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No.27393の一覧
[0] 悪魔との契約(なのはオリ主) 【チラ裏から】[悪役](2011/10/23 23:19)
[3] 第一話[悪役](2011/12/16 00:27)
[4] 第二話[悪役](2011/10/23 23:20)
[5] 第三話[悪役](2011/10/23 23:20)
[6] 第四話[悪役](2011/10/23 23:20)
[7] 第五話[悪役](2011/10/23 23:21)
[8] 第六話[悪役](2011/10/23 23:21)
[9] 第七話[悪役](2011/10/23 23:21)
[10] 第八話[悪役](2011/10/23 23:21)
[11] 第九話[悪役](2011/10/23 23:22)
[12] 第十話[悪役](2011/10/23 23:22)
[13] 第十一話[悪役](2011/10/23 23:22)
[14] 第十二話 <修正>[悪役](2011/10/23 23:22)
[15] 第十三話[悪役](2011/10/23 23:23)
[16] 第十四話  <無印編スタート>[悪役](2011/10/23 23:23)
[17] 第十五話[悪役](2012/01/05 16:09)
[18] 第十六話    <微グロ注意>[悪役](2011/10/23 23:24)
[19] 第十七話[悪役](2011/10/23 23:24)
[20] 第十八話[悪役](2012/01/09 23:30)
[21] 第十九話[悪役](2011/10/23 23:24)
[22] 第二十話[悪役](2011/10/23 23:25)
[23] 第二十一話[悪役](2011/10/23 23:25)
[24] 第二十二話[悪役](2011/10/23 23:25)
[25] 第二十三話[悪役](2011/10/23 23:25)
[26] 第二十四話[悪役](2011/10/23 23:26)
[27] 第二十五話  <無印完結>[悪役](2011/10/23 23:26)
[28] 第二十六話  【A’S開始】[悪役](2011/10/23 23:26)
[29] 第二十七話[悪役](2011/10/23 23:27)
[30] 第二十八話[悪役](2011/10/23 23:27)
[31] 第二十九話[悪役](2011/10/23 23:27)
[32] 第三十話[悪役](2011/10/23 23:27)
[33] 第三十一話[悪役](2011/10/23 23:28)
[34] 第三十二話[悪役](2011/10/23 23:28)
[35] 第三十三話[悪役](2011/10/23 23:28)
[36] 第三十四話[悪役](2011/10/23 23:28)
[37] 第三十五話[悪役](2011/10/23 23:29)
[38] 第三十六話  【修正】[悪役](2011/11/06 22:45)
[39] 第三十七話[悪役](2011/11/23 21:35)
[40] 第三十八話[悪役](2011/12/01 19:54)
[41] 第三十九話[悪役](2011/12/17 12:06)
[42] 第四十話[悪役](2012/01/09 12:20)
[43] 第四十一話[悪役](2012/02/05 11:56)
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[27393] 第十六話    <微グロ注意>
Name: 悪役◆8e496d6a ID:2d3d82d8 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/10/23 23:24

唐突だけど私
高町なのはは

魔法少女になったの

ここで慧君が聞いたら

「病院に行こうか、高町。何、大丈夫だ。いい医者を知っている。二、三発しばいてもらったら自身の純情さをあっという間に汚してくれるだろう」

とか言うのだろう
…………………………瞬時に彼の毒舌を想像してしまう自分に仲良くなったと喜んでいいのか、悲しむべきなのか
でも
残念ながら
私はおかしくなったのではなく
夢見がちでもなく

