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No.20607の一覧
[0] 【初投稿・習作】信ONをネタに書いてみた【VR物】[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[1] 序章[ノミの心臓](2010/07/24 22:19)
[2] はじまり[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[3] はじまりはじまり[ノミの心臓](2010/07/25 22:23)
[4] はじまり×3[ノミの心臓](2010/07/26 21:50)
[5] [ノミの心臓](2010/07/31 23:50)
[6] [ノミの心臓](2010/07/31 23:59)
[7] [ノミの心臓](2010/08/02 19:49)
[8] [ノミの心臓](2010/08/07 19:48)
[9] 8 閑話[ノミの心臓](2010/08/05 23:20)
[10] [ノミの心臓](2010/08/05 23:26)
[11] 10[ノミの心臓](2010/08/08 09:46)
[12] 11[ノミの心臓](2010/08/08 20:30)
[13] 12[ノミの心臓](2010/08/10 22:00)
[14] 13[ノミの心臓](2010/08/20 22:22)
[15] 14[ノミの心臓](2010/08/26 21:38)
[16] 15 閑話[ノミの心臓](2010/08/29 00:49)
[17] 16[ノミの心臓](2010/09/01 23:40)
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[20607] はじまり
Name: ノミの心臓◆9b8a3f51 ID:ee8cef68 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/24 22:24
あの伝説のMMO!信長の野心オンライン50年のときを経て、がバーチャルリアリティになってきて帰ってきた!

いつも通りの朝、いつも通り新聞を広げ朝食をとっていると、テレビからそんな大仰なCMがででーんと流れた。

「信長の野心オンラインか・・・。」

誰もが一度は耳にしたことはあるだろう、KOUEYの名作SLGである。
若い頃、信長の野心オンラインに嵌り、人生設計の大事な部分で躓いた経験があった。
今でも、たまに後悔する事がある。やってなかったらどんな人生だったかと。
今がそんなに悪いわけでもないが、何もかもが普通の人生だったなと晩年思う所がある。
あの時こうしていればとか、年をとる毎に考えてしまう。

「・・お迎えが近いせいかの。」

齢83歳、購買意欲というものが絶えて久しい。
発売日が今日というのも何か運命的に感じられ、胸にふつふつと滾るものが芽生えた。

「久しぶりに、遠出するか・・・」

婆さんにに先立たれ数年、独り言が多くなってきたものだ。

歩いて1時間の駅に着き、昔とは比べ物にならないくらい快適になった電車に乗り隣町のベター電気を目指した。
過疎に悩まされている町を観ながらふと思う。

―――潰れてなけりゃいいがな




 
無事、潰れず残っていたベター電気で商品を見せてもらう。
よくわからない長ったらしい名前の睡眠式VR用の高級筐体だと紹介された。
まず、その大きさに驚く、6畳ぐらいの部屋は余裕で、専有しそうだ。
値札を見ると中古車の軽ぐらいの値段はした。車検的なものまであるらしい。
田舎の家電屋におくぐらいだから売れ行きもいいのだろう。

店員の話によると若干小さめの汎用の物は既に売り切れていて、これが最後のひとつということだった。
信長の野心は睡眠式筐体専用のソフトで、予約なしで今買えるのは運がいいとのこと。

年金暮らしにはきつい出費を強いられたが、まぁ他に買うものもないしと踏ん切りを付ける。
家に取り付ける費用でまた諭吉が飛ぶ。

寝床の隣の仏間においてもらう。婆さん、すまん。
店員に手伝ってもらいユーザー登録を済ます。店員は何か問題があれば呼んでくださいといい帰っていった。
ソフトの説明書を開くとまず、でかでかと注意事項があった。
年齢制限18~65歳。若干の体力が必要なので安全の為ご了承くださいとのこと。
あまり体力には自信はないのだが、飛んでいった諭吉を思えば、今さらやらないという選択肢はなかった。

「ま・・棺桶を買ったと思えばいいかの。」

気持ちが高揚する。十数年ぶりにwktk(死語)しながら筐体に入る。
死ぬかもしれないからか?いやいや。

睡眠式という事だったが、どういうこだろうか、筐体の説明書を中で開いた。

「・・・電源オン。」

スタート、開始、筐体の中でならなんでも音声認識するらしい。
老人に優しい設計でなによりである。
自動でコクピットのような扉が閉まり、前面の3DTVからゲームのオープニングデモが始まった。
音楽は前作のOPの曲ををアレンジした物だったので、それはもう懐かしい気分に浸った。
プロデューザーは 渋過コウ というらしい。

「信長の野心VRオンライン。お買い上げありがとうございます。サーバーの始動は明日午後11時よりということになります。キャラクターの作成及び、操作の習熟はオフラインでも可能です。お客様は現在起床モードでのご利用なさっています。思考操作に若干の支障をきたします。一人称視点モードがご利用いただけません。信長の野心オンラインは睡眠式~(長ったらしい英語)~専用となっております。」

腰まで伸びた黒髪の見目麗らかな巫女服姿の女性が説明してくれた。

「キャラクターの作成及び初期設定は起床モードでも可能です。起床モードでのキャラクターの作成を開始いたしますか?」

手元のコンソールらしい物から、イエスを選択する。

いつの間に撮られたのか、画面に下着姿の自分自身が投影された姿が映し出される。
同年代の爺婆には、若いと言われるがやはり初老の域は過ぎつつある姿だった。
その他、設定すべきキャラクターシートが大きな画面いっぱいに並べられている。

