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No.20697の一覧
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[20697] 149
Name: 大豆◆c7e5d6e9 ID:9d835427 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/29 20:03



<149>


「ハチエさん…………ッ!」

彼女は敵を倒した。あんな強かったんだから、レベルアップして耐久力も回復しているはずではないのか。
だが、現実では彼女は重傷であり、ハルマサの言葉に一寸たりとも反応しない。
ハルマサは歯噛みし、自分の指を噛み千切る。

(これしかない……!)

血液が迸り出るその指をハルマサはハチエの口へと突っ込んだ。
口の中は湿り気が感じられない。それが恐ろしい。

(目を覚まして……!)

ハチエの喉が、コクリ、と動いた。

ハルマサの特性に、「増血注入」というものがある。
体を流れる血が、他人に元気を与える性質を持つようになる特性である。
桃色に分類されるため取り扱いは要注意だが、ハルマサの持つ中で唯一、他人に使える回復手段であり、ハチエが生き延びられるかはこれにかかっていた。

もうどれくらい注ぎ続けただろう。
ハチエの瞼が――――――――もう全然ちっとも開かなかったので、ハルマサは貧血になるまで注ぎ続けた。





さて、戦いの後に残ったモノは、多くが傷跡であった。
大地を深く抉り、穴をあけ、クレーターを作り、もうやりたい放題した結果、砂丘の連なる美しい砂漠から砂丘の吹き飛ばされた汚らしい砂漠へとフィールドチェンジされていた。
砂の量が減り、下の地層の岩やら土やらが露出しているのだ。

そして、その上に持ち主に回収されずに置いていかれた全長40mの骸骨が落ちている。
その巨大骸骨は無惨に打ち捨てられているかといえばそうではなく、やたら人間臭く体育座りをしたりしながら、海をぼんやり眺めている。そして、眺めるのに飽きたのか、先ほどからこちらに向かってチラチラと視線を送ってきていた。

≪マスター、その、仲間になりたそうな目でこちらを見てきておりますが。≫

AIのサクラさんが報告してくれるが、ハルマサはどうすれば良いのか分からない。
というか眼球が存在しないのに、視線を感じさせるあの骸骨はいったい何だ。ハルマサが楽勝でもぐりこめそうな眼窩はぽっかりと黒い闇を抱えており、ハルマサは微かに恐怖を覚えた。
どう対応したら良いのかさっぱり分からないので、ハルマサは他の人に意見を求めることにした。

「どう思うサクラさん」
≪少々お待ち下さい。サクラぁ……、EYEッ!≫

何をしているのか、頭の中でシュキーンと音がする。
サクラさんのどこに目があるのだろうか。木肌にはへこみとシワとウロしかなかったような……。真の姿があるだろうか。
ハルマサが頭を捻っていると、サクラさんの声が聞こえた。

≪……見えました。あの骸骨はメスです。置いていきましょうマスター。≫

きっぱりと言い切った。
いつもと変わらない声音がなんだか怖かったので、ハルマサの返事は少し跳ねていた。

「よ、よくメスだって分かったね」
≪私の「サクラEYE」は全てを見通す事が可能です。残念なことに一月に一度しか使えませんが。≫
「もっと大事なところで使って欲しかったと思わないでもないね」

まぁ意見は意見である。ハルマサは心のメモ帳に、「放置する:1」と書き込んだ。
続いてひまわりに聞いてみた。

≪あのね、一人ぼっちは寂しいと思うんだ。ここに一人で置いていったら可哀相だよ……。仲間にしてあげようよお兄さん!≫
「ふむ……」

ひまわりはいい子だった。ほんわかするのを感じつつ、心のメモに「仲間にする:1」と書く。
次に桃ちゃんに聞いてみた。
脳裏にて、彼女はわざとらしく咳払いしてから、厳かに言った。

