現在のステ。
満腹度: 42839 → 42839
耐久力: 33604 → 33604
持久力: 41772 → 41772
魔力 : 71479 → 71479
筋力 : 34286 → 34286
敏捷 : 67333 → 67333
器用さ: 95619 → 95619
精神力: 30178 → 30178
経験値: 21120 → 31360
金貨:84枚
<81>
水底に潜って二つに割れた盾を回収したハルマサ。
しばらく浜辺でカニと戯れつつ二匹目のガノトトスを待っていたが、待てど暮らせど来なかったので、仕方なく引き上げることにした。
これまで全然会わなかったので他のプレイヤー? がいるとは思わないけど、もしかしたら近くにいないだけかもしれないし、もうガノトトス倒してアイテムゲットは諦めようか。
そうハルマサは思った。
そう思うハルマサはこの戦いで、10枚の金貨と「魚竜の重牙」をゲット!
≪【魚竜の重牙】:魚竜の剛強な鋭い牙。発達した多層構造の牙は大型の甲殻種も容易く噛み砕く。≫
大型って……ダイミョウザザミも!?
半端ないな重牙!
是非ビーナスオブキャット再生の材料にしたい!
まぁそれはさて置き。
「じゃあねー!」
「ギィ!」
ああ、なんでこんなに動物との触れ合いは心を癒すのだろう。
ささくれ立った心が優しく撫で付けられるようだよ。
……ん?
ヒュルル……ドカーン!
ホコホコとした顔で歩いていた彼は、ささくれを思い切り引き剥かれるような事態に出会った。
金火竜の襲来である。
飛来した炎塊を半分になった盾で防いだハルマサは、目を見開く。
「な、君は……!」
「グルォアアアアアアアアアアアアアアア!」
ハルマサの鼓膜をパーンとさせつつ火竜は鳴く。
その火竜は、ハルマサ君が息で酔わせながらウロコを毟って、そのあとポイした金火竜、金ちゃんだった。
新しいウロコの生えていない体は、ところどころ金色ではなくなっており、みすぼらしい。
罪悪感で胸が痛くなり、耳の痛さとあいまって非常に苦しいハルマサだった。
だが、そこは精神力の高いハルマサ。復帰は早い。
「君を弄ぶような真似をしてゴメン! ……ところで盾が壊れちゃったからまたウロコを貰うね。」
―――――――甘い息!
「グルゥ~ン。」
この男、最低であった。
ハルマサはウロコを毟りつつ考え付く事があった。
そういえば、火竜の巣とか、お宝が眠っていそうな場所だよね!
閻魔様曰く、神はゲームとかを参考にダンジョンを作ったらしいから、何かがある可能性は高い!
そうと決まればレッツゴーだ!
「僕を乗せて、飛べ金ちゃん!」
「ゴォオオオオオオオオオ!」
(鼓膜が)パーン!
「ぅあ―――――――!」
「不死体躯」で治った鼓膜を再度弾けさせつつ、ハルマサは火竜に乗って、巣のある岩山へと向かうのだった。
さて、無事潜入完了である。
「暗殺術」を発動していたため、何事もなく巣に入る事が出来たが、竜の子達はキュイキュイ鳴きつつ透明なハルマサにむしゃぶりついて来た。
珍しい餌だと勘違いされたのかもしれない。
他の火竜に気付かれる前に優しく頭を叩いて失神させつつ、宝箱を探してみる。
早くしないと岩山の外でお座りしている金火竜の魅了が解ける。
散々ウロコを剥いでおいて言うのもなんだが、戦うのはちょっと申し訳ないので早々に見つけたい、と思っていると―――――――見つけた。
幼竜たちの寝床である、干し草のベッドの奥に、土に埋もれるようにして金の宝箱と銀の宝箱があった。
(二つもあるなんて!)
と感激したが銀の宝箱には触れなかった。
触れようとすると頭にキーン! と言う音が響き、≪プレイヤーNo.54がこの宝箱を開けることはできない。≫という文字が宝箱に浮かび上がった。
なるほど。まぁ金の奴だけで良いや。
開けられる条件分からないしね。
ハルマサが宝箱を開けようとすると、今度は金の宝箱に文字が浮かび上がった。
≪この宝箱には罠が仕掛けられているようだ。開けますか?≫
「………。」
即死級の罠が飛び出してきそうなヨカーン!
