空はすっかり闇に包まれ、チラチラと星が輝き出した頃、魔法学院の寮の窓からは次々とランプらしき光が煌々と部屋の窓から漏れ出している。
そんな女子寮の一室で、ルイズは桃色の髪の毛を逆立てるような大きな声を出した。
「ツェルプストー!!!ヒトの使い魔に勝手にモノあげないでよ!!」
「あらぁ?別にあなたじゃなくてダーリンに買ってきてあげたのよ?なんでヴァリエールの許可がいるのかしら?ね、ダーリン♡」
そう言ってキュルケは部屋に積まれた藁の上に座っているサイトにしなだれかかった。
それを見たルイズの顔は真っ赤になったり青くなったり、時々白くもなったりと忙しい。
まるで床屋でくるくる回ってる「サインポール」の様だ。
サイトはそんなルイズなどそっちのけで、両手にそれぞれ持った二本の剣を交互に眺めてた。
サイトの左手には今日ルイズから買ってもらった剣、デルフリンガーが握られている。
そんな錆びてる剣の反対に、キラキラと光る剣が握られている。
金色に輝く剣の柄に、所々に宝石の装飾が施されており、いかにも高級そうな作りの剣だ。
「すごいでしょダーリン?その剣は何でもゲルマニアの有名な魔法使いシュぺー卿が作ったっていうスンゴイ品なの。そんなサビだらけの剣なんかより、私の剣を使ってよ」
「ってツェルプストー!!それ私たちが行った武器屋で売ってたモンじゃない!!アンタツケてたでしょ!?」
叫んだルイズの方に顔を向けながら、サイトにしなだれかかっていたキュルケはスッと立ちあがった。
勝ち誇った目でルイズを見ながら、キュルケは少し目を細めた。
「人聞きの悪いこと言わないでくれないかしらヴァリエール?それにぃ、使い魔に十分な武器も買えないようじゃ~ご主人失格じゃないかしら~?」
「あんですってぇぇぇ~!!!!?」
言い争うルイズとキュルケを尻目に、ベッドの上ではタバサは街で買ってきた本を読んでいる。
背表紙のタイトルには「四十路の恋 夏」と書かれており、ページの量からしてもう少しで終わりそうな雰囲気だ。
先程から剣を眺めていたサイトだが、しばらくするとキュルケの買ってきた剣を少し回しながら二人へ目を向けた。
「いやキュルケ...悪いけどこの剣偽物だぞ?模造刀じゃ流石に...」
「いいキュルケ!!使い魔の世話は私がするんだから!!あなたが口はさまないで頂戴!!」
「ああぁら別に口はさんだりしてる訳じゃないのぉ。ただ、あなたに虐められているサイトを見ると助けたくなるだけなのよぉ」
「いや助けるはいいけどだからこれ模造刀...見てよこれ。刃がついてないっつーの」
サイトは二人に向かって言うが、当の二人は言い争いに夢中らしい。
「大体ルイズゥ?あなた最近決闘の事があったからって調子に乗ってるんじゃないのぉ?別にアナタが凄いわけじゃないから。サイトが凄かったんだから」
「サイトサイトって言ってるけどキュルケぇ?アンタまた恋人変えたらしいじゃないのぉ?さすがツェルプストーの女ね。口ではなんとでも言えるからね」 ピクピク
「あああらぁ...『恋多き』女って言ってくれないかしらぁ?まあ恋の一つもしたことないルイズには到底理解出来ないかしらぁ?さすがルイズ。胸と魔法と恋愛経験はゼロね」 ピクピク
「どっちも落ち着けって...」
サイトが二人に忠告するが、二人には全く届かないようだ。
サイトは鼻からフーっと息を吐くと、ベッドの横で読書をしているタバサの方にぼそっと声を掛けた。
「なあ、あの二人っていつもあんな感じなの?」
タバサは本からスッと目を外し、サイトの方を少し見ていたがまたすぐに本に目を向けた。
その後にぼそっと呟く。
