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No.25391の一覧
[0] 【チラ裏からきました】 「銀トラ伝」 銀河英雄伝説・転生パチモノ[一陣の風](2013/09/22 13:53)
[1] 「第4次 イゼルローン攻略戦   前編」[一陣の風](2013/09/20 15:12)
[2] 「第4次 イゼルローン攻略戦  後編」[一陣の風](2013/09/20 19:02)
[3] 「 28 Times Later  前編 」[一陣の風](2013/09/20 15:27)
[4] 「 28 Times Later  中編」[一陣の風](2013/09/20 15:30)
[5] 「 28 Times Later 後編  part-1」[一陣の風](2014/07/21 23:09)
[6] 「 28 Times Later 後編 part-2」[一陣の風](2013/10/09 23:13)
[7] 「 28  Times Later 後編 part-3」[一陣の風](2013/09/20 18:02)
[8] 「 28  Times Later   エピローグ 」[一陣の風](2013/09/20 16:52)
[9] 「 The only Neat Thing to do 」  前編[一陣の風](2014/07/21 23:47)
[10] 「 The only Neat Thing to do 」  中編[一陣の風](2014/07/21 23:52)
[11] 「 The only Neat Thing to do 」  後編[一陣の風](2012/04/29 11:39)
[12] 「The only Neat Thing to do 」 エピローグ[一陣の風](2012/04/29 13:06)
[13] 「銀河マーチ」 前編[一陣の風](2013/02/25 19:14)
[14] 「銀河マーチ」 中編[一陣の風](2013/03/20 00:49)
[15] 「銀河マーチ」 後編[一陣の風](2013/09/06 00:10)
[16] 「銀河マーチ」 エピローグ[一陣の風](2013/10/18 22:31)
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[25391] 「第4次 イゼルローン攻略戦   前編」
Name: 一陣の風◆fc1b2615 ID:8350b1a5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/09/20 15:12
無限に輝く大宇宙。
その満天の星々の中に、ひと際煌めく銀色の星があった。
イゼルローン要塞である。



  第一話 【第4次 イゼルローン攻略戦   前編 】

イゼルローン要塞。
恒星アルテナの周囲を公転する、帝国の軍事拠点。
直径60kmの人工天体で、表面を耐ビーム用鏡面処理を施した超硬度鋼と結晶繊維とスーパーセラミックの四重複合装甲で覆っている。
(アニメ版では液体金属で覆われていた)

2万隻の艦船が収容可能で、400隻を同時に修復可能な整備ドック。
一時間で7500本のレーザー核融合ミサイルが生産可能な兵器廠、7万tもの穀物貯蔵庫。
20万床のベッドを持つ病院の他に、学校、映画館、民間人の居住施設も存在し、500万人の人口を有する巨大都市。

「雷神の鎚」(トゥールハンマー)と呼ばれるその要塞砲は、9億2400万メガワットの出力を持ち、一撃で数千隻の艦船を消滅させることも可能だ。

「イゼルローン回廊は叛徒どもの死屍によって舗装された」
と、帝国の誰かが言ったとか言わなかったとか……


その星をみながら、俺は唖然としていた。

だって第4次だよ。第4次。
そも「4次」ってなにサ。 「4次」って(大切なことなので、二回言いました)
いや、通算四回目ってコトは分かるよ。 分かる。
俺そんなにバカじゃないもの。
だからこそ、30前で大尉に昇進し、この艦隊の作戦参謀として参加できてるんだもの。

でもね。でもね。
問題はその、第「4」次なのよっ。
だって俺の原作知識じゃ、イゼルローン攻略戦は、第5次からなのよ。
あのシトレ提督の並行追撃の奴。

当然、第5次があれば、その前に第1次から第4次にかけての戦いがあったハズなのだが……
書かれていない!
アニメ版でも見た記憶がない!
どんな戦力で戦い、どんな戦闘が繰り広げられたのか。
まるで分からない。
そんな、まったく見知らぬ戦闘に、俺は参加する事になったのだ。

