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No.18126の一覧
[0] 【ネタ】後・恋姫無双【完結】[じる](2010/04/25 08:35)
[1] 後・恋姫無双2[じる](2010/04/16 22:32)
[2] 後・恋姫無双3[じる](2010/04/18 08:11)
[3] 後・恋姫無双4 [じる](2010/04/26 18:29)
[4] 後・恋姫無双5[じる](2010/04/19 08:40)
[5] 後・恋姫無双6[じる](2010/04/19 19:05)
[6] 後・恋姫無双7[じる](2010/04/20 07:37)
[7] 後・恋姫無双8[じる](2010/04/20 20:33)
[8] 後・恋姫無双9[じる](2010/04/21 07:54)
[9] 後・恋姫無双10[じる](2010/04/21 19:40)
[10] 後・恋姫無双11[じる](2010/04/22 07:44)
[11] 後・恋姫無双12[じる](2010/04/23 08:05)
[12] 後・恋姫無双13[じる](2010/04/24 11:07)
[13] 後・恋姫無双14[じる](2010/04/26 18:29)
[14] 後・恋姫無双15[じる](2010/04/25 08:21)
[15] 後・恋姫無双16【完結】[じる](2010/04/25 08:34)
[16] 後・恋姫無双 外伝 劉先主遺詔託孤児[じる](2010/04/26 18:30)
[17] 後・恋姫無双外伝2 星落秋風五丈原[じる](2010/04/27 19:35)
[18] 後・恋姫無双外伝3 三都腐[じる](2010/04/28 20:05)
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[18126] 後・恋姫無双14
Name: じる◆dd9afefd ID:f193b4ae 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/26 18:29
成都にある朱里のおうち。

清貧で知られる彼女の家には数える程度の調度しか無い。

そんな寂しい部屋の寝台に馬謖は「んぎぎぎぎ」と苦悶の表情で寝ていた。

そう。一刀の強い要望で今回、馬謖は一人でおるすばん、なのである。

一人では夜寝られない馬謖だからといって、何夜も徹夜できるわけでない。
とうとう疲れて眠った様だ。

…と。

突然、馬謖の目がぱちりと開く。
あれ?目が醒めたの?

なんと馬謖のおめめにみるみるうちに涙が溜って行く。

「ぅぇぇぇえええええええん」

馬謖の下のシーツには見事な地図が。

やはり一人でトイレには行けなかったらしい。夜トイレに行かないで済む様に前夜から水を断ったのだが…無駄だった様だ。

(うう、これみられたら、じょーしょーにおこられる)

自力でなんとかする馬謖。

ピロリーン♪馬謖ちゃんにシーツ洗いのスキルがついた!

でも、シーツの下の蒲団にまで地図が描かれている、というのには気付かなかった。残念!

***

成都を留守にした朱里はどこへ行ったのか?

彼女は今、武昌にいる。ここで穏と、戦線全体の指揮を取っていた。

「曹休の部隊が寿春に後退を開始」
「満寵の部隊は汝南に進路を変えた模様」
「合肥は既に空き城。なんらかの罠がある可能性は否めず」
「長安からの攻勢は二日目以降なし」
「宛の偵察部隊より定時報告無し。潰された模様」

参謀本部。

一刀の発案で構築されたそのシステムは、各前線からの情報を集約し、効率的な戦力運用を行なう。

もっとも一刀は蜀呉共同作戦をどのように行なうか、の会議において、

「ミニスカのお姉さんがT字の棒持って積木を移動させる様な司令基地があればいいんじゃないの?」

という、周囲にチンプンカンプンな(下心含みの)説明をしただけなのだが。

「周泰には一旦南郡に戻るよう指令を」
「寿春に偵察隊を張り付けて。出撃してきた場合は後方を扼される可能性があるわ」

この時代の戦争は、軍を率いる将軍に兵権の象徴である斧鉞を与えた後は、将軍自身が情報を収集し判断する形式で行なわれていた。

高度な軍事的判断を将軍一人で行なうこのシステムは、「名将」と言われる有能な作戦指揮官を必要とした。

しかし、これが可能な人材は、蜀ではせいぜい魏延くらいしか存在しなかったのだ。


複数部隊を作戦方針に合わせ動かし、早馬や早船や伝書鳩や狼火で指令や報告を伝えるこのシステムにより、蜀呉の連合軍は優勢な戦略機動能力を獲得していた。

ちなみにこの基地では、ミニスカ美女のオペレータ達が現況報告にあわせT字型の棒(通称参棒)で地図上の積木の戦力マーカを移動する風景、というのは実現されたのだがそれを北の地の一刀が見る機会は訪れなかった、というのは明記しておこう。

「基本、敵の拘束を優先。決戦は避ける方針で」
「孫権様に〜、寿春の敵が移動したらぁ、すぐ逃げる様に伝えてね〜」

おそるべき事に、この参謀本部からの命令は、呉の皇帝親征軍すらその指揮下に置いていた。

***

参謀本部システムを持たない(あたりまえだ)魏軍では、前線の親征軍から、他の前線へ指令を送るのに、一旦洛陽を通す必要があった。さらに、他の前線の将軍がその指示をきちんと受け取れる保証も、実行する保証も無かった。

しかしながら、魏には魏で将軍の質での優越があった。

曹丕からの命令が来る前にも関わらず満寵は汝南に防衛線を展開。曹休は孫権軍を後方から突くべく機動した。
しかし、孫権軍はさらりとそれを回避し、合肥まで退却。


「もーなんで後手に後手に廻るのよー!」
「落ち着きなさい、朕の軍師に見苦しいマネはゆるさないわよ」
「…敵の連係が良すぎる。おかしい」
「最悪の前提で朕にとっての最善を考えなさい」
「あー、案がまとまらない!あのじじぃでいいからここに居れば!」

そうつぶやいた瞬間!
突然、天幕に飛び込んで来る赤い巨体!