「ほぼ毎日・・・見ていて飽きない」
「いや、そりゃそうだろうけど...」
サイトは再び溜息をフーっと吐くと、キュルケの買った剣をそっと藁の上に置き、デルフリンガーを担いでスッと立ちあがると部屋の真ん中で騒いでいるルイズへと近づいていった。
「だからルイズ。俺はこれで良いんだって。キュルケのは切れないんだから...ありがたいけど武器には出来ないの。って聞いてる?」
「なんですってぇぇこの色ボケ魔法使い!!!」
「何よこの毒舌チビルイズ!!!」
サイトは二人の近くまで来てルイズにアレコレと言ってみるが、ギャーギャーと喚く二人の眼はお互いしか見えておらず、耳は相手の言葉しか聞き取れてないようだ。
ココまで来るとむしろ仲がいいようにも見えてくる。
「だめだこりゃ...全然聞こえてねぇよこのペチャパイピンク...」
「だれがペチャパイだコラーッ!!!」
サイトがぼそっと呟いた瞬間、ルイズは目に留まらないような速さで体をひねると、右手の拳をサイトの顔面へとめり込ませた。
体重の乗った重いパンチはサイトの両目から涙をにじませ、仰向けに転倒させた。
「聞こえてんじゃねぇかよ...」
サイトの声はそっちのけで、息をゼーゼーと切らした二人はキッとお互いに睨むと、杖を取り出してビッとまた互いを指した。
ココまでの行動はピタッと息が合っていて、ホントに仲が悪いのか疑問だ。
「お互い考えてることは同じのようねヴァリエール...」
「どうやらそうみたいね...言って分からないならこれで決めるしかないわ...」
「いやだからオレ、デルフリンガーで良いって...」
「「決闘よ!!」」
「・・・・」
そしてルイズ、キュルケはウーっと相手を威嚇するように睨みあいを始めた。
床に倒れながらサイトは、同じく床に転がるデルフリンガーに顔を向け、力が抜けた弱弱しい声でこう尋ねた。
「なあデルフ...女の子ってこういうもんなのかな...」
倒れた拍子か、鞘から半分抜けた状態のデルフリンガーは金具をカシャカシャと鳴らしながら答える。
「相棒...おれっちはこんな苦労している相棒は初めてだぜ」
デルフリンガーから聞こえる金具の音がどことなく悲しかった。
「ああ~疲れただよぉ~!!」
ルイズ達が決闘と騒いでいる女子寮から離れた所に位置してある男子寮、ジョルジュは椅子にドサッと腰かけると、ん~っと伸びをした。
そんなジョルジュをジト目で見ながら、向かいの椅子に座るモンモランシーもぐったりした顔で、
「私の方が疲れてるわよ...ってジョルジュ。あんた何でまだ...」
「んあ?」っと顔を上げたジョルジュだが、ふと耳元でカチャカチャっと音がした。
ジョルジュは少し顔を不機嫌に歪ませると耳元に手をやった。
何度か指を動かしていると、耳から金と銀出来た金属細工が外れた。
「モンちゃんさっきからこのピアスカチャカチャいってうるさいだよ~。やっぱオラにピアス合わねぇだよ」
「いやもう着替えなさいよジョルジュ!!いつまで着てるのよそれ!!」
モンモランシーは立ち上がってジョルジュに指をさしながら大声で叫んだ。
ジョルジュの姿は『モンモ』の店以降、未だにドレスの格好をしているのだ。
ジョルジュが着ているドレスは長時間着ていたためか、当初はパツパツだったドレスも彼にフィットしてきてるようだ。
「いや着てるも何も...モンちゃんのお母さんが『ごめんなさいねジョルジュ?アナタの制服なんだけど、ぶっちゃけ紅茶こぼしちゃってプスプス。悪いけどそのまま帰ってもらえないかしら?プヒー』って言われちゃったらもうこれで行くしかねぇだか?」
