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No.20671の一覧
[0] 【ネタ】魔法先生フェイま!【こんな話はどうよ?】[kuboっち](2011/02/07 20:43)
[1] 第一話[kuboっち](2011/02/07 18:16)
[2] 第二話[kuboっち](2011/02/07 18:17)
[3] 第三話[kuboっち](2011/02/07 18:17)
[4] 第四話[kuboっち](2011/02/07 19:45)
[5] 第五話[kuboっち](2011/02/24 21:26)
[6] 第六話[kuboっち](2011/03/05 23:53)
[7] 第七話[kuboっち](2011/07/21 08:01)
[8] 第八話[kuboっち](2012/02/29 22:15)
[9] 第九話[kuboっち](2012/03/24 23:02)
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[20671] 第七話
Name: kuboっち◆d5362e30 ID:df2b7242 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/07/21 08:01
いや~盛り上がりませんね?(なに








「何時見てもナンセンスな作りだ」

フェイト・アーウェルンクスはそう呟いた。
図書館島。二度の世界大戦から貴重な書物を守る為、世界樹の加護のもとに作られた避難所。
だが無計画に本を突っ込み、足りなくなったら下へと増築するという大暴挙によって、作られたのはまさしく現代のラビリントス。

「一体何をどうすれば本棚の上を歩く必要があるのだろうか?」

……というか下が見えないほど高さが在る本棚に納められた本をどうやって回収するのだろう?
まぁそんな事はどうでも良いのだ。重要なのはこのふざけた道先に在る宝物。
周りにはテストの点数的に不安を残す、麻帆良学園女子中等部2年A組の選ばれし者たち(反語)バカレンジャー+1。


「次の分岐を左、そこから二百メートルほどの場所に休憩所があるので一休みするです」

先導するのは出席番号四番 バカレンジャーの頭脳担当……なんか不可思議な表記な気もする……綾瀬夕映。
『A組で最も頭が悪い五人』に所属こそしているが、それは一般的学問でのみ評価されているからに過ぎない。

「そこで目標行程の何割程度だい?」

フェイトが最も優先している目標は決して『胡散臭い魔法の本を入手すること』ではない。
最終的に達成するべき目的は『A組が期末テストで最下位から奪取すること』なのである
もし仮に存在し、一定以上の効果があるという希望的な推測と僅かな遊びによって探している『頭が良くなる魔法の本』の重要度は低い。
確実性に欠ける一撃必殺の切り札などよりも明日の授業を万全の状態で受ける方が効率が良いとフェイトは試算していた。
故に気になるのはこの二次的目標と遊びに対してどれだけの時間と労力を消費するのか?

「ここまでで往路の六割程度になるです。残り四割は未整理区域が中心になるので、費やす時間と労力は同程度、もしくは少し多いかと」

返事は直ぐに来る。『綾瀬夕映は頭が良い』。これはフェイトの確固たる見解だった。
一般的知識 学校での勉強には興味がないものの彼女は基本的『知の者』である。
知りたい、理解したいという思いは少々偏っていても、それだけで知識の習得→思考の練成。

「……以上の事から日を跨ぐ前、一時間程度の遅延を考慮しても午前一時には地上へ帰りつく計画です」

「ふむ……」

フェイトは満足げに頷いた。
バカレンジャーに有るまじき的確なプレゼンテーション→欲しい情報だけを的確に与えてくる。

「問題ないね」

距離的な問題は解決。他に問題になる事があるとすれば、図書館島特融のトラップだろう。
こちらについてはやはり大した心配はしていなかった。絶妙なタイミングに見つかった宝の地図。
その中身を見せてもらって直ぐに作りモノ→ぬらりひょん学園長の差し金だと理解できた。
宝の地図とはその作られた方で二種類に分けられる。
一つは普通の地図の上から宝への生き方を描いた物。
もう一つは宝への行き方→そこへ辿り着く道だけを書いた書きだした物。

夕映がたまたま見つけたという地図はいわゆる普通の地図だった。
つまり普通の地図の上から宝へのルートを書きこんだ物のはず。
なのにコレには足りない物がある。書き損じの後=道を間違えた跡が無いのだ。
偶然発見されたはずの地図には書き損じ、もしくは修正した跡など欠片も存在しない。
古めかしい年代物を装いながら、随分と綺麗な色を残すルートを示す線は狙ったように地図の中央。
そして小さく右下にはラテン語にて『中級者向け』の表記→何度も使うのだろう。
図書館探検部の余興、もしくは魔法関係者の実地試験か何かに。


