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No.26632の一覧
[0] エセ高校生の横島【GS美神・逆行・ネタ】[ペスポチ](2013/06/15 22:45)
[1] 第一部 ずれている世界 リポート1 さっそく除霊[ペスポチ](2013/06/10 21:05)
[2] リポート2 霊力・妖力・魔力のつどい[ペスポチ](2013/09/04 21:55)
[3] リポート3 誰が為に鐘は鳴る(その1)[ペスポチ](2013/09/04 21:54)
[4] リポート4 誰が為に鐘は鳴る(その2)[ペスポチ](2012/03/13 19:14)
[5] リポート5 誰が為に鐘は鳴る(その3)[ペスポチ](2013/06/23 14:23)
[6] リポート6 誰が為に鐘は鳴る(その4)[ペスポチ](2012/03/15 06:06)
[7] リポート7 誰が為に鐘は鳴る(その5)[ペスポチ](2012/03/16 20:33)
[8] リポート8 誰が為に鐘は鳴る(その6)[ペスポチ](2012/03/17 08:52)
[9] リポート9 院雅除霊事務所はクビ?[ペスポチ](2013/06/23 14:24)
[10] リポート10 史上最大の臨海学校(その1)[ペスポチ](2013/06/23 14:25)
[11] リポート11 史上最大の臨海学校(その2)[ペスポチ](2012/03/20 13:37)
[12] リポート12 史上最大の臨海学校(その3)[ペスポチ](2013/07/09 21:13)
[13] リポート13 温泉へ行こう[ペスポチ](2012/03/22 21:57)
[14] リポート14 少女と同居?[ペスポチ](2012/03/23 19:37)
[15] リポート15 妙神山修行編(その1)[ペスポチ](2013/07/15 14:14)
[16] リポート16 妙神山修行編(その2)[ペスポチ](2012/03/25 07:45)
[17] リポート17 妙神山修行編(その3)[ペスポチ](2012/03/26 20:49)
[18] リポート18 妙神山修行編(その4)[ペスポチ](2012/03/27 20:35)
[19] リポート19 グレート・マザー編(その1)[ペスポチ](2012/03/28 21:56)
[20] リポート20 グレート・マザー編(その2)[ペスポチ](2012/03/29 19:19)
[21] リポート21 引越しと余計な荷物[ペスポチ](2012/03/30 20:37)
[22] リポート22 元始風水盤編(その1)[ペスポチ](2012/03/31 11:20)
[23] リポート23 元始風水盤編(その2)[ペスポチ](2012/04/01 10:59)
[24] リポート24 元始風水盤編(その3)[ペスポチ](2012/04/02 19:37)
[26] リポート25 分室の初仕事は協同除霊[ペスポチ](2013/07/09 21:14)
[27] リポート26 時間移動編(その1)[ペスポチ](2012/04/04 20:45)
[28] リポート27 時間移動編(その2)[ペスポチ](2012/04/05 21:43)
[29] リポート28 時間移動編(その3)[ペスポチ](2012/04/06 19:18)
[30] リポート29 時間移動編(その4)[ペスポチ](2013/07/09 21:15)
[31] リポート30 封印なのねー[ペスポチ](2012/04/08 19:23)
[32] リポート31 夏休みも終わりとなれば[ペスポチ](2013/07/15 14:15)
[33] リポート32 過去の内容とは[ペスポチ](2012/04/10 13:37)
[34] リポート33 再会[ペスポチ](2012/04/11 21:51)
[35] リポート34 ひのめ霊能力強化大作戦編(その1)[ペスポチ](2012/04/12 13:11)
[36] リポート35 ひのめ霊能力強化大作戦編(その2)[ペスポチ](2012/04/13 20:33)
[37] リポート36 ひのめ霊能力強化大作戦編(その3)[ペスポチ](2012/04/14 09:24)
[38] リポート37 ひのめ霊能力強化大作戦編(その4)[ペスポチ](2012/04/16 20:32)
[39] リポート38 ひのめ霊能力強化大作戦編(その5)[ペスポチ](2012/04/16 20:32)
[40] リポート39 ひのめ霊能力強化大作戦編(その6)[ペスポチ](2012/04/17 21:33)
[41] リポート40 死津喪比女編(その1)[ペスポチ](2012/04/18 21:03)
[42] リポート41 死津喪比女編(その2)[ペスポチ](2012/04/19 22:18)
[43] リポート42 死津喪比女編(その3)[ペスポチ](2012/04/21 21:30)
[44] リポート43 死津喪比女編(その4)[ペスポチ](2013/07/09 21:16)
[45] 第一部(完) リポート44 おキヌちゃんの行き先?[ペスポチ](2012/04/23 20:39)
[46] 第二部 リスタート リポート45 院雅除霊事務所の隠れた目標[ペスポチ](2012/04/28 21:11)
[47] リポート46 妙神山最難関コース編(その1)[ペスポチ](2013/06/12 19:45)
[48] リポート47 妙神山最難関コース編(その2)[ペスポチ](2013/06/12 19:46)
[49] リポート48 スタンド・バイ・ミー[ペスポチ](2012/05/02 22:12)
[50] リポート49 妖刀と横笛と[ペスポチ](2012/05/03 18:17)
[51] リポート50 神魔族出張所はできたけど[ペスポチ](2012/05/04 13:31)
[52] リポート51 サバイバルの館編(その1)[ペスポチ](2013/06/12 19:47)
[53] リポート52 サバイバルの館編(その2)[ペスポチ](2013/06/12 19:48)
[54] リポート53 サバイバルの館編(その3)[ペスポチ](2013/06/12 19:49)
[55] リポート54 サバイバルの館編(その4)[ペスポチ](2013/06/13 22:21)
[56] リポート55 力を溜める日々[ペスポチ](2012/05/27 19:58)
[57] リポート56 春なのね~[ペスポチ](2012/05/28 21:11)
[58] リポート57 踊るGS試験編(その1)[ペスポチ](2013/06/13 22:22)
[59] リポート58 踊るGS試験編(その2)[ペスポチ](2013/06/13 22:23)
[60] リポート59 踊るGS試験編(その3)[ペスポチ](2013/06/13 22:24)
[61] リポート60 踊るGS試験編(その4)[ペスポチ](2013/06/13 22:25)
[62] リポート61 GS試験合格パーティー[ペスポチ](2013/06/15 22:36)
[63] リポート62 私を月まで連れてって!!(その1)[ペスポチ](2013/07/14 12:54)
[64] リポート63 私を月まで連れてって!!(その2)[ペスポチ](2013/07/15 17:51)
[65] リポート64 私を月まで連れてって!!(その3)[ペスポチ](2013/09/04 22:00)
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[26632] リポート32 過去の内容とは
Name: ペスポチ◆b06feb3c ID:da56dd33 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/04/10 13:37
小竜姫さまの気軽そうに聞こえた

