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No.26770の一覧
[0] 【ネタ】IS~漢達の空~ 第9話投稿[凡夫](2011/04/19 13:45)
[1] IS~漢達の空~その2 大幅改訂[凡夫](2011/04/19 15:17)
[2] IS~漢達の空~その3 大幅改訂[凡夫](2011/04/16 17:42)
[3] IS~漢達の空~その4 大幅改訂[凡夫](2011/04/16 22:08)
[4] IS~漢達の空~その5 改訂[凡夫](2011/04/17 11:24)
[5] IS~漢達の空~その6 改訂[凡夫](2011/04/17 22:53)
[6] IS~漢達の空~その7 大幅加筆[凡夫](2011/04/17 22:53)
[7] IS~漢達の空~その8[凡夫](2011/04/19 13:45)
[8] IS~漢達の空~その9 new[凡夫](2011/04/19 13:44)
[9] 没案[凡夫](2011/04/07 22:02)
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[26770] IS~漢達の空~その4 大幅改訂
Name: 凡夫◆773ede7b ID:b5aa4df9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/04/16 22:08
 第4話




 IS、インフィニット・ストラトス



 通称「白騎士事件」と言われるテロ事件を切っ掛けに世に出たそれは、既存の人類の常識を大きく覆し、大き過ぎる波紋を呼んだ。
 社会は女尊男卑一色に染まり、ブラックボックス化された467個のISコアを各国が保持し、それを軍事の最先端とした世界が生まれた。

 宇宙開発は停滞し、航空機パイロットの多くが空を追われ、高名な技術者や科学者はその座を追われ、窓際に追いやられた。
 その後釜に座ったのはIS操縦者である女性達と、今まで若さから評価されなかった女性科学者や技術者達。

 それでも、以前は男女平等が唱えられた影響からか、当初はそこまで酷くはなかった。
 しかし、それも時が流れるに連れ、より極端な思想が増え、それに異を唱える者も少なくなっていった。
 男性にはもう、女性を支える賢いペットという立ち位置しか残されていなかった。
 
 世界を変えた画期的な新兵器にして、女性しか搭乗できないという大きな欠点を持つソレは、しかし、現在その価値を大きく減じようとしていた。


 LM、ランドメイド
 
 米国のとある企業が開発したその兵器は、再び世界に男女平等の風を入れた。 
 現在、各国政府で採用されている第二世代ISに匹敵する機動性、攻撃力、防御力を持ち、低コストかつ高い整備性、汎用性を獲得した6m大の人型兵器。

 そして、ISと異なる最大の点は、誰にでも搭乗可能で、大量生産可能だという点

 その存在は嘗てのISと同様に、当初人に知られてはいなかった。
 しかし、米国政府は何処の勢力よりも速やかにその存在を察知し、正式採用を決定した。
 それに違和感を覚えた多くの勢力は、即座に調査の手を伸ばした。
そして、入手した。
 第2.5世代ISと件の新兵器の戦闘映像を
 
そこからは早かった。
 各国はあらゆる手段を厭わずにその新兵器の情報を得ようとした。

 しかし、アメリカ合衆国は全力を以て絶望的な防諜網を構築し、一切の情報をシャットアウトした。
 そして、開発した企業に直接乗り込もうとした者達は、誰一人として帰ってくる者はいなかった。
 その全てが捕えられ、闇へと葬られた。
 また、クラッキングにしても同様で、寧ろこちらの情報を奪われる事がしばしば。

 だからこそ、世界はアメリカとRE社に対し、その新兵器の情報の開示を迫った。




 時はISの登場から8年、RE社創設から5年が経った頃だった。





 
 IS~漢達の空~





 
 その日、国連総会は荒れに荒れた。



 議題は勿論LM-02の情報開示ならび輸出解禁に関するものだった。

 各国は挨拶や祝辞もそこそこに、早速会議を始めた。
そして、何処の国も唱えるのは揃って同じ。
米国に対するLM-02の情報開示と輸出解禁だった。
 
 しかし、何処も素直に米国が解禁するとは思っていない。
 先ずは吹っかけて様子を見よう、もらえれば儲けものという具合だった。
 それに対し、米国は余裕を持って対応する。
 
 曰く、「国防に関する情報は国家機密。それを話す事はできない。」

 そんな当たり前の返答を求めていない各国は、ふざけんなとばかりに要求を繰り返した。
 とは言っても、それはあくまで先進国、それも日本以外の国だけだった。
 これは日本が既に同盟国であるアメリカと話を付けており、将来的にLMシリーズの日本向けの機体を輸出する事で話がついていたからだ。
 しかし、他国はそれを知らないため、日本の沈黙をいつもの弱腰と判断して捨て置いた。
 …追求されて情報を公開した所で、痛くも痒くも無い機体を輸出する予定ではあるが。

 その後、国連総会はそっけない米国と沈黙する日本、米国に追求する他国という状態のまま推移した。
 それは他の議題を押しのけ、一カ月近く審議された。
 米国の口の堅さもそうだが、各国の粘りも凄まじいものだった。
 そして遂に、米国が折れた様に口を開いた。

