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No.18636の一覧
[0] 【習作】このMMOは荒れている[banepon](2010/05/24 01:01)
[1] 【習作】このMMOは荒れている2[banepon](2010/05/24 01:03)
[3] 【習作】このMMOは荒れている3[banepon](2012/10/22 00:58)
[4] 【習作】このMMOは荒れている4[banepon](2012/10/22 22:55)
[5] 【習作】このMMOは荒れている5[banepon](2012/10/22 22:56)
[6] 【習作】このMMOは荒れている6 おまけ追加[banepon](2010/05/24 01:30)
[7] 【習作】このMMOは荒れている7[banepon](2010/05/28 23:42)
[8] 【ネタ】このMMOは荒れている8[banepon](2010/06/07 22:14)
[9] 【習作】このMMOは荒れている9[banepon](2010/06/08 01:26)
[11] 【習作】このMMOは荒れている10[banepon](2012/10/22 20:02)
[12] 【習作】このMMOは荒れている11[banepon](2012/11/08 10:12)
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[18636] 【習作】このMMOは荒れている3
Name: banepon◆67c327ea ID:a5735ce5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/10/22 00:58



5.閑話  最近の学食のレベルは侮れねえ








次の日、午前の授業を終えた俺たちは食堂に集結していた。

「っざっけんなよ!普通、あそこでサーバーダウンとかマジありえねえ!」

ちくわの磯辺揚げ(一本40円)を親の敵のごとく盛り付けた、かけうどん(一杯230円)・赤羽スペシャルを喰らいながら、俺は昨日の珍事に気炎を上げていた。結局、昨日はメンテ後も、ログインした途端に落ちるというエラーが続出し、再び緊急メンテに突入して狩にならなかったのだ。

(ちなみに、あの後必死こいて『鯖落ち』や『ラグ』という単語をググッたのは俺だけの秘密だ。そして、"ラグ"すら知らなかったことを隠すために、わざと怒ったふりをしているわけでは、決してないのだ)

「まあまあ、出来立てほやほやのMMOなんて、そんなもんですよ。まあ、オープンテストってそれでどれだけ客を呼べるかって勝負どころですので、やる気ねーなーここの運営は、って気もするですが」

スパゲティナポリタンにおぞましいほどのタバスコを振りかけ、顔色一つ変えずに食う白木。オレンジ色から深紅に変わった麺がフォークに巻かれ、くるくるパクリ、くるくるパクリと面白いように小柄な男の口に消えていく。

「結局、復旧したの朝の4時だったもんな。やる気なくすわ」

早くも、日替わり定食Aランチ(今日は白身魚のフライ)を残さず平らげ、デザートのプリンに取り掛かっている青崎。つか、わずか三口でごちそうさま。ちなみに俺はまだ竹輪しか食ってねえ。

「・・・・・・・・・。ちゅるり」

黒澤は一人話に加わらず、ちゅるちゅるとラーメンをすすり続けている。口を開けば痛い発言を連発するやつだが、不思議と食事中は静かなのだ。

親の躾が厳しかったらしいが、それなら行儀だけでなく中身も躾けてほしかったものである。

「今日もインするですよね?」

「もち。さっさとレベル上げて、稼げる狩場に移ろうや」

青崎は昨日の鯖落ちの後、復帰待ちの間に攻略サイトやらテストプレイヤーのブログ、プレイ日記なんかを片っ端から読み漁っていたという。この男、一度やり始めると凝り性なのだ。