「せっかくきたのだし、暇つぶしに修行をしていきませんか?」

の一言にだまされた。

「メドーサとの修行で、どれだけ腕をあげたのか楽しみにしていますよ」

メドーサって名前をだしてきているということは、小竜姫さまは怒っているのだろう。
1週間またされた上に、それでも内容をもらせないって、小竜姫さまの性格からすると弟子が普通師匠にするべきじゃないという考えの神族だからな。
先週のうちに伝えておけばよかったと思いつつも、今さらどうしようもないか。
案の定というかひのめちゃんには令子のシャドウの初戦でだした、発火能力者とは相性の悪い水妖系の阿紅亜(アクア)をだしてくる。
小竜姫さまと俺との対戦では、

「なんで、今のを避けるんですか!!」

「だって、本気で殺気でてるし、寸止めじゃないですよー!」

「誰が寸止めだっていいましたか。横島さんも本気でいいんですよ」

「小竜姫さまに、俺の霊波刀で切りつけても、せいぜいちょっと痛いか、服が切れる程度じゃないですかー。俺なんてあたったらばっさりですよ」

「それくらいなんとかしなさーい!」

小竜姫さま、むちゃくちゃだよ。
その上、剣筋がむちゃくちゃで普段と違うからこちらはかすり傷だらけ。

「もう、やめてー」

そうさけぼうが、助けなどはくるはずは無いはずだったが、老師がもどってきていて、

「何を荒れておるのじゃ? 修行がたらんぞ。小竜姫!」

その一言で、小竜姫さまが普段通りにもどった。

ふー、たすかった。
あの調子だったら下手をすると超加速まで使いかねないけど、怒っていたようだから精神の集中が必要な超加速は使えなかっただろうな。
たすかったついでに、ひのめちゃんとおっかけっこをしていた、阿紅亜(アクア)も停止させられていた。
ひのめちゃんと相性の悪い阿紅亜(アクア)でも3割近く体積を減らしているのか。
これ、シャドウで戦っていたら勝っていたかもな。

「それで、そこの小僧。横島というらしいな」

「はい」

おお、名前で呼ばれているということは、神族の上層部から老師になにか情報がつたわったのか。
いいことなのか、悪いことなのかわからんが事態はうごきそうだ。

「12代ヒャクメの情報をもとにあらゆることを調査すると、横島から一般の神族が情報収集をするのは、禁止ということになったのじゃ」

「へっ?」

俺は事態が動くと思ったのに、神族は静観するのか?

