部屋に戻ってからはトニーの部屋にシャッハは来なかった。おそらく、ロッサの抵抗が激しかったのだろう。飯を食った後2時間程ベッドで横になってから、トニーは立ち上がって再び外出の準備をした。これから朝言っていた夜の予定に向かうからだ。トニーは準備をすると足早に部屋を後にした。ーーーーーーーーーベルカ領の使われていない建物の中にトニーはいた。身の丈程もある大剣型のデバイスをただひたすらにふるう。剣を振るトニーはいつもの軽率な顔とは一変して真剣だった。乱れた息、玉のような汗からかなりの時間やっているようだトニーの振る剣は正直なところ、褒められたもんじゃない。ただ力任せに振られ、振った剣もかなりブレている。シグナムが見たら何の冗談だ?といわれそうなくらい酷かった。トニーの剣技のレベルが低いのは彼自信に問題がある。トニーが誰にも教えをこわなかったのだ。通常、魔導士には闘いを教えてくれる師なり教官なりいるはずだが、師匠何てものはいなかったし、教官の話は形だけやって見せて後は右から左に聞き流した。何故そんなことをするかというと理由は簡単他人の手を借りて強くなりたくなかったからだ。転生した頃、ダンテのように生きると決めてから自分の力で強くなると決めた。剣技はゲームの記憶の印象でやり、ただひたすらに自分の力だけで強くなり続けた。しかし、それにも限界が来たようだここ10年自分が全く上達していないのに気付いてしまった。これ以上は誰かに教えを請わなければおそらく成長しないだろう。しかし、踏ん切りがつかない。何せ20年間続けて来たのだ。今更、自分の生き方を変えたくない。今、自分のやっている訓練も無駄なのもわかってる。だが、ここまで続けるともう意地だった。それに今諦めたら俺はダンテになれないいつか強くなってトニーの名前を捨てて、ダンテを名乗るそうして始めて俺はこの世界で幸せになれると信じてるから俺は諦められないんだろうそれにダンテ無双もしてみたい