モンモランシーは手に頭をやり、ハァァァっとため息を吐いて俯いた。
そもそもあの母が紅茶なんか零す筈がない。紅茶嫌いなくせして店に持ち込んでるなんてありえないだろう。
「絶対嘘よソレ・・・はぁ、おかげで街から帰る時すごい目で見られてたじゃない。学院でも使用人たちに変な目で見られるし...全く、メチャメチャよ」
「というか店にいたあの女の子も結構ついて来ただよね」
「どんだけアンタを持って帰りたいのよあのコ...」
モンモランシーはまたフゥっとため息を吐くと、椅子にヘロヘロと落ちていった。
「モンちゃん溜息吐きすぎだよ~」とジョルジュはモンモランシーに呟きながら椅子から立つと、ドレスのスカートの中から杖を取り出した。
杖をさっと降ると部屋にある棚からティーポットやカップなど、お茶道具が一通り浮かびながらジョルジュたちの元へと寄ってきた。
二人のそばに置いてあるテーブルにポットがコトっと音を響かせて着地すると、今度はモンモランシーが杖を取り出して振った。
しばらくするとテーブルの上の方に、ジワジワと水滴が浮きあがってきた。
水滴は段々と固まっていき、やがて一つの大きな水塊になってシャボン玉のようにふわふわと空中に浮かんでいる。
ジョルジュは部屋の手前に建てられている別の棚の窓を開け、ごそごそと手を動かしながらモンモンランシーに尋ねた。
「モンちゃん。お茶っぱはなにがいいだかぁ?」
「そうねぇ。この前バラとミントを合わせて飲んだし...今日はラベンダーとリンデンで...」
「ラベンダーとリンデンね...」
そうブツブツ言ってるジョルジュの手には、二つのガラス瓶が握られていた。
中には乾燥したハーブが入っているらしく、それほど重くないのか、片方の手で二ついっぺんに掴んでいる。
このハーブはジョルジュがこの魔法学院に来てから発見したものであった。
偶然ジョルジュが学院の外へ行くと、前の世界でも見知ったハーブがあることに気づいた。(呉作の時から大のハーブ好きであり、「ハーブアドバイザー」の資格も取っている)
ジョルジュは学院の花壇で栽培を始め、今では数種類のハーブを育てている。
まあ、主な用途としてはこうやってハーブティーにするか、モンモランシーの研究材料になるか、後は料理のアクセントとしてマルトーの親方に渡すぐらいであるが。
ジョルジュはハーブが入った瓶をテーブルに置くと、杖をフッとひと振りし、瓶の蓋を開けた。
空中でフワフワと浮いていた水は少し震えたかと思うと、だんだんと白い蒸気を上がらせ、中から小さい泡を出し始めた。
ジョルジュが木のスプーンで大体の量をポットに入れ終えると、モンモランシーは杖を下へとゆっくりと降ろしていった。
すっかり沸騰したお湯は、モンモランシーの杖の動きに従う様、ゆっくりとポットへと入って行った。
「疲れた時にはお茶だねやっぱり!!」
ジョルジュはそう言ってニカッと笑った。
モンモランシーもそれにつられて少しほほ笑んだ。
お茶が出来るまでの間、二人は椅子に座って待っていたのだが、カップにお茶を注ぐ時になって、モンモランシーはジョルジュに小さい声で話した。
その顔は少し頬が赤くなっている。
「あ、あのさジョルジュ?お、お願いがあるんだけど...」
そういうモンモランシーは少し体をもじもじとさせていて、どこか恥ずかしそうだ。
「んあ?どうしたんだモンちゃん?お茶受け?お茶受けが欲しいだか?」
そう言いながらジョルジュは少し体を強張らせた。
しかしモンモランシーはやはりもじもじと体を動かしているだけだ。
可笑しい、いつもなら「なわけないでしょ!?」と言いながら手なり魔法なりが飛び出すのに...
