<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.20607の一覧
[0] 【初投稿・習作】信ONをネタに書いてみた【VR物】[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[1] 序章[ノミの心臓](2010/07/24 22:19)
[2] はじまり[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[3] はじまりはじまり[ノミの心臓](2010/07/25 22:23)
[4] はじまり×3[ノミの心臓](2010/07/26 21:50)
[5] [ノミの心臓](2010/07/31 23:50)
[6] [ノミの心臓](2010/07/31 23:59)
[7] [ノミの心臓](2010/08/02 19:49)
[8] [ノミの心臓](2010/08/07 19:48)
[9] 8 閑話[ノミの心臓](2010/08/05 23:20)
[10] [ノミの心臓](2010/08/05 23:26)
[11] 10[ノミの心臓](2010/08/08 09:46)
[12] 11[ノミの心臓](2010/08/08 20:30)
[13] 12[ノミの心臓](2010/08/10 22:00)
[14] 13[ノミの心臓](2010/08/20 22:22)
[15] 14[ノミの心臓](2010/08/26 21:38)
[16] 15 閑話[ノミの心臓](2010/08/29 00:49)
[17] 16[ノミの心臓](2010/09/01 23:40)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[20607] 10
Name: ノミの心臓◆9b8a3f51 ID:ee8cef68 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/08/08 09:46

一瞬、阿修羅はどうしようかと考えたが、別にずっと徒党を組むことを取り決めた訳でもないしと思い返信文を練る。
『有難い申し出なのですが、私はβテスターではありません。それでもいいでしょうか?』
少し丁寧がすぎるかもしれないが、礼を失するよりはいいだろうと思い、歩きながら返信を送った。
『もちろんですよ。レベル上げも兼ねての捜索を予定してます、その分、死ぬ危険もあると思いますが…よければどこかで待ち合わせましょう。』
いちいちメールを打つのが面倒になってきたが、ボイスチャットによる電話機能はフレンド登録してないと使えないので、思考操作でメール文をまた打つ。
『はい。そちらの都合のいい場所でいいですよ。遅れましたが、私は僧の小林正巳といいます。外見は…老けているのですぐ分かると思います。』
『では、西門付近の茶屋で…えーっと20番席ぐらいから空いてると思いますのでその辺でお願いします。私は白髪の忍者です。よろしくお願いします。小林さん。』
『了解しました。今から向かいます。10分もかからないと思います。』
と返信を書きながら走り出した。




西門茶屋23番席にて…。
「今川にはβからの続いているコミュニティが一つだけあるんです、えーっと【キノコハウス】と言うんですけど、そこが山伏の情報を100貫だして買うって言うんですよ。」
身長160弱でやや痩せ型、茶色の瞳、白髪、やや童顔の全身黒い忍者装束姿の若者が言った。
「ほう、太っ腹じゃのう、それだけの価値があるとも思えんがな。」
「でも今の所、唯一の初期目録以外の目録情報ですからね、もし目録数に制限があったりしたら、それこそ、100貫以上の価値があるでしょうし、何より探すのが大変なので、その金額のようです。」
「目録がもらえる事は確かなのか?」
「確かです。『ゲーム開始後、わしを見つけることができたら目録をやろう』ってもったいぶって言ってましたから。」


しばらく、そのβ集団について話をしていると、ねずみ小僧のお連れさんがやってきた。
「こんにちは、はじめまして、小林さん。神楽巫女と申します。よろしくお願い致します。」
身長150前後か、黒髪を腰の辺りまで伸ばし、正統派巫女さんといった装いで、女性というよりは女の子といった感じだった。
「ぉ、おおっ(ロリ巫女キタコレ!)こんにちは、小林正巳、僧をやっておる、宜しくの。」
ちょっと胸に込みあげてくるものがあったが、どうにか飲み込むことに成功する。
「メールで言ってた連れです。リアルで家の妹なんです。」
並んで立つと、白と黒の兄妹といった感じでよく映える、どちらも育ちがよさそうなな感じがした。
「ぜひ、お爺ちゃんと、呼んでくれて結構じゃっ!」
何故か突然そんなことを口走っていた。



「100貫は三人で山分けということで、後は各自、情報を売って儲けるも自由って事でいいですか?」
「ああ、かまわん。」
「情報が売れるのは最初だけでしょうから、競争になりそうですね」と巫女さん
「その前にちゃんと見つけんとな。」
「ですよねー。」
無駄話をしつつ、町の外に出ると、相変わらず、ねずみ狩りは盛況のようで、見渡す限り人で溢れていた。

辺りはもう夕暮れ時といった風情だ。
最後にねずみ小僧を党首に徒党を組んだ。
「もうレベル4なんですね、私も昨日から結構頑張ってたんですけど、まだレベル3ですよ。本当にテスターじゃないんですか?」
「うむ。年の功じゃな。」
「はぁ……」


「叩きます。」
そういうと神楽巫女は裾から手持ち和太鼓を取り出しぽんぽんと叩く。
どうみても裾から出るような大きさではなかったが、その辺はゲーム的仕様と言うことか。