「バネポンも、大丈夫ですか?」

白木は赤いスパゲティ的な何かを平然と平らげ、淡いピンクのハンカチで口をふきふきしながら問いかけた。ちなみに、お冷も一滴も飲んでいない。

「おう、今日は午後一で太田の微積があるだけだけど、その後バイトあっから9時ごろになるぞ」

バイトは平日だけにして、土日は心行くまで遊び倒すのが俺のジャスティス。

「了解。僕も教養の哲学がラストにあるですから、帰りは7時過ぎるですよ。ご飯食べてお風呂入って、ワクテカお待ちしております」

「そういや、俺も今日は5コマ目まであったな。しかも楠の英語Ⅱだ、やる気でねえ」

青崎が不機嫌そうに鼻を鳴らした。

こいつは去年の後期に、中年ハゲの万年講師に単位を落とされている。成績はこの面子の中では抜群なのだが、サボり癖があるので出席が頻繁に足りなくなるのだ。おそらく、今宵もモブの血が盛大に流されることだろう。

「じゃあ、今度こそイタボンに集合ってことでいいか?」

「ん、迷ったら適当に電話するわ」

「近場で適当に狩りして、レベル10超えたらジャイアン狩りですよ~♪」

じゃいあん?

お前の尻は俺のものか?

「ジャイアントオーガの略ですよ。モブレベル18で、イタボン近くの『廃人遺跡』B2に沸くです。一応ネームド扱いで攻撃力は高めなんですけど、デカイ図体の割にHP低くて美味しいモブですよ。人気がある分、混雑しまくりですけどね。横も多いし」

狩り場占拠の廃人ウゼエ、と呟く腹黒王子。

「狩り場空いてなかったら、キノコ狩りか?」

「あそこは毒抵抗ないときついですよ。まあ、バネポンが『キュアポイズン』覚えてくれるなら話は別ですが」

キュアポイズン、だと?

「え!?あのアニメ、新キャラ追加されたの!!?(注:美少女がフリフリのドレスを着て怪人と戦うアニメの大ファンらしい)」

唐突に空気読めない発言をする黒澤。周囲の視線が激しく痛い。

ちなみに、同じような台詞を口走りそうになったのは、俺だけの秘密だ。

「違うですよ。毒属性攻撃の抵抗値を上げて、被ダメを軽減するヒラのスキルです。スキルレベル上がると石化や麻痺も解除できるので、どっちかっていうと対人スキルですね」

アニヲタ死ね、という白木の呟きも聞こえていないのか、黒澤は「名前からしてライバル系?いや、悪堕ちという可能性も」などと妄想の海に沈んでいる。

そして人の多い学食でも声を落とさず自重しない、これが黒澤クオリティ。

「毒系のモブって何気に多いし、スキルレベル1でも取っとくと狩りが楽になる。でも、ヒラはパーティヒール取るのが優先だから、今は無視していいと思うぞ。スキル取りのルートから外れてっからな」

いつのまにか青崎は、先行してた白木並みにゲーム詳しくなっているようだ。

などと話しているうちに、

「あ、もうこんな時間だ」

「ですね。遅れないうちに教室行くです」

「おう、また後でな」

ブツブツと呟きつつ妄想から帰ってこない黒澤をその場に放置して、俺たちはそれぞれの教室に向かったのだった。






6.はぢめてのパーティ






イタボンの町は地中海風味なベルロンドとはうって変わって、赤いレンガの屋根を持つ石造りの家が立ち並んでいた。

街中に配置されたNPCの服装も、長袖やロングスカートの類で、東ヨーロッパの田舎町を思わせる(いや、もちろん行ったことはないがな)。ビールやソーセージの看板があるのはご愛嬌だろう。

どことなくドイツちっくな趣の町中を抜け、安全地帯から一歩郊外のフィールドに足を踏み出すと、そこは金色の穂波が揺れる麦畑が延々と広がっていた。

その麦畑の合間には、無数のモブが溢れている。

「ギィ!」

「ギャース!」

薄汚れた麻の服に、籾殻を落とすための棍棒を手にしたモブ『ゴブリンの農夫』。

麦刈り用の大鎌を手にした案山子型モブ『スケアクロウ』もちらほらと沸いている。

背丈はバネポンの半分ほどしかないが、緑色の肌は皺くちゃで、オマケに体格に比して頭部が異常にでかい。しかも顔面の半分をしめる目玉は収支ギョロギョロと蠢いている。おまけに、手にした農具には妙にリアルな血痕があって、ビジュアル的にはなかなかエグイ。

