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No.19819の一覧
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[19819] 9人目
Name: 狂戦士◆377472df ID:fd7977e5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/23 20:13
 神速とも言える一閃。

 奴の姿が消えた、その瞬間俺は右前方に『求め』を押し出すように構えた。

 衝撃を感じ取る暇もなく、剣戟の音を聞き取るよりも早く。

 左下に向けて切り払い、続けて右脇腹を庇う。



「……エトランジェ、か」



 遅れて、三連の金属音。

 気がつくと、鞘に収めた刀を提げた侍はもう初期位置に戻っていた。



「まあな……とは言っても、今ので分かったろ? 俺じゃ、お前には勝てやしない」

「謙遜には及びませぬ。手前の剣を三合受けたこと、決して偶然ではありますまい」



 偶然です。

 本来なら障壁を張って凌ぎたい所だが。

 日頃の訓練をサボっていた俺は、一方向に対してしか障壁を張れないのだ。

 あの速さに対抗するなら、むしろ足を止めての殴り合いがベストだろう。


 次に連撃が来たら、確実に腕か脚をやられる。

 ……これがゲームならHPがある限り戦闘力が落ちたりしないし、急所に当たっても一撃で死んだりしないのだが。



「未熟ではありますが、訓練を怠らなければ良い剣士となれましょう。名を、お聞かせ願えますか」

「ユートだ。けど、できれば俺よりもアセリアを相手してやってくれ」

「先程の青スピリットですか。ユート殿、アセリア殿。その名、覚えておきましょう」

「……へえ、見逃してくれるのか?」

「手前の任務は、ラキオス軍以外に対する撹乱……そして、ラキオス軍への威嚇。もはや、戦う理由もありませぬ」



「ただし、シュン殿から伝言を預かっております」

「秋月……あいつも、この世界にいたのか。伝言の内容は?」











 昔から、そいつが気に食わなかった。

 運動会ではトップだったし、テストは軒並み百点だった。

 病弱ではあったものの秋月家の跡取りで、誰よりも優れていることを期待されていた僕にとって、そいつはひたすらに邪魔だった。


 両親を病気で亡くしたと聞いて、当時まだ小さかった僕は心の中で嘲笑ったものだ。

 お前ごときが、僕の邪魔をするから罰が当たったのだ、と。

 流石に今は僕も、そこまで不謹慎ではないが。

 けれど苗字が変わっても、やっぱりアイツは僕にとって邪魔でしかなかった。

 だが、僕が今アイツの事を気に入らないのは、そんな理由じゃない。



 アイツが、僕の足元にも及ばなくなった。



 自分が提案した家族旅行で両親を再び亡くし、打ちひしがれた時に。

 愚かにも、あの時の僕は言ったのだ。



「――義理の両親までついに殺したのか、この疫病神」



 それから、アイツは何もしなくなった。

 他人に直接迷惑を掛けない最低限の事だけはするが、それ以外の事はしない。

 その癖それに自分で気付かず、「自分は楽をしたがっている」と思い込んでいる。

 周囲は「事故のショックで怠け者になってしまった」と勘違いしたようだが、それは違う。


 アイツを壊してしまったのは、僕だ。


 僕にはアイツの考えが良く分かる。

 「余計な事をしなければ、他人に迷惑を掛けなくて済む」「だって俺は、疫病神なんだから」


 アイツの心を折ってしまった者として。

 僕は、アイツに責任を取らなければならない。

 アイツを、立ち直らせなければならない。

 だから。



「悠人。僕がお前の敵だ、本気を出して――」



 ――僕を、殺しに来い。











「ユート様」

「ああ、エスペリアか」

「……イースペリアの件について、悩んでいるのですか?」

「間違っちゃいないけど、ちょっと違うかな」

「と、申されますと?」

「日頃の自分の訓練不足を痛感した」

「では、明日の訓練には――!」

「もう二度と『ここは俺に任せろ』なんて言ったりしないよ!」



 え、あれ。

 何でそんな涙目で『献身』振り上げてるの?

 俺何か悪いこと言った?


 ちょ、待って、いや、峰打ちとかそういう問題じゃ、アッーー!








国が滅んでいきますね。

次はサルドバルトだ!


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