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No.25789の一覧
[0] 【ネタ完結】魔法少女リリカルなのは ~ちょっとだけ、やさぐれフェイトさん~[熊雑草](2011/02/02 22:59)
[1] 第1話 フェイトさん、やさぐれる[熊雑草](2011/02/02 22:51)
[2] 第2話 やさぐれた理由[熊雑草](2011/02/02 22:52)
[3] 第3話 やさぐれ初日・昼[熊雑草](2011/02/02 22:53)
[4] 第4話 やさぐれ初日・夜[熊雑草](2011/02/02 22:53)
[5] 第5話 やさぐれと白い服の少女①[熊雑草](2011/02/02 22:53)
[6] 第6話 やさぐれと白い服の少女②[熊雑草](2011/02/02 22:54)
[7] 第7話 やさぐれと白い服の少女③[熊雑草](2011/02/02 22:54)
[8] 第8話 やさぐれとプレゼント[熊雑草](2011/02/02 22:55)
[9] 第9話 やさぐれとプレシア①[熊雑草](2011/02/02 22:55)
[10] 第10話 やさぐれとプレシア②[熊雑草](2011/02/02 22:56)
[11] 第11話 やさぐれの休日[熊雑草](2011/02/02 22:56)
[12] 第12話 プレシアの憂鬱[熊雑草](2011/02/02 22:56)
[13] 第13話 フェイトとなのは[熊雑草](2011/02/02 22:57)
[14] 第14話 やさぐれとフェイト[熊雑草](2011/02/02 22:57)
[15] 第15話 フェイトとプレシアとやさぐれと[熊雑草](2011/02/02 22:58)
[16] 第16話 そろそろ幕引き……[熊雑草](2011/02/02 22:58)
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[25789] 第3話 やさぐれ初日・昼
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:96ed7643 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/02/02 22:53
 == 魔法少女リリカルなのは ~ちょっとだけ、やさぐれフェイトさん~ ==



 アルフが起きてから五時間近くが過ぎ、もうお昼近くになる。


 「あのやさぐれっ子は、
  一体、いつになったら起きるんだい。
  これじゃあ、ジュエルシードを探しに行けないよ。」


 そして、目を擦り寝癖全開で、やさぐれフェイトが現れる。


 「おはよう……。」

 「もう、お昼だよ……。」

 「お風呂入って来る……。」


 やさぐれフェイトは、ダラダラと重い足取りで風呂場の方に消えた。
 アルフは、それを見ると溜息を吐いた。



  第3話 やさぐれ初日・昼



 食パンに噛り付きながら、やさぐれフェイトは、テレビを見ている。
 その後ろでは、アルフが丁寧に髪を梳かしている。


 「ごめんね……。
  召し使いみたいなことさせちゃって……。」

 「いいさ。
  これは、私の役目でもあるから。」

 「フェイトは、いい家族を持ってるね……。」

 「家族……。」

 「うん。
  フェイトは、そう思ってるよ……。」

 「そうかい。」


 アルフは、嬉しそうにやさぐれフェイトの髪をいつものように二つに結う。
 そして、髪を整え終えた時、インターホンが鳴った。


 「何で、この家を訪ねて来る人が居るのさ……。」

 「多分、あたし……。」


 やさぐれフェイトは、食パンを食べ切ると玄関の方へと走って行った。
 そして、数分後、荷物を抱えて戻って来る。


 「何だい? それ?」

 「ノートパソコン……。」

 「へぇ……。
  ・
  ・
  は?」

 「この家、パソコンないから……。」

 「ちょっと、待った~!」


 やさぐれフェイトは、首を傾げる。


 「そんなもんを買うお金が、何処にあるのさ!?
  いや!
  そもそも、どうやって買った!?」

 「ジャパネットたかた……。
  深夜に踊ってた……。
  使わないソフトてんこ盛りのノートパソコン頼んだ……。」

 「お金は!?」

 「その引き出しに入ってた……。」


 アルフは、生活費が入っていた引き出しまで走る。
 そして、中を確認して青ざめる。


 「さ、三百円しか残ってない……。」

 「プロバイダーの契約とか諸々をしたら、
  ちょうど、それぐらいだった……。」

 「明日から、何を食べて生活するのさ!?」

 「アルフのドッグフード……。
  一日七粒ずつ食べる……。
  七粒で十日は、お腹が膨れる……。」

 「ドッグフードは、仙豆じゃないよ!」


 しかし、既にやさぐれフェイトは、箱の開封をしていてアルフの話など聞いていない。
 そして、ノートパソコンのセッティングを始める。


 「……これは、殴っていいのかな?」

 「生活水準を安定させるために
  パソコンは、必需品……。」

 「そのせいで生死の危機に関わりそうだよ……。
  ・
  ・
  ところで、ここの世界の言語なんて読めるのかい?」

 「漫画読むために初期設定されてた……。」

 (この子に罪はない……。
  絶対にこの子の基礎理論を作った馬鹿が元凶だ……。
  ・
  ・
  いつか、シメル……。)


