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No.19761の一覧
[0] 【一発ネタ】もしも、なのはに双子の妹がいたら(リリなの)[らら](2010/06/22 23:00)
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[19761] 【一発ネタ】もしも、なのはに双子の妹がいたら(リリなの)
Name: らら◆da25af7b ID:3a8518ab
Date: 2010/06/22 23:00
高町家、双子の女の子が生まれた日。


姉は高町なのは、妹は高町つぼみ。


これは彼女達のお話。


四歳になったつぼみは姉の泣き声を聞いて、うんざりした溜息を吐いた。


姉のなのははよく泣く。転けたり、嫌いなものがでたり、一人になったりしたら。


私、妹だよね?普通は逆じゃないの?


そう思いながらも、なのはに近づいた。


「今度は、どんな理由で泣いているの。なの姉」


「つぼみちゃん……あのね、足痛いの」


転けて泣いたのか、いつもの理由ね。姉はよく転ぶ、何もないところで、そして泣く。


それを宥めるのが私の役目、正直に言っていいですか?

私がお姉さんだったら良かった。妹に頼るな、甘えるな。


でも、手を差し伸べる。たった一人の姉だから。泣き虫も……成長すればなくなる…そう信じたい。


お父さんが大怪我をした、なのはは盛大に泣いた。私も泣きたかったが、なのはを宥めるのに精一杯で泣けなかった。


それから、姉は無口になった。おとなしくなった。


家族も心配していたけど、何よりも私が我慢できなくて―


「どうして、なの姉はおとなしくなったのかな?」


泣き虫じゃない姉を望んでいたはずなのに、これは違うと思った。姉の答えに―


「いい子にしてなくちゃいけないの、それに私はつぼみちゃんのお姉ちゃんだから。今日から泣かないの」


………だから、おとなしくなったと。

………急に姉らしく在ろうと。


………ええ、立派です。姉も成長したんですね。私の苦労の甲斐もありました……なら、これから先の行動は私の八つ当りです。


切っ掛けは否定しません、だけど……それなら最初から姉らしくしてほしかった。八つ当りです、分かってます、泣き虫の姉に苦労した私の五年間を返せ。


「だったら……最初から姉らしく振る舞ってぇぇぇっっ!!」


「にゃゃゃぁぁぁあっっ!!」


猫のような悲鳴を上げる姉に飛び掛かる。


ここからは全力全開、はじめての姉妹喧嘩。


姉のネコぱんち、それを躱して見様見真似のらいめいせん。


ある漫画から拝借しました、と言っても子供ですからただのぱんちです。技の名前って格好良いですよね。


時折、姉の動きが遅くなって、私が速く動けるようになったのは……気のせいですか。


その姉妹喧嘩の後から、姉も段々と感情を出すようになってきました。


結果オーライです、これで私は自由になれたんだ!




そう思っていた時期がありました。



私立聖祥大附属小学校三年一組、高町つぼみです。


最近、姉の様子がおかしいです。


フェレットを飼い始めた頃から、奇行が目立ち始めました。


夜に出掛けたり、フラフラになって帰ってきたり。


学校でも疲れた様子になってました。だからですかね、アリサとすずかがしつこく聞いてきます、私は知らねーです。関係ねーです。


そう言ったら怒られました、何故?


やっと手に入れた自由ですよ?姉も独り立ちしたんです、その様に伝えたら、なのはちゃんの事心配じゃないの?と言われました。


それなら、本人に聞いて下さい。聞いたら曖昧に誤魔化されたと、そうですか。私の所に来た理由はそれですね。


…………私は姉を心配していません、ああ見えて芯はしっかりしていますし、一度決めた事は絶対にやりとげます。


アリサとすずかの言葉を聞き流しながら、そう思いました。



海鳴市は何時から魔境になったんですか、でっかい木が生えてます。自然発生にしてはおかしすぎる……合間に見えたピンクの光も気になります。……洒落じゃありませんよ?


今日の夕食時に、姉に聞いてみたらご飯粒を吹き出しました。汚いですね、結局は誤魔化されましたが。


考えてみれば、フェレットを飼い始めた時から姉の様子がおかしいんです。


だから、姉が風呂に入ってる間。姉の部屋に入り、フェレットのケースに近づいて呟いてみました。


「月夜の晩ばかりと思うんじゃねーです」


〈……ひいっ!〉


何か声が聞こえたような……フェレットも震えてるようですし……怪しいですね。


本当にどうやって姉の様子を探ればいいんでしょうか。ほっといてもいいんですが、アリサとすずかが煩く言ってくるのも嫌ですし……もしかして、自由になれてない?


また妹の私が苦労するんですか………ふふふふふ、この気持ち、何処にぶつければいいのかな、かな?


暗いオーラを出し続けました。


姉の部屋の外から聞こえてくる猫のような苦笑いは、耳に入りません。


高町つぼみの苦労は、紅い服を着た少女に襲われる日まで続く。


最も、その後から厄介ごとに巻き込まれるのだが、今はどうやって、姉の様子を探ろうか頭を悩ませるのだった。


高町つぼみの、なの姉観察日記より。

おしまい。



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