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No.19645の一覧
[0] 【習作・ネタ】狙撃手(HUNTERXHUNTERに幽遊白書の刃霧要)[ぞーもつ](2010/06/19 00:49)
[1] 狙撃手(スナイパー)第2話[ぞーもつ](2010/06/25 03:49)
[2] 狙撃手(スナイパー)第3話[ぞーもつ](2010/06/27 04:07)
[3] 狙撃手(スナイパー)第4話[ぞーもつ](2010/07/03 02:42)
[4] 狙撃手(スナイパー)第5話[ぞーもつ](2010/07/09 03:58)
[5] 狙撃手(スナイパー)第6話[ぞーもつ](2010/07/09 11:08)
[6] 狙撃手(スナイパー)第7話[ぞーもつ](2010/07/24 01:10)
[7] 狙撃手(スナイパー)第8話[ぞーもつ](2010/08/24 03:03)
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[19645] 狙撃手(スナイパー)第6話
Name: ぞーもつ◆60607513 ID:96299327 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/09 11:08
サザンピースオークション。
ヨークシンで行われる競売の中で最も権威を誇るオークションである。
入場するだけで1200万Jもするカタログが必要になる。
が。
勿論、幻影旅団には関係ない。
欲しいモノは盗る。
それが盗賊というものである。
眼前には数多の死体、死体、死体、死体・・・・・・。
先日は地下競売のお宝全てを分捕ったが、今日はここサザンピースオークションである。
だが今回は別に全て盗ろうというわけではない。
目的は1つ。
グリードアイランド。
「3個ぐらいありゃいいよな?」
「十分だろ さっさと戻ってプレイしようぜ」
「地下競売があの程度だったからなー つまんねーな 鎖野郎みたいなヤツら、もういないのか?」
ドガ。
ゲシ。
ボカ。
フィンクスの頭、背中、ケツが3人からド突かれる。
犯人はノブナガ、マチ、シズク・・・である。
「いてーな! なにすんだよ!」
「アンタね! カナメが死にかけてるんだよ!! ちったぁ真面目に出来ないのかい!?」
「時と場合を考えろ! 死ね!」
「あんまりフザケてると・・・殺すよ?」
有無も言わさず袋叩きだ。
「いや、わかってるけどよ・・・どうせなら楽しんだほうがいいじゃねぇか 団長のお陰で半年はカナメ死なねーし」
必死に反論・・・というかフィンクスなりの持論を展開してみるが。
「「「・・・・・・」」」
3人の目が座っているのでフィンクスはもう発言しないことに決めた。
特にシズクがヤバい。
あの視線はヤバい。
ちょっと怖い。
鋭さに定評のあるカナメやマチと違った怖さだ。
気分はホラー。
しかし今回の仕事では、まず地下競売を襲い・・・次いでサザンピースを襲った。
予定より大分、派手になってしまった。
幻影旅団の悪名と賞金が、また釣り上がることだろう。
4人はグリードアイランドが起動しているジョイステーションを大事そうに抱えながら、いそいそとアジトへ戻っていった。
 
 
 
