注意:過労とストレスと睡眠不足で、作者が壊れているよ。
必然的に、キャラも話も壊れているよ。
例によって例の如く、オリキャラものだよ。いいかげんやめればいいのにね
そして短いよ。死ねばいいのに。まあネタだからね、生温かい目で見てやってくれ。
こんなもん書いてる暇があったら、とっとと本業を仕上げないとね。でも、だからこそこんなものを書いてしまうんだよ。
ていうかこれ、禁書ってか超電磁砲二次だよね。ちなみに漫画版準拠だよ。
それでは……おk?
学園都市。
内部事情説明は全略。
ようするに、かっちょいい近未来都市だ。
そんなかっちょい(以下略)に住む学生の一人、横井正一には、海より深く山より高い悩みがあった。
それは。
「よう、ゼットン! 小腹空いたし、飯食いにいかねぇ!?」
「ピポポポポポポ……って、やらせんなやボケがぁ!」
──あだ名が、「ゼットン」であることだ。
◆
夕刻。夏も近づいてきており、まだ日は高く登っているものの、少し涼しくなってきた時間帯。
日本と祖国では名前の違うマスコットがいるファーストフード店で小腹を満たした横井とその友人は、ぶらぶらと第七学区の繁華街を歩いていた。
「ふいー食った食った。なあゼットン、次ゲーセン行こうぜゲーセン。俺、今ならワンコインクリア出来そうな気がするんだ……ダブルドラゴン」
「だからゼットン言うなし。それと、それなんだよ。知らねえよそんな古いゲーム、っていうか生き残ってんのかそれ、むしろやったことのあるおまえ凄いわ」
「ふっ……ただのゆとりではないのだよ、ただのゆとりではなあ!」
ちなみに作者は、ミスフルでネタとして見たことしかない。アーケード版稼働1987年とか、まだ生まれとらんわ! こちとら平成ベビーゆとり教育直撃世代じゃい!
ていうか、そんなネタ使うなとゆーツッコミはNGでお願いします。
「てーか、どっちにしろダメだ。とっとと家に帰って寝たい」
「うぇー、なんでだよ付き合い悪ぃーなぁゼットン。おまえそんないい子ちゃんだったか?」
「無気力症候群が美徳かどうかは置いといて、だ。……最近、うるさいからな。面倒に巻き込まれたくないんだよ」
「あー……うん、なるへそ。“アレ”、ね」
まったくおまえも大変だよなぁ、と、友人一号(本名。ちなみに読みは“トモビト アタマ”)は頷きながら、ボリボリと頭を掻く。
友人は、横井に同情の視線を向けた。
「“連続発火強盗”、だっけ? まだ捕まってないのアレ?」
「まーだまだ。風紀委員と警備員が駆けずりまわってんだけどねぇ、どーも最近暑くて頭が湧いちゃったおバカさんが多いみたいで、手数が足りてないめたいだよ? おかげでこっちにまで疑惑の視線が向いて来てさ、メンドっちくてやになるよホント」
「うっへ、俺レベル1で良かったぁ。妙な事件が起こってもさ、どーせスキルアウトかレベル2、3あたりの仕業だろってんで、こっちにゃ矛先向かねえからねぇ。……てか、おまえにつっかかってきてるのって例の“アレ”だろ?」
「そ、“アレ”。──ったく、めんどくさいったらありゃしな──」
「あああああああああああああああああああああああっ!」
「──い……」
横井の言葉を遮るかのように、つんざくような女性の声が響き渡る。
その声を聞いた横井と友人は互いに顔を見合わせると、形容しようのない、とりあえずいやそうであることは分かる表情をした。
具体的に言うと、半開きにした口をスタンダードポジションから気持ち右下方向へと引っ張り、左目をちょっと開く。目は地面に向けてこの世の全てを呪うかのような視線を向け、左眉をちょっと上げる。そのまま首を右に30度ほど傾ければ、とっても気持ちの悪い顔の完成だ。百年の恋も醒める。
「ほーほっほ、ここで会ったが百年目! 大人しくお縄に……」
「おい、出たよ」
「出たなあ。ところで一号、折り言って相談があるんだが」
「……え、あ、ちょ、その……」
「なに?」
「レベル4のテレポーターから逃げる方法について、なんかいい案あるか?」
「ちょ、ちょっと……」
「ない」
「ですよねー」
「ちょっと、無視しないでくださる!? そこの末期ピーターパン症候群患者! 社会生活不適応者! ニート! ゼットン!」
「ちょっと待てやっぱゼットンは蔑称かあああああああああああああああっ!?」
わりと遠くからずかずかと歩いてきたツインテールの少女の暴言は、横井の心を深く傷つけた。ガラスのハートを粉々にされた彼は、地面に座りこんでめそめそ泣きながらのの字を書く。
なにが悲しいって、女の子にそんなこと言われたのが悲しいのだ。それも、わりと美少女に。
「あいかわらずの心の弱さですわアナタ……ホントに殿方ですの? その根性の無さ、レベル5級ですわよ……?」
「う、ぐすっ……うるさいやいうるさいやい、おまえみたいな性悪女に思春期男子の繊細な心は分からねえよ……。ぐすっ、ことあるごとに、人のことゼットンゼットンって……そんなに俺はゼットンかよ!?」
「そうだそうだ! こいつ、これでも結構気にするタイプなんだぞ! 外出する時に家のコンロの火消したかどうか気になって、もう鍵かけたのにわざわざ戻って確認を三回以上繰り返しちまうくらい繊細なんだ! そんなこいつゼットン呼ばわりするなんて……なんて非道!」