「ゆえに横島。当面は必要がでてきたならばこの妙神山には、わしをたずねてこい。それだけじゃ」

「老師さま! なぜですか?」

「最高指導者からの通達じゃ。それ以上は言えぬ。ただし、今までどおりの修行ならばおこなっても良いが、今日のその様子だと無理なようじゃの」

「……」

「今日は帰ることじゃの。横島」

神族の最高指導者からの命令か。
魔族の方はどうなんだろうか。
今のところ魔族とはまともなツテが無いからそっちの情報を入手するのは無理かな。
どちらにしても、今日はまともな修行になりそうにないし、老師の言葉にしたがって下山することにした。

「横島さん。さっきの猿は、老師って呼ばれていましたが、そんなに偉いんですか?」

「ああ、そっか。そういえば初めてみるんだったな。あれが斉天大聖老師で、どちらかというとGSではハヌマン、一般人には孫悟空という名前が有名かな」

「あの孫悟空ですか?」

「それで正しいよ」

「イメージがあわないんですけど」

「まあ、それなりに歳をかさねているからね。それに……」

「それに?」

「いや、これは話さないほうがいいだろう。さっき俺からの情報収集は禁止って言ってたし」

「あれは神族にたいしてでしょ? 人間である私には関係ないのでは?」

ひのめちゃんの出した答えは多分正しい。
そうでなければ、神族という条件はだしていないだろう。

「こみ入った話になるから、分室……いや、院雅除霊事務所で話そう。ただし、この話を聞くということは、それ、相応の覚悟がいることだけは覚えていてほしい」

「院雅除霊事務所ってことは、院雅さんは知っているんですか?」

「……必要なことは全て知っているよ。ただし、その話をする時に、納得しなければ、記憶を消すことを条件にさせてもらった。だから、この話を聞いて、納得できないんだったら、記憶を消した上に、俺のGS見習いをやめてもらうことになるかもしれない」

ひのめちゃんが、メフィストの転生なら魂のエネルギー結晶をもっているはずだから、実際にはGS見習いのままでいてもらうつもりだけど……
そうすると、忘れてもらうだけでなくて、記憶の改ざんも必要かな。
できたらしたくないな。

「記憶を消さなければならない程の、重要な話なんですか?」

「そうだと思うよ。なにせ、地上でおりて活動できる中でも最上級の神族である小竜姫さまにさえ、俺の情報収集することを禁じているぐらいだからね」

「それで、記憶を消すとなると、どこまで」

どこまで話すかな……

「まだ具体的には考えていないけれど、あった瞬間から全て俺に関する記憶は消すというよりも、感情の起伏のすり替えをさせてもらうかもしれない。それに、前世の記憶は封じるという感じかな」

「そんな能力が横島さんにあるんですか?」

俺はだまって首を縦にふる。

「少し考えさせてください」

「それが良いと思うよ。ある意味ものすごく重要なことだからね」

ひのめちゃんが、俺に好意をもっているのはわかるが俺の以前の過去を受け入れられないなら、それを忘れてもらうつもりはある。
かわりに、単純な動機付けは必要だろうけどな。
こういうことを考えるのって令子の方が得意なんだけど、俺がだせるのはこれぐらいだ。


帰る方向が違うので途中の駅でわかれるときには、多少しょんぼりしているひのめちゃんだ。
しかし、話を聞かないなら今までの師匠と弟子の関係だし、聞いてきて納得するなら少なくともアシュタロスとの戦い、もしくは相応の魔族との戦いまでは一緒だろう。
過去でのアシュタロスがいたんだから、その気なら魂のエネルギー結晶をメフィストからとりあげて、過去で大暴れしただろうが、そのような歴史はのこっていない。
だとすると、ここの世界のアシュタロスは何を考えているのであろうか。
こればかりはアシュタロスに聞くか『摸』の文珠で考えを、シミュレートしてみるしかないだろうな。

それで院雅さんに連絡すると、今週の分室は待機で月曜日に話があるから事務所の方にきてほしいといわれた。
珍しいな。なんだろうか?

