<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.26261の一覧
[0] 【ネタ】ちーとFantasy[ちーたー](2011/03/07 03:47)
[1] 第一話『ありがちなスタート』[ちーたー](2011/03/09 23:00)
[2] 第二話『ちーとはじめました』[ちーたー](2011/03/01 00:41)
[3] 第三話『ボス瞬殺』[ちーたー](2011/03/09 00:04)
[4] 第四話『俺無双』[ちーたー](2011/03/09 23:02)
[5] 第五話『愛しの我が家』[ちーたー](2011/04/04 00:31)
[6] 第六話『ヒャッハー!』[ちーたー](2011/05/05 18:06)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[26261] 第二話『ちーとはじめました』
Name: ちーたー◆7e5f3190 ID:84a555e7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/03/01 00:41

「ここは、どこだ?」

 目を覚ますとそこは見知らぬ部屋で、笑顔の美女がおり、さっそくナデポでニコポでお姫様とかロリババアな伝説の魔女を手懐けつつ俺は伝説の勇者としてハーレムを作るんだ。
 そして魔王を倒し元の世界へ戻るところでお姫様に声をかけられ戻る事を諦めるんだ。
 でもその後ろには同じく俺を狙う美女の仲間たちがいて俺を取り合い、あ、トイレ行きたいな。
 おはよう、俺。
 妙な妄想を弄んでいた意識を覚醒させつつ、苦労して立ち上がる。
 たしか、記憶が確かならば俺は危うく死ぬところだったはずだ。


「おお、やっべぇ」

 眼前に転がる三つの死体。
 二人は頭部が吹き飛んでおり、それがなんだか考えたくも無い粘性の何かが流れ出ている。
 もう一人は随分と風通しがよくなった腹を空に向けて倒れている。
 これ、間違いなく俺がやったんだよな
 相手がヒャッハーさんとはいえ、殺人をしたはずなのに、どうして何も感じないんだ?
 これでも俺は真っ当な文明人だったはずなのだが。

 それよりも足がいた、くない?
 左足の傍らには手斧が落ちている。
 だが、その足には怪我を負っていた痕跡すらない。
 よく見るとスーツが破けているので、そこに怪我があったのであろう。

「どうなっとるんだ?」

 唖然と呟いた俺に答えるかのように、視界にメッセージが現れる。


*****おはようございます!体力が全快しました!*****

 
 どうしても受け入れたくないのだが、これは現実なのだろう。
 俺は、恐らくはテレビゲーム的な異世界に来てしまったのだ。
 まあ、もしくは高度な科学技術を持つテレビ局のドッキリ番組かもしれないが。


*****コード ヲ センタクシテ クダサイ*****


 突然視界に現れたメッセージに首をかしげる。
 先ほどとは字体が異なっている。
 それにしてもどこかで見た事のあるフォントの半角カナだな。
 しかも選択しろと言いながら、項目が一つしかないじゃないか。
 
「初期スキル、全取得?」


*****ショキスキル ゼンブシュトク ヲ センタク シマシタ*****


 その瞬間に訪れた感覚は、平たく言うと泥酔時の眩暈によく似ていた。
 世界の全てが回転するような、歪むような感覚。
 思考が極めて混乱し、吐き気がこみ上げる。

「きもち、わるい。落ち着け俺。スーツで吐くな」

 思わず言葉が漏れ、そして胸を押さえた手が微かに光った。
 手が光った瞬間、吐き気は消えた。
 むしろ清々しいと形容できる程の清涼感がこみ上げてくる。

「回復魔法、ってことか?」

 唐突に俺は理解した。
 初期スキル全部取得。
 改造ツールを使って、ちょっとだけ楽をしたい時に使うコードじゃないか。
 そうなると、ここはゲームの中ってワケか?
 ヘルメット型の感覚器とか脳髄に直結する端子とか、その手の装置は持っていないんだがな。
 それはさておき、恐る恐る足に力を込めて立ち上がる。
 異常は感じられない。
 体を捻りつつ手斧が刺さっていたあたりを見てみるが、傷一つ存在しない。
 つまり、一泊したから体力が全快したわけだな。
 なるほどゲームだ。
 そして、回復魔法があるってことはだぞ。

「ファイヤァァァー、ボゥル!」

 咄嗟に片手を突き出して叫ぶ。
 サッカーボールほどの大きさの火の玉が突然現れ、目の前の木に着弾する。
 そのまま木は燃え上がり始めた。

「凄いけどヤバイ!」

 慌ててそれらしい水系の魔法名を叫んで消火を試みる。
 幸いな事に何とかなったが、危うく森ごと焼身自殺するところだった。
 しかし、凄いは凄いが、どうせならば初期スキルと言わずに全スキルを取得したかったな。
 
