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No.18624の一覧
[0] 【ゼロ魔】モンモン双子妹と傭兵の使い魔(オリ主・ネタ?)[ペスポチ](2013/11/03 20:56)
[1] 第1話 召喚主はどこまで[ペスポチ](2017/04/23 20:15)
[2] 第2話 秘密なのはどこまで[ペスポチ](2017/04/24 20:14)
[3] 第3話 過去と爆発[ペスポチ](2017/04/25 20:03)
[4] 第4話 ド・モンモランシ家の事情[ペスポチ](2013/10/26 08:07)
[5] 第5話 初めての虚無の曜日[ペスポチ](2013/10/26 08:08)
[6] 第6話 衛兵のローテーション[ペスポチ](2013/10/26 20:20)
[7] 第7話 会わない方がいい人達にあって[ペスポチ](2013/10/26 20:22)
[8] 第8話 知らせていなかったはずなのに[ペスポチ](2013/10/26 20:30)
[9] 第9話 俺の首って[ペスポチ](2013/10/28 20:15)
[10] 第10話 二日酔いとキュルケの剣をどうしよう[ペスポチ](2013/10/26 20:53)
[11] 第11話 鳴かぬなら鳴かせてみせよう[ペスポチ](2013/10/27 12:56)
[12] 第12話 覚醒とラ・ロシェール[ペスポチ](2013/10/27 15:52)
[13] 第13話 ニューカッスル[ペスポチ](2013/10/27 15:57)
[14] 第14話 レコン・キスタ[ペスポチ](2013/10/28 20:16)
[15] 第15話 タルブ草原まで[ペスポチ](2013/10/28 20:16)
[16] 第16話 やっぱりラグドリアン湖に向かうのか[ペスポチ](2013/10/27 18:41)
[17] 第17話 ラグドリアン湖での攻防?[ペスポチ](2013/10/28 20:17)
[18] 第18話 アンリエッタとウェールズの裏で[ペスポチ](2013/10/28 20:18)
[19] 第19話 誘拐の日の夜[ペスポチ](2013/10/27 19:08)
[20] 第20話 謁見[ペスポチ](2013/11/03 20:57)
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[18624] 第7話 会わない方がいい人達にあって
Name: ペスポチ◆b06feb3c ID:35e5004f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/10/26 20:22
授業時間は、風系統と他の系統のあわさったスペルの本を写して、授業後は衛兵の詰所に夕食までいて、夕食後はステファニーの部屋へ向かう。わずかながらも給金が入ったので平民用の安ワインを持参しながらスペルの本を写すか、ステファニーの気が向けば前世の話をしてたりする。魔法の方は、召喚される前に比べて、最大魔法量、最大出力が大幅に増えている、最大出力が出しやすいのは渦系列の風魔法というところまで判明している。一番うれしいのは、1日寝ればほぼ精神力が回復できるというのが一番うれしいところかな。

サイトとは話す機会はもてていないが、ルイズの顔にいたずら書きをするような子どもっぽい性格の少年だ。見た目は、そのあたりの生徒とそうかわらないんだけどな。最近は授業にくるのは午後のようだが、床からルイズの横にすわらされていると思ったら、居眠りをしている。多分、同じ世界の人間がきていると思うのだが、前世の授業に比べてそんなに暇な授業だろうか? 数学と理科系に関しては、高校生ぐらいに見えるからそれに関しては暇だろうが、それ以外はけっこう珍しい話だと思うのだけどな。

そして、そんなサイトが寝ぼけたのかルイズが、自分の寝床に忍び込んでくるとか言い出している。まあ、一般的な高校生の夢なんてそうだろうが、授業中に居眠りしながら言うなんていつの時代のギャグなんだろうな思っていたら、肝心のルイズが怒りを爆発させそうな勢いで眠っているサイトを揺さぶっている。そこへ、ぽっちゃりしたマリコルヌという貴族がからかいの声で言う。