ひのめちゃんにも、日曜は分室で待機することだけ電話で連絡をしたけれど、明日は今日のことはきかれないだろう。

俺は今日これからまっすぐ分室やその上の自室にもどっても、夕食の時間にはまだ間があるだろうが食事の用意などもされていないだろうしな。
食事関係というと鳥子さんがGS見習いとしている、レストランでもある『魔法料理 魔鈴』に行くことにしてみた。
魔鈴さんとは初顔あわせになるけど、鳥子さんが「なかなか除霊できない」ってなげいていたぐらいに繁盛しているらしいからな。

そうして『魔法料理 魔鈴』に入るともうオーダーストップまでまだ時間もあるが、黒猫の使い魔が、

「満員なのでまっていただけますか?」

と聞かれたので素直に待つつもりだった。
魔鈴さんのレストランといえばなぜか西条がいて、

「横島クン、ちょうどいいところだ。僕らも先ほどきたところだから、一緒に食事でもどうだね? もちろん僕のおごりでね」

西条におごられる理由なんてないはずだが、西条の目をむけた先の席には令子がいた。
令子だけでなく芦火多流もいたので、まあ、いい塩梅だろう。

「なんか令子さんのプレッシャーがかかっているようだから、遠慮なくおごられてやるよ」

こういうのは、気がついたもの勝ちだ。
西条は単純におごりとして、優位にたとうとしていたのであろうが、

「まあ、そういわずに。一緒にきたまえ」

このあたりはうまくごまかしやがったなと思ったが別に今の令子に未練は……多少あるがわざわざ西条と争おうとまでは思ってはいない。
ひのめちゃんを除けばこの鳥子さんと八洋を含めた芦三姉妹には、まだ、疑惑が残っているからな。
とは、いっても火多流も美少女だし、俺としては同じクラスの割りには滅多に話さない相手だから良い機会かもしれない。

それで西条の前に座って、両横に令子と火多流がいるといういい席だ。
食事はすでにきまっているらしいので、同じものを追加で注文される。

「火多流ちゃん。そういえば、鳥子さんって、ここでGSの研修をうけているよね?」

「そうですよ。ただ、本人はGSの研修よりも皿洗いの方が多いって言ってましたけれど」

鳥子さんとは互いにGS関連の話はあまりしていなかったが、普通の飲食店としての方がいそがしかったのね。
そういえば、過去での雪之丞も似たようなことを言っていたのを思い出した。

店長である魔鈴さんが自ら箒と一緒に食事をはこんできて

「西条先輩のお知り合いだったんですか…! そうとわかればこれは店のサービスです。どんどんめしあがって下さい」

どうも、まだ、西条と魔鈴さんの関係が説明されていないところに俺が入ったみたいだな。
令子がかなりのプレッシャーを西条にむけながら、

「…で? どーゆーことかしら!?」

「イギリス時代、大学のオカルトゼミで一緒だったんだ…! それで、時々食事にきていてね」

「魔鈴めぐみです! 中世魔法技術の研究が専門だったんです」

「彼女には魔女としての天才があってね! わずかな記録をたよりに独りでここまで魔法を身につけてしまって、今も次々に失われた魔法を再発見しているんだよ」

そういえば、この発見を受け継げる人はいないっていうのが、未来での魔鈴さんの悩みらしかったよな。

「はじめまして、横島といいます。GSとしてより魔女としての方の噂は聞いています」

「まあ、そうでしたか」

「ところでここでは芦鳥子さんという方がGS見習いとしてきているときいていますが、魔法の研究も一緒にされているんですか?」

「あら、芦さんのお知り合いですか?」

「ええ、同じ学校で右横の彼女の妹さんでそんなことを聞いたことがあります。そんなので、ここで研修を受けているのは知っているんですよね」

「鳥子といえば、妹がお世話になっております。芦火多流です」

「ええ、芦さんには魔女としての才能があります。
 私の研究を一緒にしてもらいたいなと思っているんですが、普通のGSになるのが夢らしいので両方をおこなっていますわ」

やっぱり魔装術と相性がいい人間は、魔装術にこだわりがなければ、魔女とも相性がいいのか。
魔鈴さんが茶目っ気たっぷりな様子で、

「西条先輩も悪い人ねえ! 日本にこんな彼女がいながらイギリスでも――」

「話はこれくらいにして食事を――」

「そうですね、美味しそうな食事だから暖かいうちに食べたほうがよいですよね?」

ちょっとばかり西条に助け舟をだしてやるが、西条も令子も気がついていないだろうな。
食事はたわいも無いGS界の話を中心にICPOで公開されている話やなんかが中心だったりする。
学校の方は夏休みあけでたいした話題も無いので、そっちの話はほとんどなかったな。
結局、火多流とは話す内容がなかったので、あまり話さなかったが、オーダーストップの時間がきて魔鈴さんもまじり始めた。

