「『闇の魔法』の情報が早くも漏れた。幸い管理局内の噂でとどまっているが」
「どうせ全員に公開する予定だったので、かまわんです」
「悪い奴に知られたらどうする」
「その辺は偉い方々に考えていただいて」
「丸投げか」
クロノの報告はどうでもよかった。
「で、今は何をしているんだ?」
「『闇の魔法』の使い手育成プログラム、オリーシュブートキャンプのBGM作成中。出来たら音を動画に合わせるだけ」
「本気か」
「止めたいのなら止めればいい」
「無駄だというのは分かってる」
「俺を止めた場合、ミッドにいるシュテルが公開する手はずに」
「だったら最後まできちんとやってもらった方がいい」
カチカチとDTMソフトでいじった音を合わせて完成。ディアーチェのデバイスのエルシニアクロイツからクロノのデバイスにデータ転送。
「彼女たちのデバイスはどうなっているんだ」
「体の一部みたいなもんで詳しくは分からんと」
クロノにオリーシュブートキャンプ取説を渡す。中身をぱらぱら見ているクロノにこれからのことを説明しとく。
「まあ、知ってのとおり今後もポケモン探しするわけですが」
「だろうな。しかしこのプログラム、ちゃんと理解している人間が監督しないと酷いことになりそうだが」
「承知している。特別講師にこの御方。格闘チャンピオンのMr.カービィさん。星野君の兄です」
前回管理局に行ったときに返してもらったファイターカービィを紹介。チャンピオンベルトを掲げるMr.カービィ。
「確かに彼らの能力は凄いが、馬鹿にしているのか」
「いやいや、コンディションのムラは酷くて瓦一枚割れないときもありますが、普段は地割れを起こし、絶好調の時は星を真っ二つに」
「冗談だよな」
「わりとマジ」
「そうか、怒らせないようにできるといいんだが」
「真面目にトレーニングすれば怒らないと」
「それは僥倖」
「体の動きの間違いをぷにぷに押して教えてくれます」
「ぷに……。まあいいか。シュテルとレヴィは? ミッドで情報公開の準備か?」
「いんや。レヴィが知り合いのところに遊びに行きたいといったので、シュテルは付き添い」
「そうか、じゃあいうべきことも言ったし、早急に上に見せるべき物ももらった。帰ることにするよ」
「おいおい、まだ俺のターンは終わっちゃいないぜ? ターンエンドだ」
「……じゃ、また」
そう言ってクロノは帰って行った。
「そいや、シュテルの知り合いって誰だろ」
「ティアっち、と言っていたな」
「ティアナかも」
「まあ、あるかもしれぬな」
そのあとはブートキャンプNG曲をみんなに披露した。
カービィの曲をアレンジしたMr.カービィのテーマが好評だった。
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Mr.カービィとMr.サタンの共通武勇伝
・強大な敵を倒すため、自爆をしようとした。
・凄い敵だった奴と友達に。
・宇宙の命運を決める戦いに参加。
・そんな戦いから生還。
・時々、仲間に戦わせて自分は高みの見物。
・マイクを持たせるとすごい。
・もちろん自分の暮らす星を救ったことがある。
・「おおーっと、あとわずかで全部割れたのに! これは惜しい! だがすごい記録です!」
や、Mr.サタン最近「改」で活躍してるって聞いたもんだから。
結構うろ覚えだけど。まだほかにあったっけ?