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No.19645の一覧
[0] 【習作・ネタ】狙撃手(HUNTERXHUNTERに幽遊白書の刃霧要)[ぞーもつ](2010/06/19 00:49)
[1] 狙撃手(スナイパー)第2話[ぞーもつ](2010/06/25 03:49)
[2] 狙撃手(スナイパー)第3話[ぞーもつ](2010/06/27 04:07)
[3] 狙撃手(スナイパー)第4話[ぞーもつ](2010/07/03 02:42)
[4] 狙撃手(スナイパー)第5話[ぞーもつ](2010/07/09 03:58)
[5] 狙撃手(スナイパー)第6話[ぞーもつ](2010/07/09 11:08)
[6] 狙撃手(スナイパー)第7話[ぞーもつ](2010/07/24 01:10)
[7] 狙撃手(スナイパー)第8話[ぞーもつ](2010/08/24 03:03)
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[19645] 狙撃手(スナイパー)第2話
Name: ぞーもつ◆60607513 ID:96299327 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/06/25 03:49
某月某日・本拠地(ホーム)。
クロロの収集を受けて4人の旅団員が集まっている。
シャルナーク、パクノダ、マチ、そしてカナメである。
皆、沈黙し団長の発言を待つ。
読んでいた本を閉じて立ち上がり、おもむろに4人を見渡す。
「・・・・・・8番が殺られた」
クロロの発言に4人は顔を見合わせる。
「へー 8番がねぇ・・・・・・・・・そんなに弱くは無かったはずだけどね」
「情けないね・・・蜘蛛って自覚に欠けてたんじゃないのかい?」
シャルは事も無げな感想を、マチは辛辣な意見をそれぞれ口にする。
「団長は8番が誰に殺られたのか目星は付けているんですか?」
パクの質問にクロロは数拍、間を置いて答える。
「ああ・・・・・・『ゾルディック家』だ」
「「「!!」」」
「・・・・・・ゾルディック・・・・・・か」
衝撃の相手の名を告げられ、初めてカナメが発言する。
しかしその表情は相変わらず微動だにしない。
もっとも自分の胸を刀で貫かれても眉一つ動かさない男である。
この程度では微動だにしないのも当然か。
「ゾルディックとはね・・・厄介な奴に狙われてるね・・・」
マチは親指の爪を軽く噛む。
表情は軽くない。
「あの一族は敵に回したくないなぁ・・・」
シャルも顔を顰める。
「・・・・・・狩る・・・か?」
カナメとてゾルディックの評判は知っている。
しかしカナメは「殺れ」言われれば「殺る」人間だ。
カナメの能力とこの人格は旅団の敵対者に一切の慈悲を許さなかった。
「・・・動じなさ過ぎよカナメは・・・昔っからあなたの表情が変わるの見たことないんだけど・・・」
パクは『ゾルディックに狙われている』という事実より、カナメ=ハギリの態度の方に溜め息をつく。
この男は、例え相手が圧倒的に強者であろうと淡々と「狩る」のだ。
格下であろうと格上であろうとカナメは「狩る」。
カナメの前では誰であろうと平等なのだろう。
その精神、思考こそが刃霧要の恐ろしさだ。
「フッ・・・お前ならそう言うと思ったが・・・しかし残念ながら今回はゾルディックの相手はしない」
クロロの言葉にカナメは軽く「そうか」とだけ呟くと、再び沈黙してしまう。
「なんだい・・・蜘蛛が泣き寝入りしようってのかい団長? カナメならゾルディックだって殺れるよ」
マチはムクれっ面で抗議の声をあげる。
蜘蛛だけでは無く、殺られたら31倍にしてやり返す・・・というスタンスは流星街の者ならば誰しもが身に付けている。
それに例え『あの』ゾルディック家が相手だろうと、この冷静沈着な狙撃手ならば撃ち殺してしまうに違いない。
マチはそう確信していた。
「ここでカナメがゾルディック家の者を殺ってしまえば全面戦争になる・・・それは得策ではない・・・・・・それに8番は勝手が過ぎた。
いずれこうなることは予想できた・・・ようは自業自得だ。 俺達が報復に出る程でもないだろう?」
クロロは僅かに笑みを浮かべている。
ひょっとしたらクロロ自らが、8番の処分を考え始めていたのかもしれない。
「・・・報復が無いのなら何で集められたのかなオレ達?」
シャルの疑問も尤もである。
「マチは各団員に8番の死亡を伝えろ・・・カナメ、シャル、パクは代わりになりそうな団員を探せ」
シャルの疑問に簡潔に答えるとクロロはそのまま出口に向かって歩き出す。
「だんちょー 次のお帰りはー?」
「お前らが、代わりを見つけた時・・・だ」
振り返らず、そう言うと彼はそのまま姿を消した。
 
 
 
