現在機動六課詰め所の前にタクシーが停まった。ドアが開かれ、そこからは荷物をいくつも持った長身の男が出て来た。管理局の制服の上から紅いコートを羽織り、顔を包帯で幾重にも巻いている。普段何も手を加えられていない髪は今日に限ってオールバックにしているトニーだった。「…お客様、勘定を」声をかけたタクシーの運転手の声が震えている無理もないミイラ男のように包帯をグルグル巻きにし、そして何より… 背中にぶらさげてる刀が恐ろしい。ただのコスプレイヤーならいいがもしヤバい奴だったら向こうの機嫌をそこねた瞬間に斬られるかもしれない。客にお金を払って貰う何ていつも通りの事なのに妙に緊張してしまう。トニーは財布を取り出し中身を確認する、トニーの財布の中身は運転手の眼にもハッキリと解るくらいに札が詰めこまれているとりあえずそれを確認した。運転手はホッとしたどうやら仕事は無事こなせそうだと、しかし…「ツケで頼む」この一言に凍りついた職業柄、ツケで頼むと言われてはいそうですかと引き下がれない。だがそれを抗議していいものかなんせ目の前の男は金を持ってるのだしかもタクシー代何て鼻で笑える程の大金をしかし払わない。あれだけの金を持ってるのに…イカレテルコイツハヤバイ 「あのぅ…」そんな時もう一人の客が声をかけてきた小さい妖精のような客観ると手にお金を握っている運転手は話のわかる妖精に感謝してその場を去った… 「何でお金持ってるのにツケ何ですか…」「ダンテが大概ツケで払ってたからだよ。ピザとか」「やめてください。私凄く恥ずかしかったんですよ」トニーは周囲に目を向けているジャンヌの声はとどいてないようだジャンヌはため息をついて中に入る事を促すがトニーが六課の建物を睨みつけながらいきなり荷物を手前に投げ、背の刀を手にもち始めた「折角の景色があんな建物があるせいで台なしだ」左手に持った鞘から刀を勢い良く引き抜く風が舞い周囲に風の波紋が波打つそこからは斬る斬る斬る斬る斬る斬る風を裂き空気を斬る最後に力強くふるった後、刀を逆手に持ち替える、建物に背を向け静かに鞘に納めた金属が擦れ合う小気味よい音が今までの剣舞の終了の鐘となった「…気は済みました?」「…ああ」建物を観るが特にかわってなくため息をつきながらトニーは歩き始めた