【行進曲】

補助技能が多彩な神職が使う術で徒党全員の脚力が上昇効果があった。
神職以外にも…僧にも若干の補助技能はあるようだが、単体技能だったり、効果が限定されていたりで使い勝手が悪く、神職の領分を侵すようなものではなかった。

「β時代の山伏の巡回ポイントは駿府の北西辺りでした。まずはその周辺から捜して行きましょう。付いてきて下さい。」
そういうと颯爽と走り出す、速度は軽く自転車の立ちこぎ程度は出ていた。
10m程の距離をあけて、地図を表示させつつ、後方に湾を右手に雄大な富士山を望みながら走り出す。
あまり近いと立ち止まったとき惨事になりそう感じがした。

野外の地図は日本地図の輪郭と城下町の場所、街道を記しているぐらいで他は何も書かれていなかった。真っ白である、その分、最近のグーグルマップのごとく拡大・縮小、思いのままだ。
自分で書いて行けということか、ちょっとしたペンソフトまで付いてあった。もし完璧な地図情報を作ることができたらそれだけで一財産できそうだ。

信長の野心VRオンラインの広さは公式によると、日本地図実寸大の三分の一程度。
しかし、見える地形はというと日本というには若干かけ離れているように思えた。

「駿河だけでも静岡県の半分のさらに三分の一じゃから結構な広さじゃな。」
しばらく走るだけも飽きてきたので、走りながら徒党間ボイスチャットで話しかける。
「そうですね。およそ1.000.00k㎡ほどですからね、数字にすると大きく感じますが、そんなに無茶な広さじゃないと思いますよ。」
「そうかのぉ…、樹海の方におったらお手上げじゃろう。」
小高い丘の頂上辺りに着き周囲を見渡す、駿河の北西部と湾岸部はわりと起伏も少なくひらけて見えるが北東部はほとんど樹海でおおわれていた。
「あの辺りはほとんど国境ですからね。それに基本国境に行くほどアクティブな敵も増えてどんどん敵も強くなりますから、人が行ける範囲はそこまで広くないと思いますよ。目立つ格好してますしね。」
「ここから少し敵も出ると思いますので、注意してくださいね」巫女さんが風に飛ばされている髪を押さえながら言った。


道中、避けれないアクティブなモンスターもいたが問題なく対処できた。
忍者はある程度的の強さが分かる技能があるらしい、今は自分より強いか弱いかぐらいしか分からないということだ。
「この辺の適正はソロだったら5レベル程度でしょう。」小僧が教えてくれた。
「しかし、【雨蜘蛛】は厄介じゃな、後ろから攻撃しても足が飛んでくる。」
高さは人の半分程度だが、足の長さを含めると人の2倍程度ぐらいはあった。
八本のある足と吐き出す糸を器用に使い攻撃をしかけてくる。
人は大抵、蛇嫌い派か蜘蛛嫌い派かに分かれるらしいが、ここにはご丁寧なことに両方いる。
【青大将】が現れた時の巫女さんの青ざめっぷりは可哀想なほどであった。
嫌悪をもよおす感情はシステム的に抑えれているとはいえ、相当嫌がっていた。
「自分もどっちかっていうと蛇は苦手だったんですがね、慣れてきました。」と小僧がいった。


わしはというと田舎育ちだから、蜘蛛は小さいものなら素手で殺していたし、田んぼでも蛇は良くでる、両方とも苦手ではなかった。
しかし、体調5m、太さ30cm程の蛇はさすがに余り近づきたいものではなかったが。
数がいる場所には近づかず、どうしても避けれない場合は、一匹ずつ、巫女様が弓を射て誘導し、仕留めた。
たまに2、3匹まとめて釣れて、結構危ない目にもあったが、どうにか切り抜けた。
地味な風に聞こえるが、人との戦闘ともまた違った緊迫感がある。何しろ気持ち悪い。


そうこうするうちに、辺りも月明かりがあるとはいえ、大分暗くなってくる。

【光明】

ゆらゆらと人魂のように淡い光が辺りを照らしだした。
「巫女の技能です。敵も寄ってくるかもしれませんが…。」巫女さんが申し訳なさそうに言った。
「ここから、急登になってきますから、足元に気をつけて下さい。」小僧が礼儀正しく言う。
「山の高さは三分の一にはなっておらんようじゃな。」
多少は低くはなっているのかもしれないが、丘というよりはまだまだ山が多かった。
「その分、急峻な山が多くなってます、行軍できる場所を意図的に狭めているのかもしれませんね。」合戦の観点から巫女さんが所見の述べた。
どの山が、何々山だというのは富士山以外、分からなくなってしまった。
もしかすると、完璧に日本の地形を模写している訳ではないのかもしれない、日本とは若干趣が異なる、左右に蛇行して流れる河川と山々をを見て、そう思った。



