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No.20697の一覧
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[20697] 146
Name: 大豆◆c7e5d6e9 ID:9d835427 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/29 01:35


<146>




ハルマサは、腰の袋から3つのモンスターボールを出して、開放する。

「いけぇサクラ号、ひまわり号、人造人間ハルマサ16号ッ!」

砂の中に現れたのは、彼の腹から這い出した後、出番のなかった彼の身代わり三体である。
頑張って痛みに耐えつつ何故三体にこだわったのかと言うと、桃ちゃん達が欲しがったからだ。
桃ちゃん曰く、「この機体は私達がパイロットになれるんだい!」とのことで、知能があまり無く「イェース」しか喋れない劣化ハルマサを彼女たちが操ってくれるらしい。

≪サクラ、行きます!≫
≪はっしーんッ!≫
≪私が一番上手くマスターを操れるんだ――――――ッ!≫

ハルマサの身代わりたちは、サクラさんの操る個体を「サクラ号」、ひまわりの操る個体を「ひまわり号」、桃ちゃんの操る個体を、彼女だけ激しくこの名を希望した「人造人間ハルマサ16号」と名づけられ、各々、好きな感じにカスタマイズしたらしい。
具体的に言えば、外見が変わっている。
ひまわり号は糸のように目を細めて優しい笑みを浮かべているし、サクラ号は眉を顰めて口がへの字になっている。
そして桃ちゃんの16号は、やたら目つきが鋭く、獰猛な笑み浮かべよだれを垂らしていた。

特技「身代わり」で作成した劣化ハルマサは特技・スキルが使用可能なため、「加速」することすら可能である。

「じゃあ、作戦通りに行くよ!」
≪了解です!≫
≪りょーかい!≫
≪グランドクロスを決めてやんよぉ―――――!≫

三体は各々バラバラに返事を返しつつ「加速」を発動、「土操作」を発動して地表まで続くトンネルを作り上げ、弾丸のように飛び出していく。
ちなみに桃ちゃんの言う「グランドクロス」とは使用者の耐久力を全て消費する自爆専用の特技である。
だから彼女の機体は16号なのか、と納得しつつハルマサも気合を入れる。

(さて……僕も行こう! 概念発現!)

≪概念「砂弾く魚鱗」を発現しました! 地属性に対して強い耐性を持つ代わりに、炎・雷属性に大して弱くなります!≫

淡い青色の鱗が体中に浮かび上がる。地中を水中のように移動するモンスターの鱗だ。
それを纏い、ハルマサは砂中でシュルリと体を震わせる。砂と砂の間へ体が滑り込むように進んでいく。
ここはもう、水中と変わりない。

(まさか、砂の中を泳ぐ日が来るなんてね!)

ハルマサは目的地へと向かって滑る様に泳ぎ始める。目的地に着くまで、一秒の時間もかからなかった。





マルフォイは自分の作ったクレーターを空中から見下ろしている。
少年の魔力反応は地下深くにあった。

(逃げたか……)

そう結論付けて、マルフォイは遠くなった少年から意識を逸らした。
久しぶりに痛みを感じて、しかも特大の傷みだったものだから激昂してしまったことが恥ずかしい。
色々引き出しを持っており、戦うには面白い相手だったが、逃げるならそれもいいと思った。
そこまでして戦いたい相手でもなくなった。

(サリーちゃんには怒られるかもしれないけどな)

苦笑しつつ、刀を鞘に納めようとした時、魔力反応が4つに分かれる。そのうち3つが、急速に近づいていることをマルフォイは感じ取った。4つの魔力反応は全て同一。魔力探知を誤魔化すためにデコイを残すのはよくあることだが、ここまで反応が同じとは恐れ入った。

ふ、と息を吐く。
あの少年は、まだ何か仕掛けてくるらしい。あっちから仕掛けてくるなら、気は乗らないが受けて立とうではないか。

(一人だけ逃げている者を追うか? でも背後から攻撃をかけられるのは……)

「まぁ近いほうからやるか」

マルフォイは迎撃のために、手に魔力を集めた。
こちらに向かってくる3つの魔力反応を迎撃するためである。
出てくるのを待つまでも無く、クレーターの底の染みにしてやるつもりだった。
だが、こちらの考えを見透かしたかのように、敵も地中から攻撃を仕掛けてきた。

きゅるん、と地面に、底の見えない穴があき、そこから電気を帯びた鉱石の槍が飛び出してきたのだ。

ヒュボッ!

衝撃波を巻き起こしつつ、石の槍がマルフォイを襲う。
が、陸空問わず光速の6倍までの速度を出せるマルフォイにとってその速度は大したものではなかった。

「何がしたいんだ……?」

首を捻りつつ、横に避ける。
鉱石の槍は二本連なっていた。一本目が弾かれても、二本目で刺すというものだったのだろうか。
いや、そうではなかった。二本目には少年が取り付いていたのだ。
少年は石の槍を蹴って飛び上がり、手に持っている骨を突き出してくる。
武器の先から衝撃波やビームが出ることがそう珍しくないこともあり、マルフォイは射線から身をそらそうとして、しかし間に合わなかった。

「!?」

突きだす速度に加え、伸長する速度も加わった骨が、マルフォイの腹部を貫いたのだ。
だが……まぁ無傷だ。
腹部を霧に変えている。
ゆらりと霞む彼の腹部を、骨が空しく貫いていた。
攻撃を素通りさせたマルフォイは、手の魔力をぶつけてやろうと目の前の少年を見て、違和感を覚えた。
目の前の少年はあまり驚いておらず、その上、

(―――――光っている!?)