***
「うーん 代わりを見つけろって言ってもなぁ・・・」
旅団一の頭脳派が頭を捻っている。
「団長が私達に人選を任せるなんて、珍しいこともあったもんね」
パクノダの言う通り。
今まで旅団に欠員がでた時は、団員を殺した者が入団の意思をみせる・・・または、団長が補充を見つける。
そのルールでやってきたのだ。
「珍しい本でも見つけたんじゃないのかい? 大好きだからね・・・本」
「本を読むのに大忙しって? ・・・・・・そういえばさっき団長が読んでた本・・・ボーボボの新刊だったような・・・」
マチの言葉にパクノダは顎に指を置き、眉根を寄せる。
「まぁとにかくやってみますか。 っぽい奴見つけたりしたら各自連絡を取り合いましょうってことで」
4人はシャルのその言葉で自然と散っていった。
・・・と、思われたがマチだけはカナメに付いてきたようだった。
歩き出して10分もたった頃、マチが口を開いた。
「カナメ」
青年は両の手をポケットに突っ込んだままゆっくりと振り返る。
「・・・・・・・・・」
相も変わらずの無言。
「・・・カナメは心当たりとか在るのかい?」
マチが心配そうな顔で覗いてくる。
「・・・馬鹿にするな 心当たりはあるさ・・・」
呟くように告げるとカナメは携帯を取り出す。
ピッピッ・・・。
そしてどこぞに掛け始める。
トゥルルルル・・・。
ガチャ。
「・・・・・・久しぶりだな・・・カイト・・・・・・」
カナメは連れ立っているマチを放ったまま話し始めてしまった。(尤もマチが勝手に付いてきたのだが)
・・・。
カイト・・・。
初めて聞く名前だ・・・。
女の名前ではない・・・。
・・・・・・・・・別に女だったらどうこうするわけじゃないが・・・。
しかし・・・カナメとは幼い頃からずっと一緒にいるのだ。
付き合いは長い。
寡黙な男だが、カナメが何を考えているか・・・とかは何となく分かるつもりだ。
何でも知ってると思っていた。
なのに今、カナメの口からは聞き慣れない男の名前が飛び出し・・・そして私を置き去りにして話し込んでいる。
・・・・・・。
面白くない。
何故だか分からないが、とにかく面白くない。
寧ろ不愉快だ。
「・・・ねぇカナメ」
クイックイッ。
カナメの服の裾を引っ張る。
「・・・・・・そうか・・・幻獣ハンターなんてモノ好きなことだ・・・・・・あぁ・・・あぁ」
・・・。
構わずカナメは電話を続ける。
・・・。
・・・・・・。
「・・・なぁカナメったら・・・おい」
グイーッグイーッ。
今度はかなり強めに引っ張る。
服が伸びてビロビロになってしまうんじゃないか、という程強く引っ張る。
「・・・そうか・・・いや、無理を言ってすまなかったな・・・・・・じゃあな」
ピッ。
通話は終了した。
「・・・何のつもりだマチ・・・邪魔だったぞ・・・すごくな」
携帯を閉まったカナメはマチを軽く睨む。
本当に軽くだが、もともと鋭い目をしたカナメだ。
耐性の無い人間が睨まれたら一溜まりもない。
「・・・カイトって誰だい・・・」
マチは自分でも理解し難い怒りを込めてカナメに質問する。
マチ自身でも処理出来ていない怒りの理由を、ましてやカナメが理解出来るわけがなかった。
「・・・・・・お前には関係無いことだ」
カナメの冷たい一言。
これは別に、マチに電話の相手を知られたくないとか・・・そういう理由ではないのだろう。
恐らく本当に、関係が無いのだろう。
それが分かっていてもマチは感情を抑えられなかった。
「・・・なんだいその言い方・・・電話の相手・・・旅団に勧誘しようとしていたんじゃないのかい? だったらその時点で私にも関係があるだろう・・・!」
ズオォッ・・・!
ついオーラを漲らせてしまう。
カナメの一言に、カチンッときてしまった。
・・・我ながら幼い反応だと思うが・・・抑えられなかった。
なぜ自分はガキみたいにムキになっているのだろう・・・。
なぜオーラでカナメを威嚇するような真似を・・・・・・自分でも分からない・・・。
私の反応を見てカナメは戸惑っているようだった。
カナメから見れば、私は・・・『いきなり勝手にキレだした』と見えているのだろう。
言い返せない・・・。
だって本当に私でもわかんないんだ・・・。
でもキレるのを抑えられなかった。
「・・・・・・マチ・・・団員同士のマジギレは法度だ」
カナメは1つのコインを取り出す。
それは蜘蛛のエンブレムが刻まれたコイン。
団員同士の揉め事は、このコイントスで決められる。
ピンッ・・・パシッ。
「裏」
「・・・表」
コインは蜘蛛を太陽光に晒している。
表だ。
私は賭けに負けた。
この結果は何があろうと覆らない・・・。
これで私は『カイト』とは何者なのかを聞く権利を失ったわけだ。
・・・ふん。
別に私には関係ないね・・・。
カイトなんて野郎はさ・・・。
・・・・・・。
男・・・だよね・・・?
いや別に女でもいいんだけどね。
・・・。
・・・・・・。
なんだこれは・・・。
女かもしれない、と思ってみたら・・・。
すごいムカツイてきた。
今日の私はどうかしてるね。 ホント。
今日はさっさと帰って寝よう・・・。
 
 
 
***
1週間後。
カナメの隣にはメガネを掛けた少女が立っていた。
1週間前と同じメンツが集まったホームで、クロロはおもむろに話しだす。
「コイツの名はシズク・・・カナメの推薦だ。 今日から『8番』になる・・・・・・ カナメ・・・お前の推薦だ。 暫くはお前が面倒を見てやれ」
各団員に伝言しておくように。
最後に、私にそう命令して団長は再び姿を消した。
「へー どこで見つけたんだカナメ? ま、うまくやりなねー」
「・・・無用なイザコザが起きなければいいんだけど・・・無理そうね・・・どうやらお姫様がご機嫌斜めよカナメ?」
シャルとパクは勝手なことをほざきながら去っていった。
残っているのは私とカナメと・・・旅団の新8番。
「・・・えーと・・・こんにちわ」
ペコ。
メガネを掛けた黒髪の少女がお辞儀する。
その瞬間、豊かな胸が揺れる・・・・・・私だって別に小さかないけどね・・・ふん。
カナメは相変わらず無表情でこちらを興味なさげに見ている。
今日も私のわけのわからない怒りは、私の脳内を駆け巡っていた。
疲れる1日になりそうだ・・・。
はぁ。


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