「おいおいルイズ! お前、そんなことしているのか! 使い魔相手に! 驚いた!」

「待ってよ! このバカの夢の話よ! ああもう! おきなさいってば!」

『ルイズ、ルイズ、そんなところネコみたいになめるなよ……』

まあ、こんな暇な生活だ。教室中に爆笑でこだまするのも仕方がなかろう。ルイズが、腕組しながらサイトを見下ろしている。

「サイト。笑っている無礼な人達にして。わたしは、夜中自分のベッドから一歩も出ないって」

その中で、サイトがしたり顔で話を続けていくが、ルイズの怒りを助長していくだけだ。

「お前の寝床はここじゃない、と言ってやります」

そうすると、ルイズは蹴りだすが、首をはねられないだけマシだろう。俺はさも知らぬ風に、教室の爆笑とは別に、風を主体とした他の系統がまざったスペルが載った本から、写し続けようと思ったが、ステファニーに聞いてみる。

「あのサイトって、俺たちがいた前世の世界からきているのかな?」

「……多分、そうね。ただ、ちょっと、私が生きていたころの一般的な服装と違うから、私たちのように数年ぐらいは、ずれているかも知れないけれど」

俺が記憶を残しているのは、ステファニーが死んだという時期より約7年前。それなのに、俺の方が2年ばかりしか先に生まれていない。このサイトは、やはり違う時期からきているのかも知れないな。もう少し他に同じような記憶を持つ者を探そうにも、新聞には求人欄も特に無いし、記事かわりにもならないだろう。

ステファニーの部屋によったあとに、トライアングル・スペルでも、途中で魔法の効果を止められるように魔法の練習をしている。その練習の帰り際に女子寮の外から、破壊音がしたので見上げてみると、誰かが落下中。まずったな。今は夜練る前におこなっている魔法の練習後だから、精神力はほぼからっぽだ。この距離だと『レビテーション』すらかけてやれない。上の方を見ると、3階の窓枠がかろうじて残っている。もしかしたら賊が女子寮にでもおしいったのかとも思ったが、落下した人物の服装は、ここの学院の制服だ。単なる痴話げんかか何かか? そう思っていると、その窓の外に、別な生徒がたっていた。中からは女性の声で「スティックス!」と聞こえてくる。この女性の声はたしかキュルケか。そう思っていると男は炎で打ち落とされて悲鳴をあげている。さらに三人がいっぺんに窓だった場所に一斉に入ろうとしているところに、先ほどとは質の違う炎で三人とも落とされている。ふむ。確かに、平民である俺がキュルケに目をつけられたらあぶなさそうだ。その前に、キュルケ自身もかなり危険な性格だな。ステファニーの「キュルケにはなるべく関わらない方が良い」との忠告は素直にきいておくべきだろう。そうして俺は明日にそなえて寝ておく。



明けて、虚無の曜日。
午前中は、ステファニーと一緒に魔法学院の近くの森で、薬草を探すとのことだ。ここらあたりは村も近いし安全な地域なので、彼女ひとりでも安心して薬草を探せるところだそうだ。俺がついていけばもう少し広いところを探せると喜んでいる。俺は香水に使える薬草を教えられたので、それを中心に探していく作業だが『ディテクト・マジック』で探すのが確実だ。そのついでに、傷薬に使える薬草も見つけたので、両方をイメージしながら『ディテクト・マジック』で探していく。あまり夢中になるとまわりが見えなくなって、獣などに襲われるかもしれないから、まわりを注意しながら採っていく。昼も近くなったので、香水に関する薬草に関しては、魔法が失敗するのにもかかわらず、彼女の方が手馴れているのか採った量は多い。かわりに俺は、香水用とは別に傷薬用に使える薬草を1種類しか見つけられなかったが、採ってあるので、こっちはそのうち何かに使えるだろうから部屋で乾燥させておこう。