うう……とりあえず俺はこれまでの(つか、こちらの世界で起こった)対イゼルローン戦を思い起こしてみる。


まずは、第1次攻略戦。
これは767年。 イゼルローンが完成した年に起こった。
要塞建造という事実を軽視していた軍の上層部が、その完成にあわてて艦隊を送り込んだ結果、生起した戦い。
この時は半場「偵察」目的の「おっとり刀」で出動したため、ほとんど戦闘らしい戦闘は起こらず、艦隊は撤退。
損害もなければ、戦果もない。 なんとも煮え切らない戦いだった。
思えばこの時。全力でもって攻略していれば、まだその運用になれていないイゼルローンを攻略できたかもしれんのに……

んで、第2次攻略戦。
1年後の768年。二個艦隊、約30.000隻で行なわれたこの戦いは、無用心に接近した同盟艦隊をトゥールハンマーが吹き飛ばし、
同盟はその総戦力の三分の一を失って退却。 その恐ろしさを初めて見せ付けた戦いだった。

次。第3次攻略戦。
772年。 士官学校を卒業したての俺が初めて参加した戦い。
戦艦「ヴァガ・ロンガ」に最年少士官の一人として乗艦した俺は、いち砲術士官として砲塔の中からその禍禍しく輝く銀色の球体を見た。
(もちろん、スクリーン越しであるが)
最初の感想は「美しい」だった。
光り輝く星々の中に、ひと際輝く銀の星。銀鈴のように美しき人工の星。
俺は見せられたように、イゼルローンを凝視していた。

いずれ俺が帰る場所。
いずれ俺の墓標となる場所。

攻略戦そのものは、帝国艦隊の阻止と、やはりトゥールハンマーの攻撃により、少なくない損害を受けて撤退。
俺はなすすべなく、その様を呆然と砲塔の中から見送っていた。



そして今。 第4次攻略戦。
782年。 イゼルローン攻略戦が10年ぶりに発令された。
理由?
そんなのは簡単だ。 来年、総選挙が行なわれるからに他ならない。
戦果を上げ、人気をUPさせた上で選挙に臨みたい。 そういう政治家達の意識が丸見えで。
戦果を上げ、そんな政治家達に恩を売っておきたい。 そういう上層部の思惑がモロ見えで。
そんな「不健康」な理由が、この戦いの鐘を鳴らしたのだ。



「以上が我が軍の戦略の基本であり、これにより我が艦隊は同盟軍戦列の中央部分を担当することになった」
参謀長が、やや青ざめた顔で説明する。
そりゃそうだろう。 
鶴翼の陣で進んでゆく艦隊の中央。 ド真ん中。
それはつまり一番トゥールハンマーで打ちのめされる可能性が高い場所。
そうでなくても敵艦隊の砲撃を受けやすい位置だってのに……

「今回の作戦においては、いかに敵艦隊と要塞との連携を崩すかが命題である」
今度は我が分遣艦隊司令官が話しだす。
「いかにしてその命題を果たすか。各作戦参謀は明朝0900時までに、その作戦案を提出し給え。
 まずは艦隊を葬り、その後、要塞への攻略へと移行する。なによりも迅速な行動が要求される。 各自、最大限にその義務を果たすよう」
分遣艦隊司令官は、重々しく、そうのたまった。



「どうした作戦参謀殿。頭など抱えて」
俺が士官食堂で夕食のカレー(今日は金曜日であるが故に)を前に、文字通り頭を抱えていると、ひとりの男が声をかけてきた。

ムライ大尉。
この艦隊の後方参謀。補給や主計を取り仕切る会計屋。
ある意味、作戦参謀の俺より偉い男(補給や休養なしで戦えると思う程、俺は頭が良くない)
そして俺の士官学校での同期生。

  蜘蛛の糸

数少ない、俺のこの世界でのアドバンテージ。
いずれヤン艦隊の参謀長として共に戦う男。

「今度の相手はイゼルローンだからな。 いつものように無茶な突撃をされたら命がいくらあっても足りん」
「…………」
「じっくり考えて、最善の作戦を立ててくれ」
言うだけ言うと、ムライを踵を返して去って行く。

分かってる。分かってる。
これは奴の精一杯の励ましなのだと。
戦果を上げるコトよりも、無駄な犠牲は出さないようにしろ。 -と、そう言っているのだ。
それならば、案のひとつでも出してくれりゃあ良いのに。 けれど。

