだろう。俺も聞きたかったな~…………………」
そう思いながら、数分経つと

「…………………ぅん」

どうやら高町が起きたようだ

「あれ?…………………ここは?…………………」

「大した寝惚けっぷりだな。ここは夢のスィートルームに決まっているだろう?」

「にゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!恐怖の世界の幕開けなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

「…………………冗談だ」

寝起きのハイテンションか…………………
お前は薙○か

「そ、そういえば、慧君。どうしてここに?」

「まだ寝惚けているのか。ここは月村邸。それでお前があのフェレットを探しに行ったら、何故だか知らないが、倒れていた」

「あ…………………」

ようやく思い出したのか
そこで一気に暗くなる

「覚悟しとけよ?バニングス辺りは手加減しないと思うぞ」

「…………………にゃはは。容易に想像できるね」

「そうだな。じゃあ、呼んでこようか。どっちにしろ、お前の事をみんなに知らさなければ、俺が怒られる」

そうして今まで、座っていた椅子から立ち上がり、部屋のドアに歩いていく
ドアのノブを掴んだところで

「…………………………慧君は、聞かないの?」

などと聞いてきた
俺は振り返らずに

「聞いて欲しいのか?」

「…………………………どうなんだろう?」

「じゃあ、聞かない」

「…………………………どうして?」

「興味がないの一言」

「…………………………手厳しいなぁ」

顔は見えないが、どうやら苦笑しているようだ

「何を言う高町。俺は今も昔もこの性格だ。それをいつもと違うと思っているのなら。それは単にお前が今、何かに、もしくは誰かに甘えたいと思っているからではないか?」

「……………………………………………………」

そこで彼女は沈黙した
図星か

「…………………………時々、慧君は私の考えていることをわかっているんじゃないかと思う時があるなの」

「そんなことは出来ないさ。超能力者じゃああるまいし。俺が出来るのは精々推測するぐらいだけだ。」

「…………………ある意味それだけでも凄いと思うの」

「ふぅん」

そこで会話が途切れる
沈黙が部屋を少し支配する
とっとと、この部屋を出ようと思った矢先
高町が声を放つための息継ぎが聞こえたので、断念する

「ねぇ…………………慧君」

「はぁ、何だ」

「もしも…………………………もしもね。自分にもう少し力があれば。自分がもう少し速く動けたら。そんな後悔が生まれてしまったら、それを払うためにはどうすればいいと思う?」

「それは人によって解答は千差万別だ。参考にはならない」

「それでもいいから、教えて」

…………………ふむ
さっきよりも意志が少し感じる
その声から察するに
何というか


今の自分よりも、前に進みたい
立ち止まりたくない
そんな意思か…………………


何があったか
詳しい事は知らない
それでも
推測は出来る
この前
金髪少女
テスタロッサに出会った事
ジュエルシード
そして

魔法


時期はぴったしだ
だからーーーー推測は出来る
だけど
それを言うのは野暮というものだろう
だから、俺は解答の方に集中する
まるで、この意思に報いるかのように

「そうだなーーーーー俺なら、そんな後悔を抱くよりも、自分が誓った事をするだろうな」

「自分が、誓った事…………………」

「そうだ。そもそもだ、高町。後悔?そんな七面倒な事を考えるのはお前の『性』には合わないだろう」

「------え?」

「お前は頭で考えて動く人間ではないと言っているんだ。お前はもっとシンプルな馬鹿だろう。性に合わない事でぐちぐちしてんな。『似合わないぞ』」

「------あ」

言うだけ言って、俺はその場を後にした
最早言う事など、一つもないのだから
ドアを開け、そのまま出ていく
そうして、密かに後ろを振り向く
そこには


さっきまで、うじうじしていた少女は消えていて

迷いを払った少女の顔があった

バタンとドアを閉める
俺の役目はこんなところだろう

「なぁ、すずか」

右に振り向く
そこには

鴉の濡れ場色の綺麗な髪をしていて
顔も美少女な
吸血鬼が立っていた











目の前にいつもの無表情の少年が立っている
まるで、彼だけが時の歯車から抜け出たように彼は変わらない
そんな彼を私はーーーー好きになった
誰からの異常に見られる彼を
だからこそーーーー不安になる
この少年が
無表情の仮面を被ることを当然としている少年が
『これからも』そんな生き方をするのではないかと

「で、どういうつもりだ?」

「…………………まぁね。こういうのは慧君が一番得意かなって思って」

「残念ながら俺は人をどん底まで突き落す手法しか知らない人間だが」

「その割にはなのはちゃんには的確なアドバイスをしていたようだけど」

「きっと、幻聴でも聞いていたんだろう」

「じゃあ、そういうことにしといてあげる」

「…………………含みがある言い方だな」

「じゃあ、慧君の真似をして言ってあげる。そう思うのは自分に疾しい事がある証拠だよ」

「失礼な。俺はいつだって清廉潔白だ」

「嘘つき」

「そうとも」

はぁ
相変わらずの偽悪趣味
達が悪い事に本人は自分を本物の悪人とか思っている
とんだ自意識過剰だ
鈍感なのは他人だけにしてほしい
いや、やっぱり他人にもしてほしくない
というか私限定に鈍感にならないでほしい
あれだけアプローチをしているのに何で何も言ってくれないのかな?

