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No.19819の一覧
[0] 『ソゥニート』某名作SLGの縛りプレイをネタにしようと思う[狂戦士](2010/07/13 13:20)
[1] 2人目[狂戦士](2010/06/25 14:06)
[2] 3人目[狂戦士](2010/06/27 23:33)
[3] 4人目[狂戦士](2010/06/28 10:10)
[4] 5人目[狂戦士](2010/07/12 21:22)
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[13] 14人目[狂戦士](2010/07/31 19:56)
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[19819] 2人目
Name: 狂戦士◆377472df ID:fd7977e5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/06/25 14:06
 エスペリアの防御、アセリアの斬撃、(ほとんど牽制レベルだけど)オルファの魔法。

 正直、敵は滅茶苦茶弱かった。



「いえ、ユート様の的確な指示があってこそです」

「でもエスペリアが指揮を取るなら、同じ戦法にしただろ?」

「それはそうですが……」



 やってることは単純。

 後衛を盾が守り、その間に前衛が敵をなぎ倒す。

 まあエスペリアの説明聞いてれば、それ以外の選択肢なんてないしな。



「というわけで、俺がいなくても何とかなりそうなので」

「なので?」

「そろそろ次の敵が来る頃だけど……悪い、ちょっと用を足してくる」

「……分かりました、くれぐれもお気をつけて」



 赤くなっちゃって。

 エスペリア、可愛いなぁ。











 それに気付いたのは、本当にただの偶然。

 用を足し終えた瞬間に、ふと思い立ったこと。



「……あれ?『どこに敵がいるか分からない状況で単独の立ちション』ってこれ、死亡フラグじゃね?」



 咄嗟に、ジッパーも開いたまま横っ飛びに転がる。

 いや、本当はサイドステップするだけのつもりだったんだが……爆風で、吹き飛ばされたのだ。

 たった今、俺が立っていたその場所こそが、爆心地。

 その時背筋が冷えた俺を誰が責められるだろうか、いやむしろ褒めるべき。



「あ、あぶねー……」

「――全く悪運の強いことだ、一撃で確実に仕留めてやろうと思ったのだが」



 底冷えする声。

 目をやれば鮮やかな真紅の髪と瞳の美人が、丁度草むらから現れる。



「それと――」



 だがこちらに向けた双剣が、全力で彼女は俺の敵だと主張していた。



「――そのみっともないモノを早く仕舞え」

「ならこのタイミングで攻撃するんじゃねえよっ!?」











 竜巻のような攻撃、と言えばいいのか。

 双剣、つまり赤スピリットの近接戦闘力を馬鹿にしていた俺は、早くも後悔していた。


 左、右、左下、左上、右下、右――


 双剣が扱い難い武器なのは認める。

 だが使い手のスペックが高いなら、そんなのハンデにならない。

 そりゃそうだ、例え手足を縛ってあってもフリーザ様に戦闘力5で勝てるわけがないからな。

 今のところ攻撃の軌道が見えているから、バカ剣で受けられるのが救いではあるけど。


 ――逆手の刃で斬り上げた、次の順手での切り払いにバカ剣を合わせて力任せに飛び退る。



「エトランジェ、流石だな。神剣を使いこなせていないようだが、アベンジャーと呼ばれたこの私を相手に仕切り直しまで持ち込むか」

「……っ、はぁ、っはぁっ、っは、はぁぁぁっ……」



 ……大きく深呼吸して息を整えるけど、正直、もう戦えない。

 敵の声もほとんど聞こえてない。

 バカ剣の強度がアホみたいに高いせいで盾にできたけど、もう握力が保てない。

 ゴールしてもいいだろ、これ。



 どうして俺は、エスペリアを呼ぶなり何なりしなかった?

 どうして俺は、戦ってるんだ?

 どうして俺は、こんな所で命のやり取りなんかしなきゃいけない?



 エスペリアは戦闘中だ、今呼んでしまえば自分が死んででも来るだろうがそれは困る、まだアイツには居て貰わないと。

 俺が戦うのは、死にたくないから。

 そして俺はあの日自分の運命を差し出したから、こんなクソッたれな世界に居る。



 そうか。

 あの日俺が佳織を助けるために契約した悪魔は、バカ剣、お前だったのか。

 俺が売り渡した運命に、お前は俺以外の運命まで巻き込んだのか。

 それがお前のやり方で。

 それが、俺があの日支払った代償か。


 なら――



「赤スピリットを相手に、間合いを取ることの意味を教えてやr――」


(――奇跡の代償を踏み倒されたくなかったら力を貸せ、『求め』!)

(…………煩いぞ……契約者よ)











 もうボロボロなんです。



「……ユート様、大丈夫ですか!?」「パパ、どうしたの!?」

「もう無理早く帰って寝たい」


「申し訳在りません、戦闘中とは知りませんでした。こちらも手が離せず……如何様にも罰を」

「じゃあ悪いけどエスペリア、辛いからちょっと肩貸してくれ。あと、そう言えば倒したスピリットがこれ持ってたんだけど、機密文書ってこれじゃね?」

「――はい、確かにその通りですが。ユート様、お一人で敵を……?」

「ああ、ほぼ相打ちだったけど……砂で目潰しした一瞬の差で俺が勝った」


「「……」」



 頑張ったはずなのに二人の目が冷たい。

 どうしてだろうね。











序盤だけちょっとシリアスになるニート。

ここから下がる予定です。


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