だが、僕は開ける!
何故なら「心眼」が発動しないからだ―――――――!
トリャ―――!
■「心眼」
第六感ともいえる動物的な勘。確率で、危険を察知する事が可能となる。レベルアップに伴い、スキルが発動する確率が増加する。眼を瞑っていると発動しやすい。
『確率で』
この言葉の意味をハルマサ君はもう少し考えた方がよかった。
パカッ! ――――――バチバチィ!
「アビャビャビャビャビャビャ!」
開けた瞬間激しい電流がハルマサを襲う!
(か、「雷操作」ぁ―――――!)
どうにか雷をやり過ごした時には、耐久力が異常に減っていた。
残り1213である。
一気に三万以上削られた。
不意打ちの上に恐ろしい雷だ……。
今度から宝箱開けるときは操作系全部で、バリアー張ってから開けよう。
そう驚くハルマサの脳裏で、ベートーベンの運命のメロディーをなぞるファンファーレが響いた。
≪ジャジャジャジャーン! 条件:「感電死」を満たしたことにより、希少特性「T」を獲得しました。5つの死を疑似体験し、『DEATH』の全ての文字を集めました。特別ボーナスが発生します。≫
おお、なんだか知らないけど集まった。
24日以内とか全然いらなかったね。
一週間もかかってない。
≪ボーナスは全部で2つあります。≫
おお! なんてお得ッ!
≪一つ目。死を乗り越えたあなたに敬意を表し、ナレーションが親しみを感じる口調となります。≫
んん? 親しみ?
≪二つ目。死を乗り越えたことにより、命がストックされました。特性「不朽の魂」を取得しました。≫
わーい。なんだか良く分からないけどすごそうだし喜んでおこう。
□「不朽の魂」
死しても蘇る、朽ちぬ魂。死んでも蘇る事が可能となります。とは言っても体は朽ちる! 蘇ったあなたは正しくゾンビィ! エンガチョエンガチョ! 寄らないで……臭ぇッ! ※二回死んだら普通に死ぬので注意。
すごい、凄いのだけど、なんだろうこの素直に喜べない気持ちは……。
≪それでは、親しみを得た私とよろしくお願いします。AIサクラがお送りしました。≫
ラジオみたいな終わり方をして声は途切れた。
ていうかAIだったんだ。
桃色の時の弾けっぷりは別のAIなのかな。話し通じなさそうだからどうでも良いけど。
そう思うハルマサの後ろで、突然巣の中で雷光が走ったことに違和感を感じた火竜が寄ってきていた。
またもやスンスンとニオイを嗅がれていることに気付いて、ハルマサは素早く動く。
宝箱の中にあった白い棒を掴んで、一気に離脱したのだ。
(僕は、今、風!)
撤退するハルマサの脳裏に響く、「撤退術」スキルの熟練度アップを知らせる声は、AIサクラではないが、どこかで聞いたことのある声だった。
≪ぱんぱかぱーん! スキル「撤退術」の熟練度が10022を越えたよ! おめでとう! ステータスにボーナスがつくよ!≫
(なんでひまわりの声!?)
寝た時に変な世界で会った、人面花の声だった。
まぁ確かに親しみはあるけど!
ちなみに「ぱんぱかぱーん」は肉声である。
あの世界は、もしや夢ではなく、システムに関係のあるところなのだろうか。
混乱しながら、岩山を脱出するハルマサだった。
<つづく>
文字が全部揃ったら死ぬって予想されていたかもしれないけど、2号さんはそこまで鬼畜ではないんだ。
ハルマサのゾンビフラグが立ちました。
満腹度: 42839 → 43959
耐久力: 33604
持久力: 41772 → 42892
魔力 : 71479
筋力 : 34286 → 35304
敏捷 : 67333 → 67711
器用さ: 95619 → 96978
精神力: 30178
身体制御Lv12: 25034 → 25893
暗殺術Lv11 : 15821 → 16730
撤退術Lv11 : 10021 → 10442 ……Level up!
剛力術Lv10 : 7284 → 8302
観察眼Lv11 : 15058 → 16082
心眼Lv9 : 2038 → 3492 ……Level up!
水泳術Lv9 : 2854 → 3021
PトレーナーLv13: 41201 → 50834