≪醤油……ですね。やっぱり。≫

醤油らしい。

「ごめん。意味が分からないんだけど」

ハルマサが率直な感想を返すと、桃ちゃんは心外だという風に叫んだ。

≪な、何言ってるんですかマスターッ! 古来より骨につける勝負ダレに関しては、醤油派とソイソース派に分かれて熱い論争を繰り広げて来たじゃないですかッ!≫
「へぇー」

ハルマサは心のメモに「意味不明:1」と書いた。

≪ま、まさか知らない!? バカな……! い、いや、バカだ! マスターはとんでもないバカだッ!≫

桃ちゃんがさらに何か言っていたがそれはしっかり聞き流しつつ、ハルマサは次の人に尋ねた。

「ハチエさんはどう思う?」

凄まじく重傷だったくせにあっさり意識を回復したハチエさんは、今は寝そべっていた。

「んー? 何がー? あ、白ヒゲもうちょっと下や。……ああ、そこやそこ。そこが痒かったんや」
「グルゥ……」

白ヒゲに背中をかいてもらっているハチエさんは、地面に片頬をつけてうつ伏せに寝そべっている。
ケガは粗方治ったが、体が少し麻痺するらしい。神経を治すのにはもっと血液が必要なのかもしれない。だが、ココまで来ればもう自然回復でもいけそうだ。

ちなみに「増血注入」は以下のような説明がなされている。

□「増血注入」
他人を元気にさせる血液。あなたの血液は、他人の心と体を元気にさせます。栄養たっぷり、コクとニオイが堪らない! 皆で送ろう飲血ライフ! あの人はもう……あなたの血液に夢中ッ! ※同種の生物にしか効きません。また、中毒性があるので多様は禁物。

「元気になる」=「健康になる」=「病気とケガが治る」という論理展開で回復効果があると桃ちゃんが言うので使ってみたのだが、ベホマ並の効果があった。
ただ、ハルマサがぶっ倒れるまで血を注いでも結局は治りきらなかったので、耐久力が増えていくこの先、この特性を当てにするのは考え物である。一々桃色解除薬を吹きかける手間もいるし。
ここは別の回復手段を探すべきだろう。ハルマサが他者を回復する手段を探すか、ハチエが自己再生する手段を持つか。できれば、両方が理想的である。

それはさて置き。
とりあえずハチエさんは骸骨の処遇に関しては興味が無さそうだったので、ハルマサは心のメモに「どうでもいい:1」と書いた。
さて、意見を求めるのもこれが最後である。
ハルマサは巨体を見上げつつ、尋ねた。

「レンちゃんはどう思う?」
「ギィ!」

巨大蟹のレンちゃんは元気よく鳴くと、待ってましたとばかりに左のハサミと右のハサミを激しく振る。
そして身振り手振りで、真剣に意見を述べた。

「ギィ! ギギッギギィ! ギィイィ? ギュイ――ンッ!」

動くハサミと巨大な体によるボディランゲージは大量の情報をハルマサへ運んでくる。

「なるほどね」

ハルマサは一つ頷き、心のメモの数字の部分を書き変えて、「意味不明:2」とした。
レンちゃんの情報を受け取るには、彼はまだ未熟だったのだ。

白ヒゲには嫌われているため聞かなかったので、以上で意見の聴取は終了である。


結果。

放置する  :1
仲間にする :1
意味不明  :2
どうでもいい:1

(ひどい……!)