***
ジョイステーションが3機。
盗ってきたはいいが今思うと3機も必要なかった。
団長とカナメを除いて10人。
その中から2人を守るガードチームを4人。
G・Iをプレイできるのは6人のみ。
メモリーカード差込口が片方塞がっているとはいえ2機で事足りたようだ。
「さて・・・誰が行く?」
ジョイステーションを前にシャルが立候補を募る。
だが結果は分かりきっていた。
「私は行くよ」
「俺は絶対いくぜ!」
「私もともと興味あたね 行かせてもらうよ」
「カナメの為だ 俺も行くぜ」
「私は行くよ?」
「僕も行きたいな」
「当然俺も行くからな?」
「私も行きたいわね 興味あるわ」
「留守番が多かったんだ 今回は行かせてもらうぜ」
この有様である。
目下No.1とNo.2を失い、自然に纏め役におさまっていたシャルナークは頭を抱える。
「あのねぇ・・・ここで団長とカナメを守るのも立派な仕事だよ?」
溜め息をつきながら、言葉を紡ぐ。
「しょーがない・・・いつも通り俺が班分けするからね! ガードチームはコルトピ、フランクリン、フェイタン、ノブナガ。
それ以外はグリードアイランドね」
自分が選ばれたことにホッとした表情のウボォー。
そして居残り組に対してイタズラな笑みを浮かべる。
「よっしゃあ! へっへっへ・・・悪ぃなお前ら! ちゃーんとカードとやらを盗ってくるからよ! 団長達を頼むぜ?」
コルトピを除いた居残り組はかなり不機嫌そうだ。
特に前々からゲームに興味を持っていたフェイタンの無念さは察して余りある。
「・・・私をメンバーから外す・・・覚えとくといいねシャル・・・」
射殺すような視線をひしひし感じながらも、慣れたもので軽く流すシャルナーク。
いつもの張り付いたような笑顔を浮かべる。
「さて・・・カナメの命がかかってるし・・・ちゃっちゃとやろうか♪」
その言葉を皮切りに皆がゲーム機を囲み発の態勢をとる。
まずは旅団の特攻隊長ウボォーギンだ。
バシュ!
その瞬間ウボォーギンが消える。
「「「おぉ~」」」
フィンクス、ノブナガ、フランクリンが驚嘆の声を上げる。
マジマジといった様子で凝視している。
「へー 今のでゲームの世界に入っていったんだ?」
次はアタシが・・・。
そう言ってマチが発。
バシュ!
消えた。
団員達は次々に発でゲーム世界に飛んでいく。
が・・・。
その様子に違和感を感じ、思考にふける人物が2人。
「・・・どう思うパク?」
「そうね・・・精神をゲームの世界に持っていくのだとしたら・・・条件が甘すぎる。 発ではせいぜいどこかに転移させるのが関の山・・・」
「だよね。 体ごと消えてるのもその証拠かな・・・ゲーム機はタダの転送装置・・・・・・だとしたらグリードアイランドは・・・」
面白いものを見つけた。
シャルは哂う。
「・・・この世界のどこかにある・・・ってことかしら?」
ニヤリ。
パクも哂う。
これは面白いことになってきた。
ならばわざわざゲームをプレイする必要もない。
だがまずは検証が必要だろう。
バシュン!
シャルとパクの2人もグリードアイランドへと旅立っていった。
・・・。
・・・・・・。
コルトピ、フランクリン、フェイタン、ノブナガ。
居残り組の4人は、その様子を寂しそうに・・・そして恨めしそうに眺めていた。
「・・・・・・この恨みは忘れないね・・・シャル」
大層、感情のこもった声で呟くフェイタンだった。
 
 
 