「それに……っ!」

思考を巡らせることと油断する事は=で結ばれない。思考を中断→足元に違和感。
カチリと何かを踏み込んだ感覚。長大な本棚の上板でこの感覚は不自然≒罠。
常に一定量展開している魔法障壁の出力を上げて……それが無駄だと気が付いた。

「おっと!」

弓が撓るような高音→風切り音。その後に遠い闇の中から飛来した矢を軽々と受け止めるのはバカブルーこと長瀬楓。
日本人女子中学生の平均身長を軽々とぶち抜く長身、それに見合う抜群過ぎるプロポーション。

「ありがとう」

淡々と礼を述べながらもフェイトは思考する。考える事は生きる事だ。謎を謎のままで捨て置いてはいけない。
で……だ? この魔法使いでも何でもない女子学生は何をしたのだろうか? 
トラップを踏んだ本人がギリギリで反応するよりも早く、何処から跳んでくるか分からない矢を受け止める事など出来るはずがない。

「油断大敵でござるよ、フェイト殿。ニンニン♪」

そこでふとフェイトは思い至る。
『ニンニン♪』といえば東洋の神秘たるスパイソルジャー NINJA。
情報源が大昔の冒険譚だったり、ペラッペラでチープな挿絵が満載の書籍だったりするのが不安材料だが、概ね間違いあるまい。



「……なるほど」

そして更にフェイトは理解できたことがある。



「あいや!」

掛け声一つで襲いかかってきた巨石を蹴り落とす古菲。


「わ~びっくりした!」

本棚から落ちたかと思えば新体操のリボンで落下を免れる佐々木まき絵。


「ほらっ! ボケっとしない!」

ボケっとしているつもりはないのだが、僕にまで気を使いながらトラップを走破する美術部(笑)の神楽坂明日菜。


「フェイト先生、いま気が付いたのですがこちらのルートを通った方が早くて安全みたいです」

図書館探検部というアドバンテージを考慮に入れても、この短時間により良いルートを理論的に導き出せる綾瀬夕映。


以上の事から
『バカレンジャーとはクラスでもっとも学業(以外)で優れた集団の一つ』……そんな認識。
もちろんそんな事は表情に出しはしないし、足を止めもしない。

「は~みんなすごいわ~」

「そうだね」

ここに居るバカレンジャー以外の生徒 近衛木乃香の呟きにただ小さく肯定の意思を示すのみ。











そこから先は何のトラブルも在りはしなかった。別段表記する事もない。
ただ魔法の本が安置されている場所でちょっとした爺の戯れに遭遇した程度。





無駄な程に広く作られた空間とその中央に厳かに置かれた本が一つ。

「ついに……魔法の本の安置室です」

感慨深げに宣言する夕映の声を聴きつつ、フェイトは周囲を冷静に観察→まず目に留まるのは本の左右に聳える二つの石像。
僅かに漏れる魔力≒巧妙な隠ぺい→質・量ともに最高峰と推測。麻帆良の妖怪め、矮小な魔法使い見習いに当てつけるような才能の無駄遣いだ。
本が置かれた祭壇の周りには深い堀+そこに掛かるのは石の橋。下に覗くもう一つの橋が罠の薫り。

「こういうのは最後に罠があるに決まって…『キャー!』…遅かったか」

既に突撃していたバカレンジャーが見事に罠にかかっていた。一番上の橋が外れ、下に在った石版が露わになる。
ツイスターなどと呼ばれるゲームに用いられる形状。そして動きだす二つの石像。手には大剣とハンマー→無駄な演出。

「「この本が欲しければ……質問に答えるのじゃ!」」

それにしてもこの爺、ノリノリである。



「その前に少しアドバイスを」

基本的にお祭り好きで負けず嫌いなバカレンジャー一同が、英単語ツイスターなるゲームに嬉々として挑戦しようとするのをフェイトは止めない。
もちろん在る程度の勝率を考えた上での行動だ。だが所詮はバカレンジャーだし、加えられたゲームの要素も足を引っ張るだろう。
それゆえに予防措置が必要だ。

