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No.25606の一覧
[0] [ネタ]ある魔法先生の手記:(ネギま)おまけその6アップ[tune](2011/01/26 02:55)
[1] [ネタ]ある魔法先生の手記(ネギま)前編[tune](2011/01/24 03:06)
[2] ある魔法先生の手記 中篇[tune](2011/01/24 04:00)
[3] ある魔法先生の手記:後編その1[tune](2011/01/24 03:46)
[4] ある魔法先生の手記:後編その2[tune](2011/01/24 16:36)
[5] ある魔法先生の手記:ある吸血鬼の手記その1[tune](2011/01/24 21:08)
[6] ある魔法先生の手記:ある吸血鬼の手記その2[tune](2011/01/25 01:57)
[7] ある魔法先生の手記:おまけその1[tune](2011/01/25 16:13)
[8] ある魔法先生の手記:おまけその2[tune](2011/01/25 17:04)
[9] ある魔法先生の手記:おまけその3[tune](2011/01/25 17:53)
[10] ある魔法先生の手記:おまけその4[tune](2011/01/25 20:38)
[11] ある魔法先生の手記:おまけその5[tune](2011/01/25 21:52)
[12] ある魔法先生の手記:おまけその6[tune](2011/01/26 03:42)
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[25606] ある魔法先生の手記:ある吸血鬼の手記その2
Name: tune◆dc9bdb52 ID:a634d081 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/01/25 01:57
ある吸血鬼の手記:その2




 「くっくっく。
  貴様ら中々良かったぞ。」

 機嫌よく倒れ伏す二人に告げた。
 ま、二人仲良くお寝んねだ。
 こちらの声は聞こえているはずもないか。
 しかし、こいつらには驚いた。
 思った以上に根性がある。
 何度倒れようと立ち上がり、こちらに向かってきた。
 その身体は私の魔法や茶々ゼロの攻撃によってボロボロだ。
 身体のいたるところは凍りつき、凍りついた部分で切り裂かれていない部位など存在しない。
 現在の状態もかなりまずい状態だ。
 一応、手当てもするし、薬も使うつもりだが。

 「茶々丸。
  こいつらを手当てしろ。
  それが済んだら病院に飛ばす。」

 「このか様のAFを使われないんですか?」

 「何でこっちに喧嘩を売った馬鹿にそこまでしなくてはならん?
  それにこのかに何て説明するつもりだ?
  喧嘩を売って命もとらず、手当てをして病院に転移すれば十分だ。
  それ以上は必要ない。」

 「分かりました。
  手当てが終わったら、転送をお願いします。」

 「ふん。
  忌々しい封印がなければ、ここでなくても魔法が使えるのにな。」

 まったく忌々しい呪いだ。
 これがなければ別荘から転移させなくても済むから、別荘から飛ばすための複数の手順や魔法を省くことができる。
 実際、別荘から飛ばすなど緊急時でもなければせんぞ。
 さて、面倒くさいがじじぃに連絡を入れるか。

 「茶々丸。
  転移がすんだら、じじぃに連絡を入れるぞ。
  面倒くさいが仕方が無い。」

 「はい。
  分かりました。」

 それから数分後、茶々丸がじじぃに電話を入れた。
 変わってからじじぃと話をする。

 「変わった。
  じじぃ、話がある。」

 「ふぉ!?
  何じゃな?
  物騒な話は抜きにしてほしいぞい。」

 「無理だな。
  交渉に来た魔法先生を病院送りにした。
  また、周りが騒ぎ出すだろうから、始末をつけろ。」

 「また無茶苦茶なことを。
  ワシ泣いちゃうよ?」

 「ふん。
  じじぃに泣きが入っても気持ち悪いだけだ。
  切るぞ。」

 「待つんじゃエヴァンジェリン。」

 泣き言にかまわず電話を切った。
 責任者が揉め事の処理をするのは当然だ。
 後は知らん。
 
 「しかし・・・・・・・。」

 私は先ほどの二人の教師のことを思い出していた。
 確かに、ここの腑抜けの魔法先生とは思えないほどの意思を感じた。
 だが、何かが引っかかった。
 あの必死な目。
 恐怖を感じていながら、勇気で持ってその恐怖を押し込めて?
 いや、それだけでない。
 あれは何だ?
 今まで何度も何度も見ていたはずだ。
 あの目は・・・・・・。