「お手元のコンソール及び思考により操作可能です。容姿の設定には制限があり人間の姿より過度にかけ離れた姿にはなれません。キャラクターシートは格項目を二度選択しますと詳細が分かります。その他疑問がありましたら、お声をおかけ下さい」

容姿の設定を選択すると、アバターが前面に出て、横には細かい設定が表示されている。試しに年齢の項目をいじってみる。若くはなっていくが明らかに若い頃と姿が違う、これは手こずりそうだ。

身長は168体重55kg中背中肉、若くしすぎると、違う自分になってしまうので、60半ばで年齢の設定を終える。
あまりいじるつもりはなかったのだが、髪はもう少しとか、目元の皺がとか、気になってしまう。何度かやり直しつつ、納得のいく60代の頃の自分が出来上がる。多少、美化されダンディズムを漂わす感じになってしまったが・・・その頃のわしを知ってる奴が見ればわしだと分かる程度に収まっていると思う。たぶん。声の年齢も若くしておいた。

ようやく、キャラクターシートの設定に入った。能力値関係の攻略情報を調べておきたかったが。βの情報等、たかが知れてると思い、このまま続けることにした、何よりアバターの設定をもう1度やるのは勘弁して欲しかったからだ。
前作は後から救済措置も多々あったので、気楽にやるべきだろう。

初期職業は僧。紹介文:仏道を極めし者。仏となり味方を治癒し、仏道の術を用いて敵を倒し、兵となり攻防す。
用は万能職であり器用貧乏な職である。前作では七人徒党(パーティ)が基本の戦闘において一番、はずされやすい職であった。

僧の初期能力は
腕力4       木属性4
耐久4       火属性6
器用2       土属性4
速さ3       金属性4
知力4       水属性6
魅力4       

ステータスの説明をすると腕力は攻撃力に 耐久は生命力に 器用さは主に生産能力に 速さは全キャラの基本身体能力が1.00ならばこの場合となる1.03。
この基本身体能力は男性の体操選手並みに設定されている。レベルが上がれば超人並みの動きができるようになる。
知力は主にの攻撃術の威力や気合値の最大値に、魅力は特定技能の攻撃力や、耐久能力に、属性値は特定技能の攻撃力や耐久能力にかかってくる。

このステータス表だけでも僧の器用貧乏っぷりが分かろうってものである
これに、ボーナスポイント17を属性値以外に割り振り、以降、それに応じたステータスが上がっていくということらしい。

初期勢力、今川:勢力ボーナス耐久-1水属性+3

腕力6       木属性4
耐久3       火属性6
器用10       土属性4
速さ6       金属性4
知力8       水属性9
魅力4

なんだか苦労しそうなステータスではあったが、全く何も考えずに作ったわけでもない。
まぁどんなシステムか分からない以上、大はずれかもしれないが、昔の信ONではステータスが全てという訳でもなかったし、救済措置も多々あった。
どうしても戦闘で足を引っ張るようなら、職人にでもなろうと思っていた。

「決定かの・・。」


「キャラクターの名前が入力されていません」

微笑んでいる巫女様の声が心なしか冷たかった。




名前は前作の信長の野望オンラインと同様に設定した。

「名前は 小林 正巳 (こばやしまさみ)と。」

はっきりと覚えていた。大学生という大事な時期に5000時間はやりこんでいたのだから。

「小林正巳様ですね。名前の重複はありません、ご使用可能です。前作のプレイ経験がおありであれば、前作のIDとパスワードをご入力下さい。なければそのまま次へお進み下さい。」

パスワードなんか覚えてるわけがなかった。自動的に入力してるものだったからである・・・。

「前作をプレイしとったら、何か特典でもあるんかの?」

巫女様が微笑みながら説明を始めた。

「はい。ゲーム中、若干の特典があります。それはゲームバランスを崩すほどの物ではございませんのでご安心下さい。」

幾度のアップグレードがあったとはいえ、サービス終了から50年以上経つゲームなのでそういう物言いなのだろう。

「IDは HARAHETTA パスワードはなんじゃったかの・・・。」

巫女様の微笑に、忘れかけていた情熱が蘇りそうだった。

「パスワードを忘れた時の為の合言葉が設定されています。1~~~2~~~3あなたの旧姓は?4~~~5~~~。です。番号と設定された言葉をご入力下さい。」

巫女様が右手を上げながら表示された文言を説明する。

「3の旧姓で 小林」

安易な考えて得したの。

「はい。パスワードは●●●●●●となります。初期の持ち物の中に景品を送らせていただきます。またゲームを進めて行く途中でも特典があります。ささやかなものですので、過度な期待はないようお願いいたします。」

パスワードは学生時代に使っていたノートパソコンのパスワードと同じだった。
セキュリティ意識ゼロの頃とは恐ろしいものである。

「次の項目ではIDとパスワードの設定でしたが、このIDとパスワードは継続されますか?」

「イエス、と。」

「起床モードでの可能な事はここまでとなります。」

「今晩は初回起動時による睡眠モード使用時における注意事項の説明をを行います。規定によりゲーム開始以前に1度は受けていただかなければなりません。睡眠モードでご利用になれます。その後アバターの動作テスト及びゲーム内におけるチュートリアルを行います。現在午後9時です。このまま睡眠モードに以降いたしますか?」

 イエスを選択する。

座席が、介護用のベッドのごとく、自動で寝やすいような姿勢を取らせた
いい香りがすると思ったら、ものの10秒ほどで眠りに就いた。

「では、お休みなさい。良い夢を」

巫女様の心地いい声が聞こえた気がした。




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