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No.26763の一覧
[0] 【ネタ】スクライア一の超天才にして、超問題児(リリカルなのは×遊戯王)[じゃっく](2012/01/27 10:11)
[1] スクライアの異端児!その名はバクラ![じゃっく](2011/04/03 10:19)
[2] 石像×盗賊=ジェットコースター[じゃっく](2011/04/08 09:46)
[3] 壮絶火炎地獄!暗黒火炎龍![じゃっく](2012/01/27 10:12)
[4] 雷の悪魔!デーモンの召喚![じゃっく](2011/04/24 14:12)
[5] スクライアの休日[じゃっく](2011/04/24 13:56)
[6] 楽しい楽しい魔法教室!……楽しいか、これ?[じゃっく](2011/05/09 10:55)
[7] 誕生日の意味 前編 [じゃっく](2011/05/02 20:43)
[8] 誕生日の意味 中編[じゃっく](2011/05/09 10:53)
[9] 誕生日の意味 後編[じゃっく](2011/05/20 17:47)
[10] ドキドキ!健康診断!![じゃっく](2011/07/16 09:43)
[11] 盗賊王VS騎士――前哨戦[じゃっく](2011/07/16 09:43)
[12] 盗賊王VS騎士――決着[じゃっく](2011/07/16 09:53)
[13] それぞれの決意[じゃっく](2011/08/05 19:30)
[14] 家庭崩壊の危機!アンナが浮気した!?[じゃっく](2011/08/25 12:31)
[15] バクラが向かう所、常にトラブルの影あり![じゃっく](2011/09/20 22:54)
[16] 大空の戦い!有翼賢者ファルコス![じゃっく](2011/09/20 23:07)
[17] 憧れの二人[じゃっく](2011/10/12 12:09)
[18] アンナが死んじゃう!?[じゃっく](2011/11/21 07:28)
[19] 受難、苦難、遭難?[じゃっく](2011/11/20 18:20)
[20] 新しい命/名前争奪戦[じゃっく](2011/11/28 01:02)
[21] 幸?不幸?烈火の剣精の運命![じゃっく](2012/01/27 10:13)
[22] 嵐の前の静けさ……[じゃっく](2012/01/27 10:15)
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[26763] 【ネタ】スクライア一の超天才にして、超問題児(リリカルなのは×遊戯王)
Name: じゃっく◆475fb41a ID:095ee6a7 次を表示する
Date: 2012/01/27 10:11


夜。辺りが暗闇に閉ざされ、明かりもないとある一画に複数の人影が集まっていた。

「……うぅ………」

「くぅ……げっほ、げっほ……み、皆…だ、大丈夫か?」

「あ……あぁ………なんとか………」

傷つき、体中が埃まみれになった人達が地面へと座っている。

「とはいっても……」

一人の男性が辺りを見渡す。

「俺達以外は、少しばかり洒落にならないな……」

視線の先には同じように傷つき、倒れている人達。
皆、男と同じような服装をしていた。

「ああ、そうだな」

その意見には賛成だ。
自分を含め、他数名は怪我を負っているとはいえ動けないほどではない。
しかし、倒れている皆には、今持っている治療具では心もとない。
リーダー格の男は立ち上がり、動ける他数人へと指令を出す。

「リック!ガッツ!二人とも、急いでキャンプ地に戻って救援を呼んできてくれ!残った皆は怪我人の応急処置だ!」

任せておけ。
呼ばれた男性達は胸を叩き、急いで救援を呼びに行った。
残った人達。比較的軽症な人は怪我人を運び、怪我の治療などに廻る。

「それにしても、酷いな。これは」

「ああ……全く!この遺跡に、こんなトラップがあるなんて聞いてないぞ!」

忌々しそうに口を歪めた男性の後ろには、ある建物がそびえ建っていた。
城の様に高く天を貫く建物。
壁の表面に描かれた訳の解らない文字の羅列。今ではほとんど見られない石で出来た外観。
古代遺跡。その言葉が良く似合う。