「ん?」

 真ん中あたりが焼け焦げた木。
 その根元に生える草が妙に気になる。
 
「これは、なんだ?」

 近寄って手を伸ばしてみると、例によってメッセージが現れた。


*****採取チェック。問題なし!体力回復の薬草(弱)を一個入手!*****


 なるほど、装填チェックだの採取チェックだの、スキルに応じて動作が行われるわけだな。
 この薬草が妙に気になったのも、恐らくはスキルの恩恵なのだろう。
 ああ、いかん。
 そろそろ現実を受け入れて、生存のために行動しなくてはいかんな。
 とりあえずは、視界の端で点滅している項目を見てみよう。


*****ステータスポイントを割り振ってください*****
************************************************
HP :9
MP :8 → (現在2)
筋力 :2
持久力:1
素早さ:3
知力 :7*******(現代知識・高等教育・政治・経済・歴史・軍事・科学・化学)
器用さ:3
運  :0

残りポイントは 5 です
************************************************


 なるほど、ステータスですね。わかります。
 先ほど魔法を連発したから、MPは現在2になっている。
 状態回復、ファイヤーボール、ウォーターと三連発だったから、一発の消費量は2か。
 なんとなく感じ取れるが、一分でMPが1回復しているようだな。

「…五十八、五十九、六十」

 念の為に確かめてみると、六十秒が経過したところでMPが1回復した。
 自分の体に関する感想は、基本的に信じておいてよさそうだな。
 それはそれとして、運のステータスがゼロってのはどういう事だ?
 確かにこんな目に合っているのだから運が悪い事には違いないが、これはあんまりだ。

「上等だ、全ポイントを投入してやろうじゃないか」

 俺のような貧弱日本人サラリーマンが運の助けを得られなければ、生き残れるはずが無いからな。
 その代償なのかどうかは知らないが、知力は高めで補正が色々掛かっているらしい。
 真面目に学校に通っておいて正解だったな。

「それで、武器ポイントとやらはなんなんだ?」

 思考を向けると俺の視界に火縄銃のイメージ画像が現れる。
 今直ぐ歴史博物館に飾りたくなるような見事なものだ。

********武器ポイントを割り振ってください********
************************************************
名前 :火縄銃 レベル1
命中 :1
威力 :3
銃身 :2
安定 :3
速射 :1

残りポイントは 5 です
進化には 10 ポイント必要です
************************************************


「へぇ」

 要するに、武器ポイントを手持ちの武器に振り分けてやればいいわけだ。
 そして、必要な数を割り振れば、進化して新しい武器になるわけだな。
 咄嗟戦闘であれだけ役立ってくれたのだから、威力と安定性は弄る必要は無いだろう。
 どうしてもと言えば、命中かな?
 頭蓋骨を一撃で粉砕できたとしても、当たらなければどうという事はない。
 全力で命中に振り分けさせてもらおう。


「命中に全ポイント、と」

 呟いた瞬間、手に持っていた銃が光った。
 見た目にはわからないのだが、これで何か変わるのかな?
 試しに構えてみると、違いがわからない。

「おいおい、どういうこったい?」

 狙っていないからダメなのかと近くにあった枝を狙うと、なるほど、心なしか狙いをつける速さが上がっている。
 元の世界に変えることが出来たら、競技射撃でもやってみるかな。
 出来るかどうかわからない事を考えるのはここまでにして、次はスキルとやらだ。
 初期スキルだけとはいえ、自分が出来る事が多様に存在する事は喜ばしい。

「さてさて、どれくらいの量なのかな?」

 どのような原理で動いているのかはわからないが、視界の端にある項目を選択する。
 その瞬間、俺の視界は文字で埋め尽くされた。
 素手ナイフ刀剣弓ボウガン拳銃小銃鞭矛杖槌斧鎌魔導具爆弾兵器などなどなどなど。
 武器だけでも数十種類。
 さらに防具だの衣服だの魔法だのと大量の項目が出現し、運動や料理、猟師や建築など、装備品以外の項目まで出現した。
 要するに、何かをしたいと思ったら、そのすべてにスキルが必要となるという事なのだろう。