この独特のデザインセンスは、元が洋ゲーらしいというべきか。まあ、国産ゲームに多い媚びた萌絵に比べれば、この方がマシだろう(俺はTCGも国産より、油絵チックな絵柄の外国産の方が好きだ)。

ゴブリンのモブレベルは8。今の『バネポン(ヒーラー、5さい)』のレベルより3つほど高いが、このくらいのレベル差があったほうが経験値がうまいらしい。

ただし、格上のモブであることには変わりないので、装備も適当にそろえておかないとキツイそうだ。そのため、昨日の狩りでドロップ獲得した『木の帽子』に『木の鎧』、『木の靴』に『木の篭手』を装備している。見た目には木目が鮮やかな、胸や足を覆うタイプの部分鎧だ。

「3時間もゴブリン狩れば、今日中にはレベル10いくですかね?」

「余裕だろ。とりあえず10目標で上がりにしようぜ。土日の前に若葉は卒業しとこう」

白木の操るエロフも青崎のコボルトも同じく『木の鎧』を装備している。

特にエロフさんはビキニタイプだった『革の鎧』に比べて露出そのものは減っているのだが、今度の鎧は股間のV字カットが目にまぶしい。

@ω@ やるな、運営w(注:もちろん褒め言葉)

「(・・・何か妙な気配を感じるです)バネポン、ちゃんとクエスト受けてます?」

「・・・・・・・お?・・おう!あのキモデブNPCから受けられるやつだろ!」

設定上、イタボンの町は農業がさかんらしい。ところが奴隷としてこき使っていたゴブリン達が「飯喰わせろ!」「俺たちにも自由を!」「革☆命☆万☆歳!」と反乱を起こしたせいで、大事な麦の収穫ができなくなっているという。

そこで、イタボンの町長(NPC)からゴブリンを100匹ほどボコッてくるというクエストを受けたのだ。報酬は経験値30%に、初心者のHPポーション10個。狩りをしながら適当にクリアできる楽なクエストだ。

ちなみにクエスト名は『赤化したゴブリン共を再教育せよ!』。・・・どうでもいいが、このゲーム作った奴は絶対にセンスがおかしい。

「そういえば、クロスケは今日はインしないですか?」

「ああ、なんか用事があってインが遅れるんだとさ」

優しい俺様はあんなやつにもメールをいれてやったのだが、なにやらリアルに取り込み中らしい(ヲタのくせにリアルで忙しいとは生意気な)。よほど他人からメールをもらったのがうれしかったのか、無駄に長くて丁寧な返信が返ってきた。

「まあ、あれはいてもいなくても変わらないですよ。人数あわせに野良募集しましょ」

何気に酷いことを言う腹黒エロフ。だが俺も全面的に同意である。

そして、野良とはなんぞや?

「僕は町で叫んできますから、アオッチ、全チャとリダおねです」

「あいよ。2人でいいか?それとも3人呼んでフルに埋めるか?」

「あれが来てから騒がれるのもウザイですし、一応一つ空けときましょう」

カースオンラインでは、6人までパーティを組むことができる。

パーティを組むと、経験値の獲得を共有したり、ドロップアイテムの取得を平等に振り分けることができるそうだ。人数を集めて集団で戦ったほうが、モブの殲滅効率も高いという。また、パーティチャット専用画面に書き込みを行うことができたり、ヴォイスチャットの音声をパーティの人間だけに聞かせることもできるらしい。

