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No.20455の一覧
[0] 【ネタ】こんなレオはどうだろう(つよきす)[酒好き27号](2010/12/01 12:42)
[1] 霧夜エリカとの関係[酒好き27号](2010/12/01 12:47)
[2] 鮫氷新一との関係[酒好き27号](2010/12/01 14:56)
[3] 伊達スバルとの関係[酒好き27号](2010/12/01 15:02)
[4] 椰子なごみとの関係[酒好き27号](2010/12/01 15:06)
[5] 蟹沢きぬとの関係[酒好き27号](2010/12/01 15:10)
[6] アレックス・サンバルカン13世との関係[酒好き27号](2010/12/01 15:16)
[7] 大江山祈との関係[酒好き27号](2010/12/01 15:22)
[8] 近衛素奈緒との関係[酒好き27号](2010/12/01 15:30)
[9] 佐藤良美との関係【前編】[酒好き27号](2011/08/12 12:42)
[10] 佐藤良美との関係【後編】[酒好き27号](2010/08/17 21:53)
[11] 学校行事におけるスタンス[酒好き27号](2010/12/01 15:56)
[12] 村田洋平及びモブキャラとの関係[酒好き27号](2010/12/01 16:07)
[13] 物語の始まりにおける彼の行動[酒好き27号](2011/05/25 19:51)
[14] 鉄乙女との関係【前編】[酒好き27号](2011/05/25 19:49)
[15] 鉄乙女との関係【後編】[酒好き27号](2011/08/12 12:32)
[16] 生徒会執行部での立ち位置【前編】[酒好き27号](2011/08/12 12:46)
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[20455] 伊達スバルとの関係
Name: 酒好き27号◆3e94cc3d ID:17f35bae 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/12/01 15:02


「とまぁこれが昨日の顛末ってやつ」

 いつもの時間、いつものレオの部屋。
 そこでは今日の朝に張られた写真についての尋問、ではなく説明が行われていた。
 もちろん発端となったエリカの動画については適当にぼかして語ったのだが。

「レオ、犯罪はほどほどにしておけよ」

「ちくしょー、なんだかとってもちくしょー!!何でレオばっかりぃ!」

「レオって結構むっつりだよね。興味ないふりしてあの姫の恥ずかしい姿に興味深々なんだろ」

 実に予想通りの反応である。
 頬を膨らませたカニの頭なんかの撫でつつ、レオは一応言い訳なんかをしてみた。

「あの時にはあれが最善だったんだよ。偶然見ただけなのに対抗手段が無いのはちょっと不安すぎる」

 そもそもエリカのああいったシーンに遭遇した場合100%の確率で
「ちょっとお話しましょうか」→「ロボトミーと下僕と奴隷のどれがいい?」となるに違いないのだ。
 そのためにはまず先制攻撃が必須だとレオは力説する。

「まるでランダム遭遇の即死フラグだな、おっかねぇ」

 台詞とは異なり、心底面白そうな顔をしてスバルが笑う。
 こいつ他人事だからといって……。
 そしてフカヒレは鼻息荒く机の上に放置してあるSDカードに視線が釘づけだ。

「なぁなぁレオ、そのSDカード……」

「もちろんダミーだよ。流石に本物は見せびらかせない、コピーもあるしな」

 途端にがっかりした顔をしていつもの定位置に戻るフカヒレ。
 狙いがわかりやすすぎる。

「ここまで慎重な坊主は初めて見るな、そんなに強敵か?」

「あっちもそれ(ダミー)はわかってるだろ。多分本物だと確信したら問答無用で砕きに来る」

 スバルがちょっと心配そうに聞いてきた。
 レオのハートがキュンとな……らない。
 決してそのような事実はございません。日本の政治家にはこれくらいの鉄の意志を持ってもらいたい。

