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No.25908の一覧
[0] 銀河政治家伝説・逆襲のトリューニヒト 完結[凡人001](2012/06/28 20:49)
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[21] 15.75 Aルート 最終話 外伝 結婚[凡人001](2011/03/05 10:52)
[22] 16 Bルート[凡人001](2011/03/10 03:25)
[23] 17[凡人001](2011/03/09 21:48)
[24] 18[凡人001](2011/03/09 21:51)
[25] 19[凡人001](2011/03/10 22:09)
[26] 20[凡人001](2011/03/16 15:06)
[27] 21[凡人001](2012/03/31 18:55)
[28] 22[凡人001](2012/04/09 11:31)
[29] 23[凡人001](2012/04/15 11:10)
[30] 24[凡人001](2012/04/22 00:14)
[31] 25(前編)[凡人001](2012/06/26 23:06)
[32] 25(中編)[凡人001](2012/06/27 00:07)
[33] 25 (後編)[凡人001](2012/06/27 10:35)
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[25908] 銀河政治家伝説・逆襲のトリューニヒト 完結
Name: 凡人001◆f6d9349e ID:0664c996 次を表示する
Date: 2012/06/28 20:49
某SS作家たち、ココア元帥やアスターテに参加した男爵閣下に刺激を受け、本道である『異聞・銀河英雄伝説』を放り投げて書いてみました。
ネタなので続くかどうかはわかりませんが、よければ読んでみてください。
では本編へどうぞ!

西暦2011年2月17日。チラシの裏から移動しました。
感想お待ちしております。
ただ、更新ペースは低下すると思いますのでご了承ください。
銀河政治家伝説は、らいとすたっふルール2004にしたがって作成されています


銀河政治家伝説 第一話



熱線が自分を貫いたことがわかる。

胃の中ら熱いものが口を逆流する。

『お前が穢していいお方に仕えたのでも、叛いたのでもない』

そんな趣旨の言葉が聞こえた
そして男は自分の舌禍がついに災いを呼び込んだことを知る。
救国軍事会議は無論のこと、ヤン・ウェンリーでさえ、カイザーラインハルトでさえ、地球教徒でさえ奪い取る事の出来なかった。
それを目の前のヘテロクロミアの上級大将、いや、元帥はやってのけた。

(私が・・・・・死ぬ?)

何故か意識ははっきりしていた。
自分が死ぬことも、自分が殺されたことも。

(嫌だ!!)

彼は思った。

(死にたくない!!)

だが、意識と体はもはや機能していない。正確には意識の下に体が動こうとしていない。
ドサ。
倒れ伏す。
高級品である仕立服が血に染まる。
そしてその血は彼の本音を運び出そうとしていた。

(私は、私は、私は、国民を・・・・・)

かつて宇宙暦799年5月5日のバーミリオン会戦とそれに先立つ5月2日のハイネセン占領作戦で下した判断は過ちではない。

そう信じていた。

そして何よりも、自分という存在を認めた民主共和制にも愛着があった。
例えそれが他者から見れば汚らわしい動機であったとしても。

(自由と民主主義と・・・・権力と・・・・)

そんな男の心情を知らずか、前方からか細い声が聞こえる。

『ふん。最後まで不愉快な男だったな。俺が殺した相手の中で唯一、武器を持ってないとは』

それを最後の言葉に、彼、自由惑星同盟元最高評議会議長、ヨブ・トリューニヒトは死んだ。












死んだ筈だった。










『・・・・長・・・・国防委員長・・・・国防委員長!』

声が聞こえる。

(何だ、どうしたのだ? 助かったのか!?)

そこは病院のベットの上だった。
明かりがさしこむ。
そして見えるのはアーレ・ハイネセンの銅像。

(ハイネセンポリスか・・・・・いや、まて! なんだと!?)

確か彼の記憶によればアーレ・ハイネセンの銅像は帝国軍によって無残に倒されたはず。
あの文化価値も歴史価値もわからない金髪の未熟な小僧のために!

(銅像を、それも自由の象徴を倒すとは何事か!)

