ある魔法先生の手記:おまけその5
ネギ君が魔法世界から帰還した。
その勇士に感動する。
うんうん、立派になったのう。
ワシは目を潤ませた。
ここまでなるまでにどれだけ苦労したか。
オコジョを作って従者を増やし、エヴァを使ってネギ君を鍛え、うるさい周囲の人間を黙らせ、英雄的行動をとれるように誘導した。
それが実った姿がこれじゃ。
誰もがネギ君を英雄というじゃろう。
じゃが、まだじゃ。
ナギを越えた英雄と呼ばせるには、もっともっと活躍してくれんとな。
さて、年寄りの感傷かの。
ワシはネギ君のために行った行動を思いだす。
エヴァがネギ君を襲った事件のこと。
当然、把握しておった。
何かあったときの為に、高畑君を隠れて派遣しておった。
ふう。
エヴァに敵意を持ってなければ、もっと多くの人材を派遣できたのにのう。
また、停電の時の戦闘もそうじゃ。
いつでも電源は復帰できたし、最悪、登校地獄を無理やり強めることもできた。
ネギ君はくしゃみで魔法の撃ち合いに勝ったと思っておるようじゃが、そんなことはありえん。
力を振り絞っている最中にくしゃみして、限界を超えるなどありえると思えるかね。
ネギ君のくしゃみはエヴァを裸にしただけ、ワシが登校地獄でくしゃみに合わせて、力を弱めたのじゃ。
そういえば、ネギ君の活躍を世間に知らせるために、西への大使に任命したこともあったのう。
こうすれば、西の術者が苛立つのは分かっておった。
案の定、新書を狙って動きよった。
このかも狙ってきたしのう。
狙い通りじゃ。
婿殿も甘い。
あれだけの莫大な魔力を持ち、肉親が東西の魔法使いの長じゃ。
一般人として暮らす?
頭がいかれておるとしか思えん。
思ったとおり事件に巻き込まれ、魔法がバレおったわ。
ワシはそれを見ていて笑ったものよ。
そして、鬼神の復活。
これを見てワシは歓喜したものよ。
どうやってネギ君にエヴァに師事するのか、それに悩んでおった時にちょうど良いタイミングで出てくれたのじゃから。
エヴァをすぐに援軍として派遣し、エヴァの力をこれでもかと見せ付けた。
案の定、力に拘っておるネギ君はエヴァを師匠にするために動きおった。
もう、笑いが止まらんで止まらんで。
ん!?
そういえば、エヴァには5秒に1回判子を押していると誤魔化したか。
それまで旅行にいけない理由をそれにしただけで、エヴァが飛んでいったら早速止めたのう。
600年の経験というが甘い甘い。
そして、学園祭じゃ。
超の計画がまさかあれほどとは思わなんだ。
ワシらだけでは到底防ぐことなどできなんだに違いない。
じゃが、ワシらにはネギ君がいた。
何度も時間移動していたなど聞いたときは耳を疑ったものじゃ。
そのワシらの度肝を抜く行動の主は、まったく考え付きもしなかった作戦を見出しおったのじゃ。
秘匿を大事にし一般人を巻き込まないと考える魔法先生には考え付かないこと、つまり、一般人の手を借りた計画じゃ。
これも普段から秘匿の事に気が回らないように意識誘導し、一般人を何人も従者にして巻き込もうと気にしない英雄様へと鍛え上げたおかげじゃな。
ネギ君の教育が間違っておらんと改めて確信したわ。
英雄となったネギ君がマホラに帰って先生をしておる。
その姿は自信に満ち、生徒も先生もネギ君に好意的じゃ。
まさに先生の鑑じゃな。
じゃがな。
ネギ君よ。
一端の先生で収まってもらっては困るのじゃ。
英雄として活躍してもらわんとな。
すでに、事件がネギ君を待っておるのじゃ。
何、先生としての仕事を放り出してそちらにいけんと悩む必要はない。
ちょっと生徒に傷をつけてもらおうかの。
その罪を償うためにとなれば、誰もが納得するじゃろ?
心配せんでもいつもの魔法の暴走じゃ。
なにせ、ナギを超える英雄の中の英雄になってもらわんといかんからのう。
続きますw
感想にあるとおり学園長は真っ黒の下種さんですw
そして、冒頭の事件にと繋がります。