 『可憐な花に誘われて』

筋骨隆々としたボディ。

 『美々しき蝶が』

ぴっちり着こなした女物の着物。

 『今、舞い降りる!!』

そして華麗な蝶のマスク。


「く…曲者!出あえ!来なさい!許緒!」

当然の反応であった。
あっさり季衣に取り押えられる華蝶仮面。

「朕に刺客とは…賊軍も焼きがまわったわね…こやつの首を切れ!」
「ちょ!ちょっと待った方がいいですぞ」
「お待ちください。陛下」

詠が止める。

「陛下はお若いのでご存じないかもしれないけど…コイツ、むかし世間を騒がせた正義の味方、華蝶仮面だと思うわ」
「ナン…だと?」

(ヨシ。誰もわが正体に気付いておらぬ。昔懐かしい華蝶仮面の姿を借りる事で司馬仲達でないワシとして陛下に自然に助言できるぞ)

「正義の味方…だと?」

謎の正義の味方の出現に眉を顰める曹丕。

「よし首を切れ!」
「アンタ悪の側かよ!」
「ちょ!ちょっと待った方がいいですぞ」

妹をいびり、敵から寝返えってくれた人を裏切り者呼ばわりでいびり、遊ぶ金を貸してくれなかったケチな親戚をいびり…。曹丕、ちゃんと自分が悪側の人間、という自覚はあった。

(業者に『アソアソに載ってる服は今後一切于禁に売っちゃ駄目』って手配したら于禁が口から血を吐いて死んだのにはびっくりしたけどね)

「…その華蝶仮面が何の用かしら」
「お困りと見て参上つかまつりました」
「ほほう?」
「軍議が 紛糾している御様子。ひとつお知恵をお貸ししたい」
「いらんわ!とっとと首を切れ!」
「あああああ即拒否?ちょ!ちょっと待ってくだされ」

しかたなく蝶のマスクを外す司馬懿。

「仲達!」
「あなただったの?!」

この事から、後に“魏志 司馬懿伝”の注釈に「後漢末を騒がせた華蝶仮面の正体は司馬懿だった」と書かれる事になる。

「なんでココにいるのよ、アンタ」
「長安は大丈夫そうなので、部下に任せて参りました。責任放棄は死に値するのは承知の上、何卒御慈悲を」
「朕が心配で単騎追っかけて来たわけね。いいわ。今回は許しましょう」

司馬懿も含めて再度軍議の開始である。

「腑に落ちませぬ」
「何がよ?」
「敵の目的が読めぬのです」

右手を掲げると指を1本折る。

「まず、第一に長安に現れた敵は、長安を落せる戦力では無かった」

曹丕はその指に注目したが、うっかり司馬懿の全身を目に写してしまったので慌てて視線を泳がせた。

2本。

「第二に。襄陽は囲みはしたが、すぐに放棄した」

3本。

「第三。空き城の合肥を素通りした…」

4本。

「第四。手近な寿春も狙わず汝南に向かった」

5本。

「第五。汝南を攻めるのかと思えば今度は合肥へ戻った…」

右手をひらりと返す。

「やつらの領土欲はどうなっておるのでしょうな?」
「国境沿いの都市に対して、まるでやる気が感じられないわね。…江夏を除けば」

詠も考え込む。

「考えられるやつらの目標は、まず江夏」
「考えにくいわ。いかに邪魔でも一都市落す為にしては作戦が大規模すぎるわ。私なら全土の戦力を江夏に集中して一気に落すわ」
「でなければ、洛陽」
「今の賊軍に洛陽を落せる可能性は無いわ」

この時代、城攻めでは籠城する側が極めて有利であった。

現地調達で補給を得ている以上、守城側の兵糧が無くなる前に、攻城側が現地調達すべきものが周囲の町村から枯渇してしまうのだ。

だから力攻めで落せるだけの兵力を集め、一気に落すのが常套手段である。
そして洛陽は蜀呉の遠征兵力で落せるほど小さくはない。

「でなければ…」
「でなければ?」
「陛下です」

司馬懿は不敬にも主君を指さす。

「!」
「陛下がご親征なされている以上、その野戦軍の撃滅は、ある意味究極の勝利条件です故」
「おもしろいわ」
「ただ、陛下がご親征なさるかどうか、あまりに不確定。これが第一目標とはどうしても考えられませぬ」
「では?」
「なので読めませぬ、と申しました。まるで雌雄を決さずにだらだらと戦争を引き延ばそうとしている、ように思えます」
「ではどうすればいいの?」
「敵がもっとも逃げなさそうな所を叩くべきでしょうな」
「…江夏」
「はい。他の都市と違い、江夏だけは厳重に包囲している様ですからな。もし敵が江夏から簡単に撤退したとしても、少なくとも損はしませぬ」

「決まりね」

華琳の娘に戦意の不足はない。

「朕が餌になるわ。もし狙いが朕ならば…逆に食い破って見せる!」

15万を号する戦争機械が南下を開始した。

#なんか仮想戦記みたいになってきたな…


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