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No.25391の一覧
[0] 【チラ裏からきました】 「銀トラ伝」 銀河英雄伝説・転生パチモノ[一陣の風](2013/09/22 13:53)
[1] 「第4次 イゼルローン攻略戦   前編」[一陣の風](2013/09/20 15:12)
[2] 「第4次 イゼルローン攻略戦  後編」[一陣の風](2013/09/20 19:02)
[3] 「 28 Times Later  前編 」[一陣の風](2013/09/20 15:27)
[4] 「 28 Times Later  中編」[一陣の風](2013/09/20 15:30)
[5] 「 28 Times Later 後編  part-1」[一陣の風](2014/07/21 23:09)
[6] 「 28 Times Later 後編 part-2」[一陣の風](2013/10/09 23:13)
[7] 「 28  Times Later 後編 part-3」[一陣の風](2013/09/20 18:02)
[8] 「 28  Times Later   エピローグ 」[一陣の風](2013/09/20 16:52)
[9] 「 The only Neat Thing to do 」  前編[一陣の風](2014/07/21 23:47)
[10] 「 The only Neat Thing to do 」  中編[一陣の風](2014/07/21 23:52)
[11] 「 The only Neat Thing to do 」  後編[一陣の風](2012/04/29 11:39)
[12] 「The only Neat Thing to do 」 エピローグ[一陣の風](2012/04/29 13:06)
[13] 「銀河マーチ」 前編[一陣の風](2013/02/25 19:14)
[14] 「銀河マーチ」 中編[一陣の風](2013/03/20 00:49)
[15] 「銀河マーチ」 後編[一陣の風](2013/09/06 00:10)
[16] 「銀河マーチ」 エピローグ[一陣の風](2013/10/18 22:31)
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[25391] 「 28 Times Later 後編 part-2」
Name: 一陣の風◆ba3c2cca ID:8350b1a5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/10/09 23:13
「少佐は戻ってください」
「何言ってんの? 軍曹」
ドールトン救出のため、部屋を出ようとする俺を、リオンが押しとどめた。


   第六話 【 28 Times Later 後編 part-2 】



「バラン司令もアンドレアヌフス中佐も失った今、あなたはこの基地の指揮官です。
 頭脳が銃を持って、戦うべきではありません」
「なにお! ……どこで見つけた?」
俺はリオンにつかみかかると、トリューニヒトに聞こえないように、小さく耳元で囁いた。

「この先の倉庫の中で……なぜ分かったんです」
「簡単だ。お前が過去形で話したからだ。 死因は?」
「恐らくサイオキシン系の中毒。 死後約六時間。 ……なるほどね。次からは気をつけます」
「だが断る!」
苦笑を浮かべるリオンを、俺は手荒く突き飛ばした。

「俺はすでに自分の判断ミスで二人の部下を失った。 これ以上、誰も失いたくない。
 それにあのお子ちゃまには、俺が必ず迎えに行くと約束した」
「それなら中尉。あなたは引き上げますか」
「だが断る」
「はっ?」
「中尉?」
「私も…私も行きます。本分を尽くします」
立ち上がったそ顔には、先程の頭を抱えて震えていた姿とはまったく違う、固い意思が現れていた。 
ぬう……覚醒フラグだったのか?


「ドールトンの居る部屋は、そこから反対方向の通路を入って、一階下に降りた所だ」
ムライが知らせてくる。
「了解。そっちの様子は?」
「現在の生存者、約50名。近場の所員達は曹長の指揮下で俺の部下達が捜索している」
「たったそれだけか……助かる。くれぐれも無理させないでくれ」
「……なあグエン。あれは…あの異形のモノはなんだ」
「詳しく説明している暇はないが……簡単に言えば植物だ」
「植物!? あれが植物?いったいどうゆう」
「時間がない。行くぞ!」
なおも問いかけてくるムライの言葉を無視して、俺をは駆け出した。

  ー AHAHAHAHAHAHAHFA
    ぐえうえぅばばばああああ
    ああありえええったあああ

体に付いた赤い実を揺らしながら、バケモノどもが襲ってくる。

俺はショットガンで吹き飛ばしながら。
トリューニヒトは、レーザーガンを乱射しながら。
リオンは戦斧を打ち振るいながら。
俺達は全力で進んだ。
やがて広場のように、少し開けて空間に出る。