本当の魔法少女になってしまったの

切っ掛けは夢だった
その夢はただ私にこう伝えた

『……………助け、て』

その言葉だけだった
でも、私が覚えるのに十分な言葉だった
そして
昨日の塾の帰り道
物凄い既視感

私は…………………この場所を知っている

そう思ったら私は走っていた
皆が私に何か言っていたようだったけど、私は聞いている余裕はなかった
そして
そこには

白いナマモノガーーーー

間違えた
本当は

傷ついたフェレットさんがいた

その傷ついたフェレットさんは直ぐに動物病院に連れて行った
その時は直ぐに帰ったけど

胸騒ぎは全然収まらなかった

家族のみんなには悪いけど、私は真夜中にフェレットさんを預けた動物病院に向かった
すると
そこには

大きな怪物がいた

その怪物は夕方に助けたフェレットさんを追いかけていた
悪い予感は的中した
何をすればいいのかわからなかった
だけど、そこでフェレットさんが

「来てくれたんだ…………………!」

と喋ったのである
その時は大いに驚いたけど、同時に何か納得したの
今日の夢はこのフェレットさんが見せたのだと
そしてフェレットさんは私にこう頼んだ

「僕と契約して魔法少女になってよ」

また間違えた
どうやら電波が届いたなの
真実は

「お願いします!これを使って一緒に戦ってください!」

だったっけ?
そして私はフェレットさんの首にかかってた赤い宝石みたいなものをもらい
そして

魔法少女になった

赤い宝石は杖に
ただの制服は自分を守るバリアジャケットに
そして私は大きな怪物をやっつけ
そして何か青い石を封印した?
その後
フェレットさんが倒れ、何だか不吉な予感をもたらすサイレンがしたので、速攻で逃げたの
慧君と一緒にいたらそういった勘と逃げ足が自然と高くなるので良かったかもしれない
…………………感謝はしないけど
公園まで逃げたらフェレットさんが起きて、お互い自己紹介を始めた
名前はユーノ君というらしい
本当はもっと話したかったが、もうかなり遅いので家に帰ることにした
誰にも見つからないようにそーっと帰ろうとしたけど、お兄ちゃんとお姉ちゃんに見つかって叱られちゃった
にゃはは、やっぱり無理だったよ
でも、お父さんとお母さんにユーノ君を飼ってもいいかとお願いしたら了承してもらったからよかったよ~
そしてはやてちゃんとの会話

「ほぉー。今日のあの傷らけのフェレットがよくここまで持ち直したな~」

「にゃ、にゃはは。そ、そうだね~」

鋭い
さっき公園でフェレットさんは自分の最後の魔力で体を治したらしくて、夕方の時よりも体はよくなっている
ど、どうしよう!

「なるほどなぁ~。最近の獣医さんは腕が凄いんやな~」

「…………………………」

自己完結してくれたの
腕が良くても治るスピードは変わらないと思うなの…………………………

「ん~。それにしても。このフェレット」

「え?どうしたの?」

「どこかで、見た気がするんやけどな~。そう、確かーーーーそうや!夢の中で!」

「!!!」

本当に驚いた
ユーノ君が言うにはあれはユーノ君が放った念話とかいうので魔力を『持っている』人に届くらしい
そうなると

はやてちゃんも魔力を持っているという事なの…………………………?

ユーノ君に聞きたいところだけど、本人はお母さんとお姉ちゃんに遊ばれている(何だか嬉しそう?)
もしかしたら、後で本当の事を話したらはやてちゃんも一緒に手伝ってくれるかもしれない
そう思っていたのに

「き、気のせいじゃないかなー。ほら、既視感っていうのがあるの」

「まぁ、それもそうやなぁ~。夢の中で見た生き物が現実で出てくるなんて御伽噺じゃないんやからな~。」

私は誤魔化してしまった
そうだ
はやてちゃんは足が悪い
それなのにジュエルシードの探索なんて危険な事を手伝わせることなんて出来ないなの
だから私の考えは間違っていない
間違って………………いないなの












そして次の日
私はまだ昨日の話にボーっとしていた
アリサちゃんやすずかちゃんが声をかけてくれていたけど、私は生返事を返すことぐらいしかできなかった
ボーっとしていたら慧君に、その、む、胸を触られたの…………………
う~、も、もうお嫁に行けになの…………………
それを言ったら慧君に五千年早いとか言われたの
怒ってタックルをしたら、慧君にカーテンで縛られて、二時間ぐらい放置されたの
みんなはいつも通りの事だと認識し、私は無視られたの
あれ?
これって公認の虐めなのではないのでしょうか?