しばらく敵を倒しつつ走りとおし、標高500m程の山の中腹を過ぎた辺り、かなり大きな岩があった。
周りには木もまばらにはあるが、視界を遮るほどはない。
みると岩の周りには何人かプレイヤーがいるようだった。
「さて、着きました。あの岩が目印だったんですけどね。大体4時間に一度くらいのペースで来てはいたんですが、今は全くこなくなったと聞いています。山伏はここまで来てから折り返し東へ、富士のほうへ向かっていたのですが、少し先から敵が強すぎて進めませんでしたね。」
「どうするんじゃ?しばらく待ってみるのか?」
この辺りで、敵を狩りつつキャンプしている徒党も見受けられた。
「取りあえず、この山の山頂まで行って辺りを見回してみようと思います。頂上付近で少しの間キャンプしつつ、レベル上げを予定してます。」




特に道中イベントもなく頂上付近まで登ってこれた。
だが、頂上までの残り30mは地面の質も異なり、岩山のようだった。こを登るのは、素人にはちょっと恐怖だった。
「忍者ですから、なんとかなります。」
巫女さんと自分は残ることになり、ねずみ小僧はするすると傾斜60度以上はありそうなほとんど崖な岩肌を登っていった。


「怖くないのかのう。ここからでも十分、見晴らしは良いが。」
「兄さんは馬鹿なので高い所が好きなんです。」
「だ、大丈夫か…聞こえておるんじゃ。」
「徒党会話はしてませんから。」
「そ、そうかい、しかし月に富士山に海にと最高な場所じゃな」
「そうですね。隣がお爺さんなのは残念ですけどね…」
「け、結構辛口なんじゃな。」
「お嫌いでしょうか?。」
「……なんと言ったものか。」
大好物です!と答えそうになったがどうにかキャラを守りきった。


巫女さんと二人、楽しく会話をしていたら、
「もしかしたら、いきなり当たりかもしれません。」
頂上まで登りきったのかもしれない、徒党チャットから嬉しそうな小僧の声がした。


それから、しばらくすると…、
『うわあああああああああああああああっ!』
頂上から小僧の叫び声が響いてきた。


「大丈夫か!?」
「兄さん!?」
返事がなかった。戦闘中で徒党会話が上手く使えない可能性もあるが、一般的に連絡を取る手段が使えないのは死んだ状態でしかない。


『やられちゃいましたー!』
頂上ののほうから声がする、幽霊になって叫んでいるのかもしれない。
『不意を付かれましたーっ、ちょっと強そうな敵がいます。見捨てて結構ですのでーっ、小林さん今日はありがとうございましたーっ!』



「兄さん…馬鹿…。」巫女さんは額に手を付き、呆れた風に言った。
「そうは言うてもな…見捨てるわけにもいくまい、上に行ってみるしかあるまいが、今から登るのも時間がかかりそうじゃなぁ…何か案はあるか?」
死んでから強制ログアウトまで10分、時間をかけるわけにはいかなかったし、神職は補助技能が多い、この崖を登る手段もあるかもしれなかった。

「ちょっと待って下さい。」
コマンドを出して技能を確認しているようだった。

『聞こえますかーっ?見捨ててくださいねーっ!』

「使えそうなのは【励ましの唄】と【高速韻】効果はウエイト軽減、体重を数秒間軽くするようです。体重を軽くして、素早さを上げる。…跳びながら登れば…なんとかなるかしら。」
「そうじゃな……ああそういば、巫女は風の攻撃術があったな。あれで追い風作れば楽にならんかの?」
大分薄れた記憶を頼りに使えそうな技能を考えた、体重の軽減具合によっては、上まで吹き飛んでいけないものかと。

「攻撃術ですよ?…んー拡張で威力を最小に……風速を……。どの術も初めて使うので、まぁ…上手く行けば僥倖ですねぇ…」
技能の設定をウィンドウを出して行っているようだ、巫女さんの指が中空をさわさわと彷徨っている。
「そうじゃな…あまり準備もしとられんしな。」
「失敗しても、兄さんがログアウトするだけですから、気楽にいきましょう。お爺さん」
「仲の良い兄妹じゃのう。」

「術はもし途中効果が切れて落ちそうになったら使います。風で吹き飛ばしてさし上げますね。」
「あい、わかった。」
「いきます。これで気合は空になります。上に登ってからの補助はできません。」技能の設定が終わった巫女さんが、裾から琵琶を取り出し言った。

【励ましの唄】【高速韻】

傾斜60度以上、頂上付近は70度はありそうな岩山を二人で駆け上がり始めた。







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
キノコハウス:β時代から続く今川コミュニティ
雨蜘蛛:蜘蛛。糸と足と牙による攻撃を行なう。間近でみると精神的ダメージを食らう。
青大将:蛇。牙と巻きつき攻撃を行なう。締め付けられるとダメージ以上に精神的ダメージを食らう。
行進曲:野外でのみ脚力を30%上昇させる技能。戦意が確認されると効果が切れる。
光明:夜を照らし出す。熟練度が上がると、死霊系は避けて通る。
※信長の野望VRオンラインの世界は月明かりバッチリでなくてもなんとかなる。雨の日もあるけど。
励ましの唄:要・琵琶。ウェイト軽減、体重を数秒間半分以下にできる。
高速韻:徒党全員の素早さ上昇効果。効果は術者の魅力及び被術者の木属性に比例する





前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.046082973480225