***
幻影旅団が6人。
大草原の中に佇むシソの木の麓に集まっている。
太陽は穏やかに輝き、空は澄み渡っている。
「はーー しっかしゲームとは思えねぇーな すげー」
フィンクスがはしゃいでいる。
「風がいいな 風が。 確かにコレはすげー」
ウボォーもはしゃいでいる。
2人は大草原のド真ん中で、腕組仁王立ちのスタイルで風を受けていた。
「バカは放っておきましょう。 ・・・まずは情報収集ね 視られている方向に行くのでいいかしら?」
「そうだね そっちに街なり村なりがあるだろうから、そこを中心に情報収集といこう♪」
パクの提案に乗るシャルナーク。
監視のつもりなのだろうか。
バレバレなのだが。
ぼちぼち歩き出そうとしていた時、旅団は近づいてくる飛来音に気付く。
きぃぃぃん・・・。
空気を切り裂く高音と共に目の前に現れた男。
片膝を着き、こちらを不敵な笑みで見つめている。
「ほぉ~ なんだ今のは? 念か?」
フィンクスが感心したように尋ねる。
これが念能力ならば現実世界で待っている団長に良い土産ができる。
空を飛べる能力だとしたら大層便利だ。
「ききき・・・さぁ~て何かねぇ・・・(こいつら・・・スペルカードも知らねぇのか くくく)」
男は6人を嘲笑う。
気の毒なことに、彼には実力が足りなかった。
ゲームをする上での知識、経験は持ち合わせていたようだが、実戦経験があまりに足りなかった。
彼には、この6人の実力は見抜けなかった。
「ブック!」
ボン!!
男が手に本を出現させる。
あれがブックか。
旅団はただ観察するのみ。
「(ブックにはブック! これはG・Iの基本! これでコイツらはド素人確定・・・! どうせ良いカードは無いだろうからな・・・だったら・・・コイツで十分!!)
追跡(トレース)オン! フィンクスを攻撃!!」
シュバ!
男がカードを持ち宣言した瞬間。
光弾がフィンクス目がけて発射される。
「!!」
フィンクスは瞬間的に回避行動にかかる。
彼の高速の回避運動に光弾は翻弄される。
光弾とフィンクスとの舞踏を旅団は冷静に、仕掛けた男は驚愕の顔で見つめていた。
「(スペルは物理的な回避は不可能だ・・・! だが何だアイツの動きは!! 人間業じゃねぇ!!)」
男には動きが見えていなかった。
一瞬、影が揺らめいたと思うと・・・そこをスペルの光弾が軌跡を描きながら追尾していく。
光と影が揺らめく様は幻想的ですらあった。
「フィンクスー 多分それ喰らっても大丈夫だよ。 多分ゲームの中の呪文だと思うよ。 試しに喰らってみてよ!」
「勝手なこと言ってんじゃねー!」
避けながら反論するフィンクス。
知的探究心を一蹴されたシャルナークは仏頂面だ。
「(コイツら・・・ヤバい!) 再来(リターン)オ・・・!?」
男はスペルカードで撤退しようと試みた。
しかし。
「動くな」
いつの間にかピンクの髪の女に後ろに回り込まれ、挙句に両肩に手まで置かれている。
まったく気が付かなかった。
恐怖で息が詰まる。
膝が笑い、顔面が蒼白になる。
背後からの殺気で、男は完全に心が折られていた。
「た、た、たた頼む・・・! ここここコロ、殺、殺さな殺さないで、で・・・・・・ッッ!!!」
男の懇願などまったく聞く気はない。
地上を闊歩する人間に、虫けらの声が届くはずもないのだ。
「パク お願い」
ピンク髪の女が声を掛けると、胸元を大きく開けたスーツを着こなす女が近づいてくる。
「アレは何? このゲームについて・・・アナタの知ってることを教えて貰おうかしら?」
ガッ。
パクノダが男の首を持ち上げる。
記憶の流入。
そして。
「ふーん そういうこと・・・フィンクス! それ、無害だから大丈夫よ このゲームのことは大体分かったわ」
未だにワルツを続けるフィンクスに向けて、踊りの中止を要請するパクノダ。
その要請を受けてフィンクスは大人しくスペルを喰らう。
彼もそろそろ避けるのが面倒になっていたようだ。
「ブック ・・・じゃあ全部カード出しなさい」
パクノダは本を出現させると男の持っていたカードの全てを奪う。
未だに恐怖で震えている男。
絶対に関わってはいけない危険人物。
今、自分を囲んでいる6人はそういう人間なのだと今更ながら気付けた。
そして自分の運命にも・・・気付けた。
全ては遅かったが。
全てのカードを捧げた男に旅団が与えたモノは、デメちゃんの頭突きだった。
側頭部からの頭突きで、哀れな男の頭部は飛散し・・・その生涯に幕を下ろすことになった。
ずず~。
シズクが男の残骸を清掃する。
天然で大雑把で忘れっぽい割に、具現化に掃除機を選ぶだけあって意外に綺麗好きなのだろう。
「みんな 説明が面倒だから『これ』・・・撃ちこむわよ」
パクノダが『記憶弾(メモリーボム)』を発現させる。
この日、グリードアイランドに「話題のボマー」を上回るプレイヤーキラーが参戦してしまった。
その数6人。
グリードアイランドの難易度がさらに跳ね上がる記念すべき日になりそうだった。
 