何故か眉を顰めてむっつりへの字口を結んでいる目の前の少年は、眩く輝いていた。
マルフォイの思考が纏まる前に、目の前の少年は風貌に見合わぬ、女性のような声で叫ぶ。

「そういう避け方は予想外でしたが、問題ありません。何故なら―――――――グランドクロスがありますからッ!!!!!!」

カッ――――――――!

少年を中心に、光が爆発する。

(クッ―――――!)

マルフォイは焦る。手にある魔力では相殺することも出来ない恐ろしい威力だった。飲み込まれれば、マルフォイの命の保障は無い程の衝撃だ。
が、まだ大丈夫だ。この爆発ならまだ避けれる。避けれるはずだ。
急いで逆方向に移動すれば、きっと。

マルフォイが動こうとした時、彼の逆方向、すなわち背中から、どんとマルフォイにぶつかるものがあった。

振り返れば、遠くで、地面に足をめり込ませ何かを投げた後のようなポーズをしている少年と、マルフォイの背中に取り付く、やたらと人相の悪い少年がいる。

(こいつら同じ顔――――、分身か―――――!)


マルフォイの背中に取り付く少年はとんでもない悪党面で、子どもが引き付けを起こしそうな笑みを浮かべている。
直後、その人相の悪い少年も眩く輝き、爆発した。

(クソッ―――――)

マルフォイは毒づきつつ、二つの爆発に挟まれ、衝撃に飲み込まれた。






ずずん、と周囲が空気ごと振動するのを感じながら、劣化ハルマサ、「ひまわり号」の中から、ひまわりは空を見上げていた。
「加速」中のハルマサ16号を「加速」中のひまわりが投げることで、劣化ハルマサのスペック以上の速度を出した奇襲は、どうやら上手くいった様だった。
しかし、その代償は安くは無い。
ひまわり号は反動で右肩から先が動かないし、腕の骨だけでなく鎖骨も胸骨も折れた。
耐久力が激減してしまったので、耐久力を消費する「グランドクロス」も大きな威力は望めない。
精々が、目くらましになる程度だろうか。

だが、実質三体の劣化ハルマサを使い潰した攻撃でも、マルフォイはしとめ切れていなかった。
空中から、ハルマサからサクラが預かった「セレーンの大腿骨」、マルフォイの右手がくっ付いたままの刀と共に、マルフォイの頭が落ちてくる。
マルフォイの生首はボロボロで、脳みそがはみ出していたり、眼球が白く濁っていたり、皮膚が激しく爛れていたりと、お子様には見せられない仕様である。
そのような状態でも、マルフォイの魔力反応は大して変化していなかった。
すなわち、放って置けば直ぐに再生できるということである。

ひまわりは考えた。動きも取れない今のマルフォイなら、聖者の骨で突けば死ぬんではないだろうか。
落下中の聖者の骨は、あの爆発の中にあろうとも無傷であった。

(―――――いける!)

ひまわりは、骨の落下地点に向けて走り出した。
「加速」中のひまわり号の敏捷は、416億。光速の2倍ほどである。
一秒間に地球を14周する速度でひまわり号は爆走し、空中の骨を掴み取る。

「てぇえええええい!」

そしてそのまま、落下中のマルフォイの頭に向けて、振り返りつつ、横に薙ぎ払った。
ジュオッ! と一瞬にして消えるグロ生首。

(――――倒した! ……でいいのかな?)

あっけない、とひまわりが少し自信をなくした瞬間、ひまわり号の後頭部から、額を貫いて刃が飛び出してきた。
ズルリと赤黒い刃が、ひまわりの視界の中心に飛び出してくる。

「―――っか、あ……」
「今度こそ死んだかと思ったぜ。「死」って言うのはゾッとしねえな」

マルフォイの声がする。
痙攣するひまわりは振り返ることも出来なかったが、何が起こったのかは悟った。
手だ。
刀に引っ付いていた右手から再生したのだ。かつて頭から全てを再生したように。
ひまわりにはそれ以外に考えられない。

それはさて置き、ひまわりは遠ざかる意識の中で、お兄さんの役には立てたのだろうか、と思った。

そして早速聞いてみた。

≪どうなのお兄さん! 僕は役に立った!?≫
「帰ってきて第一声がそれだと良く分からないけど……」

乗っていた劣化ハルマサが壊れたので、引き戻されたひまわりはハルマサの目を通して外界を見る。
そこには、薄い青で彩られた風景が見えた。
どうやら、時間を稼ぐという役目は果たせたようだ、とひまわりは安心した。






ハルマサは空中に浮かんでいた。
そして水中に居る。
いや、正しくは海水で出来た巨人の胸に、心臓のように埋め込まれているのだ。
巨人は、彼が「水操作」で作り上げたゴーレムだった。
海鳴りの如く巨人は唸る。

「さぁ、反撃はココからだッ!」

ざざざ、と海から足を踏み出し、踏み下ろした際に砂をどふんと巻き上げつつ、水の巨人は上陸した。






<つづく>




◆「グランドクロス」
 必殺技シリーズその2。耐久力を全て消費することで発動し、属性のない魔力爆発を起こす。





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