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No.20277の一覧
[0] 【習作】「だぜ娘奮闘記!」(現実→東方)[クイックル](2012/04/05 23:35)
[1] プロローグ 紅霧から[クイックル](2010/07/16 14:11)
[2] 閑話1 少し過去の事[クイックル](2010/07/16 13:50)
[3] その1 vs霊夢[クイックル](2010/07/20 04:11)
[4] 閑話2 ツンデ霊夢[クイックル](2010/07/16 14:03)
[5] その2 vsチルノ[クイックル](2010/07/16 14:01)
[6] 閑話3 さいきょーの妖精[クイックル](2010/07/18 04:08)
[7] その3 vs美鈴[クイックル](2010/07/20 04:20)
[8] その4 vsパチュリー[クイックル](2010/07/20 04:28)
[9] その5 vsフランドール[クイックル](2010/08/03 11:05)
[10] その6 vsレミリア[クイックル](2010/08/04 05:57)
[11] 閑話4 かりすまは投げ捨てるモノ[クイックル](2010/09/06 10:28)
[12] 回顧話1 マスパができるまで(依頼編)[クイックル](2010/09/05 09:18)
[14] その7 目が覚めて[クイックル](2012/04/05 23:34)
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[20277] その1 vs霊夢
Name: クイックル◆bad3b9bc ID:b764bb8a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/20 04:11
とりあえず、箒を霧の湖に向けた。
紅魔郷本編では、たしか最初はルーミアと戦うんだっけ。
ルーミア……ゲームではあそこで初対面なんだけど、人里の近くにも出て来るから普通に面識あるんだよなあ。
本編では霧の湖にも行った事ないんだっけ?
私、紅魔館に入ってないけど、普通に門まで行ったことあるぜ。
うーんと、美鈴と咲夜とも一応面識あるし。
……まだ誤差の範囲内だよね?
そんなに原作から離れてないよね?

「あら、魔理沙じゃない」

「あれ? 霊夢?」

霧の湖へ行く道中、霊夢とばったり出会った。

「異変だぜ!」

「見ればわかるわ。まさか、あんた異変解決に向かってるの?」

「もちろん! 霊夢もそうだろ?」

「異変解決は巫女の役目よ。あんたは家で震えてなさい。弱いんだから」

「なにおう! 私だって努力はしてるんだぜ?」

「……知ってるわよ。でもあんたは来ちゃダメ」

「えー! 横暴だぜ」

「いいから! あんまり言う事聞かないんだったら……!」

「へへっ! いつまでも弱いままの私と思うなよ!」

揉め事はスペルカード決闘方で。
まだ幻想郷全体に浸透してないけど、私と霊夢は小さい頃からやってきた。
まあ、一度も勝ったことはないんだけど。
宙空に対峙して距離をとる。
同時に右手を動かし、それぞれのスペルカードを構えた。

「魔符『スターダストレヴァリエ』!」

本家の威力には程遠いだろうが、私の魔力でも作り出せた『魔理沙』のスペル。
私の周囲に魔力が満ち、小さな星型の弾幕が無数に取り巻き四散される。
普通の妖怪なら、このスペル一枚で撃退できる。と思う。多分。
でも霊夢は難なく私の弾幕の隙間を低速で掻い潜り、まっすぐこっちに向かって飛んできた。

「霊符『夢想封印』!」

掲げられたスペルカードから、色とりどりの弾幕が生み出されていく。
一瞬、狙いを済ますように霊夢の周りをぐるりとまわってから、一気に私に殺到してきた。

「いつまでも同じスペルで私に勝てると思うなよ!」

箒を握り直し、殺到する前方の弾幕をキッと睨みつける。



「……ん?」

目が覚めた。

「……あ、負けちゃったのか」

また私の負け、みたいだ。
霊夢はホント、鬼のように強い巫女だ。いや、原作だと鬼以上に強いのか。
私が弱いのもあるけれど、まったく。
辺りをざっと確認すると、私は適当な大きさの木の根元に放置されていたみたいだ。
まだ紅霧が晴れていないことから、異変解決に間に合うと思って安堵した。

「あーあ。…霊夢は心配性だな」

倒れていた私の上に浮かぶ紅白の陰陽玉を見てつぶやく。
これ、博麗の秘宝じゃないっけ?
意識のない私のお守りとはいえ、異変の最中に秘宝を置いて行くなよ。

「って、これ置いて行くのはまずいんじゃないか?」

あの霊夢が負ける姿を想像もできないけど、それでも自分の武装の一つがないと苦戦するだろう。
急いで起き上がり、宙に浮く紅白の陰陽玉を手に取る。
私が手に取ると陰陽玉は力を失ってずっしりと重くなった。
急いだ方がいいだろうか。まだ遠くに行ってなければいいんだけど。

「あなたは食べても良い人類?」

と、後ろから声を掛けられた。

「なんだ、ルーミアじゃないか」

「あれ、マリサ? こんな所で何してるの?」

振り向くと、両手を横に広げたいつもの奇妙なポーズで宙に浮かぶルーミアが。
あの封印のお札を取ると、EX化すると噂の……。
よかった。普通にお札のリボンは付いてる。

「ちょっとこの、紅霧の異変を解決しに行くところだぜ。なあ、博麗の巫女を見なかったか?」

「巫女?」

「すっごい強い人間」

「あー。さっき私のこと弾幕ごっこでボコボコにした人間?」

「たぶんそうだ。どっちに行ったか知らないか?」

「うーん。霧の湖の方だから、多分あっち」

「あっちか。ありがとなルーミア」

なにかお礼できるものはないかとポケットに手を突っ込むと、自作の飴玉が数個でてきた。
砂糖水を煮詰めて丸めた簡単なものなのだが、頭を使う時などに重宝している。

「お礼だ。とっておけ」

「わー。ありがとー」

ルーミアに一個渡し、自分も一つ口に入れる。
ルーミアは口に含んだ途端にガリゴリ齧って食べていた。

「じゃあまたな!」

トレードマークの魔女帽子をかぶり、箒に乗って飛び立つ。

「ちょっと待って」

「ん、どうした? まだ飴欲しいのか?」

浮かび上がったところでルーミアに袖をひかれた。

「私も一緒に行っていい?」

ニコニコと純真そうな笑顔。
この顔だけ見ると、とてもこいつが人食いの妖怪だとは思えないな。

「異変の最中は妖精が騒いでいるから危ないぜ?」

「そーなのかー?」

「怪我するかもしれない」

しかしルーミアは袖を離そうとしなかった。

「マリサも危ないよ?」

「私はお前よりも強いからいいんだよ」

「聞き捨てならないなー」

ルーミアは笑顔だけど、ちょっと引き攣っているように見えた。

「まあ、付いてくるのは構わないぜ。帰りたくなったら勝手に帰れよ」

「うん!」

能天気そうな笑顔でにこーっとルーミアは笑った。
同行を拒否する理由もないので、好きにさせる。
ん? また原作と違う形になってないか?

「どうかしたー?」

……まあいいか。

「なんでもない。さ、行くぜ!」

「おー!」



* * *

原作のルーミアを意識して書いてみました。
違和感あったら書きなおします。
矛盾点などもあれば随時書きなおしていきます。


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