№1「不死者の女王」
「何者だ貴様!何をしに私の前に来た!」
捲くし立てる美女、殺気を滾らせ、こちらを敵視している。
「いきなり警告もなしに攻撃してきたのはそちらでしょう、それなのに貴女の質問に答えるとでも?」
不死者の気配は嫌いだ、空気が悪くなる、
そうそうに立ち去るか、消えて頂こう。
「御託はいいの、選べ、不死者よ、
このまま此処から消えるか、それとも消されるか」
好きな方を選ばせてあげる。」
さあ、どう出る?
「クッ…ククク」
?? 俯いてプルプル震えているぞ、大丈夫か?
「アッーハハハハハハハハ!!」
「この私を知らんのか!?「闇の福音」、「人形使い」、「不死の魔法使い」、「悪しき音信」、「禍音の使徒」
様々な異名を持ち恐れられている、このエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの名を!」
「エヴァンジェリン…」
…知ってる、知っていますとも!
生前読んでいた週刊誌に連載していて「魔法先生ネギま!」に出てくる齢10才にして真祖の吸血鬼され
原作開始時には約600歳のロリババア。
やべ、また変な世界に来ちまったよ…
しかも来て早々原作キャラに喧嘩売るってどうなの、
最悪顔を見られていないから何とかなるかも…なってくださいお願いします。
「どうした?私の名を聞いて今更恐れをなしたか?」
「……」
「もう遅いわ!愚か者め!この私に啖呵を切った事、後悔するがいい!」
「…ええ非常に後悔しているわ、現在進行形でね」
……まあちょっとだけ相手して、そのうち有耶無耶にして逃げよう!
少しの魔法程度では死にはしないだろう、不老不死だし。
「出なさい、」
左手持ちの杖、ユニコーンの角より錬成し高位の魔力を有する杖、“聖杖ユニコーンズ・ホーン”
何時の間にとか、どこで手に入れたと聞かれたら、ブラムス城で、としか言えないが、
杖を翳すと、私の足元から魔方陣が放射状に広がる、大呪文ほどの規模ではないが、かなりの大きさの召喚魔方陣を発動、
その中から、瘴気を纏とう一体の不死者を召喚する。
「ドラゴンウォーリア。」
「グルル…グゥオオオオオオオオオオオオオ!!!」
絶え間ない咆哮は相手を威圧する為のものか、戦いに参列することの、抑えきれない高揚感を表現しているのか、正直どうでもいい。
「任せたわ。」
前衛として要求しておいてなんだが、共闘は無理だ、臭いがキツイ。
もう本当に、生理的に、無理。
なので戦闘はコイツ一体に任せる事にした。
所謂消耗品、限界まで使ったあとでキレイに浄化してやるよ、憑依でもされると私が嫌だからな。
「なっ!?ドラゴンの戦士だと?なんだそれは!」
「答えないと言ったはずよね?」
「…ならば、その口、引き裂いてでも吐いてもらう!」
「それってしゃべれるの?」
「…行くぞ、チャチャゼロ!」
「オウヨ、ヒサビサニ キリゴタエノアルテキダナ。」
…スルーしやがった。
「行って。」
「グウォオオオオオオオオオ!」
チャチャゼロとドラゴンウォーリアが切り結ぶ、
力ではドラゴンウォーリアが押しているが、
空を舞い、力任せの剣戟を巧みに受け流す技術は長い年月の上に培われた匠の技巧か…
まともに当たる気がしないな。
これは互角なのか?それじゃあ私が動かないといけないな…
「余所見とは随分余裕じゃないか!」
「むっ、」
「魔法の射手、氷の999矢!!」
「ほいっとな、」
空を飛び、矢をかわそうとするが、縦横無尽に次から次へと殺到して来てきりがない。
「…バーンストーム。」
暫く避け続け、隙を見て大きく後退、迫り来る氷の矢を火で打ち消す、但し単なる火というレベルの火力ではないが、
この魔法は火を収縮させ一気に爆発させる。
言うが易いが極限まで凝縮された炎は周囲の酸素を貪り喰い、辺り一帯を火の海に変えるほどの威力だ。
「まだやるのかしら?」
「……中々やるじゃないか、無詠唱でこの威力…恐れ入ったよ。」
「そうかしら。」
比較対象があの天才だけだったので、事ある毎に罵られた物だ、
やれ術の構成が甘いだの、魔力が多すぎるだの、貴女は無駄ばかりですねフッとか鼻で笑われたり!