 アルフは、拳を握った。


 …


 三十分後……。
 ノートパソコンで、インターネットの閲覧が可能になる。


 「よし……。」

 「一体、何を見たかったんだい?」


 アルフは、やさぐれフェイトの後ろから、パソコンの画面を覗き込む。


 「犯人探し……。
  フェイトの頭を攻撃した……。」


 アルフの眉が、少し吊り上がる。


 「調べられるのかい?」

 「予想……。
  あの子、まだ魔法を使い慣れていない……。
  きっと、一緒に居たイタチみたいな動物が協力者で、
  あの子に力を与えたと思う……。
  そして、バリアジャケットは、
  魔導師本人のイメージに左右され易い特性から考慮すれば……。」


 やさぐれフェイトの手が、マウスをダブルクリックする。


 「きっと、あの歳で通う学校の制服が近いと思う……。」


 そして、ある学校の制服の画像が映る。


 「私立聖祥大附属小学校……。
  ここが怪しい……。」


 アルフは、唇の端を吊り上げる。


 「さすが、私のご主人様だ……。」

 「やっぱり、現地の情報を知るには、
  現地の情報収集手段を利用するに限る……。」

 「じゃあ、挨拶をしに行こうか。」


 やさぐれフェイトが頷く。
 やさぐれフェイトとアルフは、前回の白いバリアジャケットの女の子と接触するため、外出の準備を始める。
 そして、家を出る際にやさぐれフェイトは、最後の生活費三百円をポケットに突っ込んだ。


 …


 私立聖祥大附属小学校の前を、やさぐれフェイトは、素通りした。


 「何でさ!」

 「今日、日曜日だった……。」

 「が……。」


 アルフは、精神的ダメージを受けた。
 そして、項垂れながら話し掛ける。


 「……じゃあ、今日は、ジュエルシードを探すのかい?」

 「ううん……。
  遊びに行く……。」


 アルフが、やさぐれフェイトに迫る。


 「何で、遊ぶんだ!
  さっさとジュエルシードを探すのが先だろう!」

 「…………。」

 「じゃあ、生活費を稼ぐ……。」

 「どうやって!」

 「それは言えない……。
  でも、持ち金を十倍にしてみせる……。」

 「いや、十倍にしても三千円だよ……。
  とてもじゃないけど、今月乗り切れないって……。
  しかも、当初の金額が三ヵ月分とかだったら、
  私達、餓死するよ……。」