ちなみに俺様はぢめてのパーティである。ちょっぴり楽しみなお年頃♪

「じゃあ、行ってきます~」

エロフがお尻をフリフリしつつ町の中に消えると同時に、青崎が全体チャットに書き込みを行った。


[全体]青汁:イタボン西門前でゴブリンPT募集中@2。職は問いません。現地よろ


なるほど、パーティを組むのに足りない人数を、こうやって募集するわけか。

反応はすぐにあった。

『(0゚・∀・) ドキドキ  すみません、PTお願いできますか?』

『PTよろです!』

一人は、浅黒い肌と長い耳が特徴的な女性キャラ。魔法攻撃に特化した種族、ダークエルフだ。

赤いローブを着込んでいて、手には身長よりも長い杖(ロッド)を握っている。キャラネームは『ローズヒップ』。

これがまた、白木の白エルフとは対照的なスレンダーボディの美人さんなのである。キュッとくびれた細い腰に、ボリューム感は薄いもののお碗型に整った美乳。やや釣り目な赤い瞳といい、綺麗なさらさらの銀髪といい、優美なカーブを描く細い眉毛も俺の好みにドストライクだ。ポニテにした銀髪の付け根から覗く、細いうなじがたまらねえ。まるで、我が青春のアルカディアたるピロテース(知らねえ奴は吊って来い)である。

もう一人、『やわらかタンク』という微妙な名前の女性キャラは、他種族の半分くらいの背丈しかない小人種族のハーフリング。

通常より身体比率が小さく設定されているため、小学生低学年としか思えない程度の背丈なのだが、妙にスタイルがいい。その手の趣味の人間なら、思わずグビッと来てしまうだろう。まあ、ぶっちゃけただのロリだ。ちなみに得物は刺付の木の棍棒(見た目は完璧に釘バット)である。

二人ともヴォイスチャットは苦手なのか、会話は通常チャットを使っているようだ。

募集した人数が瞬く間に埋まってしまったので、すぐさま狩りを開始することになった。

『(´∀`)ノ ヨロシクッ☆』

『よろです』

「あい、お願いします」

青崎がパーティに誘うと、早速、全員が手近なゴブリンを目指して駆け出した。

「往生せえや!!」

俺は掛け声とともに愛用の『初心者の短杖(ワンド)』を振りかぶり、勢いよくゴブリンの脳天に炸裂させる。傷口から脳みそがはみ出るエフェクトとともに、ゴブリンの頭上のHPバーが1/4ほど削られた。

調子にのって二度三度と殴り続けると、ゴブリンはばったりと倒れ、地面に血反吐を撒き散らしながら消えていく。う~ん、相変わらずキモい。

だが、そこで俺の武器にも変化が起きた。

こんなアイコンが表示されたのだ。


△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

【注意!】
 装備している武器の耐久力がゼロになりました。
 武器攻撃力にマイナス補正が加算されます。
 耐久力がマイナス50%に達すると、該当武器は自動的に消滅します。
 『修繕』を行ってください。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


「・・? 白木~、武器の耐久力が下がったって表示が出たけど、なんだこれ?」

「・・・武器は耐久力が決まってて、攻撃するたびに減っていくです。限界を超えて使うと武器攻撃力がさがって弱くなるですよ。生産職に頼んで『修繕』してもらうと耐久力が回復するです。手入れ頼むのが面倒臭ければ、使い捨てにして新しいドロップ品を装備するですよ」

あと本名呼ぶな馬鹿バネ!という白木の突っ込みを無視し、俺はどことなく色あせたように見える『初心者の短杖(ワンド)』を眺めた。

思えば、ゲームを始めてからずっと使い続けてきた武器だ。

ひたすら犬と蠍と蜘蛛を殺し続け、経験値稼ぎをしたのもいい思い出である。きっとこの杖にはやつらの緑の血がしみこんでいるに違いない。そう考えるとなかなか思い出深くもあり、愛着すら沸いてくるようだ。