薬草を採るのは午前中だけなので、魔法学院への帰りがてらに思ったアイデアを伝えてみた。

「香水の瓶だけど、そこに前世の人を探している趣旨のメッセージをいれてみてはどうだろうか?」

「そうね。それは考えていなかったわ。量が少ないからあまり期待できないけれど、何もしないよりは良いかもね」

「内容だけど『日本人探しています』はどうかな?」

「私の作っている香水の瓶だと少し長いと思う。それにそのセンスはねぇ」

「センスは……まかせた」

「適当に私のほうで香水の瓶のデザインにマッチしたものを考えておくわよ」

折角、魔法学院の外にでてみたので、トライアングル・スペルを試してみる。今覚えているうちの『エア・ストーム』と『ライトニング・クラウド』を使ってみると『エア・ストーム』の方が強力なようだった。もう一つぐらい試してみようかと思うが、夜勤もあることだし、控えておくことにする。隣ではステファニーが

「やっぱり、続けて魔法を放てるのって良いわよね」

と呟いていた。魔法が失敗する原因はいまだ判明していない彼女のことを、どうすることもできない。

魔法学院では食堂が違うので別れるが、俺は夜警があるので、精神力を貯めるためにも食後は昼寝をする。夕刻におきだしたが、まだ少し時間が早いので、軽く剣の練習をしてから、早めの夕食をとった。少し早めだが、衛兵の制服をきて、詰所にやってくる。一応、夜勤も給金は変わらないので人気は無い。それに、あまりに暇なので、結構皆だらけている。見ていると、雑談をしていたかと思うと、チェスを指しはじめているし、あるいはワインを飲んで酔い始めているのもいる。ある程度、時間がたってくると、メイドから差し入れが入ってきた。貴族の料理であまった物から作ったまかない食のスープだが、鶏肉の量も多いし、豆だけではなくて他の野菜等も入っていて美味しい。
これは、夜勤だからといって、夕食時に夜勤の衛兵が少ないのもわかる。ただ、難点はこのスープの量が全員に腹いっぱいになるほどの量はあたるわけでは無いので、やはり新顔である俺にはスープは少なめだ。その他にワインやワインにあわせるのかチーズも持ってきている。ワインはさすがに平民用のワインだが、厨房の方だともう少し良いものが食べられるそうだ。

うーん。料理人になる腕は無いしな。

夜の定期巡回はあるのだが、誰も動こうとはしない。俺も制服ができたので仕事だからと思って声をかけると

「どうせ、なにもでてこないから、行きたければ一人で巡回して来い」

と言われた。
昨晩みたいなキュルケの部屋の事件があっても、昼に帰ってきた時にそのままだったのは、こんなところか。魔法がからんだら、普通の平民である衛兵では対処のしようも無いしな。そうして何回目の巡回だろうか。巡回していると、最近では聞きなれた爆発音がしてくる。連続して爆発しているわけではないから危険は無いのだろうが、念の為に爆発音のした方に行って見た。

ステファニーに近づかない方が良いと言われていたルイズはともかく、キュルケがいて、なぜかサイトがロープでぐるぐる巻きにされている。その上に風竜が上空を飛んでいるが、あの青い髪はタバサだろう。仕事だと思って来たが、なぜこんなにステファニーに近づかない方が良いというメンバーが固まっているんだ? トラブルメーカーか? いや、それならサイトが入るのがおかしいよな。

ルイズが肩を落としている様子から、さすがにトラブルことはないだろうと思ったが、念の為に事情を聞きに近づいていったら、巨大な土ゴーレムが現れた。キュルケの背後に現れた土ゴーレムを見て「きゃぁあああああああ!」と悲鳴を上げてキュルケが逃げ出していく。その巨大なゴーレムがなぜか、残っているルイズや動けなさそうなサイトの方に向かっているので、短い呪文ですむ『マジック・ミサイル』をその土ゴーレムの膝へ向かって放った。単発じゃ、膝は壊しきれなかったが、その間に風竜へのったタバサが、ルイズとサイトを『レビテーション』か『念力』で救いあげている。

土ゴーレムの方だが、少しの間があいてから、膝の再生をすると何事もなかったかのように本塔に向かっていた。巨大な土ゴーレムとは厄介だな。土と風では、風は速度が速いわりに攻撃力は弱いことが多いので、土系統のゴーレムとは相性が悪い。同じランクなら土系統のゴーレムにまともな方法では勝てない。これは、触らぬ神にたたり無しといきたいところなんだがな。

