<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.20607の一覧
[0] 【初投稿・習作】信ONをネタに書いてみた【VR物】[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[1] 序章[ノミの心臓](2010/07/24 22:19)
[2] はじまり[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[3] はじまりはじまり[ノミの心臓](2010/07/25 22:23)
[4] はじまり×3[ノミの心臓](2010/07/26 21:50)
[5] [ノミの心臓](2010/07/31 23:50)
[6] [ノミの心臓](2010/07/31 23:59)
[7] [ノミの心臓](2010/08/02 19:49)
[8] [ノミの心臓](2010/08/07 19:48)
[9] 8 閑話[ノミの心臓](2010/08/05 23:20)
[10] [ノミの心臓](2010/08/05 23:26)
[11] 10[ノミの心臓](2010/08/08 09:46)
[12] 11[ノミの心臓](2010/08/08 20:30)
[13] 12[ノミの心臓](2010/08/10 22:00)
[14] 13[ノミの心臓](2010/08/20 22:22)
[15] 14[ノミの心臓](2010/08/26 21:38)
[16] 15 閑話[ノミの心臓](2010/08/29 00:49)
[17] 16[ノミの心臓](2010/09/01 23:40)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[20607] 11
Name: ノミの心臓◆9b8a3f51 ID:ee8cef68 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/08/08 20:30


急な岩肌を登りきると、山頂は幅5m長さ50mほどある峰だった。
一番山頂の高い部分の岩の上で座禅を組んでいる、一人の薄汚い男がいた。
月光の下、わずかに見て取れる姿は、修行僧という風に見える。前作でいう所の薬師の乗衣姿のようだ。
髪はぼさぼさで肩の方まで伸ばしてる、顔の皺が修行の年月を感じさせた。

「偽山伏というのがいたのう……確か」
一人呟きながら、袋より棍を取り出す。
山伏っぽい人物の傍らには、ねずみ小僧の死体と亡霊があった。


「そなたらも、目録を欲しているのか」
喋った、ただの敵モンスターではないようだ。
「そうなんじゃが、そこに倒れておる忍者は、わし等の連れでな時間がないので先に引き取らせてくれんかの。」
「ふん。この小僧の仲間か、あまり期待はできんようだな。」
そういうと持っている傍らに置いてあった槍を掲げ、ギラリと眼を赤く光らせた。
「話が通じるようなんで聞くんじゃが、山伏はどこにおるかしらんかの?」
相手は特に何の反応も示さず、こちらに向かってくる。


「お爺さん、逃げませんか?」
そう言いながらも、巫女さんは隣で向かってきている【偽山伏】を弓で射ている。
「お兄さんを置いて行くわけにはいくまいて。」

【凍気・壱】

わしと巫女さんが放った攻撃を偽山伏は矢の半分ほどを打ち落とし、収縮して打ち放ったつららをを槍で打ち払っている。結構、格上の敵かもしれなかった。

「わしが戦っている間に、小僧君の死体をもって逃げて貰えるか、後で落ち合って転生をかけよう。」
「はい。」

そうこうするうちに距離を詰めてきた…偽山伏の槍を受けるが、重く、武器ごと身体を1mほど飛ばされる。
片手では受けきれそうもない。下手をすると崖下に落とされる可能性もあった。
術を使う事を諦め、敵の攻撃に集中する。
高速韻のお陰で若干こちらの方が肉体的速度は速いようだった。
避ける事に集中し、隙あらば攻撃を仕掛ける。


敵は横を通り抜けようとした巫女さんに、攻撃を仕掛けようとした。
「いかさんっ!」偽山伏が叫ぶ。
「わしが相手じゃぞっと。」
相手の隙を突き、攻撃を当てるが、効いているような風でもない
道幅5m程通り抜けるには若干狭い、それに対して槍の攻撃範囲は広かった。
この地形はなかなか厄介だ、一人でも十分フル徒党相手に戦えるのではないだろうか。
もう5分は経過しており、余り時間はかけられなかった。

「渇っ!!」
【金縛り】【一喝】

巫女さんとは考えが一致したようだ。
このゲームの巫女の技能【金縛り】は一喝同様、ディレイを掛けるものである。

わしの【一括】はレジストされるが、巫女さんの【金縛り】は効いたようだ。
術を放ったと同時に、成否を見ず、駆け出していた巫女さんが敵の後方に位置する事に成功する。
VRゲーム慣れしているのか、なかなか思い切りがよかった。

「お爺さん、後は頼みます。」
そういうと、後ろを気にしつつ戦線を離脱する。
「いかさんからな。」わしは言った。
「ふん。先にお前から葬ってやろう。」
ガチでの戦い、僧ごときが何処までやれるものかと思っていたが、防御のみに集中すれば、どうにか受けて立ち回れた。

「やりおるわ。」
そういと偽山伏は、槍を片手で振り回しつつ、片手で術印を結び始めた。
薬師タイプの本領発揮といった所か…。
まだ、巫女さんはねずみ小僧の死体を担いでいる所だったが、とっとと逃げる事にした。

「神通発雷っ!!!」

背後に雷が走るのを感じながら、岩山を半ば転がりつつ、駆け下りる。
逃げている途中でも、山頂から雷光が飛んできた。
振り返り、棍を盾にしたつもりだったが、そのまま武器を伝い、全身に衝撃が走る。
棍をもった方の腕は、しばく動かなかった。