ジョルジュはいぶかしみながらモンモランシーの返事を待っていたが、ようやくモンモランシーが声を出した。
「あの...ちょっと恥ずかしいから、カーテン閉めてくれない?」
少し上ずった声を出して、モンモランシーは指で窓の方を指した。
ジョルジュの胸は急にドキリと跳ねあがり、「あ、あ、あ分かっただよ」とこちらも声を上ずらせながら窓の方へと歩を進めた。
(なんだろ...オラもなんか緊張してきただよ...まさか...いやいやいやいやそれはナイだよ!!)
そう心の中で考えながらジョルジュは、すっかり馴染んだドレスが急に邪魔くさく感じながら、部屋にかけられた白いカーテンをシャっと閉めた。
「いい!!ルールは簡単よ!塔に吊るした「的」に交互に魔法を打ち合って、先に落とした方の勝ちよ!!」
「望むところよルイズ。私に魔法で挑むことがどれだけ無謀か分からしてあげるわ」
ジョルジュの部屋の外、女子寮の前から少し離れたところから二人の声が響いてくる。
建物からは一切物音らしい物音は聞こえず、どうやら銘銘「サイレント」でもかけているのだろう。
ルイズ、キュルケの目の前から20~30メイル離れた所にはドンっと石造りの塔がそびえ立っており、地面から頂上までの中間地点くらいの間に、じたばたと動くモノがあった。
「だっからデルフリンガーで良いって言ってんじゃん!!というか何でおれが的なの!?せめて別なもん使えよーーー!!!」
そう叫びながら足をじたばたしているサイトの体にはグルグルとロープが巻かれており、塔の丁度出っ張った部分にくくりつけられて吊るされている。
足元を見ると暗くてあまりよく分からないが、相当高い位置であることは間違いない。
ちなみにこの案はタバサが提案、協力をしたものである。
そしてそんな計画を発表した本人はすでにルイズ達の元に降りており、使い魔のシルフィードと事の次第をじーっと眺めている。
キュルケは微笑みながら杖を取り出し、もう片方の手で髪を後ろへバサッと流した。
「フフフっ、流石タバサね♪これなら後腐れなしで決着を着けれるわ。誰にも迷惑掛からないし」
「いやオレに迷惑掛かってんだけど!?キュルケのパチモンの剣の所為でオレが迷惑被ってんですけどぉぉ!!?」
「見てなさいツェルプストー。アンタなんかに負けるなんてまっぴら御免なんだから!!絶対アンタに勝ってやるんだから!!」
「勝つ負けるはどうでもいいから人様に迷惑掛からない方法でやれよ!!ていうか少しはヒトの話を聞けぇぇ!!!」
サイトの叫びも虚しく、キュルケはスッと手をルイズの方に向け、そして塔へと動かした。
「ハンデよ。あなたが先行で良いわ。あなたがこれで落とせばあなたの勝ち。まあ当たらないでしょうけどね」
「ッッッ!!!その言葉、後悔させてあげるわ!!!」
ルイズはそう叫ぶと、杖を塔の方へと向けた。
サイトは先ほどよりも大きい声でルイズへと叫ぶ。
「杖を向けんなルイズ!!お前使い魔に向かって魔法を撃つってどういう頭してんの?バカだろ?ヴァアカだろ!?」
「だぁれが馬鹿よこの犬!!」
「何で悪口は聞こえんだよ!?耳が何かに呪われグボァー!!!」
サイトが言い切るよりも先に、爆発音が辺りに木霊した。
濛々と煙が塔の中腹を包んでいるが、爆発音と煙が空気に吸収されるかの様に、段々と静かになって煙が晴れてくると、視界には少し黒ずんだ少年一人とひび割れた塔の壁が見えてきた。
「アッハッハッハ♪何よルイズ。誰を後悔させるのかしら?塔に当たっただけで全くロープに当たってないじゃない」