「仕方ないだろ。遺跡発掘には事故はつきものだっての」

どーどー、と怒り狂うを仲間を静める。が、そんな事でこの怒りを収まりそうにない。

「んな事言ってもよぉ!今回の発掘は新顔達に経験を積ませる意味で、比較的安全で調査済みの遺跡を選んだはずだろ!なのに、あんな……」

怒る男性の瞳には、一部分だけが明らかに不自然に陥没した個所が映った。
今回の発掘には、そこまで成果を期待してなかった。
新しく入ったメンバー達に、実際に遺跡とはどんなものか。それを教えるために、既にほとんど調査された遺跡を選んだからだ。
それがまさか、こんな大怪我を負うトラップがあるとは男は考えもしなかった。
が、これは仕方ない。
遺跡というのは過去の人物達が残した遺物。
中には安全な物もあるが、意外なトラップが隠されている物も存在するのは事実。
今回もそう。
既に調査されていたとはいえ、その意外なトラップに運悪く引っ掛かっただけ。
だけなのだが、男性は納得がいかないようにイラついていた。
矛先をぶつけたいのに、そのぶつける物が無い。
男性のイライラはますます高まっていく。

(まぁ、仕方ないか)

いくら遺跡発掘に不慮の事故が付き物とはいえ、感情まで制御は出来るものではない。
しかも今回は、比較的安全と事前に聞いていた。
男性が怒るのも頷ける。

「ぼやくな、ぼやくな。皆が無事だっただけ、良かったじゃねぇか」

これだけの大事故。怪我人が居るとはいえ、死者は出ていない。
それだけでも喜ぼう。
怪我人の応急措置も終わり、メンバーの中に安心が生まれた。
先程まで指揮していたリーダー格の男も、緊張の糸が切れたように地面へと座る。
後は救援を待つだけだ。それまで皆の安全を確保しなくては。
リーダー格の男は体を休めながらも、周りに気を張っていた。

「あ、あの……」

「うん?ああ、アルスか。どうした?」

声をかけてきたのは、一人の子供だった。
まだ幼く、10歳前後の子供。体も未発達で、小さく弱弱しい。
彼もまた、今回の遺跡発掘のメンバーに加わった者だ。
とはいっても、まだまだ経験が足らないので精々お手伝い程度だったが。

「どうしたんだ?何か用か?」

リーダー格の男は問いかけるが、アルスは答えない。
あっちへキョロキョロ、こっちへキョロキョロ、と視線を動かしている。
何か隠している。
言いたいのに、言いだせない。口を開いても、すぐさま閉じてしまう。
このままでは埒が明かないと察し、リーダー格の男は少し強い口調で問い詰めた。

「うぅ……じ、実は……」

観念し、アルスは面を下げながら白状し始めた。

「その……足りないんです。……一人だけ………一人だけ足りないんです!!」

一人だけ足りない。この言葉の意味を、リーダー格の男は直ぐ理解した。
焦りながら、急いでメンバーの確認をする。
一人、二人、三人、と数えていくが、メンバーは全員この場に揃っていた。
可笑しい。
アルスの発言を信じるならば、誰か一人が居ない事になる。
先程の救援に呼びに行かせた二人を除いても、この場にいるメンバーと事前に確認したメンバーの数は合っている。
遺跡発掘前に散々確認した自分が言うのだ。間違いない。

「アルス、安心しろ。皆無事だ」

初めて不足な事態に陥って混乱したものだと思い、リーダー格の男性はアルスを安心させようと優しく頭を撫で始めた。
だが、間違っているのはリーダー格の男性だった。
確かに正式なメンバーは、全員無事だった。正式なメンバーは。

「ち、違うんです。俺が言ってるのは、そうじゃなくて……」

不安げに瞳を揺らし続けるアルス。
幾らなんてもこれは様子が可笑しすぎる。
他のメンバーもその事を察知したのか、周りに集まってきた。

「ユーノが……ユーノが居ないんです!何処を探しても、居ないんです!」

口から発せられた言葉は、空気を伝わり周りの大人達にその意味を正確に伝えた。

「ユーノって……ユーーーーノぉ!!」

驚愕の声でリーダー格の男が叫んだと同時に、周りの大人達も一斉にざわつき始めた。

「何であいつが……確か、あいつはまだ4歳だぞ!それが何で!?」

彼らの一族は遺跡などの古代文明の遺跡などの発掘を生業としているが、流石に4歳児を現場に連れてこようとは思わない。
それが何故、こんな所に居るのか。
疑問を抱きながらも、大人達はざわついていた。