「姫がそこまでする恥ずかしい姿……ハァハァ」

「ねぇ、ボクこいつと同じ部屋にいたくないんだけど」

 何を想像したのかまたしてもフカヒレの息が上がってきた。
 この部屋、妄想禁止とでもするべきか。罰金は1回300円くらいで。

「大丈夫だ、少なくとも俺のこの部屋でフカヒレに妙なことをさせる気はない」

「そ、そう?えへへ、レオが守ってくれるなら安心だね」

 レオの言葉にカニが何を思ったか頬を赤らめる。
 照れたようなその顔は小動物としてなら愛くるしく見えなくもない。

「ああ、友人をロリコンの道に進ませるわけにはぷげらっ!」

「ボクはレオたちと同じ高校生だ!ふざけたこと言ってんじゃねーぞダボが!!」

 身軽なカニはベッドのスプリングを利用して一気に膝を入れてきた。
 レオが思わず雑魚敵の断末魔のような叫びを上げてしまうほどには手慣れた攻撃だ。
 普段それを受けているフカヒレに幸あれ。

「どうどう、俺が悪かった。でもなカニ」

「んー、何?」

「人が一番怒る時は図星を突かれたときらしぎゅぅ……」

「そんなことない!そんなことないもんね!!」

 カニの両足でレオの首が超締まる。
 相変わらずの涙腺の緩さからか、やっぱりカニは涙目だった。

「ほらカニ、レオがタップしてるだろ?これ以上は洒落にならないぞ」

「ボクは本気だよ!」

 いや、それ俺死ぬだろ。
 にしてもスバルは良いところで止めてくれる。流石はレオと同じカニの教育係である。

「そういう本気はもっと別のところで使いなさい」

「ボクはこういうときにしか本気が出せないんだ、あとデッド関係だね」

「で、勉強は?」

「馬鹿とホモサピは使いようっていうじゃん?ボクだってちょっと視点を変えればできることがいっぱいあるのさ」

 思わず男三人で顔を見合わせる。
 そんな空気を意に介さず、カニはイスに座りなおしたレオに乗って地味な嫌がらせをつづけていた。

「なぁスバル、微妙に響きも内容も合ってるんだけどなんて言うべきだろう」

「どっちの意味でも自虐の気が強い。カニも成長したな……」

 いや、でも使われることが前提って言うのはどうだろう。
 教育係の二人は慣れないことわざを微妙にかすらせながら使用したカニを褒めるべきか悩んでいた。
 いやいやいや、それはちがうとばかりにフカヒレが口を開いた。

「カニは自分で馬鹿だっては言わないとして、カニは甲殻類だからホモサピエンスに当てはまらないんじゃね?」

「そうだな、じゃあ正しいことわざで考えると」

「そうかハサミか!」

 繋がっちゃったよ、とレオが頭を抱える。
 楽しそうにスバルが笑う。
 そしてフカヒレが話が繋がってるようで全くつながってねぇ!と突っ込みを入れた。

「何だろうこの深読み。どっちにしても馬鹿と並べられてる時点で認めてるようなもんだけど」

「おめーら何の話してんだ?」

 馬鹿馬鹿しくなって疲れたようにつぶやいたレオに、カニがきょとんとした目を向けた。
 さっきまでの怒りをきれいさっぱり忘れたようなカニをひょいとつまみあげ、レオはカニをベッドに放り投げる。

