<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

チラシの裏SS投稿掲示板


[広告]


No.20607の一覧
[0] 【初投稿・習作】信ONをネタに書いてみた【VR物】[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[1] 序章[ノミの心臓](2010/07/24 22:19)
[2] はじまり[ノミの心臓](2010/07/24 22:24)
[3] はじまりはじまり[ノミの心臓](2010/07/25 22:23)
[4] はじまり×3[ノミの心臓](2010/07/26 21:50)
[5] [ノミの心臓](2010/07/31 23:50)
[6] [ノミの心臓](2010/07/31 23:59)
[7] [ノミの心臓](2010/08/02 19:49)
[8] [ノミの心臓](2010/08/07 19:48)
[9] 8 閑話[ノミの心臓](2010/08/05 23:20)
[10] [ノミの心臓](2010/08/05 23:26)
[11] 10[ノミの心臓](2010/08/08 09:46)
[12] 11[ノミの心臓](2010/08/08 20:30)
[13] 12[ノミの心臓](2010/08/10 22:00)
[14] 13[ノミの心臓](2010/08/20 22:22)
[15] 14[ノミの心臓](2010/08/26 21:38)
[16] 15 閑話[ノミの心臓](2010/08/29 00:49)
[17] 16[ノミの心臓](2010/09/01 23:40)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[20607] 序章
Name: ノミの心臓◆9b8a3f51 ID:ee8cef68 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/24 22:19



――――信長の野心VRオンライン合戦場での一幕――――

街道沿いの小高い丘の陣をめぐって、激しい戦いが始まった。

敵の傾奇者(かぶきもの)が地勢操作で場の火属性を上昇させると同時に陰陽師達の攻撃術『火弾・壱』が降り注いでくる。
このゲームでは遠距離ほど低級の術に適性がある。
味方の陰陽師も迎撃に入っているが人数差で圧倒されている。
合戦が始まってから十幾度目かのの『孔雀明王法』を使う。紫煙の靄が大部分の炎を散らすが、僅かだが着実に『生命力』を削ってくる。
術の一斉射の後に敵の突撃が開始された。
鉄砲隊と陰陽師隊が射程の長いものから順に迎撃に入る
丘にいる分こちらの方が射程が長いし有利ではあるが、相手もさるもので、侍と鍛冶屋を前面に神職は補助を薬師は頭を下げながら回復に専念、前衛が弾や術を打ち払い、時には体に受けつつ、じりじりと前進してくる。

皆の注意が前方に注がれている中、後方で幾人かの叫び声が上がった。
忍者ばかりの別働隊がほぼ崖に近い側面を駆け上がってきのだ。

やや後方に近い所にいた自分は一人の忍者を相手取る。
忍者の動きがこれほどまでに厄介だとは思わなかった。
数値的には自身の1.2倍程の素早さだが、先手先手を取られ、防戦一方だ。
敵が安直に急所を幾度となく狙ってこなかったら数十秒で倒れていただろう。
『一喝』を放つ、レジスト判定・・・どうやら失敗したようだ。
『魅力』はさほどないせいだろう、1秒ほどのディレイがかかる。
首を狙い攻撃する。
クリティカル発生、血しぶきが飛ぶ。
瀕死なのだろう、背中を見せ逃げに入った。
追い討ちをかける。
攻撃術『凍気壱』こちらの術発動の早さに驚いたのだろう驚愕の表情を浮かべている。
こちらの後衛職を数人倒していった忍者達の一人をようやく倒す。


後衛職とはいえ、攻撃技能がない訳ではない、多数で囲み残りの忍者を駆逐していった。
しかし、被害も大きかった。この陣ではもう数少ない薬師が全滅した。『転生』は使用されたが、1時間ほど技能の使用不可及び身体能力が低下する。
『蘇生』が使える者がいなくなった事で踏ん切りを付けたのだろう。
「右陣先鋒撤退に入る。」この陣のリーダー格の侍が号令をかける。
後10分ほど耐え、忍者共の死体が消えるのを待つべきだろうが、欲をかけば撤退の時期を逸する可能性もあった。

敵も特攻した忍者を見捨てるつもりもないのだろう。
混乱した隙をつき、幾人かの敵が陣に取り付き乱戦になりつつあった。
その中に刀を持った巫女装束姿の女性もいた。
このゲームで徐々に有名になりつつあった敵国のエースだった。