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

考えるのは止めとこうなの…………………………
最悪な結末を考えてしまいそうだから
でも、そのお蔭で(勿論、感謝はしないけど)、ユーノ君との念話に集中できたの
最初はどうやってするのかわからなくて戸惑っていたけど、ユーノ君にコツを少し教わったら直ぐに出来たの
何でも他の世界から来た魔法使いで、何か発掘をしている人で
その発掘した者が事故で地球に落ちてきたらしいから、責任を感じてジュエルシードを集めに地球に来たらしい
頑張ったけど、遂に体力や魔力を使い果たし、あの念話を送ったらしい
そして私にこう言った

『昨日は本当にありがとうございました。これからは僕一人で大丈夫なので…………………』

私は考えもせずに咄嗟に言葉が出た

『それは駄目だよ』

『え?で、でも…………………』

『確かにユーノ君の気持ちもわかるよ。でもーーーー私も知ったから』

『…………………………』

「だからーーーー私も手伝うよ』

『…………………………うん。ありがとう』

『お礼なんかいいよ~。私が好きでやるって言ってるんだから』

『うん。それでもありがとう』

「にゃははは…………………」

何だか照れてしまいました
すると

「…………………………高町さん」

先生からの声が

「はい?何ですか?」

「……………………………………………………保健室に行きなさい」

何でもいきなり笑い出したので、遂に目覚めたのかと思い、みんなで戦々恐々としていたらしいです
違うもん!
私は目覚めてなんかないもん!!














ということで、早速今日からジュエルシード集めをしようとユーノ君と念話で話していたら

「…………………………高町」

慧君が話しかけてきました
これはかなり珍しい事です
いつも話しかけるのは私達からであって、その度に慧君は逃げようとします
もう出会って二年経っているのに
その慧君が自分から私に話しかけてくれるなんてレア中のレアです
現にクラスでは

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!風雷の行くルートは高町ルートだったのかぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「てっきり、月村ルートだったと思っていたのに!!まさかのダークフォース…………………!」

「くそっ!!俺はてっきり八神狸だと推測したのに!」

「侮りがたし!風雷慧!高町なのは!」

「私は一番喧嘩しているアリサちゃんを押していたのに…………………」

「予測できないわね…………………流石、風雷慧」

「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!馬鹿どもめ!!俺は最初から予想していたぞ!!風雷は一番ツンとしている高町に気があることを!!」

「その通りです!!あの風雷君は隠れツンデレだという事を私は理解していました!!」

「お前ら!最初は確か究極のダークフォース、高町の姉を押していただろう!!?」

「「勝ったもん勝ちです(だ)!!」

「「「「「「「貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」」

このクラスも大概変人です
きっと慧君症候群が広がり始めているのです
世界はいつかこんな風に混沌になるのでしょうか…………………………
当の本人も似たような事を考えていたのか、彼らを憐れんでるような感じです(いつも通りの無表情だけど)
ところで私ルートっていうのは一体何のことでしょうか?

「高町にはまだ早い大人の会話だ」

「え?でも、みんな大抵同い年…………………」

「精神年齢がだ」

「ふぇ~。そうなんだ。みんな凄いなの」

「……………………………………………………」

みんな成長が早いなの
私もそうなりたいなぁ~

「高町。本題だが」

「え?あ、うん。何?」

そういえばそうだった
この無表情の少年は私に何を言おうとしていたのかを聞いていなかった
少しは仲良くなれたのかな…………………
とお気楽に考えていたら

「…………………お前、『何』をしようとしている」

急に冷水を浴びせられたような感覚に陥った
思わず慧君の方に勢いよく振り返る
彼は相変わらずの無表情
何も変わらない
何も変化していない
なのに
私は初めて
この少年に畏怖の念を感じてしまった

「…………………図星か」

「な、何の事?わ、私にはさっーーー」

「嘘をつくならもう少し上手くしろ。それでは幼稚園の子供も騙せない」

逃げることは許されなかった
誤魔化すことも出来ない
彼の前にそんなことなどできるはずがない
元々、話術では私は慧君に勝てるはずがないのだ
すずかちゃんやアリサちゃんも言っていた
体術もそうだけど、話術に関しては私達では勝てないと
私にできるのは
思ったことを口に出すだけで
本当の事を隠すことではないのだーーー

