トニーは逃げる場所を夜に鍛練していた廃墟に決めていた。逃げてる間後ろを振り替えず無我夢中に走り続けた。シャッハに捕まる事もなくそこに辿り着く事ができ、トニーは中でホッとしながら壁に寄り掛かる。シャッハが来ないところを見るとどうやらロッサの方に向かったらしい「何でこんな目に会わなきゃならない」自分は完全に被害者だと言うのに俺までお仕置きとは納得出来ないトニーはイライラして足元にある石を蹴っ飛ばす「ご機嫌斜めのようですね」「…シャッハ」ロッサを追っていたであろうシャッハが廃墟の中に入って来た。「ロッサはどうした?」「既に捕まえました。あとお仕置きもしておきましたが」どうやらあいつは随分と早くにやられていたらしい。役立たずな奴だ「この場所をロッサから聞き出したのか?」「そうです。しかし此処に居るとあらかじめ予想は出来てましたが」「どういう事だ?」「貴方は昔から訓練所ではなく、人が来ない場所を好んで鍛練していましたから。この場所は隠れるにはうってつけです」一歩一歩ゆっくりとシャッハが近づいてくる「子供の頃から貴方は一緒に誰かと訓練をするのを極端に嫌ってました。いえ自主的に訓練さえしなかった。人がいるまえでは絶対に」「……」「私が人気のないところで貴方が一人で訓練していたのを見た時もそうです。見られた貴方は二度とそこには来なかった」静かな口調でトニーに語りかける 「誰にも見られないように鍛練を20年間も続けた。そこまでして自分の努力を誰かに知られるのが嫌なんですか?」シャッハが言葉をはっするたび、トニーの顔が徐々に歪んでいく「一体どうして?」決まってる「トニー・R・ヌエラは努力しなくても強い」そう俺が周りにみせるためだ「馬鹿な!?努力せずに強くなれるハズがありません!!」「どうでもいいだろ?そんなことは。ていうかあんた何しに来たんだ?どうして俺がそんなことをするのか聞くために来たのか?違うだろ。あんたが此処に来たのは俺をお仕置きするためだ。」そういうとデバイスをシャッハに向けて構える。「トニー…」「お喋りは終わりだ。始めようぜ?」そういわれてシャッハもバリアジャケットを装着し、トンファー型のデバイスを構えた