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No.19819の一覧
[0] 『ソゥニート』某名作SLGの縛りプレイをネタにしようと思う[狂戦士](2010/07/13 13:20)
[1] 2人目[狂戦士](2010/06/25 14:06)
[2] 3人目[狂戦士](2010/06/27 23:33)
[3] 4人目[狂戦士](2010/06/28 10:10)
[4] 5人目[狂戦士](2010/07/12 21:22)
[5] 6人目[狂戦士](2010/07/16 23:41)
[6] 7人目[狂戦士](2010/07/20 11:46)
[7] 8人目[狂戦士](2010/07/22 23:58)
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[12] 13人目[狂戦士](2010/07/30 21:21)
[13] 14人目[狂戦士](2010/07/31 19:56)
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[19819] 4人目
Name: 狂戦士◆377472df ID:fd7977e5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/06/28 10:10
 風よりも速く走り、岩よりも揺るがぬ突撃で、雷よりも鋭い一撃を叩き込む。

 小細工が必要ない強さ、それがエトランジェ。



「――煉獄の炎よ!」

「勇者舐めんな!」



 肩から斜めに一閃した『求め』に手応えが伝わり、同時に喉が焼けるように痛む。

 どうして炎の中突っ切る時に、口を閉じることを忘れるのか。

 アホか俺。

 まあ閉じていた目は別として、それ以外の全身痒かったりピリピリしたりで大変なんだけど。

 これ、全身火傷だろ?



「エトランジェは抵抗力もたk へぶぅっ!?」



 右からくるブレインシェイクな一撃に、独り言すら最後まで言えずに吹っ飛ばされた。

 頬を伝う生温い感触に、自分が受けたダメージと……そしてそれだけのダメージを受けて、なお立ち上がれることでバカ剣の加護の凄さを実感する。



「痛ぇ、超痛ぇよぉ……」

「インフェルノから追撃まで受けて、それで済んでいる方がよほど異常だ」

「エトランジェに魔法はまず効かねーんだよ。殺したいなら、その剣で急所を狙うんだな」



 ゆっくりと立ち上がり、剣を構える。

 敵も右手一本で、双剣を水平に構えて腰を落とす。

 どうやらさっきの一撃は、左腕が使えなくなるくらいには効いたらしい。



「そのようだ、今度こそ死ね!」

「冗談っ!」



 地を蹴ったのはやはり同時。

 左から来るフック気味の一撃を、下から『求め』で弾き上げる。

 互いに剣を振り上げたような形から、俺の唐竹割りと奴の突きで相打ち。



 その未来を覆す、左足での蹴り上げ。

 俺のそれは狙い通りに、足元の砂を舞い上げる。



 スピリットの剣技は綺麗すぎた。

 無駄なく効率よく、最大速度で最大威力の連撃を叩き込む剣。

 確かにパチスロで鍛え抜いた動体視力があるとは言え、加護なしでも俺に剣筋が見えたのはそれが理由だ。

 次に効率がいいのはどの斬撃かを予測すれば、そこに攻撃が来る。

 つまりこいつら、ダーティな戦いには慣れてないわけで。



「何だこれは――」


「――忍法・畳返し斬り。この場合は砂塵返し斬り、でもいいか」



 行動不能となった一瞬で、スピリットは神剣ごと一刀両断されたのだ。











 という夢だったのさ。

 回想だけどね。



「死にたい死にたい帰りたい」

「小さき者よ、その剣はただの飾りか?」



 ドラゴン。

 それが象徴するのは王権であり、財宝であり、名誉であり。

 そして圧倒的な、力。


 一瞬で勝負は決まっていた。


 飛び掛ったアセリアは、その鞭のような尾の薙ぎ払いで洞窟の壁に叩きつけられ。

 それを見て警戒し、防御体制を取ったエスペリアに向けられたのは、大きく開いた口から放たれた冷気。



「素質は良い。だが妖精よ、我を討とうとするには未だ力が足りぬ」



 無茶言わんで下さい。



「さて、もう一度問う……異界の小さき者よ、その剣は飾りか?」

「飾りって事にしておきたいです」

「ならば、汝は見逃してやっても構わぬが。だが、我を討たんとする者は許せぬ」

「……どうするんだよ」

「まずはこの妖精達が来た町を滅ぼし、そしてそこにいる小さき者が逃げる先全てを破壊するとしようか」



 なんてこった。


 あの城には佳織がいる。

 アレでも二人きりの家族だ。

 俺はそれを、また殺されるのか?

 自分の運命を支払って助けた命が、こんなところで消えるのか?

 俺の運命の値段なんて、所詮その程度か?



「……冗談じゃない」

「どうした、小さき者よ」



(契約者よ……、汝、力を欲するか?)

 力を貸せ。今だけでいい。

 終わったら龍のマナを喰わせてやる。

 これなら、お前の利益にもなるだろう?


(……よかろう、再び契約だ。我は我の利益になる時にのみ、汝に力を貸そう)

 それでいい。

 だから、それ以外の時は俺に干渉してくれるな。



「行くぞバカ剣、力を貸せっ!」

「小さき者よ、その剣は飾りなのだろう?」

「例え、これが『ひのきの棒』だとしても。お前に、佳織を殺させるものか――!」











 真横から迫る巨木の幹。

 龍の尻尾が、俺にはそう見える。

 邪魔だ。


 右手で握り締めた『求め』を、横薙ぎに叩きつけて迎撃。

 その一撃で、龍の尾は中途から断ち切られた。



「■■■■■、■■■――!」



 龍が何か叫んでいるが、聞き取れない。

 ただ吼えただけかもしれない。

 どうでもいい、今はその息の根を止めるだけ。


 振りかぶられる右腕はその鋭利な爪が当たったら、オルファなどひとたまりもないだろう。

 だからタイミングを合わせて、大上段に振りかぶった剣を叩きつける。

 その勢いで地を蹴り、奴の顔面めがけて俺は跳んだ。



「アイ、キャン、フラァァァァイッ!!」



 開かれた口。

 冷気が収束していくのが、マナの流れに鈍感な俺でも分かる程。



「小さき者よ、汝に敬意を払うとしよう――■■■■■■」

「この野郎……っ、『来るな』、『来るな』、『来るな』ぁっ!」



 光の壁。

 俺の前に広がる八角形のそれが、冷気とレーザーに抵抗する。


 得意不得意はあっても、障壁は初歩の神剣魔法。

 そのイメージは『守り』『不屈』、そして『拒絶』。

 何が言いたいか?

 俺の張った障壁が見た目ATフィールドそっくりなのは、テレビで新劇場版やってたのが悪いってことさ。



「風よ盾となれ、ウィンドウィスパー!」



 さらに俺の後ろには、エスペリアの援護もある。

 サードガラハム、お前に俺は殺せない。


 そして俺を殺せないのなら、お前が死ね。



「……今なら無防備。敵を、倒すっ!」

「行くよ、ふぁいあぼるとっ!」



 オルファの魔法がほとんど効かないのはご愛嬌。











「さらばだ妖精よ、小さき者よ……汝の求めに、純粋であれ」

「……じゃあな、ガラハム先生」









今回ちょっと長いですね

アクション描写は苦手です。

でも好きな作品は軒並みアクションあり。

そして好きな作品はSS書きたくなる。困った。


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