ここぞとばかりに攻め立てて、仕舞いにはよくがんばりましたねとか褒めながら、
カスが凡人レベルにはなりましたよ。とか、
古人は褒めて、二度殺すってやつを自分自身が味わうとは思わなかったよ…
まあそんな事はどうでもいい。今は、
「それで、まだやる?」
「当たり前だ、ここまで虚仮にされて引き下がると思うなよ?」
「そう、」
チラッと従者同士の対決を把握する
互いに致命傷は避けているようだが耐久力が違う、少しずつチャチャゼロが押されている。
…押されているのだが、すんごい楽しそうだ、笑いながら刃を振るう人形はホラーを越えてシュールだな、
なんかコッチも貰い笑いしてしまう。
エヴァも気になるのだろう、様子を伺っている。
この世界が何時如何なる時かはわからんが、
幻術を使って大人に化けているのだから、ナギには会っているかもしれないが、学園結界にはまだ囚われていないようだ
そうなればチャチャゼロは唯一の家族だ、壊れたら直せると言っても傷つくのは見たくないはず、身内に甘いエヴァなら尚更か、
って魔力反の―
「氷爆!!」
「おお?」
咄嗟に回避するも氷の礫が頬を掠る、
エヴァはそのまま氷の粉塵の中から、相転移魔力剣“断罪の剣”を展開し高速でこちらに接敵、
私の眼前にまで迫るがこのエヴァの魔力反応は極めて希薄、という事は幻術か…本物は…
「後ろ」
「!?…フッ!」
ガキィンと右手に持つ“魔剣グラム”と断罪の剣が接触、剣同士が激しく振動するが、そこまで。剣が壊れるなどの変化はない。
「馬鹿な!受け止めただと!?」
「……」
そりゃ天下のオリハルコン製魔剣ですからね、刃こぼれもせんよ。
これを作るのにどれだけのアイテム達がMP変換の犠牲になったか、…殆ど折れた槍だが、
たとえ何でもかんでも切り裂く相転移剣でも、耐え切るさ。
「ちいっ」
「…」
後退し警戒しているのか、ジリジリと間合いを計りながら俺の周囲を旋回する。
「来ないの?来ないならもう―」
一周ほど回り終わった後、私の発言に被せるよう、
「チャチャゼロ!戻って来い!」
「イマイイトコナンダヨ、ジャマスンナゴシュジン」
「いいから来い!」
従者を呼び戻した、仕切りなおしをする心算か?そのままドラゴンウォーリアを突っ込ませてもいいけど…
「…戻りなさい。」
「グルゥゥ」
「「……」」
さて最初と同じ配置だが、状況はこちらが有利かね、
主同士の戦いは五分、両者消耗はなし。
問題は従者達か、比べるまでもなく、ダメージはあちらの方が甚大だ、
吹き飛ばされた所為か、服はボロボロ、四肢には無残にも切り傷があちこちに附随している。
こちらの従者“も”…
「キュアプラムス」
淡い金色の燐光が我が従者を包む、使い捨てのつもりだが、同時に粗末にするつもりもない。
そして全ての傷を癒す優しい光は収束し、完治したドラゴンウォーリアが姿を現す。
「グゥオオオオオオオオオオオ!!!」
「ジョウダンダロ?」
「まさか…完全治癒魔法だと!?」
「さてと、仏の顔も三度まで…もう一度聞くわね?」
「まだやる?」
こちらは余裕だ、と言う意味も込めて笑顔を作る。
失礼、こちら“は”消耗無しだ。
あとがき
折れた槍複製×17!
上級配列変換!折れた槍は閃槍クリムゾン・エッジに!!
閃槍クリムゾン・エッジのMP変換は6050!
6050×17=102850!!
MP100000使ってオリハルコンを生成
さらに上級配列変換!!魔剣グラム完成!!
そしてエヴァですが約100年前にも来日し、体術を修得したとの本人談あり。
とありますので、エヴァは度々、旅をしていた。と判断しての遭遇ですが、
これもオリジナル設定です。