「はぁ。まぁ、別にどうでもいいか」

どうしようと思っていたら、いきなり彼からそんな言葉が出てきた
さっきまで感じていた威圧感が綺麗に無くなっている
それとも、さっきまでのは気のせいか

「えっ!?い、いいの!?」

「聞いて欲しいのか?」

「いや、そういうわけじゃあ…………………」

「ああ。別に聞いて欲しいと言われても聞く気はないし」

「結局は面倒臭いだけなの!!?」

「誰が高町の話なんぞ聞くか」

「二年経ってもこの扱い!私達、進歩がないよ!!」

「誰がお前との関係を進歩させるか。それならば俺はまだ○ナルドと仲良くなるわ」

「くぅっ。何故だか言い返せないところがあるから反論出来ないなの…………………」

「バカ町が俺に勝とうなんぞーーーー地球の歴史分ぐらい早い」

「一体、私と慧君の差はだれだけあるの…………………?」

「恐らく未だ発見されていないぐらいの距離の惑星分」

「全然わからないの」

「安心しろ。俺もわからん」

「どこに安心する要素が有るの…………………」

結局はいつも通りの会話
結局、彼は一体、私に何を言いたかったのだろうか

「まぁ、何をしようとしてるのか知らんし、興味もない」

「…………………………」

そう思っていたらいきなりこんな事を告げてきた

「ただ、まぁ、少しだけ忠告をしとこう」

「忠告?」

「この二年間の義理の分だ」

「…………………………」

「忠告の内容は至って簡単だーーーー嫌な予感には従え。嫌な音が聞こえたら、近づくな。嫌な臭いを嗅いだら、探すな。それらは大抵当たるぞ」

「嫌な予感と嫌な音と嫌な臭い…………………………」

「後はそうだなーーーーー予想するときは常に最悪な状態を予想しろ。現実はその三歩ぐらい上の最悪を出すからな。少しでもショックを和らげれるだろう」

「常に最悪な状態を、予想する…………………………」

「それだけだ」

そこまで言ったら彼はそのまま帰ってしまった
彼が何故私が秘密にしていることをわかったのかはわからなかった
でも、さっきの言葉は

「心配、してくれたのかな?」

それは嬉しい事だった
あの無表情で容赦のない彼が私をそんな風に思っていたことが
本当にたまらなく嬉しかった
少しやる気が出た
だからこそ
私は考えなかった

何故、慧君みたいな子供が『そんなこと』を忠告できるのかという事を

それに
私はこれからこの四つの忠告
その全部を破ることになることも
私は知らなかった

そして
そんな私に告げる何かが来た
それは
ジュエルシードの反応だった
音でもない
臭いでもない
見たわけでもない
しかし、感覚がそれを訴えた
私の闘いの始まりを
キラっと私の首にぶら下がっているレイジングハート
それが光った気がした
まるで主が戦場に導かれるのを祝福するかのように














そして神社にジュエルシードの反応が来たので、途中でユーノ君と合流して向かった
そして神社特有の長い階段の下に着く
でも、どうして神社ってこんなに会談が長いんだろうか
そんなどうでもいいことを考えていると


ゾクリという悪寒と

………チャリという音が

嗅いだことがあるがここまで強烈な臭いはない何だか鉄臭い臭いがした


思わず足が一瞬止まる

今、私は何を感じた
今、私は何を聞いた
今、私は何を嗅いだ

慧君の忠告が頭を掠めるが、それを噛み締めるレベルにいかない
見ればユーノ君も止まっている
フェレットの顔だからよくわからないが、その瞳には恐怖が宿っている気がする
多分、私もだが
おかしい
おかしい
おかしい
おかしい

昨日の怪物でもここまでの悪寒は感じなかった

ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン、ドクン

心臓が激しいぐらい鼓動を打つ
本能はこう告げている

ニゲロ
ソコカラサキニチカヅクナ
ミナケレバ、ミツカラナケレバイキレル
ダカラ
ニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロニゲロ

ニゲロ!!!

