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No.20064の一覧
[0] 【ネタ・習作】 あの夏の戦争 【サマーウォーズ】 【完結】[SRW](2011/10/09 22:46)
[1] 01 家族 ~集う人々~[SRW](2010/08/08 22:37)
[2] 02 深夜 ~蠢く影~[SRW](2010/08/08 20:25)
[3] 03 焦燥 ~走る四十一歳~[SRW](2010/08/09 23:23)
[4] 04 冤罪 ~辿り着く元凶~[SRW](2010/08/17 13:04)
[5] 05 急転 ~彼が願った事~[SRW](2011/01/22 23:16)
[6] 06 和解 ~そして彼は往く~[SRW](2011/01/22 23:17)
[7] 07 決意 ~涙が流れる五時二十一分~[SRW](2011/01/23 00:01)
[8] 08 準備 ~そして彼は途方に暮れる~[SRW](2011/07/03 22:15)
[9] 09 決闘 ~しかし役者は揃わない~[SRW](2011/07/10 22:59)
[10] 10 敗北 ~黒い巨人は兎を喰らう~[SRW](2011/10/09 23:35)
[11] 11 勝利 ~絆とは人の力~[SRW](2011/11/02 09:25)
[12] 12 未来 ~出せない『答え』は無い~[SRW](2011/10/11 16:06)
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[20064] 【ネタ・習作】 あの夏の戦争 【サマーウォーズ】 【完結】
Name: SRW◆173aeed8 ID:6727ef40 次を表示する
Date: 2011/10/09 22:46
 ※これは、サマーウォーズのSSです。大人になった健二のモノローグです。
 公式とは違う捏造設定が満載ですが、そういう仕様だと思っていただけると幸いです。











 私の半生には、何度かの大きな転換期がある。

 それはきっと、誰にでも訪れるモノ。

 最初の転換期は、両親の離婚。

 私は父に引き取られ、母は当時住んでいたアパートから出て行った。

 父は黙って私を育ててくれた。

 朝早くから夜遅くまで休む事無く働いて、せめて暮らしだけでも豊かであるようにと思っていたそうだ。

 当時の同年代の子供よりも多少、そこら辺の機微には敏感だった私は、そんな父に我儘を言えなかった。

 いや、言えなかった。それに、周囲に敏感にならざるを得なかった。

 言い換えれば、私は常に周囲の人間を観察していたのだ。

 大人しい性格だった私。しかし周囲の環境に恵まれていながら、私は知り合い以上友人未満の関係しか構築出来なかった。

 何故恵まれていたと思えるのか?

 当時のクラスメートは皆元気ではあったが、苛めなどは無かったからだ。引っ込み思案だった私など、ちょっと乱暴なクラスメートがいれば格好の玩具になっただろう。

 まあ、それから私は空気のように学生生活を送った訳だ。

 私を育ててくれた父だが、私が中学二年になる頃から海外出張に頻繁に出掛け始めた。

 後で知った話だが、どうやら会社に掛け合って私が一人でも大丈夫な年齢になるまで海外出張は延期されていたそうだ。

 最も、それを知ったのは本当に後になってからなので、当時は『父に疎まれているのでは?』と思っていたものだ。

 お陰で内気な性格に拍車が掛った。……いや、例え父がいたとしても内気ではあっただろうが。




 次の転換期は、親友との出会いだ。

 友人の名は佐久間 敬(さくま たかし)。

 出会ったのは、中学時代最初の冬。『OZ(オズ)』と呼ばれる当時から全世界を繋ぐツールとして利用されていた地球規模の巨大コミュニケーションサイトだ。

 同時期に小遣い稼ぎのつもりで『OZ』の保守点検に応募したのが切っ掛けだった。

『キミ、中学生?』

『え、キミも?』

 最初はそんな事を話したように思う。

 そこから私たちは意気投合した。

 プログラムは敬が、演算は私がほんの少し上だった。

 そして、自分たちの長所を伸ばしたり、短所を改善していった。思えば、負けてなるものかと思っていたように思う。

 その間に『彼』と出会ったのは、佐久間(当時私はそう呼んでいた)と私にとっては僥倖だった。

 彼は、独自にAI(人工知能)を作成していた。

 彼の友人たちは『JIN』と呼んでいたので、私たちもそう呼ぶと、彼はどこか恥ずかしそうに、

『侘助(わびすけ)ってのが俺の名前なんだよ』

 そう教えてくれた。

 つまりそう呼んでくれという事だろう。

 彼は佐久間のプログラムの師匠であり、私にとっては頼れる兄貴分だった。

 しかもポツリと零しあったのだが、お互いに家庭環境に問題があった事も、親密になる切っ掛けだったように思う。



 

 そして、高校に入学して――私は『愛しい女(ひと)』を見つけた。

 名前は篠原 夏希(しのはら なつき)。

 剣道部に所属する、我が高校のアイドル。

 その快活な笑顔に魅了された男子は数多い。

 無論、私もだ。

 しかし、だ。

 いくらそう思った所で我々に接点など無い。そう、思っていたのだが、ここでも大きな転換期が訪れていた。

 彼女が私と佐久間が所属していた物理部(オタク部、パソコン部と揶揄されてもいた)に彼女がやって来たのだ。理由は覚えていない。舞い上がっていたから。

 それから私たちは彼女と交流するという当時のクラスメートからしてみれば最高峰の栄誉を手に入れた。(尚、彼らがソレを知ったのは二年の夏が終わった頃なのだが)

 そして私は更に一つ年上の彼女に魅了されていった。

 そしてその言動から、彼女が古き良き大和撫子のような気質を持っているように思われたのだ。(現に当時の彼女の『OZ』のアバター(分身)は鹿の角を持った大正時代の女学生の格好をしていた)

 彼女と接していく度に私は彼女を見ていた。

 しかし私は彼女にアプローチをかける事は無かった。

 生来の引っ込み思案(所謂ヘタレ)な私には、彼女に話しかけられてしまうと流暢な会話が出来ぬ程に舞い上がってしまうという悪癖があったからだ。

 幸い、彼女はそんな私に気付く事無く普通に接してくれたお陰で、一年かけてある程度改善出来たのだが……






 そして最大にして最高の転換期が訪れる。

 夏希先輩に乞われ、長野県の田舎にある上田市に向かう事になったのだ。

 そこで私は、家長たる老女、強い女性陣、穏やかな自衛隊員、気弱な電気店店主、ファンキーな漁船の船長、こんな私を慕ってくれる中学生、憧れの先輩を想う青年、元気一杯の子供たち、そして――『彼』といった個性的な面々に出会う事となった。







 そう。

 これはたった二日間の戦争。

 現代における合戦。

 槍や弓矢の代わりに、知恵と手先とコネを使う戦い。

 共通するのは、絆と縁、そして度胸。

 


 ――サマーウォーズ。

 


 私はあの二日間の合戦を、そう呼んでいる。



 そして敵は――画面の『向こう』にいた。








(あとがき)

様々な作品を放置しといて何をしているんだ自分……!

いい加減、再開の目処が立たないヤツは更新停止ときちんと書くか、削除する予定です。



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