「俺が……俺がいけないんです」

混乱している大人達に、アルスは事情を説明し始めた。
懺悔するかのように、唇を強く噛みながら。

「あいつ、ずっと勉強していて……早く発掘に加わりたいからって……ずっとずっと勉強していて……」

声は何時のまにか涙声になっていた。

「頑張りたいからって……ひっぐ…皆の役にたちたいから…えっぐ、頑張って……今回の発掘についてきたいって……安全だから…あっぐっぐっ……だから、だから俺」

途中からほとんど泣いていて、上手く言葉が伝わらなかった。
が、もう十分だ。
リーダー格の男は再びアルスの頭を優しく撫で始めた。

「男が泣くな。泣いていたって、何も変わらんぞ」

強く、でも確かな優しさを込めて話しかける。

「アルス、ユーノは今回の発掘についてきたいと言った。そして、お前がコッソリと連れてきた。そうだな?」

コクン、と頷くアルス。

「俺達が避難した場所にユーノの姿が無い。そうだな?」

再びコクン、とアルスは頷いた。
自分の責任を感じているのか、目からは大粒の涙が流れ出ている。
安心しろ。そう伝えるように、リーダー格の男は強く頭を撫で続けた。
同時に、周りの他のメンバーに目で伝える。
今回の発掘は途中までは本当に安全だった。遺跡内の地図も、皆が持っている。
迷子になった可能性は限りなく低い。
と、なるとユーノが居なくなった原因は一つしかない。
トラップに巻き込まれた時、皆から逸れた。
急いでお互いの状態と、今所持している装備の確認をする。

「どうだ?そっちは?」

「ダメだ。水や救急箱はあるけど、これじゃあ……そっちは?」

「こっちもダメだ。魔力も使えるほど残ってないし、怪我してる奴らにこれ以上無理をさせる訳にもいかない」

動ける大人全員が確認するが、あまり乏しくない。
装備も、遺跡の罠に巻き込まれた時にほとんど失ってしまった。
魔力自体も、逃げる時や怪我人の治療でほとんど0に近い。

(ダメだな、こりゃ。こんな状態でもう一回遺跡の中に入っても、二次災害の恐れがある。救援部隊が来るまで、待つしかないか)

今の状態では、それが正しい判断だ。下手に助けに行っても、此方が遭難してしまったら本末転倒。
救援が来るまで待つしかない。
けれど、今あそこに自分達の一族の子供が、たった一人で取り残されている。
食料も水も無く、頼れる大人が一人も居ないあの暗く閉鎖された場所で。
直ぐ助けに行きたい衝動を抑えて、リーダー格の男は遺跡を睨みつけていた。
その時、自分の右手から微かな振動が伝わってきた事に気付いた。

「……ぅ……あぁ」

気になり見てみると、アルスが震えていた。
顔を青くし、瞳は不安そうに揺れ続けている。
子供は時として、場の空気を敏感に感じ取る。
アルスもまた、この不安が漂っている空気を感じ取ったのだろう。
しかも、その原因はユーノを連れてきた自分にある。

(俺の……俺のせいで。俺がユーノ連れてきたせいで!)

罪悪感は、ますますアルスを追いつめていき、深い深い底なしの水の中に引きずり込もうとするが――

「心配すんじゃねぇ」

その声によって、引っ張り上げられた。

「え?」

力強く、此方を安心させる様な優しい声。
声に導かれ、アルスが視線をあげていく。
笑っていた。
自分の頭を撫でながら、リーダー格の男は不安など一切感じさせない笑顔を浮かべていた。

「ユーノは大丈夫だ。お前と同じ、スクライアの一族なんだから」

アルスの目線に合わせ、彼の不安を吹き飛ばす。

「安心しろ、ユーノは俺達が必ず助け出して見せる!それとも、俺が信じられないか?」

「ち、違います!でも、ユーノは俺のせいで……」

「あははははっ……まぁ確かに、今回の事は褒められた事じゃないけど、それは俺も同じだ。
族長に今回の指揮を任せられながら、皆を危険な目に合わせちまったんだからな。
でもな、ここで泣きごとを言っても何も始まらない。今は自分に出来る事をするんだ!俺も、お前もな」

涙を拭いさり、アルスは答えを伝える。

「……んっぐ……はい!」

力強い声に目。もはや先程まで不安のどん底にいた少年の姿は、何処にも無かった。
よし!、とリーダー格の男はアルスの頭を髪が崩れるぐらい強く撫でた。
子供の自分でも、何か役に立つ事が出来るはずだ。
アルスは自分に言い聞かせ、自分から率先して手伝えることを探し始めた。