本能は体を止める
まったくもって正常な反応だ
これで回れ右をしたら私は普通の世界に帰れるだろう
否、生きて帰れるだろう
しかしだ
体は何時まで経っても回れ右をしない
本能は体を動かそうとするが
高町なのはの根源がそれを実行させない
その根源とは

高町なのははいい子でなければいけないという思いだ

過去のトラウマが一気に蘇る
怪我をした父
仕事で忙しくなった母
それを手伝うために一緒に忙しくなった姉
鬼気迫る勢いで剣の練習をする兄
そして


誰にも構ってもらえず、一人寂しく、ポツンとしている私


その瞬間
私は一歩進んでいた
前に
本能はそれを防ごうとするが、私はそれを意思の力で阻む
きっとこの一歩は私に後悔させる
だけど
高町なのはが高町なのはである限り
この行動を止められない
一歩
一歩
一歩
一歩
一歩
一歩
そして遂に階段を
登りきる
そこで
私は
慧君の忠告を身を以て理解する

そこには


黒々とした何だかわからないバケモノがーーーー

それは獣みたいな姿をしていた

しかし、おかしい事にそれは普通の獣のサイズではないのである
そして何とその獣の顔は口が顔を裂いていた
そして、目が二つではなく、たくさんあった
その眼は

全部血塗られたアカだった

だが、しかし
それはジュエルシードの影響で出来た怪物ではなかった
だってそれで出来た怪物は

それに喰われていたのだから

グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ、グチャ

そこは神社の霊験さなど欠片もなく、ただそこには赤い血と、何だかわからない赤黒いナニカが散らされていた。その近くには女の人が倒れていたが、とてもじゃないがそんなことを気にしていられない
ナニカを理解できない
理解してはいけない
理解したら今の均衡状態が壊れる
でも、頭は勝手に理解しようとする
意思では止められない
そう、それは

人や動物の中に入っているナイゾーーーー

「うっ!おぇぇぇぇぇぇ!!」

理解した瞬間
胃の中の物が逆流してしまった
無理もない
彼女は精神年齢は同年齢の子供よりは高いとはいえまだ子供である
それにここに来た理由は困っている人を手助けするという聞いたら物凄い良い事だが
こんなことになるとはまったく思っていなかったのである
所詮、子供である
こんな命懸けになるとは思っていなかったのである
覚悟なんて上等なものは持っていなかったのである
慧君の言っていることを完璧に理解した
嫌な予感には従え
嫌な音が聞こえたら近づくな
嫌な臭いがしたら探すな
そして
常に最悪な予想をしろ
まさしくその通りだ

現実は三歩先の最悪を作る

ギョロリとそれはこちらを睨んだ
するとそれは

唇を三日月に歪め嗤って

「■■■■ーーーーーーー!!」

直ぐ傍に倒れている女の人は無視してこちらに襲い掛かってきた

「ひっ!」

とてもじゃないが反応出来ない
体を動かすことなぞ出来るはずがない
そんなことが出来るのならもう逃げている
ああ、私はここで死ぬのか
死んでしまうのか
死ぬんだろうな
死ぬ
呆気なく
何もせず
何もできず
何かを成し遂げることもなく
こんなところで、私はーーーー
私はーーーー
私は…………………
私は…………………

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


死ねない!
私はまだ
私はまだ死ねないの!!
死ぬのか怖い
それもある
でも
それ以上に

まだ…………………………みんなと一緒に笑っていたい!!

その心が
その不屈の闘志が
彼女の胸元の宝石を刺激し、そして

『ALL,RIGHT.MY,MASTER』

デバイス(相棒)が答えた
宝石は瞬時に杖となり
制服は瞬時に私を守るバリアジャケットになった

「そんな!起動パスワードもなしにレイジングハートを起動させた…………………………!」

そんな言葉を聞いている余裕はなかった
目の前の脅威を何とかすることが先決だ
私はまだ魔法の何たるかを知らない
だから。私はただ想うだけ
守ってと
レイジングハートはそれを読み取ってくれた

『PROTECTION』

目の前に桃色の障壁を張り、もう目と鼻の先に迫っていたバケモノと

激突

ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッィィィィィィィィィィィィンンンンンンン!!