「や、お前にそれを言う資格はない」
「はあ……どうしましょう。声をかけたことをものの数秒で後悔してしまうウザさですわね……」
「黒子ー? どうしたの?」
「白井さん、誰かいらっしゃたんですか……って、ゼットンさんと一号さんですか。お久しぶりです」
順調にカオスってるところに、新たに二人の女子生徒がやってきた。ツインテールの少女、っていうかもう名前出てるのにめんどいな要するに黒子だよ、と同じ制服を着た茶色い短髪の(でも俺、あれは短髪じゃなくてセミロングだと思うんだ。まあここは公式標記準拠ってことで)少女と、別の制服を着た、頭に花飾りを乗せた少女。
その二人を見た男連中は、よ、と軽く右手を上げつつ、挨拶をする。
「お、飾利ちゃん、と……誰? あ、でも、どっかで見たこと有るような……とりあえず始めまして」
「……や、あれだろ。“超電磁砲”だろうよ、どっからどう見ても。うわぁい、なんだかやな予感がびんびんしてきたなー……あとゼットン言うなや初春」
「……とりあえず、あんたがものっ凄い失礼な奴だってことは分かったわ……」
バチ、という音と共に、茶髪の少女の体から火花が散る。どうやらかなりご立腹のご様子である。
その様子を見た白井は、慌てて彼女にストップをかけた。
「ちょ、ダメですのよお姉さま! こんな往来で、レベル5同士がぶつかればどうなるか……!」
「……ふぇ? 黒子、今──」
──ドガァァン!!
「ヨッシャ!! 引き上げるぞ急げ!」
「ウス!」
近くにあった銀行のシャッターが突然爆発し、中から数人の男たちが姿を表した。男たちは全員覆面をしており、またその手には銀行から奪ったとおぼしき札束が満載の紙袋を持っている。平たく言えば、銀行強盗だ。
彼らの姿を見た白井と初春は、それまでの少々抜けた顔をガラリと変えた。学園都市の治安維持の一端を担う風紀委員(ジャッジメント)、その一員である彼女らは、自分たちの仕事を果たすべく迅速に行動を開始する。
白井は風紀委員の腕章を握りしめ、男たちへと駆け出しつつ、他の皆へと指示を飛ばした。
「初春は怪我人の有無を確認」
「は、はい!」
「お姉さまと他二名は、そこにいてください」
「えー」
「言われなくてもそうするって、ね」
「てーか俺たち他二名かよ……」
「よし──“風紀委員”ですの! 器物破損および強盗の現行犯で──」
「……ねぇ」
「ん?」
白井と初春が走っていくのを横井がぼうっと見ていると、茶髪の少女が話しかけてきた。
「なんだ? 超電磁砲」
「ちょろっと、気になったんだけど……っていうか、私には御坂美琴って名前があんのよ。能力名で呼ぶとか、ちょっと失礼だと思わない?」
「あー……悪い、なんだ御坂」
しまった、と罰の悪そうな顔で、横井は美琴に返事をする。正確に言えば、彼は超電磁砲の本名を知らなかった。一人歩きしていた能力名と容姿のみ知っていたので、つい自然と能力名で呼んでしまっていたのだ。
そんな彼の事情を知ってか知らずか、それ以上その件を追求することもせず、美琴は横井に問いかける。
「さっき黒子、『こんな往来で、レベル5同士がぶつかれば──』って言ってたわよね。あれ、どういうこと?」
「ああ、あれか。まあそりゃ、どういうこともなにも……」
横井の視界の中で、強盗犯の一人が、右手から炎を出した。超能力の一種、バイロキネシスだ。ポピュラーな能力の一種で、多数の能力者がいるが、彼の炎はその中でもかなりの火力を誇るだろう。
だが、温い。横井は、そう判断する。あの程度の炎では、白井黒子は破れない。傷一つ、付けられない。
そのことを理解して、しかし。
彼は、一歩前に踏み出した。
「そういう、ことだろ」
轟、という風と共に、横井の体から炎が伸びる。
炎は発火能力者へと一直線に進み、“彼の周囲の酸素を燃やしつくした”。
ほんの数瞬のこととは言え、突然酸素の無い状態に追い込まれた発火能力者は、完全に意識を刈り取られる。
ばたり、と、彼はその場に崩れ落ちた。その様子を横目で確認しつつ、白井は横井へと胡散臭い目を向ける。
「まったく……なんのつもりですの? この程度なら、無傷でいける相手ですわよ?」
「あー分かってる分かってる……んまあ、私怨5割好奇心5割、ってところかね。レベル3の強能力者って言うから少しは期待したんだが……残念、修行が足りなかったか。せめて、15秒は持って欲しかったな」
「この世の誰もが、あなたのような低燃費人間じゃありませんの……」
はぁ、と疲れた表情を見せる白井に苦笑いしてから、横井は美琴へと振りかえった。
目を丸くして自分を見つめる彼女に、若干芝居がかった口調で横井は告げる。
「よう、御同輩。そういえば、自己紹介がまだだったな。俺の名前は、横井正一……能力は“最大火力(プラズマシューター)”。学園都市第八位の、超能力者だ」
横井正一……学園都市に数多存在する発火能力者の頂点にして、レベル5。最大火力は1兆度。
そう、それゆえに……彼のあだ名は、「ゼットン」。
なんだこれ。
続きは未定。