 
 
***
「ここは現実世界だ」
シャルナークが断言する。
プレイヤー達の記憶を覗く。
シズクの念で吸いとってみる。
等の検証の結果、シャルナークはそう結論付けた。
「本当はコルの『神の左手 悪魔の右手(ギャラリーフェイク)』でも実験をしたかったけど・・・・・・まぁほぼ100%ここは現実だ」
1日でここまで確信めいた結論を出せた者はこれまで皆無だろう。
「ここが現実!? マジか!!」
ウボォーギンが素っ頓狂な声を上げる。
ウボォー以外のメンバーも多かれ少なかれ驚いているようだ。
パクは気付いていたようで動揺は無い。
「ここが現実だからって何なんだ? 別に趣旨は変わんねぇだろ?」
ゲームの世界では無いと知ったところで幻影旅団のやることは1つ。
スペルカードをコンプリートし「大天使の息吹」をゲット。
ゲームをクリアする。
「ちっちっち これからが重要なんだよフィンクス。 ここが現実世界なら何もルールに沿ってゲームをプレイする必要なんて無い。
クリア報酬のカード3枚なんて言わず何枚でも持ち帰られるかもしれない・・・・・・地図の広さから推測すると広さはコトリタナ共和国程度・・・ゲームマスターは1人じゃない」
ニヤリと悪い笑顔。
だがその意見にパクノダが食いつく。
「・・・やめた方が無難だと思うわ。 プレイヤー達の記憶も『らしい』って程度だったけどルールを逸脱した者にはゲームマスターが制裁を加えるそうよ。
多分、不正な方法で島の出入を行なおうとした人間・・・クリア時に3枚以上のカードを持ち出そうとした者・・・とかにはペナルティが加えられるんじゃないかしら。
普段ならやる価値はあると思うけど、今回はカナメの命が掛かっている・・・・・・確実にカードをゲットするべきだと思うわ」
幻影旅団らしからぬ安全策。
いつもならば、まず誰も賛同しない。
だが。
「私も同意見だね。 状況によってはリミットは半年も無いかもしれないんだ・・・今回はさっさとゲームをクリアしようよ」
マチも。
「私もパクとマチに賛成。 不正するならカナメを助けてからやろうよ カナメと一緒の方が楽しい・・・」
シズクも。
「・・・だな。 シャル・・・今回はやめとこうぜ 現実(おもて)には鎖野郎とヒソカだっているんだ。 奴らが団長達に仕掛けねーとも限らねぇ。 ぱぱっとクリアしてぱぱっと帰ろうぜ」
ウボォーもパクに賛同する。
発言は無いがフィンクスもパクノダ派のようだ。
別にシャルナークとしても無理に不正をする気はない。
ただ不正をした方が手っ取り早く目的を達成出来るのでは・・・と考えただけなのだ(ちょっとだけお宝大量ゲットの期待もあったのだが)。
「まー確かにその可能性は俺も考えた。 じゃあ今回は確実に行こう とりあえずプレイヤーキルは不正では無いし手っ取り早いからサクサク殺していきましょう!
あ、カードを全部頂いてから殺すようにね皆♪」
満面の笑みで次策を提示する。
今度は誰の反対も無い。
「じゃあ何かあったら交信(コンタクト)で連絡をとるってことで3組に別れて攻略しよう。 俺とウボォー、パクとマチ、フィンクスとシズク・・・で組もう」
シャルの言に皆が頷く。
「よーし・・・どの組が1番早くカード集めるか競争な!」
「殺したプレイヤーの数も競争しようぜ」
ウボォーが子供のような純粋な笑顔を浮かべ、フィンクスが悪どいヤクザのような笑顔を浮かべる。
旅団が本格的に動き出す。
ヨークシンからグリードアイランドへと場所を移し・・・再び宴が始まる。


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