 しかしまあ、これはもう見事に器用貧乏な存在が生まれたものだ。
 小銃と耐ダメージとやらはそれぞれのレベルが2と3だが、それ以外は全て1である。
 まあ、ある意味この世界に生まれたばかりのようなものだから無理もないか。
 しかし、冷静になって考えてみれば、これは大変にチートな状況だ。
 俺は全初期スキルを取得したことで、起きてから眠るまで、あらゆる行動にスキルの補正がつく。
 そして、生きているだけで経験値が貯まっていき成長していく。
 眠ったこと、起きたこと、歩いたこと、荷物を担いだこと、周囲を見回したこと、食事をしたこと、全てに補正がつき、さらに成長していくわけだ。
 この世界の一般人がどの程度かは知らないが、俺は有利な立場にいるはずだ。


「お?」

 さっそく上げたばかりの運の効果が出たのかは知らないが、周囲の状況を再確認しようとした俺は自分の鞄を見つけた。
 恐らく戦闘の際に蹴飛ばされたのだろう。
 もしこのまま立ち去っていれば、二度と見つけられなかったに違いない。
 中に何が入っているのかは良く覚えているが、念のためにもう一度確認しておこう。

 会社支給のノートパソコン、書類、経済新聞、手帳、ボールペン。
 うん、今すぐ出社しても問題が無い一式が揃っているな。
 簡易裁縫セット、飴玉、ガム、整髪剤、携帯電話、暇つぶし用の電子ブックリーダ、携帯ゲーム、太陽光発電式充電器、ジッポライター、タバコ。
 一部を除いて下らない物ばかりだが、外回りをする営業マンには必須のものだ。


「いよーし」

 鞄の中を改めた俺は、勇気を出してヒャッハーさん達の荷物を改める事にした。
 現在位置も含めてあらゆる情報が不足している以上、できる限り物品を収集しておいたほうが良い。
 飛び散った何かにできるだけ触れないようにしつつ、彼らの腰に下げられた袋を探る。
 何かの干し肉、おそらくは地図らしい布、小ぶりのナイフ、火打石、小型の砥石、ロープ、飲料水。
 うんうん、彼らの持ち物はとても役に立ってくれそうだな。
 中が汚れることは諦め、それらを鞄へと収める。

「不思議だ」

 鞄の中を見ると、どうにも納得がいかないことに全てが収まっている。
 確かに、今使っている鞄は最近新調したばかりの大きめの物だ。
 まあいいか。
 入らないよりは入ってくれたほうが有り難い。

「しかし、この足はちょっといただけないな」

 スーツの左足部分は見事に切り裂かれている。
 この状態で歩き回ったら、草木に皮膚が引き裂かれて残念な事になってしまうだろう。
 決して安いスーツではないのだが、諦めてヒャッハーさん達の服を貼り付けてしまおう。
 粘性の何かが張り付いていない部分を切り取り。

*****裁縫チェック。問題あり!*****

 何かが張り付いていない部分を切り取り。

*****裁縫チェック。問題あり!*****

 張り付いていない部分を切り取り。

*****裁縫チェック。問題あり!*****

 部分を切り取り。

*****裁縫チェック。問題なし!薄い獣皮(小)を入手*****

 脱いだズボンの切り裂かれた部分を埋めるように縫い付ける。

*****裁縫チェック。問題なし!スーツのズボン(ワイルド弱)を作成*****
*****裁縫スキルが1.10になりました!*****

 服が修繕できたことは嬉しいが、このメッセージは邪魔だな。
 まあ、それはさておき、移動を開始しよう。
 移動と言うからには、当然目的地がある。
 先ほど持ち物を改めて居たときに発見したのだが、ヒャッハーさんたちの持っていた地図らしい布切れにはこの森の周辺部分までの範囲が書かれていた。
 それによれば、この付近に彼らの住処があるらしいのだ。


************************************************
名前 :****
HP  :9
MP  :8 →(現在5)
筋力  :2
持久力 :1
素早さ :3
知力  :7*******(現代知識・高等教育・政治・経済・歴史・軍事・科学・化学)
器用さ :3
運   :5

残りポイントは 0 です
************************************************
装備 頭 :なし
首 :なし
肩 :なし
胴 :普通の布製の背広
腰 :修復された布製のスーツのズボン(ワイルド弱)
足 :普通の革の靴
右手 :火縄銃(残り四発)
左手 :なし
予備武器:錆びた銅の手斧×2
指 :なし
背中 :なし
************************************************
【レベル・称号】
・チーター レベル1  称号『コピペができるチーター』
・冒険者  レベル2  称号『雑魚冒険者』
・拠点   レベル0  称号『ホームレス』
************************************************


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.022702932357788