「グエン。その目の前の扉がそうだ」
ムライの声がインカムから響く。 もう少しだ。 だがー

「ひひゅう……」
突然、トリューニヒトが立ち止まり息を呑む。
「どうした中尉」
訊ねる俺に、彼は震える手でそっと上を指し示した。

「!?」
その指先をたどって、今度は俺とリオンが息を呑む。
その指の先。視線の先にいるモノ……異形のさらに異様なモノ

最初に目に入ったのは「赤」
赤い花びら。「クリムゾン・ローズ(真紅の薔薇)」のような真っ赤な花びら。
その真ん中に不気味な明滅を繰り返す、赤いスフィア(球体) 赤い実。
その上にちょこんと乗った、ぼこぼこに腫れ上がった緑の顔。
赤暗く光る双眸。
腕が三本。花のまわりから生えている。
細長い足が二本。そのいずれにも鋭い爪が光っている。
それにあれは尻尾……?

 ー ジュルズジュルズルル……
まるで蔦が絡まってできたかのような、その緑の体から嫌な音を立てて樹液のような黄色い体液が滴り落ちる。
そんな巨大なバケモノが天井に張り付きながら、こちらを睨んでいた。

ぬう。
こいつがいわゆるラスボス? タイ〇ント? G変〇体か? いや、いっそビオ〇ンテ……
「あれはドールトン博士……」
「なにぃ」
トリューニヒトのつぶやきに、俺は思わず声を荒げてしまった。

「ほんのわずかな面影しか残ってませんが、あれは主任研究者の、ウィリアム・ドールトン博士です」
「なんてこった……」
「何があったか分かりませんが、完全にバケモノ化してますね……来ますよ」

 - グガアラバグララヴァヴァ!

リオンの言葉通り、ドールトン体は激しく一声吼えると、いきなりジャンプしてきた。
20メートル近くの距離を、いっきに飛んでくる。
地響きを上げて着地。
俺はすかさずモスバーグを連射する。 きかねぇ!
確実にドールトン体( めんどくさいから、以降「D」体ね )には、着弾してるのに全く効果がない。
D体は、その巨大な尾を振り回すとベンチや木々をなぎ倒す。
俺はトリューニヒトを覆いかぶさるように突き飛ばすと、かろうじてその攻撃を避けた。

「少佐。中尉。ここは私に任せて行ってください」
戦斧を振り回しながら、リオンが叫んだ。
「しかし軍曹」
「分かった。リオン。後は頼んだ」
「少佐?」
俺は尚も何かを言いたげなトリューニヒトの手を引っ張ると、そのまま扉に突進する。
走りこみながら『閉』スイッチを押し込んだ。
間一髪。追いかけてきたD体より先に扉が閉まった。

 ゴズっ
扉が歪む。きっとD体が勢いのまま扉にぶつかったのだろう。 クワバラクワバラ。

「軍曹を見殺しにするんですか」
トリューニヒトが喰ってかかってくる。
「大丈夫。彼なら大丈夫だ」
「なぜそんな事が言い切れるのです。あなたはいったいっ」
「リオンなら大丈夫と言ったろ? 逆に俺達がいるとかえって足手まといだ」
「…………」
納得いってないなぁ。 これも仕方ない。 
だって前世の記憶の知識で、彼は、こんな所で死にはしないのサ。  とは言えんもんね……

  ****

「ドールトン。無事か!?」
ほどなくして、俺達はドールトンの部屋に到着した。
まずは部屋の前にたむろするバケモノどもを掃射する。
完全に虚をつかれたバケモノどもは、あっという間に蹴散らかされた。

「ドールトン。俺だ。グエンだ。 オールクリア。 ここを開けてくれ」
何回かの呼びかけの後。 扉が開けられる。 最初は恐々。 小さく、ゆっくりと。

「遅い!」
「ぐぎゃあああ!」
脱兎の如く飛びついてきたドールトンが、いきなり俺の肩に噛みついた。

「もう、レディをいつまで待たせるの?」
「はいはい。ごめんごめん」
俺はそっとドールトンの髪をなでてやった。 もちろん、その涙には気付かぬふりで。
うんうん。なんだかんだ言っても女の子。 恐かったんだねぇ。

「で、少佐。これからどうするんです」
トリューニヒトが訊ねてくる。 
「先の通路は爆発と火災で塞がっています。来た道は扉がもう開かない」
「閉じ込められたの?」
ドールトンが不安な声を上げる。

「大丈夫」
俺はドールトンを床に降ろし、視線を同じにすると、にっこり微笑んだ。
「グエンくん、笑顔が恐い」
「ほっとけ! さぁ、お嬢ちゃん。 約束を果たしにきたよ」
「はぇ?」
「昨日約束したろ。今から『ゴラスの冒険』の始まりだ」