この状況下での無理な撤退はさらに犠牲を生むだろう。
NPCを突撃を掛けさせPCが撤退する時間を稼ぐのが最近の定石のようだが、劣勢な国力・軍資金温存の為、この国では、PCから前衛の決死隊を募り、陣守備に有用な後衛職はNPCと共に撤退させる。
合戦の場合、個々の技量も大事だがNPCも含めた人数がより重要だった。
開戦から休憩を挟みつつ3時間ほど、比較的劣勢な人数でよく守った方だろう。
自分はあらかじめ決死隊への参加を希望していた。
どうせ後1時間ほどで今日のログイン時間は終了だった。
――明日は墓場からリスタートか。


怪我人は馬に乗せ先行させ、他は徒での逃走に入る。
敵の遠距離攻撃を打ち払いながらの逃亡戦。
殿の決死隊の面々が叫ぶ、

「そろそろ、いきますか」
「やべwwwいっぱいきたおwwwww」
「うちの軍師様使えないwwwwワロスww」
「ここの撤退で俺の知行領地陥落ww俺涙目ww」
「無双系!?そんなゲームじゃねぇからこれ!」
「これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!」
「逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ駄目だ。逃げちゃ(ry」
アドレナリン全快で頭がやられたらしい。

足を止め、振り返る同時に、準備していた技能を放つ。
『手裏剣乱射』・『大喝』・『大音声』・『乱射乱撃』、相手も心構えがなかったのだろう、大概がレジストに失敗している。
数瞬遅れて、残りの面々が首を取りに掛かった。
一気に乱戦になってしまえば、後衛も手が出しにくい。
お互いに庇い合いながら、距離をとられない様に、取り付いていく。

この国の精鋭だけはあり、こちらの倍する敵を討ち取った所で決死隊全滅と相成りました。






―――とある国境での会話―――

「やっと抜けたぞ。」
「なんとか全滅は免れましたね」
「半分以上がやられたのか」
「抜け道の敵は現状のレベルで狩るのは不可能ですね。殿はほとんど全滅だそうです」
「合戦場の様子は?」
「全ての先鋒が落ちたようです」
「もともと少ない人数をさらに割り裂いたのによく戦った方だ。我々もやるぞ!」
「残り制限時間1時間です。」
「では、敵国城下町に向けて出発する。狙いは『両替商』だ!システム的に殺せなかったら火を付けろ!」
「おおおおおおお!!!!」






以下、公式ホームページの『戦国週報』より

両軍が国境で激突する戦いが4つも発生した先週。
当然領土の変化は大きく、順位もかなり変動している。

先週注目だったのは国力・兵力共に相手国を上回っていたA国とB国の戦い。
下馬評どおり、A国の完勝かと思いきや、B国は進入不可能と思われた山を越え、
A国城下町に攻め入ったようだ。

幸い、少数だったようで、残っていたNPCで撃退したようだが、
門は突破され、両替周辺は徹底的に燃やされたそうだ。
A国GMによると「両替商に預けてある皆様の荷物と貫は無事です。」とのコメントを頂いた。
これはB国にとって誤算だったのではないか。

また、両替商については、現在、後任の育成に取り組んでおります。
しばらくは、他国でのご利用をお願いしますとの事だ。

この事によりA国は、国境より攻め入っていた軍を一時退いたようだ。

各国に驚きを与えた、今後のB国の戦術に要注目だ
今週は合戦が多い。 お正月ではあるが、のんびり出来る情勢とは言えないかもしれない。
これからの年末年始、諸将とも忙しくなると思うが、自国の情勢にも注意を払って欲しい。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
※火弾・壱:陰陽師の攻撃術の一つ。熟練度を上げれば十分実用レベル。射程が長い。
※孔雀明王法:僧の範囲術結界。制限時間が短い。
※転生:後衛職多数が使える怪我状態でのPCの復帰が可能。このゲームでは死ぬと一日のログインが終了する。
※蘇生:リスクなしで復帰可能な術。薬氏の特権。
※生命力:いわゆるHP。ヒットポイント。0になると死亡
※一喝・大喝・手裏剣乱射・乱射乱撃・大音声:基本痺れる術。大小ディレイがかかる。確立低~
※魅力:ステータスの一種。



前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.025622129440308