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No.19819の一覧
[0] 『ソゥニート』某名作SLGの縛りプレイをネタにしようと思う[狂戦士](2010/07/13 13:20)
[1] 2人目[狂戦士](2010/06/25 14:06)
[2] 3人目[狂戦士](2010/06/27 23:33)
[3] 4人目[狂戦士](2010/06/28 10:10)
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[21] 22人目[狂戦士](2010/08/25 08:54)
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[19819] 22人目
Name: 狂戦士◆377472df ID:fd7977e5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/08/25 08:54
 ノックを2回、返事は返ってこない。



「……ユート様?」

「うあー……」



 私がそっとドアから覗き込むと、ユート様は頭を抱えていた。

 まさか、『空虚』や『因果』と接触したことで剣の侵食が!?



「ユート様、大丈夫ですか!?」

「あ、エスペリア? そんなに慌ててどうしたんだ?」

「……え?」











 今後の戦術に悩んでいたら、エスペリアが慌てて部屋に飛び込んできた。

 事情を説明したら早合点だと分かったようで、ちょっと恥ずかしそうにしてるのが可愛い。

 このあざとくないドジっ娘感、いいよね。



「コホン、私のことはともかく」

「だな、話を戻そう」

「……マロリガンのエトランジェは、ユート様のご友人なのですよね?」



 碧光陰、岬今日子。

 元の世界じゃ事ある毎に「やればできる」だの「もっと頑張れ」だの言われたものだ。

 何故か俺の家に入り浸っていたけど。

 ……光陰の狙いは明らかな気もするが、知らないことにしておく。



「ユート様が辛いようでしたら、私たちが――」


「――却下」



 それだけは、ダメだ。

 俺だって自分のエーテル量じゃあいつらに勝てない事は分かってた。

 だからそれは考えないでもなかったが、それはさせられない。



 俺がこの先も生き残り、勝ち続けるためには、少しでも戦力を温存しておきたい。



「エスペリアは、雷を見てから避けられるか?」

「雷を、見てからですか?」

「あいつらが能力を隠すとは思えないから、今日子は雷、光陰は風使い。それは間違いないんだ」

「ですが、神剣魔法を使うには詠唱が必要です。その間に対策を取ることができれば」


「それこそ無理だ、エトランジェにアイスバニッシャーは効かない」



 そしてスピリットの守りじゃ、あの雷からは生き残れない。

 それ以前に、俺なしで隠れた光陰を感知できるかどうかの問題もあるのだが。



「光陰は迷わない。俺が出ない限り、俺以外を容赦なく確実に殺しに来る……逆に言えば、俺が最優先目標だ」

「……ユート様は死ぬのが、怖くはないのですか?」

「怖がる理由はないよな」



 エスペリアが心配してくれるのも分かるけど。

 俺に対しては、まず光陰が1対1で挑んでくるはずだ。

 『空虚』の場合は勝つことじゃなくて殺すことが目標だから、勝った方を狙って来るだろう。

 そして、1対1での戦いなら。



「俺はこんな所じゃ死なないし、あり得ない事を怖がる理由がない」











 次の日から、俺は自分に割り振る事が可能なエーテル量を計算し始めて。

 スレギトを陥落させなければ無理だと悟ることになる。

 エトランジェって燃費悪いのな。

 オルファほどじゃないけど。



「だから、ヨーティアにはスレギト攻略の糸口を掴んで欲しいんだが」

「いきなり何の話かと思えば……おいグータラ、お前まさかコレを知ってたんじゃないだろうな」

「何の話だ」



 ヨーティアさん、目が怖いです。

 酔っ払った姿を見たことないけど、ひょっとして今酔ってる?



「誰が酔っ払いだコラ」

「今日はやけに柄が悪いじゃないか」

「私だって人間だし、そんな日もあるさ。それはともかく、ありゃマナ障壁って奴だね」

「何さ、それ」



 まあ名前で想像付く、と言うより一度経験してるけどさ。

 スレギトに到着する直前、俺たちを襲った攻撃的なマナの奔流。

 あのマナ嵐はやっぱり人為的なものなのか。



「以前ユートが言った、スピリットをマナに分解する兵器さ」

「あ、エーテルジャンプの時の?」

「そうだ。エーテルがマナに戻ろうとする時に、周囲のエーテルまで引き込む性質を利用したものでね」



 俺たちだって、体はマナやエーテルで出来てるからな。

 つまりあれは俺たちの体がマナに変換されそうになった、ということなのだろう。



「……あれ、でもそれ無理だって言ってなかったっけ?」

「大気中にマナが豊富にある場合はその勢いが緩和されちまうから、兵器として使える威力にはならないのさ」

「俺たちの体として固定されてるエーテルより、流動的な大気中のマナが優先されるから?」

「ご名答だ。そしてマナが極端に薄い砂漠で使うなら、その問題は解決される」



 証明終了。完璧すぎる。



「けど、手はあるんだろ?」

「まあな……私とイオがいるし、それに概案は頭の中にある。10日あれば、装置も完成するだろうよ」

「了解した、そっちは頼む」

「任せな、コレも私の仕事だからね」



 アンタも自分の仕事、きっちりこなしな。

 研究室を出る直前、そう言われた気がした。

 誰も彼も、そんなに俺の本気が見たいのだろうか。


 俺には、いつだって余裕なんかないのに。








自称いっぱいいっぱいなニート。

事実なのかどうなのか。


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