「長瀬さん」

話しかけるのはこの中で最も心身ともに強いだろう教え子

「おろ?」

そっち耳打ち。

「いざとなったら……強行突破する。最優先は人、可能ならば本を」

「心得た」

表情一つ変えないフェイトと微笑のまま崩れない楓。


「他のみんなも無理はしないで。どうせオマケ程度の本だ」

「でも!」

噛み付いてきたのは恐らくこの中で最も負けん気が強いだろう明日菜。
フェイトに対して良い感情は懐いていなかったが、大好きな高畑先生に『このマセガキの面倒は任せてください!』と啖呵を切ってしまった。
それに『テストで最下位脱出が出来なかったら僕、首になるそうです(訳文)』と告げた時のフェイトの表情にはその……オジコン少女も若干グッと来るモノがあったらしい。

「問題ないよ。僕は君たちの能力を的確に把握しているつもりだ。あんな物に頼らなくても最下位脱出など容易いよ」

淡々と自信満々に『君たちならば問題ない』と言い切られるのは、女の子的にドギマギする何かを内封しているモノだ。
言った本人にはそんなつもりは欠片も無いのだが、バカレンジャーは誰もが多少の差はあれ頬を赤くしている。
そして『自分がこのマセガキにトキメキを覚えた』という自体そのものが気に入らない明日菜は照れ隠しに叫ぶ。

「でも! このまま手ぶらで帰るなんて絶対イヤよ! わざわざこんな所まで来たんだから!!」

そんなひどく子供染みた宣言にフェイトは何故だか一つの納得を得ていた。
余りにも短絡的な思考結果そのもの=だが真理そのもの。
何も好きで学園長の掌で踊りたい訳ではない。ここで一発かましてやればさぞ気分が良い事だろう。

「確かにその通りだ。ではそれを目指した各自の動きについて……」

まさか同意が得られるとは思っていなかった明日菜は驚きつつ、他のメンバーともどもその指示に頷いた。





そして始まるふざけたお遊戯。

ギャーギャーワーワー言いながら凄い体勢で頑張るバカレンジャーたち。

そして迎えた最終問題。


「おさら!……おさる?」

ミスった。


フェイトは眉一つ動かさずため息すら吐かず、最も安全な手段を放棄→バカらしくて騒々しい全く好みではないはずの手段を選択。

「砂嵐よ」

簡易詠唱。ただの風の魔法にもっとも得意な石・砂系統の魔法をプラス。
一瞬で辺りを舞う砂→目隠し≒ゴーレムに対するモノだけではない。
少し派手な魔法を使う為=バカレンジャーたちに対する目隠し。

「リ・シュタル ビ・シュタル ヴァンゲイト」

フェイトは砂嵐に紛れて起動キーを唄う。
それに気がついたゴーレムの中の人が本来の目的を達すべく、その武器を振り上げようとして砂嵐の中から飛び出してきた褐色の拳を足に受けた。

「はいや!!」

「なんとぉ!?」

石でできた しかも麻帆良一の魔法使い制作のゴーレムにビシリと皹を入れる→中国武術研究会のトップエースの拳。
巨体で在れば在る程に小さな衝撃でバランスを崩し易い。拳打に晒されてひび割れた足が僅かに浮き上がるが、何とか片足で態勢を維持しようとするが……

「どりゃあ!!」

「!?」

維持させない。砂嵐を突き破り明日菜は走る。狙うのは微妙なバランスで体を支えるもう一方の足。
それを押す。ただ押す。それで十分。

「本当に分かり易かったわ!」

明日菜がフェイトから受けた指示は『古菲が殴った足と反対の足を全力で押す』
それだけで巨大なゴーレムは仰向けにひっくり返ってしまった。



「硬く冷たい腕にて貫け……石の槍」

相棒の転倒に気を取られていたゴーレムは更に悲惨な結果が待っていた。
襲い掛かる巨大な石の柱は正しく槍の如く、ゴーレムの腹に深々と突き刺さる。

「■■■!!」

「ふむ……改良型の方が貫通力は高いみたいだね」

ゴーレムとのリンクが裏目に出て、腹に大穴があいたような激痛に叫ぶ老人の声はBGM。
魔法使い見習いでは在りえない規模と精密さで魔法を唱えるフェイトは一人頷き、背後に降り立った影に問う。

「首尾は?」

「上々でござる」

楓の手には本が一つ。横目で確認。淡々と告げる。

「全速で離脱する」

「承知」








こんな感じの多少の損害(二体のゴーレムとか学園長の受けた激痛とか)で図書館島大冒険は予定の時間内で円満な解決を見てしまった。











地底図書館? ちょっと良く分かりません。


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