 「マスター。
  神楽坂様の修行が終わりました。
  この後の予定はどうします?」

 「うん?
  終わったのか。
  よし、すぐ行く。」

 私は立ち上がった。
 あの目の事は気になるが、先に弟子どもの世話がある。
 この私が弟子のために奮闘するか。
 随分となまった物だ。





○年×月△日

 いつものように修行が終わり、別荘から出る時間が来た。
 今日も有意義な一日であった。

 「なにが有意義よ。
  このサディスト。」

 「何か言ったか?
  神楽坂。」

 「待ってください。
  アスナさん。
  マスターは僕達のために一生懸命なんです。
  魔法世界のような事があっても、解決できるようにと。」

 「ぐっ。
  それは分かるけど、限度って物があるでしょ?
  今のこれはいじめよ。」

 「修行に限度なんぞあるか。
  ん?
  限度?」

 「どうかしたんですか? 
  マスター。」

 「いや、なんでもない。」

 そういえばあいつ等がやり過ぎとか言っていたか。
 少しは加減するか。
 そう思いつつ、一歩を踏み出す。
 別荘の光景から家の中の物へと変わる。
 いつもと同じ、いや、いつもと違う!?

 「んん!?」

 床が発光していた。
 なんだこれは!?

 「しまった。
  転移魔方陣。」

 うかつ。
 気づいた時には教会の中にいた。
 くうううううう。
 神聖結界が。
 神の力が私の力を押さえつける。
 すでに登校地獄と学園結界で押さえられているのに、さらにこれか。

 「闇に蠢き、人を糧にし、邪悪を振りまく者よ。
  ここは神の御前にして聖なる場所。
  お前の邪悪な力は全て封じておる。
  長きに渡って行ってきた悪の清算をする時がきたのだ。
  本来ならば問答無用で滅殺すべき所だが、神の身元である。
  慈悲の心にて、懺悔を許す。」

 は、お得意の神の慈悲に懺悔か。
 そんなものは吸血鬼になった当初に卒業済みだ。
 何度、神に祈ったか。
 何度、元に戻して欲しいと願ったか。
 もう祈り飽きたわ。
 ゆえに、宣言する。

 「ふん。
  神の犬が何を言うかと思えば、慈悲だと? 懺悔だと?
  私は誇り高い悪だ。
  この心に一片の悔いもなかろうが。
  神の犬よ。
  好きにするが良い。」

 そう言いながらもAFの念話機能を使い坊やに連絡を入れた。

 (坊や。そっちはどうだ?)

 (重装備の人たちに囲まれています。)

 (ふん。そっちも押さえにかかったか。
  こいつらは吸血鬼殺し専門の組織クルセイダーだ。
  抵抗しなければ吸血鬼以外殺しはせん。
  それを皆に告げてこっちにこい。)

 (吸血鬼殺しの専門組織?
  それじゃ、マスターを殺しにきたんですか?)

 (それ以外には考えられんな。
  神聖結界で雁字搦めだ。
  そっちがその程度なら間違いなく、こいつらの狙いは私だ。)

 (分かりました。
  雷天でそっちに向かいます。)

 (神聖結界のせいで魔法の力は使えない。
  教会の前で解け。
  急げ。
  待ってるぞ。)

 (分かりました。)

 AFで召還しようにもそうすれば、さすがに妨害が入るだろう。
 その点、坊やの雷天ならあっという間だ。
 不意打ちにも向いている。
 どーーーん。
 凄まじい音と共に両開きの入り口の扉が吹き飛んだ。
 そこに坊やの姿が見える。
 さすがのスピードだな坊や。
 にやりと口元を歪めた。
 坊やの成長が自分のせいと考えれば気分がいい。
 この忌々しい結界で坊やの魔法も封じられるが、この程度の輩に負けるほど柔な鍛え方をしてきたつもりはない。

 「坊や。遅いぞ。」(存分にやってやれ。)

 「すいません。
  マスター。
  すぐに助けます。」

 坊やが手足を振るたびに人が飛ぶ。
 くっくっく。
 この闇の福音が鍛えた人間だぞ。
 そこらの戦闘員が役に立つか。
 口元が歪むのを止められない。
 もっとも、止めるつもりも無いがな。

 「少年。
  その者は邪悪な吸血鬼だ。
  神に逆らってまで助けるのか!?」

 「知ってます。
  でも、僕にとっては大事な師匠なんです。
  だから、助けます。」

 中々健気な事を言うじゃないか。
 今度何かご褒美をやるか。
 何がいいかな?