 やさぐれフェイトは、溜息を吐く。


 「アルフは、細かい……。」

 「至極、真っ当な意見だと思うけど……。」

 「江戸っ子は、宵越しの金を残さない……。
  こち亀の両さんなんて、
  こんな修羅場は、何度となく踏み越えている……。」

 「誰だか知らないけど、自業自得だよ。
  そして、私達のこの状況も同じ。
  まあ、原因は、あんたなんだけど。」

 「だから、責任は取る……。
  十倍にする……。」

 「だから、三千円じゃ生活出来ないって……。」


 やさぐれフェイトは、舌打ちする。


 「うるさい……。」

 「え?」

 「あたしが、ご主人様……。
  アルフは、黙ってジュエルシードを探していればいい……。
  生活費は、何とかするって言っている……。」

 「頼りにしていいのかい?」

 「任せて……。
  いざとなったら、体を売るから……。」

 「絶対にするな!
  それは、フェイトの体であんたのじゃない!」

 「なるべく穢さないようにする……。」


 やさぐれフェイトは、振り向くとアルフを置いて街へと歩き出した。
 アルフは、心底不安になる。


 「大丈夫なのかな……。」


 不安は増す一方だったが、アルフは、仕方なくジュエルシードを探すことにした。


 …


 やさぐれフェイトは、ある店の前で三百円を握る。


 「一攫千金を目論むなら、これしかない……。」


 パチンコ店へ突入。
 しかし、五分後には摘まみ出された。


 「国家権力の犬め……。
  何とか大人を味方に引き入れなければ……。」


 やさぐれフェイトは、街の通りを見回す。


 「あの人がいい……。」


 やさぐれフェイトは、パチンコ店に入るであろう人物のズボンを掴んだ。


 「あぁ?」


 リーゼントに金縁のサングラス。
 赤いシャツに白いジャケット。
 胸元には、金バッチが光る。


 「何だ? お前?」

 「お願いがあるの……。」

 「お願いだぁ?」

 「うん……。
  あたしは、一攫千金をするために
  ここに入らなくちゃいけないから、
  今だけ、保護者になって……。」

 「…………。」


 金バッチの人が、しゃがみ込む。


 「パチンコやりたいのか?」


 やさぐれフェイトは、頷く。


 「あたし、最高のあげまん……。
  連れて行って損はない……。」

 「お前、意味分かって使ってるか?」

 「付き合った男性の運気をあげる……。
  エッチな方の意味じゃない……。」

 「誰だ? こんなガキに仕込んだの?」

 「基礎理論を考え人……。」

 「訳分からねぇ……。」

 「お願い……。」


 金バッチの人は、溜息を吐く。


 「まあ、いいや……。
  付いて来な。」

 「ありがとう、パパ……。」


 金バッチの人は、ガクッと肩を落とすと、やさぐれフェイトとパチンコ店に消えた。


 …


 パチンコ店で、やさぐれフェイトは困っていた。


 「三百円じゃ、玉が買えない……。」


 金バッチの人を見る。


 「千円分の玉から、三百円分売って……。」

 「聞いたことのないことを要求するな……。
  多分、十分と持たないぞ……。」

 「大丈夫……。」


 そして、機種を選ぶ。


 「店に入る前から決めてた……。
  これ……。
  CRスラムダンク……。」

 「お前が台決めたら、
  俺は、必然的に付き添わないといけないじゃねぇか。」

 「機種だけは譲れない……。」

 「わ~ったよ。」


 金バッチの人が台を決めるとやさぐれフェイトは、隣に座る。
 金バッチの人は、何だかんだで三百円分の玉を分けてくれた。
 そして、パチンコを開始する。


 「来た……。
  1で揃った……。」

 「は?」


 やさぐれフェイトは、金バッチの人にチョキを出す。


 「これが実力……。」

 「マジかよ。」


 その後も確変が続くが、やさぐれフェイトはイライラしている。


 「どうした?」

 「三井のイベントが来ない……。
  スラムダンクは、三井 寿の物語……。」

 「違うだろ。」

 「安西先生……。
  カム ヒアー……。」


 ~ 三時間後 ~


 「何故、来ない……。
  何故、三井のイベントだけ起きない……。」

 「そんなことより、
  どんだけ、玉出す気だよ……。」

 「三井のイベントが出るまで……。」

 「その執念に、三井に対する愛は感じるけどよ……。」

 「むぐぐ……。
  今日は、閉店まで粘る……。」

 「勘弁してくれ……。」


 …


 夜七時少し前……。
 やさぐれフェイトと金バッチの人は、パチンコ店を出る。


 「半分返す……。」

 「半分って……。
  四十三万もあるぞ。」

 「生活費には十分……。」

 「まあ、いいか。」


 金バッチの人は、やさぐれフェイトの差し出す金を受け取る。


 「これから、どうするんだ?」

 「TSUTAYAに行って、DVDを借りる……。」

 「そうか。」

 「困ったことがあったら、言うといい……。
  この恩は忘れない……。」

 「既に百倍以上になって返って来てるけどな。
  ・
  ・
  そうだ。
  時間があるなら、付き合ってくれ。
  今夜、麻雀するんだ。
  その運で、代わりに打ってみないか?」

 「何時間……?」

 「この後、直ぐ。
  お遊び程度で。」

 「いいよ……。
  TSUTAYAが閉まらないうちに飛ばす……。」

 「やっぱり麻雀も知ってやがった。
  誰だ? この子に教えたの?」

 「基礎理論を考え人……。」

 「訳分からねぇ……。」


 やさぐれフェイトの実力は?


 …


 とある雀荘……。
 やさぐれフェイトは、金バッチの人の代打ちをしている。


 「ツモ……。」

 「ちゅ、九蓮宝燈!」

 「だけで、7回目……。」

 「オイオイ……。
  今日帰ったら、死ぬなんてことないだろうな?」

 「大丈夫……。
  それより……。
  親が終わんないから終われない……。
  ハコワレなしとは思わなかった……。
  まだ、やるの……?
  また、パチンコ屋みたいになるよ……?」

 「そうだな。
  そろそろ代わるか?」


 金バッチの人の友達は、項垂れながら呟く。


 「もう、勘弁してくれ……。
  さっさと代わってくれよ……。
  何処の玄人だ? その子?」

 「時の庭園……。
  次元の魔女に伝授された亜空間殺法を駆使する……。」

 「鳴いてないから、
  明らかに違うよな……。」

 「細かいことは聞いちゃいけない……。
  兎に角、これで終わり……。」


 やさぐれフェイトは、立ち上がる。
 金バッチの人が、やさぐれフェイトの席に座る。


 「助かったぜ。」

 「これだけ勝っとけば、負けないと思う……。」

 「ああ、十分だ。」

 「じゃあね……。」

 「今度、何かあったら、
  俺が助けてやるぜ。」

 「期待してる……。」


 やさぐれフェイトは、雀荘を出た。


 …


 麻雀終了後……。
 やさぐれフェイトは、TSUTAYAに行って「グラップラー刃牙」を借りる。


 「魔法少女と生まれたからには、
  誰もが一生のうち、一度は夢見る地上最強……。
  魔法少女とは、地上最強を目指す格闘士のことである……。」


 やさぐれフェイトは、にやりと笑う。
 彼女の未来が、明後日の方向に歩き出した。


 「帰ったら、半分グラップラーみたいなアルフと見よう……。
  ・
  ・
  あ……。」


 やさぐれフェイトは、光るひし形の石を拾う。


 「ジュエルシードが落ちてた……。」


 やさぐれフェイトは、ポケットに突っ込むと家路の途についた。
 フェイト → やさぐれフェイト : 運↑ EX


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