「意味不明」票が最大なところが特にひどい。
しかも結局決まっていない。
やはり、他人に決めてもらおうなんて虫の良い話は通用しないということか。

「困ったなぁ……」
≪あの、ハルマサ?≫
「うーんうーん…」
≪重要なネコを忘れてないかニャ? ボクの意見が必要ではないのかニャん?≫

ハルマサは叫んだ。

「よし決めたッ! 連れて行こう!」
≪…酷いニャ……もう絶対卍解教えてやら無いニャ……≫

何か聞こえた気もするが、とにかくハルマサは決めたのだ。
ハルマサは巨大な骸骨に駆け寄り、声をかけた。

「あのぉ!」
『な、なんだ!?』

挙動不審に骸骨はビクついた。

「仲間になってくれない?」
『う…うむ! そこまで頼まれたら仕方ないなッ! いいだろう!』

テレパシーでちゃんと喋れるらしい骸骨(♀)はとても嬉しそうにパーティへと加わったのだった。




「で、新しく名前がいるんだって」
「なんで?」
『それは……』

巨大な骸骨はでっかい手をモジモジカシャカシャさせつつ、事情を説明した。
彼女(?)は非道なゾンビの少女に捕らえられ、無理やり名前をつけられてコキ使われていたらしい。
特に先程などは、重たいもの(ウニドラゴン)の下敷きにされて、骨折するところだったとか。
名前が変わらないままだとまた「召喚」で呼び寄せられてしまう可能性が高く、そうなる前に他の人に名前をつけてもらいたいとのコトだった。

『骨折したら中々治らないんだ! 横暴にも程があると思わないかッ!?』
「名前うんぬんって、精霊とかにようあるこっちゃないの? 真名知られたら基本的に言いなりになるってファンタジーの常道やん。」
「ハチエさんは本当にサラッと無視するよね」
『ファンタ……? いや、私はすでに死んでいる身ゆえ、名はないのだ。だからだろうか、勝手につけられた名前で縛られてしまってな。』

骸骨は、ハルマサには読めない文字が掘り込まれた第3胸骨(丸太くらいある)を忌々しそうに見ている。
その文字を削り取り、新たに名前を彫ればいいらしい。

「取りあえず先に名前削っておこうか」
『う、うむ』

ハルマサがソウルオブキャットを持ち出すと、骸骨はビクリと体を震わせた。

『や、優しくしてくれ』
「エロイやん骸骨のくせに。破廉恥骸骨やな」
『私のどこが破廉恥だ!』
「まぁまぁ。それじゃあいくよ」
『待て、心の準備が――――』

ゴリッ!

『はぁああ…ッ!』

ゴリリッ!

『こ、壊れる……!』

一削りするごとに骸骨が悶えるものだから、ハルマサもかなり神経を使う。作業は遅々として進まない。
そんな骸骨に、傍らで寝そべったままのハチエが声をかけていた。

「なぁなぁ。なんで声がエロイん? わざと?」
『違う! で、出てしまうのだ!』
「ふーん。破廉恥骸骨も大変やなぁ」
『だから違うと……!』
「まだまだ削れてないから、ドンドン行くよ!」
『ま、待て! 少し休ませて……ぬああッ!』


10分後。


「……ふぅ。」
『酷い……何度も止めてって言ったのに……シクシク』
「いや、泣きまねはええから」
『ひど……!』
「それより名前どうしようか。ハチエさん何かある?」
『格好いい名前にしてくれッ!』

途端に元気になった巨大骸骨がうるさいくらいに主張してきた。
それは無視して、ハチエが首をひねる。

「破廉恥骸骨やと長いしなぁ。もうハレンチでええちゃう?」
「分かりやすい」
『アホか! 絶対にお断りだ! もっと武士っぽい名前で頼みたい!』

骸骨がバンバン地面を叩きつつ叫ぶ。
砂や土が舞うので邪魔臭い。
漂ってくるそれらを手で払いつつ、ハルマサはふと思いついた案を口にした。

「じゃあ、「タッカラプト・ポッポルンガ・プピリットパロ」はどう?」
「ナメック語やんw」
『なんか格好イイなそれ! 意味は?』
「遥かな蒼空に流れる雲、だよ」
「ウチ、時々ハルマサが凄いと思ってしまうねん(意訳:よくそんなウソがサラサラ出るね)」
『ほほぅ……風流だッ! 気に入った!』
「ええんかなぁ……」

という訳で、巨大な骸骨の名前は「タッカラプト・ポップルンガ・プピリットパロ」、通称パロちゃんに決定した。





<つづく>


骸骨が仲間になりました。

「ポケモンイーター」スキルが600万ほど上昇。




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