その土ゴーレムの上にこのゴーレムを操っている黒ロープ姿に仮面をしているメイジらしいのを見つけたが、手をだすか? 手をだすためには先ほどよりさらに近づかないといけない。二重に魔法が使えるメイジならば、下手をすると土の砲弾である『ブレッド』を放たれる可能性がある。風系統にとってはやっかいな系統の相手だ。仕方がなく観察していると、本塔にめがけて拳を打ち下ろしたところで、拳を鉄に変えている。多分、最低でもトライアングル上位の出力をもつメイジだな。

本塔に開いた穴にメイジが入っていったが、入る時に牽制するかのようにこちらを見ていったようなので、うかつに近づけないな。近づいていきなり、別な魔法を使われる可能性はある。ゴーレムの動きからすると戦場で動かした経験はあるようには思えないが、逆に普通の素人とも思えない。少したって、土ゴーレムの肩の上にメイジはもどったが、こちらも一定の距離はたもっておく。

土ゴーレムは魔法学院の城壁を一跨ぎして、去っていく音がするので、安全だろうと判断して、城壁まで『フライ』で空中移動した。草原の方に歩いていった土ゴーレムは、肩に載っていたはずのメイジは、ゴーレムが土の山のように崩れていった中に消えていく。俺は念のために、まわりを確認するが、先ほどのメイジは魔法学院に残っているわけでは無いようだ。これだと、あのゴーレムが崩れた土の中をもぐっていったのか、途中でフライを使って逃げて、変わり身にしたのかわからないな。土の山となっていたところから風竜がもどってくると衛兵である俺を見つけたのか声をかけてくる。

「宝物庫を襲った泥棒がいるようだわ。調べておいて。私たちは、ヴァリエールと、タバサとサイト、それにさきほど逃げていったけれど、ツェルプストーが居たわ」

『逃げていった』というところに力が入っていたようだが、逃げるのも正解だろう。

「わかりました。こちらの方で処理をいたしますので、責任者から音沙汰があるまで、お部屋にいらしていただければと」

そのままルイズ達はもどっていったが、俺のことは帽子をかぶっているから、単なる衛兵と思っているのか、同じクラスにいる使い魔だとは気がついていないらしい。遅れて他の衛兵たちがきたので簡単に事情を説明すると「宝物庫の中に入って何が盗まれたか確認してくれないか?」と言われる。

「宝物庫って、入れないのか?」

「いや、魔法が扉にかかっているので、あの穴から入るしか無い」

「それじゃ、教師は?」

首を横に振りながら答えられる。

「本来なら当直がいるはずなんだが、おれがここで衛兵を始める前から居たことなんてない」

「おこせないのか?」

「当直以外はおこせないことになっているが、その当直の教師だってわからない有様さ」

「そうか」

「このような派手な盗み方をするなら、最近街で噂になっている『土くれのフーケ』かもしれないから、宝物庫の中をみてくれないか?」

「中に入っても、どれが盗まれたかなんて分からないんだが?」

「もし『土くれのフーケ』なら壁に盗んだものとサインを残しているらしい。それを見てきてくれないか?」

「ああ。それくらいなら」

俺は『フライ』で宝物庫に入ったが、場所は荒らすわけにはいかないので浮いたままである。宝物庫の中全体までは、月明かりのみでは分からないのでもう一つの杖である剣で『ライト』の呪文を唱えてみると壁に、

『破壊の杖、確かに領収いたしました。土くれのフーケ』

と書かれている。俺は、戻って他の衛兵につげると、今日の夜警の責任者である衛兵に言われた。

「わかった。今日のことは詰所にもどって報告書でも書いてから、寝ていろ」

「俺が寝ててもいいのか?」

「バッカスはメイジなんだろ。メイジが精神力を貯めるのは寝ることだと聞いているのだが」

「まあ、その通りだけど」

「多分、明日こきつかわれるから、寝ておけ」

衛兵にここの教師たちって信頼されていないんだなと感じて、そのまま報告書を書いて、詰所で眠りについた。


*****
『ブレッド』の魔法は『烈風の騎士姫』で使用されている魔法です。

2010.05.11:初出


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