「食事はいかがでしたか」

「とっても、おいしかったわ」

「俺も追いしかったっす」

「妹がお勧めしてだけあっておいしかったです」

「彼女らも気に入ったみたいだから、僕も彼女らをつれてちょくちょく顔を出させてもらうよ」

「あらっ。西条先輩っていっつも連れてる女性がちがったのに」

魔鈴さんの素直な性格がでちゃったな。

「き、君っ!! 誤解を招くよーな発言――!!」

あきらめろ西条、令子のプレッシャーがきつそうだぞ。

西条が令子のプレッシャーをうけているなか、

「さて、それじゃ――」

魔鈴さんが指をパチッっとならすと、わずかな霊力を感じた瞬間にまわりの景色が変わった。
レストラン『魔法料理』から魔鈴さんが住んでいる家に転移したみたいだな。
窓の外は殺風景というよりは、おどおどろしい感じになっている。
外を見ていた令子が、

「ここは……異界…?」

「東京は土地が高いですからね。異界空間にチャネルを作って自宅にしているんですよ」

部屋の中をみる限りみたことの無い代物もあるが、過去何回か訪れさせてもらったときにみたのと同じような感じで、

「す、すごいインテリアのおうちですね…」

「うむ……趣味の悪さは変わっていないな……」

この感性には俺もついていけない。
これさえなければ、魔鈴さんもいいんだけどなぁ。

「魔鈴さん。帰ってきたんですか?」

鳥子さんの声が聞こえてくる

「芦さん、お客様よ」

「えっ? そうですか、珍しいですね」

「こちらにきて、挨拶したらいいわよ」

「……はい」

なんかためらいがちだな。
部屋の奥のドアからでてきた鳥子さんは、ろくに俺らの顔もみないで

「ここでGS見習いをしています、芦鳥子です。よろしくお願いします」

「何いってるの? 鳥子?」

「あれ? 火多流。それに横島さんも?」

「やあ、鳥子さん。まさか魔鈴さんと同じ魔女ルックとは思わなかった。これがここの制服なの?」

なんか、鳥子がはずかしげだがパピリオだったら、嬉々として着そうな感じもするが、

「そ、そうなんです」

魔女ルックで会うのが苦手だったのね。西条は、

「芦火多流君の妹さんかい。よく似合っているよ」

「そ、そうですか?」

「ああ、とても似合っていると思うよ」

さすがの令子も火多流の妹である鳥子さんへの褒め言葉くらいでは、プレッシャーはかけないか。
って、ぼーっとしてたら、魔鳥であるスカリベンジャーにかみつかれた。

「ぐわああっ!?」

「まあ…! めったに人に馴れない『スカリベンジャー』が……あなたを気に入ったみたい! うふふ」

すっかり、自分がモノノケにすかれやすいという若いころの体質を忘れていたな。
そういえば、地竜である里目が芸を覚えたのも、あいつに好かれているからなのかな?
とりあえずは、スカリベンジャーをなだめながら引き離していると

「みなさん、GSなんですか? それとも西条さんの同僚の方も?」

「3人ともフリーのGSだよ」

「まあ3人ともGSでしたか。どうりでおくわしいはずね……!」

「それより、あなたの魔法のこと、もっと知りたいわ!」

令子の学習意欲はあいかわらずだな。
しかし、電話がかかってきて、

「はい、魔鈴です。……え? 除霊ですか? ……昼はお店がありますから夜でしたら―― ……料金? 相場どおりです。詳しい料金はもう少し詳しくお話いただけないですか……」

なんか、内容なんかをききとっているようだが、感じ的には難易度はたかくなさそうだな。

「芦さん。明日の夜はGS見習いの研修になるわよ」

「やっぱり、このホウキで戦うんですか?」

「ええ、魔装術は魔族化してしまいそうな領域に達していて危険だから、他の方法が無い限りはそのホウキでね」

「そうですか」

あのホウキは空を飛ぶ為だけなら欲しいんだけど、除霊具としては、俺には使えないからな。

「明日の除霊方法などを芦さんに指導いたしますので、せっかく、家へご招待したのですが……」

「僕らなら、またレストランにくるつもりだから、その時に手が空いていたらでね」

「すみませんね」

僕らか。きっと俺は西条の中の勘定には入っていないんだろうな。


*****
原作の令子よりは、親が生きている分、多少はつきあいやすいはずだ。西条がんばれ。

2011.04.22:初出


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