私…………………そこまで魅力ないかな…………………

これでも女の子
結構、自分の美容に関しては気を付けているんだけど
ちなみに
その努力はちゃんと成功している
現にいつもいるメンバーの四人全員がかなり人気だからだ
これは関係ない話だが
それのせいで最近どこぞの親馬鹿辻斬りの人は夜な夜な歩き回って、娘たちに変な虫がつかないように虫の居場所まで『訪ねて』いるようだ
そして、どこぞの無表情ギャグ人間も、人気者を独り占めにしていると周りから思われており、それのせいで時々、奇襲されているようだ。まぁ、全部返り討ちにしているようだが。この少年の経験した修羅場とのレベルの差が違い過ぎるからだろう

だから、別に彼女自身にはまったくもって問題はないのだが

そのくせ…………………なのはちゃんの胸に触るし…………………

ちなみに
かなりショックを受けているように話しているが、実際はそれの後、彼女は廊下にある消火栓を振り回して、少年の頭を思いっきり、しばき倒し、倒れた彼の胴体に思いっきり、机の面の部分をめり込ませ、動きが止まっているところに、掃除ロッカーを思いっきり、勢いよく倒していた。それも顔面に
悪魔の所業ならず、吸血鬼の所業とはこのことか
その後
ケロリと復活している彼も彼だが
年々と回復スピードが上がっている気がするのは気のせいだろうか

いっそーーーーリミッターを振り切ろうかな?

「ん?どうして、慧君は唐突に窓から逃げようとしているのかな?」

「わからん。ただ、俺の本能が叫んでいるんだ。ここは危険地帯だと」

「慧君の本能は当てにならないから信じない方がいいと思うよ。それに今はシリアスタイムだから逃げられないよ」

「くそっ!シリアスタイムだったか…………………」

何語だ

「で、本題は?」

「…………………うん」

さっきまでのコメディ空間を一瞬で忘れる
今はこの話を聞くために一人で来たのだ
その話題とは

「ねぇ、慧君ーーーーなのはちゃんがしていることに『気づいていた』?」

そう
こう聞いているけど、彼は気づいていたと思う
だって、なのはちゃんが倒れているところを見ても

彼はまるでやはりなという感じで溜息をついただけなのだから

相変わらずの無表情で

溜息をついていただけだった

まるで

別にどうでもいいと言わんばかりに

だから
彼の返事もそんな感じだった

「ああ、大体は推測だが、分かるさ」

それがどうしたと言わんばかりの口調だった

「…………………多分、危ない事をしているんだよね?」

「そうだろうな。具体的には知らないが」

「…………………止めないの?友達の危機だよ」

ある意味期待した言葉
それに彼は
表情通り
無情にも

「は?いつ、俺が高町の『友達』になったんだ?それに」


別に高町が勝手に危険に立ち向かってるんだ

その結果

死ぬのならば

高町はその程度だったという事だろう

と心底不思議そうに答えた



「………………………………………………………………………………」

結局
彼と私達の関係はそこまで進んでいない
その事を表すかのような言葉であった

わかっていることであった
二年前のあの事件の事もあるのだが
彼は敵味方問わず
手加減も容赦も加減も知らない
残酷な人間だという事を
それが例え
『私達』であっても例外はない
わかっていたことだけど
少しーーーー悲しい
あれだけ仲良くしていたのが


実は振りだという事を言われているのと同義なのだから


そう落ち込んでいたら

「それに、今のところ、俺の友は『二人』だけだ」

「え?」

二人?
誰?
そういう思考が私の中でぐるぐる回る
二人
二人といえば
何か関係線がなかったか
そこまで考えたら、急にピンときた


彼が名前で呼んでいる人の数は何人だったっけ


そう考えた瞬間
彼は急に早歩きで去っていく

「待ってよ、慧君!」

「いーーーや、待たない。俺はこれから用事があるのだから」

「そんなことよりも、さっきの!」

「知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない」

「もう!意地っ張り!!」

私は彼の小さくも頼もしい背中に向かって走る
確かに私達はまだ全然親しくなってかもしれない
それでも
それでも
前には進めているのかもしれない
でも、今はそんなことを考えている暇はなかった
だって

今の私は
きっと
恥ずかしいくらい笑っているから








あとがき
いやぁーーー。進みませんな
それにしてもれいおにくすさん
自分で言うのも何ですけど、この駄作を読んでくれてありがとうございます
月並みの言葉ですけど、出来れば最後までよろしくお願いします


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