このたびは本作「東方霊童記」を読んでいただき、本当にありがとうございます。
　東方の二次創作を書くのは本作が初めてですが、中編としてとりあえず終わらせることができてホッとしております。

　本作のテーマはズバリ「男の子だって弾幕ごっこしていいじゃん」です。東方系のssを読んでいると、男主人公が弾幕ごっこをやって「俺tueeee乙」やら「遊びで本気になって（笑）」やらと感想欄で叩かれているのをよく見かけます。実際、「弾幕ごっこは女の子の遊び」というのは東方の公式設定なのですが、そんな世間の風潮（？）に敢えて逆らい、男の子の主人公が弾幕ごっこで異変を解決する話を書きたいと思ったのがきっかけで、このssは生まれました。
　もう一つ。このssは新しい描写表現を開拓するための実験作でもあります。私の前作、そして（目下更新停止中の）前々作を読み返してみると、どうも展開が冗長であるように感じられました。前作は完結までに予定の二倍以上もの話数がかかりましたし、前々作については言わぬが華でしょう。そこで「疾走感のあるss」を目指して本作を執筆してみたのですが、今度は「展開が急ぎすぎ」とのお言葉が。むぅ、無念なり。

　以下は各話のコンセプト等の解説になります。



序幕「博麗童子」
　プロローグです。世界観の説明、主人公の紹介などの基本的な情報をまとめてみました。あと東方風の戦闘描写の練習も兼ねてます。

第二幕「異変」
　本格的に物語が動き出す話です。事件が発生し、主人公が旅立ちます。プロローグその２という感じでしょうか。

第三幕「悪魔の館」
　皆様からのコメントを見るに一番問題があった回です。展開早すぎ、パワーバランス崩壊、ついでに主人公最悪、等々……。心が折れそうです。
　ナイフを足場に云々の場面は、個人的にグレイズのつもりで書いていました。しかし指摘されて読み返してみると、肝心のグレイズについての説明を書き忘れている罠……。そりゃルール違反と叩かれるわなorz
　そのうち加筆修正するかもしれません。

第四幕「吸血姫」
　個人的に一番書きたかった話その１。丸々一話かけてフランドールとのラスボス戦です。おぜう？ 彼女はEXボスですよ。
　同時にこの話は、プロットと本編が一番乖離した回でもあります。本編中ではダブルマスパで決着でしたが、実はプロットの段階ではマスパで紅魔館の貯水槽（がある設定）を破壊してフランを弱点の流水責め→弱ったところにありったけの弾幕攻撃という流れでした。
　加筆修正分では新たに魔理沙の出番が増えていますが、これも魔理沙が紅魔館に精通→主人公に構造を教えていたという展開への伏線でした。無駄になりましたが。
　しかしあくまで遊びの弾幕ごっこでこれは流石に鬼畜すぎるだろうと自重して、最終的にダブルマスパという形で落ち着きました。
　他にもフォーオブアカインドをパク……参考にした分身攻撃などのネタもあったのですが、最終的に全部没。無念ナリ。

終幕「博麗の御子」
　書きたかった話その２。全ての謎が明らかに、みたいな話。このssで書きたかったテーマや作者が言いたいことは、作中で霊夢が全部代弁してくれてます。
　この話もプロットと本編で結末が違います。プロットではあくまで「俺達の戦いはこれからだ」エンド的なノリで終わらせる筈だったのですが、実際はご覧の通り。何でこうなった？
　ちなみに補足ですが、霊夢は別に作中の理由だけで主人公を後継者にした訳ではありません。主人公にはちゃんと資質があります。ただそれがたまたま男だったから、ついでにという感じで陰謀企ててみただけです。



　以上、全五話と短い話でしたが、最後までお付き合い頂いてありがとうございます。またどこかでお会いしましょう。