だからもちろん、

「エ~ンガチョ」  ポイ  ( ゚д゚)、ペッ  

俺は名残惜しくも名刀・蜘蛛切り丸に別れを告げ、新たに拾った『樫の木の杖』を装備すると、長いリーチを生かした強烈な一撃をゴブリンの脳天に叩き込むのだった。

ちなみに、青崎のコボルトも昨日の諸刃の短剣とは違う得物を使っている。

今使っているのは凶悪なエッジが禍々しい片刃の短剣だ。ギザギザの刃には肉をえぐる為の"返し"もついていて、見るからに痛そうだ。

この武器を両手に構え、『クタバレ、楠ィ!!』と叫びながらゴブリンを切り刻んでいるので、ぶっちゃけただの危ない人である。ダークエルフさんも、ハーフリングさんも明らかに引いている。

『うわあ・・・』

『・・・・・・。』

「か、彼は少しストレスがたまっているだけなんです。生暖かい目で見守ってあげてください」

ちゃんとフォローしてやる俺様。なんて優しいのだろう。

しばしの間、肉をえぐる音だけが辺りに響き渡った。

う~ん、さすがにこれだけ人数がいると火力も半端ない。あっという間にゴブリンたちを食い尽くしてしまった。オカワリもう一杯。

そして、次の獲物に襲い掛かろうとしたところで、

「釣ってきたですよ~♪」

いつのまにか姿を消していた白木のエルフが、麦畑の向こうから走ってきた。

その後ろには、よだれを垂れ流しつつエロフめがけて殺到するゴブリンの群れ。

よほど遠くから走ってきたのか、モブ共はハアハアと鼻息も荒く、エロフが捕まったら間違いなく18禁的な展開になりそうなひどい状況である。

「ナイス!」

ゴブリンに負けず劣らず息の荒い青崎のコボルトを筆頭に、それ食え!とばかりに全員がゴブリンに襲い掛かった。

俺達が新たなモブを処理する間にもエルフはフィールドを駆け回り、シュピシュピと矢を射っている。おお、今日はちゃんと弓と矢を(笑)使っているじゃないかw

ゴブリンたちは大抵2、3匹のグループを作って麦畑に散在しており、攻撃するには自分から近くに行かなければならない。

だが、エルフは射程の長い弓矢で離れたモブを攻撃してタゲを取り、リンクしている敵をまとめて引き寄せてくるのだ。

まるで美人局である。誘って、釣って、ゴチソウ様とはこのエロフ侮れない。

『(`・ω・´)カックイイ やっぱり弓さんいると移動狩りしなくていいから楽ですね』

にこやかに微笑むダークエルフたん萌え。

なんだか、みなぎってきたぜーーーー!

当のローズヒップ女史は、バネポンと同じ『樫の杖』を振り上げると目を瞑り、呪文を唱えるようなモーションをすると、

『とんでけ~~!!』

呪文の最後の一節が高らかに響き、杖の先端からバレーボール大の炎の塊が、ゴブリンの密集したあたりに向かって飛んでいく。

勢い良く放たれた炎の塊は、狙いたがわず一匹のゴブリンに命中すると、その周囲に群がっていたスケアクロウ二体を巻き込み、大爆発を起こした。

後で聞いてみたところによると、ダークエルフの一次職『魔法使い(メイジ)』のスキルで、『フレイムシュート』というらしい

モブ共は炎に巻かれ、アッチャアッチャと慌てふためくリアクションをすると、そのまま灰になって崩れ落ちた。

同時に響き渡る効果音。

チャーチャチャチャチャチョリ~~ン!! ×5

なんと、全員のレベルがアップしたのだ。

「おめ~」

「おめでと~」

「めめんw」

『 (*≧∀≦)ノシ オメデトォ♪』

「ありがとうございます!」

「ありん」

『サンキュゥ♪(o ̄∇ ̄)/』

等等、繰り返される「おめ」と「あり」。

なんていうか、すっげえおもしろい。これがネットゲームって奴の醍醐味なんだな!

気をよくした俺達は、夢中になって狩を続けたのだった。





そう、この時はまだ、後にあんな悲劇が起こるなどとは、夢にも思わなかったのである。


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