「ん、ダーウィンの話」

 カニの進化的な意味で。










「レオ、俺達って友達だろ~?」

 フカヒレが猫なで声でレオに言う。
 もちろん目当ては姫の盗撮動画だ。

「変態を友達に持った覚えはない」

「奇遇だね、ボクも盗撮魔の変態と幼馴染になった覚えはないよ」

「ぐっ……」

 横にいたカニから不意打ちの一撃!
 レオは1万のダメージを受けた。
 レオは死んでしまった……。

「いや、ダメージ限界突破はずるい」

「はっはっは、一本取られたな坊主」

 スバルが心底おかしいとばかりに笑っている。
 おのれカニの分際で……と言いたいところだがレオはカニに言い返せないという事実に打ちひしがれていた。

「わかってねぇなぁ。男はみんな、変態という名の探究者なんだよ」

 満面の笑みでフカヒレが言う。これは俺に対するフォローとつもりなのだろうか?
 もちろんこれがフォローだとしてもマイナスにしかならない。

「うわっ、キモい。メガネが安っぽい蛍光灯の光を反射してキモい」

「こらカニ、人の家の蛍光灯を安っぽいなんて言うんじゃありません」

 すかさずカニをたしなめるスバル。
 うむ、教育って重要だよね。

「怒る部分が違うだろ!!」

「そうだ、メガネに罪は無い」

「あれ?何か目から液体が出てきやがる……」

 はらはらと涙をこぼすフカヒレに残りの3人は一瞬顔を見合わせると実に楽しそうに口を開いた。

「心の汗だな、健康的だ。もっと泣け」

「そーそー」

「中身があまり健全じゃないけどよ」

 参考までに上からレオ、カニ、スバルの順番である。

「お前ら少しは俺に優しくしろよ!」

 こう言う他愛のないじゃれあいも楽しいものである。
 え?もちろん冗談だよ、だから落ち着けフカヒレ。



「でもよ、それが本当の話ならレオは注意しといたほうがいいんじゃない?」

 フカヒレが落ち着いてしばらくした後、その当人が何となく訪れた静寂を破った。

「なんでよ」

「ホラこれ」

 そう言ってフカヒレが財布から取り出したのは、なんか薔薇があしらわれたカード。
 金の文字で『竜鳴館霧夜エリカ公式ファンクラブ』の文字が。
 なんだこの金銭の無駄遣い!って感じのカードは。

「おいおい、まだ一学期だろ?」

「流石姫やね」

 呆れたようなスバルと、純粋に感心している様なカニ。
 一方のレオは微妙な倦怠感を感じる程度には精神にダメージをくらっていた。

「フカヒレはNo.69か。この中途半端さがフカヒレっぽいな」

「この番号はな、験を担いでるんだよ。いつか姫と付き合うことになった場合のシックスn」

「おっと手が滑った」

「おぅふ!!」

 危険な単語を発しそうになったフカヒレを強制的に黙らせる。
 壁に耳あり障子に目あり。
 これは誰かに聞かれないようにとのレオのフカヒレに対する素晴らしい配慮であるのだ。
 というかファンクラブの会員番号って狙って取れるものじゃないと思う。

「ちょっとマジでどん引きなんだけどこいつ」

「若いねぇ」

「人妻とか母って単語に惹かれる男が言うな」

 無関係とばかりに一歩引いた発言をしているこの男も実際は結構なものである。
 健全な男子高生。
 この流れで書くと実に卑猥に見えるから不思議だ。

「ファンクラブの会合に行ったんだけどよ、体育会系の部員も多いから気をつけた方がいいかも」

 それはフカヒレなりの配慮だったらしい。
 確かにエリカとの対立は水面下のものとなりそうだが、用心しておくに越したことは無いだろう。

「サンキュ、フカヒレ。貸し1な」

「借り1だろ!そっちから見て!」

 べ、べつに感謝してるわけじゃないんだからね!
 誰にも気づかれない一人ツンデレごっこをレオが脳内でしていると、カニがベッドで転がりつつ声を上げた。

「なーフカヒレ、姫のファンクラブって何してんの?」

「んー、なんか会員になると姫の写真を買う権利がもらえるらしい」

 姫の写真を買う権利をやろう(キリッ
 思わずいらん!と叫びそうになったレオだったが何とか耐えることに成功した。
 スバルも微妙な表情をしている。
 といってもこちらは金銭がからんでいるからだろうが。