 「少年を止めろ!」

 「はっ。
  お任せををををおおおおおおおお!?」

 「ダメだ。
  止まらん。
  何をやっておる。」

 「神よ。
  お力をををををおおおおおおおお!?」

 はははははは。
 無駄無駄無駄。
 お前ら如きに坊やが止められるか。
 止めようと前に立つたびに吹き飛んでいる。
 まあ、多少の足止めにはなったが、ここまでだな。
 坊やが手を伸ばす。
 レディへのエスコートとしては年が幼いが、まあ良かろう。
 特別に許す。

 「ナギ・スプリングフィールドの名を汚すのかネギ君!!!!!!!!!!!!!」

 男の叫びに手を伸ばす坊やの動きが止まり、その声の主へと振り返った。
 何をしている坊や。
 お前は何をしにきた!?

 「ナギ・スプリングフィールドが、何故、闇の福音を封印したのか。
  闇の福音が危険だからだ。
  父親がした英雄としての仕事を、君は邪魔するのか!?」

 「ち、違います。
  父さんは、そんなことのために封印したんじゃ。」

 馬鹿な、助けに来た相手を放っておいて問答か?
 それもナギの事を言われただけで。
 苛立たしげに声の主を確かめた。
 んん!?
 あの男の目!?
 そうだ。
 先日、半殺しにした魔法教師と同じじゃないか。
 あの目は何だ?
 どこで見た?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!
 思い出した。
 私に毒薬を飲ませた老婆の目。
 私を火あぶりにかけた村人の目。
 正体がばれたたびに殺そうとしてきた人々の目、目、目。
 あああああああああ。
 どうして忘れていた!?
 どうしてその事に気づかない!?
 どうして、どうして、どうして。
 もはや一刻の余裕も無い。
 あの目は危険だ。
 自分が弱者であること知りながら、脅威をもたらす物を排除するためにどんな危険も犯す。
 私がもっとも恐れる物。
 死をも覚悟した弱者達の目。
 坊や、早くこの拘束を解け。
 早く! 早く! 早く!
 
 「君がその手を取ると言う事は、ナギ・スプリングフィールドの名前に傷をつける。
  君は父親を汚すのか!?」

 「ち、ちが・・・・・僕は・・・・・・・父さん。」

 坊やの動きが完全に止まった。
 何故だ。
 坊や。
 助けに来たんではないのか?
 今になって怖気図いたのか?

「がふ。」

 慣れ親しんだ痛みが胸を突き抜けた。
 ああ、聖別された杭か。
 これは助からんな。
 しかし、坊やには失望した。
 神の僕と対立してでも私を救おうとしたのだろう?
 何故、たかがナギの名前が出ただけで、躊躇うのだ。
 ナギも一緒か。
 私を怖がらず受け入れると宣言しておきながら、呪いをかけて閉じ込めるか。
 ああ、私は何を見ていたのか。
 ナギは私が邪魔だったのだ。
 だから、呪いをかけた。
 だから、放っておいた。
 そうで無いなら、何故迎えに来ない?
 子供を作る時間はあっただろうに。
 子供!?
 はははははははははははははは。
 何て間抜けだ。
 子供がいるということは愛する相手がいたと言う事でないか。
 なのに、私に振り向く?
 私の物になる?
 こんな女邪魔なだけでないか。
 本当に私は大間抜けの大馬鹿だ。
 坊や。
 私を好きといったな。
 だが、改めて分かった。
 こちらこそ願い下げだ。
 
 「破門だ。
  馬鹿弟子。
  所詮、人間か・・・・・・・・・・・偽善者め。」

 ああ。
 走馬灯は本当にあったのだな。
 昔の光景が脳裏に浮かんでは消えた。
 碌な過去で無いな。
 ふ。
 所詮、悪の吸血鬼などこんなものか。
 最強を詠おうと、幸薄い人生だ。

 「どうしたんだい?
  エヴァ?」

 「また、怖い夢を見たんでしょう?」

 今まで記憶に薄れていた姿がはっきりと浮かんだ。

 「パパ? ママ?」

 「「お帰り。エヴァ」」

 優しい笑顔で私に手を差し伸べてくる。
 躊躇う事無く私はその胸に飛び込んだ。

 「ただいま。パパ。ママ。
  エヴァね。
  怖い夢見たの。」

 両親に抱きしめられる夢を見ながら、600年の生涯を私は終えた。







はい、ここまでがある吸血鬼の手記です。
どうもここまで読んで頂いてありがとうございました。
さて、ここまで読んでも話がすっきりしませんよね?
実はある意味ここからが推理小説の謎解きの場面になるんです。
作者曰く、
  ここからがアンチなんじゃああああ
            ですw
今までもアンチじゃないかとの突っ込みもあるでしょうが、作者からはこれからが本番だったりします。
どんどんアンチします。
おかしなところ満載になると思うので、ここまでで十分じゃと思われる方は不快になるまえにお帰りを。
心の広い方はどうぞこの先もお楽しみください。


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