そう憤ったものだ。
例えるなら、西暦のアメリカ合衆国がソビエト連邦に占領され、共産主義と赤旗の名の下に、ニューヨークにあったといわれる自由の女神像を打ち砕かれるのと同じだった。
帝国に編入された旧同盟領で大規模なデモや、トリューニヒトは知らないがイゼルローン共和政府が戦い続けたのを支援し、歓迎した背景には間違いなく銅像の撤去、自由惑星同盟の自由の象徴の破壊という事柄が関係していただろう。

そう、あの未熟な若者は自分から他人の精神を踏みにじったのだ。
自分がそれをされて帝位簒奪を目論んだ過去の体験などを忘れて。
所詮は甘えん坊の自立と自律の心をどこかに置いてきたクソガキにしか過ぎなかった。

トリューニヒトや同盟政府、同盟国人から見ればゴールデンバウム王朝の皇帝と何ら変わりなかった。
ただ、戦争に疲れていただけ。

だから支配を受け入れた。さしたる混乱もなかった様に思える。
だが、もしもこれがダゴン会戦や第二次ティアマト会戦時代の同盟なら新銀河帝国の支配など受け入れなかっただろう。
全土で大規模なレジスタンス活動が行われた筈だ。
もっとも、帝国の降伏勧告を、それを受け入れたトリューニヒトの言えた義理ではないかもしれないが。

が、だからこそ彼は混乱していた。

(だが、ならばここはどこだ? あの世という奴にしては出来過ぎている気がするが・・・・)

今までにないくらい、彼は、ヨブ・トリューニヒトは混乱した。

(そう、確かに自分はハイネセンにいた)

だが、あの反逆者にしてそれ以上ではなかったオスカー・フォン・ロイエンタールに殺された筈。
そう思考の渦をもがいていたとき、彼に声をかける人物がいたことを思い出す。

「ようやくお目覚めになりましか国防委員長」

違和感を感じる。

(国防委員長? 懐かしい名前だが・・・・いや、まて、なぜここに隠棲した筈のシドニー・シトレがいる!?)

そう、彼を見舞いに来たのは統合作戦本部長のマークを胸に付けたシドニー・シトレだった。

(それに・・・・・カレンダーの日付は宇宙暦795年6月?
・・・・あの金髪の小僧と黒髪の青二才が名をあげる第4次ティアマト会戦の直前か!)

「どうやら目を覚まして頂いたようですな」

「・・・・君たちが私を送迎してくれたのか?」

「いくら私でも、自分の執務室に挨拶に来た人間倒れれば医者くらい呼びます。
例え貴方が私を嫌っていたと人物だとしても、ですが」

(そんな皮肉を言いに来たのかね)

トリューニトは内心で思いながらも、自らの優れた頭脳、伊達に国立中央大学法学部政治学科を首席で卒業していない、で、今後に来るであろう自分の運命を考える。

(もしここが過去だとするのなら・・・・)

悪寒が走った。
あの冷徹で無言でブラスターを構えて引き金を引いた、あの帝国軍人に殺される運命を。

(嫌だ! 何も残さずに死ぬのは、栄光を極めた私がごみのように片づけられるのは嫌だ!)

それは本能的な恐怖だった。
トリューニヒトは恐れたのだ。
自分がまた死ぬのを。
あの屈辱を、あの恐怖を、あの無念さを。

(ならばなすべきことは一つ!)

トリューニヒトは動き出した。
視線が言っている、二人きりにさせろ、と。
それをみて従卒を退室させるシトレ元帥。

「シトレ統合作戦本部長、少し話がしたいんだが・・・・良いかな?」

「話ですか?」

「ここは統合作戦本部の医務室だろう? それも高級士官専用の」

「? そうですが?」

「ならばセキュリティは万全のはずだな?」

「ええ、そうですが・・・・」

「ならばロボス元帥も呼んでもらえるかね?」

「国防委員長共に来られた宇宙艦隊司令長官ですか? しかしなぜ?」

シトレが怪訝な顔をする。
政治家にとって体調不良はれっきとしたスキャンダルだ。
それを知らないはずがあるまい、そう思ったからこそ気を利かせてあくまで一般人を装い検査入院させたのだが。

(それを身内とはいえ、ロボス元帥にまで明かすのか?)