「おいおい、いいのかそれ」

「なんでも姫が写真部に対してだとポーズまで取ってくれるらしいぞ」

「んじゃーレオの動画も意味ないんじゃねーの?」

「いや、あれはそういうレベルの代物じゃないから」

 あれほどキャラが破壊されたエリカというのも珍しい。というか遭遇する確率はほぼ無いに等しいだろう。

「姫の、レベル違いの動画……はぁはぁ」

「せんせー、フカヒレが卑猥な顔をしてまーす」

「しっ、いい子は見ちゃいけません」

 情操教育に決していいとは言い難い様子のフカヒレにいつもの突っ込みが入る。
 実に平和だ。
 願わくば、この平穏が少しでも長く続きますように。とレオは窓の外の星に願ったりしてみた。

「よし、トイレ行ってくる」

「死ねよ」

 この男は人の家で何をするつもりか。
 そこでふと疑問。

「にしてもさっきから会話に出てくる『姫』って霧夜エリカでいいんだよな?」

「おいおい坊主、今さら聞くのか?」

「レオってばそういうの興味なさそうだもんね。最近定着して来たらしいよ」

 見事に呆れつつ納得されてしまった。
 レオは人付き合いはそれなりにするが、そういう流行とか流れというものに興味を示さない。

「姫ねぇ、あの光景見ちゃうと名前負けだなと思わなくもない」

「どうせ俺たちに見せないならそういうこと言うなよ。気になるだろ?」

「ああスマンスマン」

 相変わらずのフカヒレを横目にスバルと笑いあう。
 そこのカニちゃん、いくらウザいからってフカヒレの股間を標的にするのはやめなさい。








「チャーハンでいいか坊主?」

「夜食にしては重くねぇ?」

「重いのか?」

「いや、余裕」

 カニもフカヒレも帰った12時過ぎ。
 レオの「夜食が食いたい」とのリクエストに答えようと、スバルがキッチンで頑張っていた。
 夜中ということもあって卵、長ネギと簡単なものである。

「なぁレオ」

「んー?」

 いつもよりちょっとだけ真剣な声でスバルがレオを呼んだ。
 レオはといえば、それに気づきつつもあえて気楽な声でその返事とする。 

「お前が自分からあんな派手な人間に手を出すなんて珍しい。惚れたか?」

 一瞬茫然。
 そしてスバルには悪いが笑ってしまった。
 俺が?霧夜エリカと?

「冗談」

「ほんとかー?」

 ほんの少しだけあった真剣さはきれいさっぱり消えうせ、スバルが茶化してくる。
 別に嫌いなわけでもないが、これほど付き合うというビジョンが浮かばない相手も珍しい。

「まぁ、借りを返しただけさ。それにちょっと利子がかさんだだけ」

 彼女のあの様子は、おそらく気を許した相手にしか見せない種類のものだ。
 それを偶然とはいえのぞき見てしまったレオは、その借りを返さなければならなかった。
 彼女の反撃でそれは清算され、レオがそれを耐えた時点で彼女とは対等、とはいかないまでもある程度個人として認められた気がする。

 イメージ的には彼女と佐藤さん。そしてそれから離れて囲むようにその他の人々。
 レオは彼女の真正面で、周囲の人々より半歩前にいるだけなのだろう。

「闇金よりタチが悪いなそりゃ」

 スバルの例えに全くだ、と思いながらレオはこれから続くであろう高校生活に思いをはせる。
 やっぱり、ため息の一つや二つは出るってものだ。

「入学式からまだ2ヶ月ちょいなのに気が重いったらありゃしない」

「入学式といえばな、レオ」

「んー?」

「……いや、なんでもねぇ」

 自嘲じみた笑みを浮かべてスバルが会話を断ち切った。
 本当に、こいつは全く

「俺にお前はもったいない男だよ、スバル」

「俺は一度もそんなこと思ったことはないぜ?」

 その言葉に軽く笑うと、レオは冷蔵庫からビールを取りだした。

「よし来た!」

 珍しく乗り気なスバルと共に、小さな缶ビールを二人で分け合う。
 その際のスバルの表情は様々なものを抱えた今とは異なり、在りし日の少年時代のように無邪気なものだった。














「残念、スバルルートは未実装だ」

「何を言ってるんだお前」

 ジーザス!と天の声が聞こえた気がした。






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