 「現在議題となっている機動兵器に関し、我が国はある程度の譲歩をする用意がある。」

 米国の発言に、各国は新たに動きを見せた。











 米国がむっつりと沈黙を保っていた頃、現在絶賛各国の注目の的であるRE社であるが………現在戦闘中だった。


 マスコミに偽装した不明勢力が、なんとISを4機も使って正面から襲撃してきたのである。 
 そして、直後のRE社は戦闘態勢に移行、即座に迎撃に出撃した。

 相手は米国製第二世代ISの一つであるヘビーバレルとレッドブル、英国製第二世代ホークアイ、ロシア製2世代アルモス・ブラ(日本語でダイヤモンド2)だ。
 ヘビーバレルは重装甲・大火力による面制圧を、レッドブルは高い運動性と機動性、ホークアイが精密射撃を、アルモス・ブラは汎用性と稼働性を優先したモデルだ。

 どれもIFSは無いため、奪取されたか不正規活動用と思われるものであり、CIA職員からも撃破許可が出ため、RE社は心おきなく攻撃を開始した。



 まず最初に動いたのは常時展開している警備用無人機による濃密な対空砲火だった。

 光学迷彩を解除し、前腕に装備されたチェーンガンを迫り来る不明IS4機に発射する警備用無人機群。 
 その火力はISを撃墜するには遥かに脆弱なものだったが……如何せん全施設の外壁が見えなくなる程にみっちりと張り付いた大量の虫型無人機の姿は、どうしても生理的嫌悪感を催さずにはいられない光景だった。
 その数、実に450機。
 
それが一斉にカメラをISに向けて動くのは………………ぶっちゃけ、その様は台所のアレに似ていた。
 
そして、ISの登場者は全員女性である。


 結果、4機の不明機は引き攣った様な悲鳴と共に施設全体に対し攻撃を開始した。


 そして30秒後、警備用虫型無人兵器を掃討した彼女らが我に帰った時、既に反撃の準備は完了していた。



 格納庫からは本社防衛用に多数配備された戦闘用虫型無人機が100機、LM-01が150機、LM-02が20機、試験中のLM-02の陸戦仕様機であるLM-02Gが10機、雪崩を打った如く出撃した。
更にダメ押しとばかりに試作中だった対IS兵器を多数持ち出された。
 ……ちなみに、既に軍への完全配備は終了しており、この場にいるのは純粋にRE社の私設防衛部隊所属機である。


 IS4機が事態に気付いた時、丁度4機目掛けて12発の大型ミサイルが放たれた。
 シールドがあるとは言え命中すれば損傷は免れない。
 そう判断した4機は危なげなく8発の大型ミサイルを迎撃したのだが、これがいけなかった。
 RE社上空に突然に妙な粉末が広まった。
 途端、シールドに極僅かずつだが継続して負荷が掛かり続け、シールドエネルギーを削り始め、4機は顔を青褪めた。
 
 これは実は要重力場アンテナの製作過程で発生する廃材部分を粉末にしただけの代物だったりする。
 要重力場ビームが照射されてもそのエネルギーを受け止めきれずに自壊するのだが、その性質を兵器転用したのが、この対ISミサイル「アシッドレイン」である。
 その名の示す通り、酸性雨の様にゆっくりとISのシールドエネルギーを削っていく。
 これは稼働時間に問題を抱えるISにとっては天敵とも言える代物であり、廃材利用の品であるため、費用対効果も高いため、制式採用の話も出ている。
 ちなみに、LM-02クラスのDフィールドなら十分耐えられるし、発動には要重力場ビームが必要不可欠であるため常に補給がなされるため特に問題無い。

 そして混乱する4機に対し、LM-02部隊が一斉に飛翔した。
 兵装はアサルトライフル・アーミーナイフ・マルチミサイルの通常仕様だが、如何せん数が20と多い。
 単純にアサルトライフルをばら撒くだけで絶望的な弾幕と化した。

 しかし、迫り来る致死量の鉛玉に、4機のISは吶喊する事で答えを出した。

 回避が最早不可能で目的の達成がもはや不可能というのなら、ここに長居する訳にはいかない。
 最低限の被弾だけで4機はそれぞれ東西南北に散って、イグニッションブーストによる離脱を試みた。


 が、そうは問屋が卸さない。
 

 『がっ!?』
 『うあぁ!』
 『なんッ!?』
 『…馬鹿な。』


 施設上空から抜け出そうとした瞬間、4機のISはまるでゴムまりの様に施設内部に向けて弾き飛ばされた。 

 本社施設全てを覆う様に展開されたDフィールドは施設を守る盾であり……同時に、少々調節すれば内側から逃がさないための檻にもなる。
 電源は施設地下にある核融合炉と相転移エンジン一基から供給されているため、電源切れも有り得ない。
 4機のISは自分達が襲う側だと信じていたが……ここに来て袋のねずみであるのだと、漸く気が付いたのだ。