-作戦は作戦参謀が考えるもの
 後方参謀の私は、補給を確実に滞りなく行なうことが職務である

どうせそう言ってはぐらかされるのがオチだ。
けれどそれは職務放棄や、投げやりな態度とかではない。
ムライは本気でそう思っているのだ。 それが規律というものだ-と。
相変わらず、固い奴だ。
いわゆるテッパン?
ある意味、信頼?
もしくはツンデレ?(キモっ)

まさにMr.「秩序」である。
しょうがないので俺は深夜までかかって、前世の記憶から引っ張り出した「妙案」(それらしい思いつき)のひとつを書き出し提出した。



翌日。
俺の提出した作戦案を分遣隊司令官は、眉間に皺を寄せながら読んでいた。
彼の名は、ウィリアム・パストーレ。
そう。史実「銀英伝」において、アスターテの会戦において金髪さんに撃破され、いの一番に物語から退場させられた悲運の提督。
一部では「無能」扱いされる悲しき人物。

けれど俺の見る限り、そんなに無能な人じゃないんだよなぁ、この人。
確かに頭が固く、融通が利かない(岩礁空域で野戦陣地を構築。 くらいの柔軟さはあれば良いのに)点はあるが、艦隊運動や攻勢&防御。そのどれをとっても、他の提督達に劣るところはない。

けれど、彼は「運が悪い」
これ結構、大切なことだよね。
一軍の将というのは、知力も胆力も必要だけど、なによりも「運」が必要だ。

昔、日露戦争の折に、東郷平八郎を連合艦隊司令長官に任命した時の理由が
「運の良い奴だから」ってのは有名な話だ。

その点、この人はイマイチ運が良くない。
戦闘直前に乗艦が故障したり、補給が(本人のせいではないのに)滞って戦闘に参加できなかったり。
思わぬ場所で思わぬ敵に遭遇して、大騒ぎになってしまったり。
その最たるものが、アスターテで、一番最初に金髪さんに出合ってしまうことなんだろうけど……


「小艦隊をいくつも作って、敵陣をすり抜けて行く。 だと?」
「はい。陸戦で言うところの『浸透戦術』であります。 そうしてすり抜けた艦隊を敵の後方で集め、これにより敵の背後から一気に攻勢をかけ壊滅に落としいれる。 と、いうのがこの作戦案の骨子です」
「しかしそれでは、すり抜ける段階で敵に包囲、殲滅されてしまうではないか」
「はい。確かに。 ですからそのためには、他艦隊からの陽動、もしくは牽制が必要不可欠です」
「……ぬう。 面白い意見だが……君はどう思うかね」
パストーレは傍らに立つ、参謀長に訊ねた。
「確かに面白い意見ではありますが……一種の奇策にすぎないと思います」

 -お前が言うなああああああああああああああああああ!

俺は思わず参謀長にツッコみを入れそうになった。

「うむ。正攻法で行こう。 グエン参謀の意見は遺憾ながら却下だ」
へーへー。そうでしょうよ。 仕方ないっスね。
あんたは南雲さんか。
確かに陸用爆弾で空母は沈められまへんがナ。
でもね、俺は知ってるんですよ。 今回の作戦も失敗するってことを。
だって彼の要塞は今から13年後。
ヤン・ウェンリーによって初めて陥とされるものなのだから。

なぜか熱心に俺の作戦案をガン見している参謀長には構わず、俺はパストーレ提督に敬礼すると、司令室を辞去した。


  ****


「ファイヤー!」

無数の光の矢が放たれる。
第4次イゼルローン攻略戦が始った。
俺はその様をただじっと見ているだけだった。

この時、我がパストーレ分遣隊は、やっぱり同盟軍艦隊のド真ん中のド真ん中に位置していた。
幾多の爆光が宇宙を照らす。
不幸な何隻かの船がその光の中で生涯を終える。
もちろん、その内に抱え込む人々と共に。

「よし。ゆっくりと前進だ」
命令通り。予定通り。艦隊はゆっくりと前進する。
帝国艦隊は、それに合わせてゆっくりと後退して行く。
もう「ミエミエ」にトゥールハンマーの射程内にこちらを誘い込もうとしている行動だった。