「しかしもまぁ、お前がユーノを連れてくるなんてな。こんな事をするのは、もう一人の兄貴分かと思ったが」

彼らスクライア一族の中には捨て子など、親が居ない子供も居る。
無論、そんな事でその子を蔑にする輩は一族の中には居ない。
皆家族。
今日生まれた赤ん坊も、アルスも、族長も、この場に居る全員が自分にとっての親兄弟。
蔑にするわけが無い。
行方不明になっているユーノもそうだ。
特に彼を可愛がっていたのは目の前のアルスだ。その関係は普通の兄弟と言っても過言ではない。
そう、“アルス”は。
問題なのはもう一人の兄貴分。こいつは正直普通ではない。
確かに一族の子供達には何気に好かれたりしてるが、自分の目から見てると変な影響を受けないか心配である。
一族のほとんどの大人がそう思うほど、問題児なのだ。

「あはははは……あいつの場合、張り付けにしてでも置いてくると思いますよ。基本的に団体行動よりも、一人で動く方が好きですから。
連れてきたらきたで、真っ先に放って何処かに向かうじゃないんですかね」

アルスもリーダー格の男の心情を察したのか、苦笑いを浮かべた。

「いや、流石にそれは無いだろ」

「……普段のあいつを見てもですか?」

「……………すまん。リアルに想像できた」

本当に直ぐ想像できた。高笑いをあげながら、去っていくあいつの姿が。
呆れながらも、その想像を消すため頭を振る。
子供。
今の性格は仕方ないとして、もう少し普通の子供になってもらいたいものだ。
淡い希望を抱くが、それも無理だろう。
あいつが普通の子供になる場面など、想像できない。
はぁ~、と溜め息を吐きながらリーダー格の男性は歩き出した。
残ったアルスは一人考える。
先程も話題にあがった“あいつ”。
自分の幼馴染で、よく小さい頃は振り回された。というより、振り回された思い出しかない。
子供らしい遊びなど一切した記憶は無かった。
傲慢で、強引で、自由奔放。今だって一族のキャンプ地には居ない。
またどこかでに一人で旅してるのだろう。
そんなちょっと……いや、かなり性格に問題があるが、正直こういう時は是非とも居てほしい。
特にこんなトラップが隠されている遺跡の探索の時には。

「早く帰ってこいよ。俺達の弟分のピンチだぞ」

空へと問いかけるが、こんな事をしても無駄だ。
無い物を強請っても仕方ない。
アルスは歩き出し、怪我人の様子を窺おうとした。

――シャリ

突然、後ろから何か音が聞こえた。
野生の動物だろうか。
アルスは気になり、歩を止め耳を澄ます。
シャリ、シャリ、と軽快な音が鳴り響く。よくよく聞いてみれば、何かを咀嚼する音まで聞こえた。
誰かが何かを食べている。しかし、一体誰が。
今この場に居るメンバーは全員自分の視界に映っている。
救援部隊だろうか。いや、それも無い。
いくらなんでも早すぎるし、仲間の危機だというのに呑気に物を食べている奴なんか一族には居ない。
では、この音の正体は何なのか。
警戒しながら、アルスは一気に振り向き音の正体を確かめた。


暗いせいで良く見えないが、誰かが此方に歩いてくる。
アルスは目を凝らしながら、その影の正体を確かめようとした。
此方に近付いてくるたびに、土や草を踏み締める音が鳴り響く。
徐々に、その影の姿が見えてきた。
後ろに居たのは、一人の子供だった。
その手に持っている果物。先程の音の正体はこれだったのだろう。
同年代の子供よりも高い身長。
遺跡発掘で鍛えられた自分などよりも、より鍛えられた肉体。
碌な手入れをしていない、ボサボサに跳ね上がった白髪の髪の毛。
まだ少しだけ肌寒いというのに、限りなく軽装に近く、自分達の一族では先ず見る事が無い赤いジャケット姿。
そして何より、あの目。
凶悪なまでに釣り上がり、自分に出来ない事など無い絶対の自信を含んだ目。
こんな子供、自分の知る限りではたった一人しか居ない。

「よぉ、どうしたアルス?しけた面しやがってぇ」

この声に、このふてぶてしい態度。
まだ顔はハッキリと見えていないが、既にこの時点でアルスにはこの人物が誰か解った。
月明かりに照らされ、その子供の顔が暗闇の中に浮かぶ。
同時にアルスはその子供の名を叫んだ。

「お前は、バクラ!!」

月明かりに照らされた暗闇の中。
自分の幼馴染――バクラ・スクライアが笑っていた。







ちょっと息抜きに書いてみました。


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