シトレの思惑など知らずに彼は続けた。

「なーに、次の防衛戦でちょっとした人事変更をしたいのだよ」

トリューニヒトの顔に笑みが浮かぶ。
過去のトリューニヒトの半生も。あの思い出したくもない泥まみれの時代も。
そして最後まで自分を馬鹿にした面々を思い出す。

(あの金髪の未熟な坊や、ヤン・ウェンリー、そしてヘテロクロミアの小僧め・・・・今に見ていろ!!
誰が本当に同盟を、市民を、民主共和制を愛していたのか教えてやる!
・・・・・そして私の安泰のためにも、な。)

「と、言いますと?」

「帝国軍がオーディンに集結している。数はおよそ4万隻。3個艦隊」

「ええ、おそらく目標はティアマトでしょう。ミュッケンベルガーは我々に艦隊決戦を挑みたいようですからな」

「軍部の反応は?」

(軍部ときたか?)

「ロボス元帥直卒の第1艦隊、第2艦隊、第3艦隊を迎撃に回そうと思います」

「よし、シトレ元帥、貴官に命じる。
次にティアマト方面へ動員する艦隊は第5艦隊、第2艦隊、第12艦隊。
司令官は臨時で大将に昇進させる第5艦隊のアレクサンドル・ビュコック中将だ」

「!」

(トリューニヒトが子飼の第2艦隊をあのビュコック司令官に預ける、だと!?)

(驚いているな、だが、ここからだ)

シトレの驚く顔に行くぶか溜飲を下げる。

「そしてロボス宇宙艦隊司令長官には別働隊として第1艦隊、第4艦隊、第6艦隊を率いてドラゴニア―アルレスハイム経由で敵の後背をついてもらう」

トリューニヒトは帝国にいた時代何もしなかった訳ではなかった。
また、徴兵も経験し、実戦経験こそないものの有能なブレーンから軍事について学んでいたし、ヤン・ウェンリーやラインハルト・フォン・ミューゼルには劣るものの、そういった将官たちから軍事指導を受けていた。
いや、天才の真似を凡人がする方が無理があるのだから、ある意味常識的な戦略眼を持っている。
そして『バーラトの和約』後、帝国在住時代は帝国の歴史や軍事史、特に第二次ティアマト会戦以降の軍事史と政界史を研究していた。

さて、この密室に話をもどそう。
シトレはトリューニヒトの変貌ぶりに戸惑いつつも、その戦略眼の正しさを見抜いた。
彼も伊達に統合作戦本部長まで昇進してきた訳ではない。

「大規模な挟撃作戦、ですか?」

トリューニヒトは頷いた。

(本来は帝国政界の研究の片手間に過ぎなかったが・・・・思わぬところで役に立つ
教育は裏切らないとは母と妻の言葉だが・・・・本当にその通りだ。)

「そうだ。我々は勘違いをしていた。わざわざ対等の敵と戦い、戦術を競い合い人命を浪費して良いはずがない。
むしろ国庫を消耗しても構わない。完膚なきまでに敵を叩き潰した方が後腐れがなくてよい、そうではないかね?
何より国力に劣るのは我々だ。
このまま同数で戦い続ければアメリカに敗れたナチス・ドイツの道をたどるだろう。
消耗戦。それは避けねばならぬ。これは同僚のホアン・ルイ人的資源委員長やジョアン・レベロ財務委員長の意見も同様だろう」

「なるほど、現在のような消耗戦は避けるべき、というのが国防委員長のお考えですな?」

「ああ。レベロ委員長の説得には私と・・・・親友の君にやってもらおう」

(! どうやら思い付きではなく本気のようだな)

「その為に国防委員会は6個艦隊の出撃を許可する。
敵の二倍の兵力を動員するのだ。そして敵を、帝国軍を殲滅せよ、これは国防委員長の正式な決定である」





歴史の歯車は大きく狂いだそうとしていた。


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