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No.25829の一覧
[0] 【ネタ・完結】銀河凡人物語~僕は門閥貴族でフレーゲル~(原作:銀河英雄伝説)[タナカ](2011/02/28 11:46)
[1] 2話[タナカ](2011/02/05 20:00)
[2] 3話[タナカ](2011/02/05 20:01)
[3] 4話[タナカ](2011/02/07 09:53)
[4] 5話[タナカ](2011/02/05 20:05)
[5] 6話[タナカ](2011/02/07 09:54)
[6] 7話[タナカ](2011/02/07 09:58)
[7] 8話[タナカ](2011/02/08 08:24)
[8] 9話[タナカ](2011/02/09 08:07)
[9] 10話[タナカ](2011/02/10 08:21)
[10] 11話[タナカ](2011/02/12 08:02)
[11] 12話[タナカ](2011/02/12 07:18)
[12] 13話[タナカ](2011/02/13 08:10)
[13] 14話[タナカ](2011/02/14 07:51)
[14] 15話[タナカ](2011/02/15 10:24)
[15] 16話[タナカ](2011/02/17 15:41)
[16] 17話[タナカ](2011/02/17 15:43)
[17] 18話[タナカ](2011/02/18 18:45)
[18] 19話[タナカ](2011/02/19 19:12)
[19] 20話[タナカ](2011/02/22 17:39)
[20] 21話[タナカ](2011/02/22 17:38)
[21] 22話[タナカ](2011/02/27 09:12)
[22] 最終話[タナカ](2011/02/28 11:27)
[23] あとがき[タナカ](2011/02/28 11:46)
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[25829] 3話
Name: タナカ◆68fc5ba6 ID:85f33da0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/02/05 20:01
 今夜は伯父上の私邸でパーティー。
 僕は椅子にある黒いカバンを確認した直後に会場を抜け出した。

「どうした? そんなに慌てて」

 慌てた素振を見せたつもりはなかったのだが、僕の行動に気づいてついてきたのは、かのアーダルベルト・フォン・ファーレンハイトさんである。
 尊敬する○ヘインさんをリスペクトした僕は、この人とお近づきになることに一応成功していた。

 貧乏とはいえ貴族であるから伯父上も特に言われることもなく、貧乏だから奢るといえば結構な割合で付き合ってくれる。
 が、多分金づるとしか見られていないと思う。
 取り巻きなんかといるときに遭遇すると、かなり冷ややかな目で見られるし。

 それでもこの人にはごまをする。
 ラインハルトの暗殺に失敗した場合、頼りになるのはこの人とメルカッツさんだけなのだ。

「いえ、ちょっと風に当たりたくなっただけ」

 と言ったところで、屋敷が爆発した。

「何事か!」

 ファーレンハイトさんは腕を上げ爆風を顔から遮るが、僕は無様にも腰を抜かしてすっころんでいた。
 実に間一髪である。

 その後、伯父上たちは無事救出され、クロプシュトック侯が犯人であるということが判明した。
 事件は覚えていたが、誰がやったかは忘れていたので、結構ぎりぎりだったかもしれない。
 ラインハルトが巻き込まれていたと知ったのは後日、うまく誘導すれば殺せたかも~と考えたが、たぶん巻き込まれて僕だけ死んでいた気がした。
 多分、これが正解だろう。

 さて、犯人は判ったものの、肝心のウィルヘルム・フォン・クロプシュトック侯爵は領地に逃走してしまい討伐軍が編成される事となった。



 僕は今艦橋にいる。

 何故こんなことになったかといえば、先の爆破テロ事件にて腰を抜かしてまごついている所を、避難してきた多くの衆目の目に晒してしまったことにある。
 そんな醜態を晒してしまった僕に、伯父上はコケにされたこともあって激怒。
 アンスバッハさんのとりなしもむなしく、僕は討伐軍の先陣に任命されてしまったのだ。
 ちなみにファーレンハイトさんは頼んでもついてきてくれなかった。

 初陣が内乱とか、それってどうなのとか思うが、部下の不安はうなぎ上りだろう。
 対する僕はそれほど不安でもなかったりする。
 いくらか冷静になった伯父上が戦闘技術顧問を派遣してくれたのである。

 いわずと知れた後の双璧である。

「少将はこれが初陣でしたな?」

 ロイエンタールさんが相方に、おい馬鹿とかつっこまれながらふてぶてしく聞いてくる。

「そうだね」

 僕としてはもう少しフレンドリーにしてくれてもと思うも、素直に答える。
 が、彼は少々面食らったようで、ほぅとか呟いている。

「では、いかがしますか?」

 続いて、まったくこいつはみたいな顔したミッターマイヤーさんが聞いてきた。
 同格の少将で二人のほうが先任で経験もあるのに敬語を使ってくれる。
 ほんと、これだから門閥貴族はやめられない。

「全部、任せる。編成も作戦も運用も」

 僕がそういうと、流石に二人ともギョッとする。
 ふふふ、かの双璧を驚かせた数少ない門閥貴族になるに違いない、とか僕がしょーもないことを妄想していると、

「よろしいのですか?」

 と、ロイエンタールさんがその金銀妖瞳に怪しい色を湛えて僕を見る。

「うん。その代わり、勝っても戦果は僕のものになる」

 僕にそのケはありませんよーとの意思を込め、彼にそう言うと、

「では、負けた場合は我等の責任ですかな?」

 相方さんのつっこみが入った。

「……お二人が指揮して負けるとは思えませんが、その場合は僕が責任を負いますよ?」

 正直、お前らは何を言っているんだ的な想いを感じながら僕が答えると、二人が唖然とした顔でこちらを見た。
 やば、この二人に驚かれるとかマジええ感じすぎる。
 そんな、ええ感じにニヤニヤしていたら、いつの間にかにクロプシュトック領に着いてしまったようだ。

 当然、二人は僕がニヤニヤしているうちに仕事を済ましていた、流石だ。
 いや、当たり前か。

 戦力比は敵5000に対し、僕ら先陣は2000。
 伯父上の本体が8000を率いて進軍中とはいえ、原作であれだけグダグダだったのだ、先陣は散々な目にあったのだろう。

 しかし、この先陣を実質率いるのはかの双璧である。
 どっちが言ったか忘れたが、3時間でけりをつけると言っていたのだ、是非実行してもらいたい。

 ふと気がつくとミッターマイヤーさんがいない。
 ロイエンタールさんに相方さんの行方を聞くと、どうやら分艦隊を指揮するようだ。
 まあ、どうでもいいが手早く済ましてくれるに越したことはない。

「よろしいですか?」

 どうやら戦闘準備が整ったようだ、ロイエンタールさんが僕に促す。
 演説だ。
 これが僕は苦手である。
 どうもそれっぽい文章が思い浮かばないのだ。
 とはいえ、これが仕事である。
 全艦艇に回線を開かせ、

「これより、皇帝陛下と帝国に仇なす反逆者を討つ。いかに逆賊どもが群れを成そうと我軍の正義がそれを打ち破るであろう! 勝利すべき策はすでになっている。各指揮官の指示に従えば、勝利など容易い!」

 それっぽい檄を飛ばした。
 ロイエンタールさんが普通にうなずいたので、まあ滑らなかったようである。

 交戦域に入る直前、彼がこちらを見た。
 僕は彼の意思を多分正確に読み取ったと思うので、うなずく。

「ファイエル!」

 直後に号令。
 正しく読み取ったようだ。



 戦闘は僕の予想より1時間早く、2時間でけりがついた。


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