「うっさいわね!!ちょっと手元が狂っただけよ!!」
「ルイズゥー!!お前塔にヒビ入れるくらいの魔法俺に当てようとしたのかい!!地面に落ちる前に俺の命が天に昇るわ!!」
サイトは黒くなった顔から少し涙を流しながら二人へと叫んだ。
しかしやはり聞こえてないのか、今度はキュルケがサイトへと杖を向けた。
「今度は私の番ね。ダーリーン大丈夫よ♪ルイズと違って私はちゃんと当ててあげるから♪」
「ていうかキュルケェェ!!お前のパチモンの剣のせいでこうなってんだよ!!当てるとかじゃなくて普通に降ろしてくれ!!」
そんなサイトの言葉は完全にスルーされ、キュルケはブツブツと呪文を唱えると、「ファイヤーボール!」の掛け声とともに杖の先端から火球を撃ち出した。
火球は真っ直ぐな軌道を進み、サイトの頭の少し上、彼を吊るしているロープを焼き切った。
サイトはフッと無重力を体に感じたかと思うと、塔の下へと落ちて行った。
「あああああああぁぁぁ~!!!」
サイトの叫び声がタバサへと届くと同時、タバサブンと杖を振った。
下へと落ちていくサイトの体は一瞬フワッと持ち上がると、塔から離れた壁際のところへとゆっくり下りていき、地面から2メイルばかりの高さからドサッと落とされた。
「イってぇぇぇ~...なんでオレがこんな目に...」
地面に倒れたサイトはムクッ起き上がると、顔や手に付いた土を落とし始めた。
落ちた際に下の草を潰した所為なのか、辺りには草の青臭さと花の香りいが混ざって漂っている。
向こうからはキュルケとルイズ、そしてタバサの声が聞こえてきた。
「私の勝ちねヴァリエール!!これでダーリンは私の買ってきた剣を使うことになったわね!!ホーホッホッホ♪」
「キィ~何よ!!わ、私はねぇ...使い魔の安否を気遣ってワザと外したのよ!!ご主人様よ私!!そんなひどいことするわけないじゃない」
(現在進行形でやってんじゃねぇかよ!!ったく...)
サイトはそう心の中で愚痴をこぼしながら体についている土を落としていった。
どうも落とされた場所は他のトコロとは少し違うらしい。
地面はやわらかく、暗くてはっきりとは見えないが所々いろいろな種類の植物が生えてる。
「ダーリーンどうだった?これで私の剣を使ってくれる...わ...よ...ね」
「ちょっとサイト!!?ダメだからね絶対!!アンタはあの剣を使...う...のよ」
「......」
サイトの元へ近寄ってきた三人は、サイトを見るなり口を閉じてしまった。
三人とも先程のテンションとは全く別人のように固まってしまってる。
サイトは3人の突然の様子の変化にキョトンとなっている。
「あ、あのタバサ?なんで「ココ」に落としちゃったのかしら?」
「暗くて見えなかった・・・うっかり・・・・」
「どうすんのよコレ...どう見たってココ」
唾をゴクンと飲み込み、ルイズとキュルケが同時に宣言した。
「「ジョルジュの『花壇』よね」」
言い切った瞬間、ルイズとキュルケはまるで時間でも止めたかのように固まってしまった。
サイトはまだ理解出来ず、辺りをキョロキョロと見渡した。
種々の植物が生えていたのだろうが、サイトの周りの草花は倒れ、所々茎が折れているのが見てとれる。
中にはサイトの体で潰されたモノもあり、サイトは手元に転がっている花を持ち上げて恐る恐る聞いてみた。
「あの...これって...なんか不味いの?」
そう尋ねたサイトが見たのは、顔はまるで雪のように白く、体は石化したかのように固まった三人の少女であった。