「停止。後退」
その手は喰わん!
とばかりに、今度はこちらが後ろに下がる。 そうすると帝国軍もノコノコとついて来て……
そんな一進一退の攻防(良い言い方だなぁ)が三日間続き、もう誰もがこの状況に飽きてきた頃。
それは起こった。


「敵が突撃してきます!」
オペレーターの声に驚くヒマもあればこそ。
いきなり我が艦隊の目の前に布陣していた帝国艦隊の一部が、猛然と突進してきたのだ。

 -またいつもの調子の前進と後退サ

と、思っていた同盟艦隊は完全に虚をつかれた。
これまでに倍する爆光が宇宙を照らす。
熱狂的なその突撃は、散々に我々を食い荒らしていく。
その様はまるでアメーバの触手のように広がって……
「うむ。敵ながら見事な艦隊運用である」
参謀長が感嘆の声を上げた。

死ねボケぇ! ヘソ噛んで死ね! その台詞は10年早い!!

「司令。これは敵の組織だっての反攻ではありません。 あわてる必要はありません」
「グエン参謀?」
「それが証拠に、他の帝国艦隊は動いていません。 連動していません。 これはなんらかのアクシデントです」
なぜかボケっと惚ける参謀長に代わって、俺は咄嗟に声を上げた。
俺は最初、金髪さんか双壁さんが来たのかと思ったんだよね。
でもこの時代。 まだこの三人は戦場には出てきてないんだよね。
だからなんらかの思惑からの組織的攻撃。 ってセンはなさそうだなと。

「なるほど。参謀の言う通りだ。単に中央の一部が突出してきただけだな」
一瞬にして冷静さを取り戻したパストーレ提督は、すぐさま両翼の艦隊を前進させると、半包囲態勢へと陣形を移動させた。
うん。この辺は流石だ。
だてに艦隊指揮官をやってるわけじゃない。

後で分かったことだが、この帝国軍の突出攻撃はやっぱり計画的なものではなかったそうだ。
そのあまりにダラダラ続く戦況に、一部の青年貴族達が苛立ち、暴発したものらしい。
おかげで戦況は動いたものの、その青年貴族達も代償をたっぷりと払うことになった。
そう。
「死」という名の代償を。


「敵艦隊、後退して行きます」
10時間前とは正反対の声色でオペレーターが叫ぶ。
無謀に突出してきた帝国艦隊は、半包囲網をひいた我が艦隊からしたたか打ち据えられ、その過半数を失って後退して行く。

「長官!」「よしっ」
この時ばかりは阿吽の呼吸でパストーレと参謀長の声が重なる。
「全艦全速。敵を追撃せよ!」
押せば引け。引けば押せ。 まさに正攻法。
俺達の艦隊は今度は逆に、突出し、敵艦隊の真っ只中へと突進して行く。
だが-
やはりこの時代にも、目の見える敵はいた。
突然。目の前に銀色に輝く銀鈴の星が現れた。
いつの間にか俺達は引き込まれていたのだ。

「イゼルローンとの距離は!?」
そう叫ぶ俺の声は恐らく震えていただろう。
けど、気にしない。
「ト、トゥールハンマーの射程内です!」
「全速後退!」
そう叫んだオペレーターと、艦隊司令官の声も、完全に震え裏返っていたからだ。

急激なGが体を揺する。
できうる限りのパワーで、艦が後退をし始めた。
けれど。 

もう遅すぎた。

「要塞の表面に高出力反応。 来ます!」

 -チカリっ
イゼルローンが光った。



  爆発した。







  ウワー!ウワー!死ヌヨ 死ンジャウヨォ コリャドンナ死亡フラグ?




                  -つづく かな?かな?(鹿馬)







  *****

おもっくそ私信。

その①
-もしも友と呼べるなら
 許して欲しい過ちを
 いつか償うときもある
 今日とゆう日はもうないがぁ~♪

二つ名「ブルーゲイル」様。
こんなん書いてます。 いかがでしょうか?(鹿馬)


その②
まだ二本目なのにタイトル「銀虎伝」に変えてもいいスかね? みな様。





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