  ****


「グエンくん。その格好なに?」
「はあ?」
俺は自分の体を改める。

頭には、オリーブドラブのバンダナ。
左目には、黒いアイパッチ。
ハスにくわえた煙草。
そして全身ぴっちりの、黒いラバースーツ。

「ふっ……これが配管に入る時の正装なのだお」
「グエンくん。頭は大丈夫?」
「はっ? もちろん大丈夫さ。頭に怪我はない。ああ、それから」
「ん?」
「これから俺のことは『蛇』 ー と、呼んでくれ」
「蛇……」
ドールトンもトリューニヒトも、何故か生暖かい眼差しで俺を見、微笑んでいた。


「だめ。こっちも塞がってる」
「落ち着け、ドールトン。 遠回りでもいい。確実に進め」
配管の中を徘徊しながら、俺達は進んでいた。
ドールトンを先頭に、さして広くもないパイプの中を進んで行く。

『ゴラスの冒険』
それはつまりこうやって、配管やダクトを使い、正規の通路とは違う『道』で目的地へと向う -という遊びだった。
孤独だったドールトンには、格好のお遊びだったのだろう。
彼女はほとんどのルートを熟知していた。

「しょうがないわ……一度、メインラボに出て、それから別のダクトで上を目指しましょう」
「分かった。案内してくれ」
「うん。でもグエンくん」
「違う。蛇! だ」
「……はいはい。蛇さん」
「うむ。 なんだ」
「スカートの中、覗かないでよ」
「誰が覗くかあああああああああああ!」

俺とドールトンの会話に、トリューニヒトがクスクスと笑う。
ドールトンもトリューニヒトも、ようやく笑えた。
うん。ふたりとも力が抜けて、良い感じになった。

「さあ、着いたわよ。この下がメインラボ」
「ちょっと代わってくれ」
ドールトンの脇をなんとかすり抜け、俺は眼下の部屋を見下ろす。
そこだけは特別電源なのか、煌々と点いた灯りが、室内を真白に照らし出していた。

「大丈夫そうだな。まず、私が行く」
「蛇さん、気をつけてね」
「おうよ」
俺はワザと軽く返事をすると飛び降りた。
態勢を整えるとすぐにダンボールをかぶり、周りを警戒する。

「やっぱり、イタイ……」
どこかを怪我したのか、そんなドールトンの呟きが聞こえてくる。

 よし、クリア。

「安全確認。ドールトン、降りてこぎぃやああああっ!」

 ボスっゴバッ と。
飛び降りて来たドールトンが、ダンボールごと俺を踏み潰す。

「痛っったぁいーわぁぁ! ちょ、おまっ。なにすんのん?」
「だって床に落ちるより、軟らかそうだったから……」
「お前なあ!」
「じゃあ、私も」
「わっ。よせ、中尉! あああああっ。 ら、らめぇぇぇぇぇっぇえ!」


「ドールトン。次はどの配管だ」
「ええと…ちょうどこの部屋の反対側にある空調ダクトを通れば、メインフレームに出られるわ」
腰を摩りながら、涙目で問いかける俺に、ドールトンは何事もなかったかのように答える。

「よし、急ごう」
俺はドールトンを促すと、移動し始める。  

  がー

「なんだこれは……」 
トリューニヒトの足が止まった。

 「ママ……」
ドールトンのその一言が、俺を足をフリーズ(氷付け)にした。

  そこは一面の「アカイイロ」だった。

正面に大きな樹がある。
その樹はまるで、この部屋全体を包み込みかのように、その枝を何処までも張り巡らせていた。
そしてその枝になった、赤い実。
 赤い紅い。 
どこまでも純粋に赤く紅く輝く、無数の小さな実。

 AHAHAHAHAHAHAHHHH

その実はときおり、その体を震わせ、カン高い、不気味な笑い声を上げる。

 ゆさゆさゆさ -と
 ざわざわざわ -と

揺れながら、震えながら、不思議な笑い声をあげていた。

「ママ……」
もう一度、ドールトンが小さな声を上げた。
その巨樹の正面。
そのど真ん中に、白い仮面のような顔が俺達を睥睨するかのように、薄く目を開け、見下ろしていた。

「ママ…ママ……ママ!」
駆け出すドールトンを、俺はすんでの所で押し留めた。
「離して! 離して、グエンくん! ママっ。ママーーーァ!」
ドールトンは叫びながら、俺の手の中で力一杯、もがきまくる。