不協和音が辺りに響き渡る

「くっ!うぅっ」

とてつもない反動に思わず杖を落としそうになる
しかし、それは我慢
それをした瞬間
待ち受けるのはさっきみた光景だ
どれぐらいの時間が経ったか
バケモノは突き破れないと理解したのか
唐突に後ろに下がった

「っ!ハァ!ハァ!ハァ!」

いきなり圧迫感が消えた
それを幸いに今まで無意識に止めていた呼吸が再開される
後、数秒続いていたら酸素が足りなくて死んでいたかもしれない
バケモノはしばらくそのアカイ瞳でこちらを睨んできた
私はそれを受けるだけ
恐怖はある
しかし、今はそれを凌駕する意思で何とか立っていられる
そして
何を思ったのか
バケモノは急に
ニタリと口を再び三日月に歪め
そのまま

バッ!!

と去っていた

つい追いかけなければと思うが、とてもじゃないが動く気力がない
体力もない
そのまま地面に膝をついてしまった

「なのは!!大丈夫!?」

ユーノ君の心配する声が聞こえる
私は心配をかけないように笑いかけようと思い、振り替えると
さっきまであのバケモノに喰われていた怪物は

ただの小さな犬に変わった

「------あ」


そこに倒れているのはただの小さな犬であった
そこに倒れている女の人のペットなのだろう
首輪をされていた
しかし、今のその犬は
元の気の色がわからないぐらい赤く染まっていた
ユーノ君がその犬に近づく
彼の顔は悲しそうだった

「…………………………多分、さっきのバケモノはこの犬に取付いていたジュエルシードを狙っていたんじゃないかな」

そうなのかもしれない
実際、その犬からは何の反応もない
でも、違うのだ


今、聞きたいことは『それ』についてじゃない


「…………………ねぇ…………………ユーノ君…………………その、お犬さんは」

生きているの?

その言葉は口には出さなかった
でも、ユーノ君には出さずとも伝わったのだろう
彼は
沈黙したままだった
何よりのーーーー答えだった

「------あ」

思考が停止する
わかっている
頭ではわかっている
これはどうしようもないことだということは
だって、私が来たころにはあの一方的な捕食は始まっていた
階段の時の怯えで止まっていた時間などほんの少しだけだ
でも、それでも
考えは止まらない


何故、もう少し早く来れなかったのだと


勿論、早く来ても助けられなかったかもしれない
自分は魔法を使ったのはまだ二回目だ
そんな自分が何かを出来ると思うのは自惚れだ
でも
私には力があったのだ
守れる力が
他の人にはない
守れる力が
なのにこの様
慧君がいたらこう言うだろう

不様だなと

否定なんて出来ない
肯定あるのみだ
現に私は今

こうやって不様に

「うっ、ひっ、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

泣いているのだから

まったく知らないお犬さんに対して
私はただ泣くことしか出来なかった
それがただ悔しくて
それがただ情けなくて
それがただ腹立たしくて
私はただ泣いた
ユーノ君はそんな私をただ黙って見ていてくれた


これが私の
最初の闘いであり
最初の葛藤だった













あとがき
今回でようやくオリジナル展開
このバケモノはが何なのかはまだまだ秘密
今回は早めに出せましたわ
さて、この前の主人公考察ですが、わかる人にはわかったでしょう
簡単に答えを言っときましょう
正解は他の主人公と違い、誰にも『助けられなかった』存在
それは風雷慧です
だからこそ、彼は他者との繋がりを拒否したくなるのです
勿論、他の主人公もこうなると言っておりません
自分なりにもしもこういった主人公が助けられなかったらこうなるのではと思った姿であります
つまり主観です
だから余り批判しないでくださいね
いや、お願いします
それとデバイスの言葉は出来るだけ何とかしますが、無理なところは日本語で行くのであしからず


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