 そこから先は一方的なものとなった。
 LM-02部隊は一小隊につき5機編成を組み、連携を組んでIS1機をそれぞれ攻撃した。
不明ISは連携しようにも地上から来る精密な支援射撃に邪魔され、シールドエネルギーも順次発射されるアシッドレインにより減少が止まらない。
 低空飛行で施設を盾にしようにも物陰にびっしりといる戦闘用虫型無人兵器とLM-01部隊、LM-02Gの対空砲火にそれもままならない。


 LM-02Gは全長5mの奇妙な4脚のLMである。
 その外見は砲戦フレームの上半身に4脚の下半身で構成されている。
 操縦形式はは基本的に機体操縦と火器管制の複座型だが、一人でも操縦可能である。
 武装面は背面に2連装対空機関砲、肩と腕に汎用ラック、機体固定用アンカー、Dフィールドを装備する。
 性能自体はかのダイゴウジ・ガイが宇宙の塵にしてしまった重武装フレームに近いが、LMと言うのは名ばかりで、実質は多脚戦車ともいうべき性質を持つ。
これは攻殻機動隊の思考戦車や多脚戦車を参考とした事と大口径兵装を扱える上で機動性も確保するためにこの形態となった。
4脚化により搭載量が増えた人工筋肉により射撃時の衝撃吸収力が向上、射撃能力の強化を達成した。
 IS同様に慣性制御も射撃時の反動をキャンセルするのに使用する事もできるため、その精密射撃は狙撃仕様の第二世代ISにも勝る。
 米国陸軍からの注文で次世代の主力戦車として開発されたものであり、足には4個の追加バッテリーを装着可能、更にバッタ等の木連製無人兵器にも採用されていた小型ジェネレーターを搭載して活動時間を飛躍的に高めているので高出力兵装の使用も可能となっている。
 ラックと手腕に多数の兵装を装備可能で120mmカノン、90mmレールガン、ガトリングガン、スナイパーライフル、アサルトライフル、火炎放射機、荷電粒子法、三連ロケット砲、三連ミサイルランチャー、長期作戦用バッテリーなどがある。
 汎用性、機動性、火力、装甲の全てにおいて現行の陸戦兵器に勝るが、その分コストと整備性に関しては高くなってしまっている。


 対し、RE社側は限定された空間であるにも関わらず、先月末に遂に12基全てがロールアウトしたオモイカネ級AIの管制を受ける事で問題無い連携をこなす事に成功していた。
 しかも、唯でさえパイロットである漢達は年齢からもう空軍でやっていくには問題がある退役軍人達で構成されている。

 一対一の戦闘や圧倒的に格下との戦闘しか経験してこなかった彼女達IS操縦者に、勝ち目は無かった。
 
 


 一分後、RE社上空に4つの汚い花火が上がる事となった。






 所は戻って国連総会

 米国が先ず資料として提供したのは、戦闘映像だった。
 1対1から始まり部隊単位の模擬戦まで……凡そ各国が現在入手した映像よりも多くの映像が各国に渡され、議場でそのまま上映された。

 そして、ISに対し全く引けを取らないLM-02の姿に、各国は魅了された。

 一通り視聴して議場に落ち付き始めて会議が再開されると、各国は今度はLM-02の輸出解禁、一部の者は無償提供すら要求を開始した。
 それに対し、米国は落ち着いて対価の提示を要求すると共に……輸出向けの新型機であるのなら、輸出制限はしないと発表した。
 そして、これ以上の譲歩は我が国には難しい、と最後通告を付け加えた。
 
 
 結果、各国はそれぞれに資源やISコア、外貨を支払う事で、米国の取引に応じざるを得なかった。











 
 「へー、ほー、ふーん。」


 薄暗い研究室で、年若い女性がモニターを見ていた。

 睡眠不足から釣り上がった目、ぼさぼさに伸ばした黒髪、お伽噺にでも出てきそうなドレス、そのドレスを下からはち切れんばかりに押し上げる豊かな胸部。
 世界のカオスの中心、天才にして天災、ISの開発者。

 その名を篠ノ之束と言う。

 彼女が見ているのは、何の変哲もない、ニュース映像の一つだった。
 アメリカ空軍が配備した新兵器LM-02、それについてのものだった。
 彼女からすれば余り興味のないものであったが、それでも米国製の粗雑なものと言えどもISを撃破したのはちょっと驚きだった。

 彼女の予想では対IS兵器又はISに匹敵する兵器の登場は後20年は先だった。
 だと言うのに、それが覆された。
 僅かな驚きと……興味。
 篠ノ之束は愉快そうに唇を歪ませた。

 「ちょっと探ってみようかなー」

 そして、彼女はいつもの通り、自身の興味の赴くままに行動を開始した。 



 この行動が後のRE社と篠ノ之束の対立構造を本格化させる事になるのだが、それはまだ誰も知らなかった。
 







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