安全な所まで降り、峰の反対側から降りたであろう巫女さんの元へ、急ぎ向かう。
「どうやら間に合ったようじゃな。」
徒党会話を頼りに落ち合い、小僧に【転生・壱】をかける。
「いやぁ、すいませんでした。有り難うございます。」
「有り難うございました。」
二人揃って頭を下げる。
やはり礼を言われるのが、回復職の醍醐味だと感る。

「あの山伏もどきは、ボスなのでしょうか。」巫女さんが言った。
「山頂から降りてこないようじゃしの、そうかもしれんな。」
「よく無事でしたね。僕なんて数回切り結んだだけで首に一撃貰いましたよ。」

阿修羅と何度もやった模擬戦で、人との戦闘には慣れていたおかげかもしれない。

「巫女さんの補助も効いておったし、防御に徹したからのう。しかし、術の方が強そうじゃったな。」
簡易ステータスを見れば、既に瀕死の状態だった。
【転生】に気合を大分消費する為、自分の回復は後回しにしていた。
巫女さんに【意気昂揚】をかけてもらい、【気合】の回復を待ちつつ【生命力】の回復を行う。

「もう少し、レベルを上げてから挑戦しましょうか?」
怪我状態の身体をストレッチしながら小僧が言った。
「それがいいかもしれませんね。」巫女さんが少し考え返答する
「あいつは、目録をドロップしたりせんかのう?」
「旨みは減りますが、人を集めて、倒しに行ってみましょうか?」


休憩がてら、大木に寄りかかり、食事を取りながら、あの偽山伏をどうするべきか3人で話し合った。
前作の酒を飲むと怪我の治りが早くなるという迷信を思い出し、越後特産大吟醸酒【越後景虎】を一本、皆に振舞ってやった。




【メールを受信いたしました】

【開封。】

話の腰を折ってはと、思考操作で開封を行う。

『阿修羅でーす。100勝終わったわよ。それで今何処?貰ったもの見せたいんだけど、ちょっと相談もあるしさ。』

現在20時を若干過ぎた所、単純に計算すると4時間余りで達成したことになる。
一人4分、…阿修羅の強さにしたら遅いと感じるが連戦できたわけでもないのかもしれない、そう考えると驚異的な速さにも感じる。




「夜の世界も風情がありますね…」
巫女さんが酔った風にぽつりと言う。
月明かりの下で陰影が付いた横顔は幼さに反し、怪しい色気をまとっていた。
左手には富士山が、正面には大きな月と、海に写し出された月が縦長に、ゆらゆらと光を放っているのが遠くに見える。
「そうだね。瑞樹。」
小僧も若干…いやかなり酔っているようだ。



しばらく、黙っていたせいか、兄妹は二人の世界を作っていた。
見た目、美少年美少女の絵になる二人だ。写真を撮りたい。



「…ごほんっ。ちょっと相談なんじゃがな、一人助っ人を呼んでよいかの?それで挑んで駄目なら、レベルを上げるというのは、どうじゃろうか?」
「そうですね。多少レベルを上げても、3人では厳しいかもしれませんね。」巫女さんが言う。
「小林さんのお知り合いですか?」
「そうじゃ、まぁ頼りにはなるから期待しててよいぞ。性格はちょっとアレじゃがな。」
「小林さんのお知り合いなら、そう変な人でもないでしょう。」
知り合って間もないが、小僧には信用してもらっているようだった。



「向こうの都合を聞いてくる。」
そう言い、二人から離れ、阿修羅に連絡を入れる。

「もしもし、お疲れ様じゃ。今いいかの?」
「いいわよ。ご飯中だけど。そうそう、いい物貰ったわよ。見せてあげたいんだけど、今どこかしら?」

「駿府から北西へ10kmほど行った山中で徒党組んでおるのだがな、実は助っ人を頼みたいんじゃが、来れないかの?」
「嫌よ…と言いたいところだけど、今は暇だし、行けなくもないわよ。そこまで手間とらせるんだから、何か面白い事あるんでしょうね?」

「うむ。ボスらしき奴に敗退した。人型じゃからお主も好きそうじゃな。」
「まぁ、よく私の好みがわかるわね。」驚いた風に阿修羅が言う。
「うむ。動物や妖怪より人を斬る方が好きそうじゃ。」
「お爺ちゃん……人の事をなんだと思ってるのかしら…でもまぁ、否定はしないわ。」
否定しないのかよと心の中で突っ込みをいれておいた。
「地図でいうと……」
地図を出すが、真っ白だった。

「ああ…フレンドの居場所は表示できるみたいだから、まぁ、なんとか行ってみるわ。」
「陰陽師にも脚力上昇の術があったかもしれん、確認してみるがいい。」
「ヤケに技能に詳しい所がお爺ちゃんの謎な所ね。」
「…宜しく頼む。」
「貸し一つね。…ああっ、味噌煮込みうどん!あれで手を打ってもいわよ。」
「あと一つしかないんじゃが。」
「一つあるじゃない。」
「ひどいのう…わかったわかった。」

さらば【味噌煮込みうどん】。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
金縛り:相手にディレイをかける。基本射程3m 確立極低 気合消費少 熟練度上昇により確立上昇
意気昂揚:味方単体に気合回復速度上昇効果大。基本効果時間3分 基本射程5m気合消費中 熟練度上昇により効果、射程、効果時間上昇
越後景虎:越後の特産。大吟醸酒 
神通発雷:単体雷術。木属性。

※技能設定はうつろいます。





前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.025512218475342