「中尉!」
「は、はい、少佐」
「間違いないか?」
「え?」
「あれは間違いなく、ドールトンの母親なのか!?」
「は、はい。あのバケモノと同じく、少し変わっていますが、間違いなくこの子の母親。
 アネット・ドールトン博士です」
「くっ……」
俺はその白い仮面を見上げる。
夫婦そろって、クリーチャーって、何だよ、それ……

「グエン。それは本物なのか…」
インカムからかすれた声が聞こえてくる。
「見えているのか」
「あ……ああ。CCDで。それは本物の映像なのか?」
戸惑ったように、ムライが訊ねてくる。
「間違いなく本物だ。CGでも、SRPでもない」
「……悪い夢を見ているようだ」
「夢なら良かったんだがな」


 【 アテンション・オール・ハンド。 アテンション・オール・ハンド 】

突然、館内に金属的な女性の声が響く。

 【 こちらは惑星ゴラス・ラボラトリーのマザー・コンピューターです。
   ウィルスの流失を確認しました。
   これより、レッドアラーム・コンディション・Lv1を発動。
   滅菌作業を段階的に開始します。
   当施設は30分後に完全滅菌。 消滅します。 
   全所員は、すみやかに退避してください。  繰り返します……】

 -バンッ
突然、部屋の灯りが切り替わった。
今までのLEDの白い無機質な灯りに代わり、薄暗いアーク灯のようなオレンジの、ねっとりとした灯りが部屋中に充満する。
無数のパトライトが回り出し、目を眩ませる。

「おい、ムライ!」
俺は思わず叫んでしまった。
「こちらでも聞こえた。 曹長、どうゆう事だ」
「わ、分かりません。勝手に起動してます。 勝手に動いてます」
「止められないのか?」
「止めるには、バラン大佐か、アンドレアヌフス中佐のIDカードが必要です」
「くぅ……」
「ムライ。今すぐこの基地から脱出しろ」
「グエン?」
「今すぐ、みんなを緊急ポッドに乗せて、この星から離れるんだ!」

「貴様はどうする」
「一基だけポットを残しておいてくれ。俺達はそれで脱出する」
「……了解した。 ポッドを一基残して、退避する」
「俺たちもすぐに行く。 頼んだぞ」
「分かった。おい、グエン」
「あん?」
「死ぬなよ」
俺は苦笑する。 
あの無骨な男が、どんな表情でこんなセリフを言ったのかと思うと、つい笑ってしまったのだ。

「ああ。もちろんだ。頼むぜ、相棒」
 大丈夫。リオンと同じサ。 俺はこんな所で死にはない。 死ぬハズがない。
 俺の墓標となるべきは、星空の大海原か、孫娘の膝の上と決めてるんだ。







Essere Continuato Un parte-3( part-3につづく )






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グ「なーんかもう、ぜんぜん『銀英伝」じゃないねい」
ム「まったくだ。 心躍る艦隊戦もなく。心震わせる人間ドラマもない」
グ「作者はこりわもー『夏の魔術』か『晴れた空から……』や、言うとる」
ム「田中芳樹ファンから、袋叩きにあうな。 その発言」
グ「でも本人は、もの凄く楽しんで書いてるそうだ」
ム「そう…なのか?」
グ「そのせいで、勢い余って、とうとうpart-3までイってしまったらしい」
ム「おいおいおい」
グ「だから今回はこんなトコで終わったらしい」
ム「愚かだな」
グ「まったくだ。 だからpart-2、と、3は、一挙公開らしい」
ム「ただ話しが長くなって、ひとつで公開する勇気がなかっただけだろ」
グ「キツイね、お前も。 まあその通りなんだけど」
ム「否定しなのか!」
グ「しようがしまいが、事実は変らん。 そんな訳で、この愚作を読んでくれた、みな様。
 物語は、paart-3に続きます」
ム「確かエピローグもあるのだな」
グ「その通り。 このしまりのない、だらだらと続く駄文を、みな様が読んでいただけたら、
  作者にとって、これほどの喜びはありません」
ム「どうやら本当に作者は『これほど書くのが楽しいと思った作品は久しぶり』だったみたいだな…」
グ「そんな訳で、まだまだ、グダグダな駄文が続きそうですが」
ム「作者に成り代わり、お願いしたい」

 
グ・ム「これに懲りず続けてのご贔屓、どうかよろしくお願いします」(礼!
 


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